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強制わいせつ罪の判決は懲役何年?執行猶予はつく?余罪で量刑が重くなる?

強制わいせつの判決

2023年7月13日、強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」に改正されました。

強制わいせつ罪は、「懲役6月~懲役10年」の範囲で判決が言い渡されます。言い渡される刑が懲役3年以下でなければ執行猶予は付きません。どのような弁護活動を展開すれば、執行猶予の可能性が高められるか、刑事事件の専門家の意見を参考にするとよいでしょう。

この記事では、強制わいせつ事件における被害者対応(示談)の大切さについても解説しています。示談の実践経験は、弁護士選びの重要な要素になります。

この記事を読んで、強制わいせつ罪の判決の重さ・解決のポイント、余罪が量刑に与える影響などが分かったら、お早目に刑事事件・強制わいせつ罪に強い弁護士に相談に行きましょう。

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強制わいせつ罪の判決は懲役6月~懲役10年

強制わいせつ罪は罰金刑なし・懲役刑のみ|不同意わいせつ罪に改正

強制わいせつ罪は、旧刑法176条に規定されている犯罪です。

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

旧刑法176条

強制わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみで、罰金刑はありません。強制わいせつ罪の刑罰は、「懲役6月~懲役10年」ですので、刑事裁判になり判決を言い渡されるときには、この範囲内で刑が言い渡されることになります。

注意

強制わいせつ罪は不同意わいせつ罪に改められ、2023年7月13日以後、不同意わいせつ罪として処罰されます。

本記事では強制わいせつ罪として記載していますが、時期によっては不同意わいせつ罪として捜査されることにご留意ください。

強制わいせつ罪および不同意わいせつ罪の基本事項は、以下の関連記事でくわしく解説しています。

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不同意わいせつ罪とは?強制わいせつ罪との違いは?要件 刑罰 時効など

強制わいせつ致傷罪の判決の重さは?

強制わいせつをした際に、被害者に怪我をさせた場合には、強制わいせつ致傷罪というさらに重い犯罪となります。被害者を死亡させると、強制わいせつ致死罪の適用です。

強制わいせつ致死傷罪が成立すると、「無期又は三年以上の懲役」(旧刑法181条1項)が刑罰になっているため、最も重い判決は「無期懲役」となります。

強制わいせつ罪の態様と刑罰

強制わいせつ強制わいせつ致死傷
態様暴行・脅迫を用いてわいせつわいせつ行為に伴い相手を死傷させる
刑罰6月~10年の懲役無期又は3年以上の懲役

強制わいせつ罪の判決で執行猶予が付されるときとは

強制わいせつ罪の判決に、執行猶予が付されることもあります。 執行猶予が付される可能性を高める事情には次のようなものが挙げられるでしょう。

執行猶予が付く条件

  • 初犯である
  • 被告人が真摯に反省している
  • 被害者が被告人を宥恕している(許している)
  • 再犯防止策を具体的に検討し実行している
  • 監督者が被告人の更生に協力的である

執行猶予は、懲役3年以下の判決について付すことができるものです。そのため、強制わいせつ罪の判決が3年を超えるようであれば、執行猶予の可能性はなくなります

執行猶予が付されるときは5年以内と法律で決められているため、最大で5年の執行猶予となるでしょう。

強制わいせつ罪で執行猶予がつく場合

執行猶予つく執行猶予つかない
量刑3年以下の懲役刑3年を超える懲役刑
服役必要なし必要あり

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執行猶予付き判決は前科になる?前科のデメリットを避けるには?

強制わいせつ罪で逮捕されると懲役刑は免れない?

強制わいせつ罪で逮捕されると、すぐに刑務所行きになると思う人もいるでしょう。しかし、刑事事件で逮捕されたあと、すぐに刑務所に送られるということはありません

法律に定められた手続きが順番に行われ、最終的に裁判所から判決が言い渡されるのです。そして、それが確定すれば、実刑の場合は刑務所に収監されます。

強制わいせつ罪で逮捕されると、まずは捜査機関の捜査を受けなければなりません。そして、検察官に起訴されたときにはじめて刑事裁判がスタートし、審理を経て判決が言い渡されます。

判決の日の翌日を1日目として、14日が経過すれば刑が確定するという流れです。つまり、逮捕されてすぐに裁判になるわけでも、判決が言い渡されて刑務所行きになるわけでもありません。

逮捕後、すぐに弁護士に弁護活動を依頼することで、起訴を回避したり執行猶予付きの判決獲得に近づけることができます。

逮捕後の基本的な流れについて知りたい方は、関連記事を併せてお読みください。

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逮捕されたら|逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説

強制わいせつの再犯なら執行猶予は難しい?

強制わいせつの再犯については、初犯よりも重い刑罰になる可能性は高いです。もっとも、事案によっては執行猶予を目指せるケースもあります。

性犯罪は被害者との示談が重要で、被害者にきちんと賠償し、許しを得られるかどうかが刑事処分の重さにかかわってきます。

しかし、性犯罪の被害者の方が加害者と直接会ってくれる可能性は低いので、弁護士を入れて、直接かかわらない・真摯に向き合いたいという意志を伝えることがポイントです。

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【コラム】罪になるわいせつ行為とは?痴漢や露出は?

わいせつ行為の法的な定義は「いたずらに性欲を興奮・刺激させ、かつ普通の人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」です。

相手に恥ずかしさや嫌悪を感じさせること、世間から見ていやらしいと感じられることは「わいせつ行為」として罪に問われる可能性があると理解しておきましょう。

強制わいせつ罪は悪質な痴漢や、無理やりキスをする行為抱き着いて胸を揉む行為など、他者へのわいせつ行為に適用されうる犯罪です。

このほか、わいせつ行為で問われる罪の一例として、「公然わいせつ罪」や「わいせつ電磁的記録頒布罪」の概要を示します。

公然わいせつ罪

多くの人の目につく場で局部を露出する行為は「公然わいせつ」にあたるとされています。全裸で自転車を乗り回す、駐車場に止めた車内で自慰行為をする、カップル同士が人前で性行為をするなどは公然わいせつに問われる行為です。

わいせつ電磁的記録頒布罪

局部の写真をDMやメッセージサービスで多くの人々に送り付ける行為やSNSで投稿する行為などは、「わいせつ電磁的記録頒布罪」という罪に問われる可能性があります。

ご自身の行為がどういった犯罪に問われるのかによって刑罰は異なるため、早急に弁護士に見解を聞いておき、対処法を考えていきましょう。

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強制わいせつ罪の判決で執行猶予を獲得する方法

強制わいせつで逮捕されたらすぐに被害者対応を行う

強制わいせつ罪で逮捕された場合、すぐに被害者対応をはじめることが必要です。被害者対応をしなければ、起訴されることが見込まれます。

また、判決で厳しい判断が下される可能性もあるので、出来る限り早く被害者と示談をして、許しを得ることが大切です。

強制わいせつの示談では、示談金が300万円になることもあります。もちろん、被害者が受け入れてくれる場合には、数十万円で話が落ち着くこともありますが、強制わいせつでは示談金が100万円を超えるケースも珍しくありません。

示談ではしっかりと被害者の心情に耳を傾け、実損害の部分と精神的苦痛に配慮した金額で示談をすることが大切です。

弁護士を通じて示談を進める

強制わいせつ罪のような性犯罪は、加害者本人が示談をすることは控えるべきです。被害者の心情を考えたとき、直接加害者に接触されることは恐怖や不快感を与えます。

すぐに弁護士に対応を依頼して、弁護士を通じて示談の話を進めるようにしてください。

弁護士に依頼するから加害者は何もしなくてよいというわけではありません。

謝罪の意思を書面にしたり、被害者の不安を少しでも取り除くために、被害者の生活圏内に足を踏み入れないようにするなど、加害者の努力も必要になります。強制わいせつ罪は金銭の支払いで簡単に解決するものではありませんので、担当弁護士と十分な打合せをして示談を進めることが大切です。

医療機関などの専門家に協力を仰ぐ

強制わいせつ事件は、「魔がさした」として単発の事件として起こることもあれば、同じ者が複数回行う場合もあります。

複数回、同じ被害者が狙われることもあれば別々の被害者が狙われることもあります。このとき、原因として病的な性的嗜好が関係していることも否定できません。被害者対応と同時に、医療機関などの専門機関を受診して、根本的な解決を目指すことが大切です。

医師や心理カウンセラーの意見書を裁判所に提出し、少しでも執行猶予判決の可能性を上げるということも、重要な弁護活動になります。原因の究明と再発防止に真摯に向き合うことは、強制わいせつ事件の解決においては極めて重要です。

強制わいせつ罪で余罪がある場合の対応と余罪の影響

余罪があってもすぐに全てを話すのかは検討すべき

警察から余罪について聞かれても、すぐに全てのことを話す必要があるとはいえません。なぜなら、警察による捜査の進捗や証拠の有無は不明だからです。

ご自身の記憶があいまいな場合や返答に迷いがある場合、黙秘することも対応策のひとつです。あるいは早急に余罪を認め、被害者に謝罪と賠償を尽くすほうが良いと判断できる事案もあります。

強制わいせつ事件における余罪の取調べ対応は、刑事事件にくわしい弁護士の見解を聞いておきましょう。

余罪があると逮捕の可能性が高まる

被害者が多い場合や、同じように強制わいせつにあたる行為をおこなっていた場合など、余罪があると逮捕もしくは再逮捕の可能性が高まるといえます。

たとえば、在宅事件として逮捕されずに捜査が進んでいたとしましょう。ところが余罪が発覚し、被疑者の身近にいる人にまで被害が及んでいたと分かれば、被害者を保護するためにも逮捕という措置が取られることは十分あるのです。

そのため、余罪があるときには慎重な対応が必要とされます。

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再逮捕とは?余罪が発覚すると再逮捕される?

余罪によって罪が重くなるケースもある

余罪に関しても追起訴された場合には、量刑に影響する可能性があります。もっとも、余罪が発覚しただけではなく、余罪について起訴されるかどうかが重要です。

余罪についても起訴(追起訴)されれば、併合審理として扱われることが多く、より重い刑罰が言い渡される可能性が高くなる可能性があります。

余罪の発覚と起訴は異なる

刑事事件における刑罰は、検察が起訴という手続きをとり、裁判が開かれ、審理を経て言い渡されます。余罪が不起訴となれば、もともとの強制わいせつに関する刑罰には原則影響しません。

例を挙げて説明します。

ある強制わいせつ事件で捜査を受けており、その際、スマホのカメラフォルダから余罪が発覚したとしましょう。

もともとの強制わいせつ事件で起訴された一方で、余罪について被害者との示談が成立し、許しを得たことで不起訴になったら、余罪については「裁判にかけられない」ということになります。そのため、もともとの強制わいせつ事件に関してのみ審理され、量刑が言い渡されるのです。

ただし「原則影響しない」と前述したとおり、余罪内容によっては「利己的な犯行である」「残忍である」などとして、起訴されたもともとの強制わいせつ事件の情状を判断する資料になることはあります。

強制わいせつ罪に関して余罪に不安がある方は、いち早く刑事事件に強い弁護士への相談を検討してください。取調べ対応の助言から被害者との示談方法まで、幅広く相談を受け付けています。弁護士のサポートが必要だと判断したら、正式な依頼も考えてみてください。

強制わいせつ罪の判決に被害感情は反映される?

強制わいせつ罪の裁判では被害者参加もありえる

強制わいせつ罪で、刑事裁判になったとき、被害者参加という手続がとられることがあります。

例えば、13歳未満の子供が被害者になった場合、その法定代理人である親は検察官に申し出て、法廷で事件に対する心情を陳述する手続が用意されているのです。被害者は、被告人に対して犯罪事実について質問したいときは、裁判所の許可を得て質問することもできます。

刑事裁判は、基本的に検察官が被告人を訴え、それを裁判所が判断するという場であり、被害者は裁判の当事者に含まれません。

しかし、被害者がこの制度を利用することで、刑事裁判に関与することができます。裁判所の許可を得て証人尋問もすることができます。被害者が積極的に刑事裁判の手続に参加することができる制度が被害者参加制度です。

被害感情、処罰感情は判決に影響する

強制わいせつ事件の判決には、被害者の被害感情や被告人に対する処罰感情が影響します。強制わいせつ事件は、犯罪の中でも被害感情や処罰感情が強い傾向にあるといえるでしょう。

詐欺事件や窃盗事件のように、被害弁償をすれば被害が回復するというものではありません。性的羞恥心が害されたとき、その精神的苦痛は簡単には癒されず、被害者は一生苦しむという場合もあります。

場合によっては、強制わいせつの被害者になったことで精神科に通わざるを得なくなったり、仕事ができなくなってしまうという深刻な被害が生じることもあります。

このような結果も含めて裁判では審理が行われるのです。被害者の感情がおさまらない以上、判決は厳しいものになると予想されます。

弁護士の弁護活動は「示談」がメインテーマになる

強制わいせつで被害感情や処罰感情が判決に影響するということは、逆に言えば、被害者が許していて処罰を望んでいないのであれば重たい刑罰を科す必要性も小さくなるということです。

つまり執行猶予付き判決を得るには、弁護士の活動として示談は必須です。捜査段階で示談がうまくいかなくても、公判段階で示談が締結できれば、それを証拠として公判で提出することが可能です。被害者と示談ができ、被害者が許しているという事情は、判決にも影響します

強制わいせつ事件の弁護活動の目的は、被告人が少しでも軽い刑罰になるよう求めていくことです。強制わいせつ事件では、示談ができているかどうかが注目されますので、必然的に弁護士の活動のメインテーマは示談交渉になります。強制わいせつ事件で弁護士を選ぶ際には、性犯罪事件の示談実績が豊富にあるかどうかを一つの基準にすることをおすすめします。

示談の有無が与える刑罰への影響

示談あり示談なし
被害者の許しもらえるもらえない
刑の軽減可能性高い可能性低い

強制わいせつ罪の弁護士相談

弁護士の口コミ・アトムを選んだお客様の声

刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のお客様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。

今生活ができるのは先生の熱心な対応や周りの人々のおかげです。
os2018002

(抜粋)事件に対して、熱心に対応して頂き本当にありがとうございました。今、こうして生活できているのも先生を含め、周りの人々の助けがあったからと心から感謝しております。

深夜でもすぐに接見に行ってくださり、不起訴になりました。
yh2017034

(抜粋)おかげ様で事件を起こしておきながら勝手な言い方だとは思いますが、不起訴処分となり、無事自宅に戻ってくる事ができました。心より感謝しております。

刑事事件はスピーディーな対応が非常に重要。
早期の段階でご相談いただければ、あらゆる対策に時間を費やすことができます。
あなたのお悩みを一度、アトム法律事務所の弁護士に相談してみませんか。

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強制わいせつ事件の弁護はアトム法律事務所まで

強制わいせつ罪は、懲役6月から懲役10年の範囲で判決が言い渡されます。もちろん、逮捕されてすぐに懲役刑が決まるわけではありません。刑事手続きの限られた時間の中で、いかにスピーディに適切な被害者対応をするかが、執行猶予獲得の鍵になります。強制わいせつ事件で弁護士を選ぶ際には、示談の経験値に注目することをおすすめします。

アトム法律事務所は刑事事件に注力する弁護士事務所としてこれまで数多くの強制わいせつ事件を取り扱い、解決してきた実績があります。弁護士相談を検討されている方は、以下の番号からアトム法律事務所の受付窓口までお電話ください。

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