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覚せい剤大阪2

大阪地方裁判所判決/平成21年(わ)第4818号

主文

 被告人を懲役8年及び罰金500万円に処する。
 未決勾留日数中150日をその懲役刑に算入する。
 その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
 被告人から金3111万9100円を追徴する。
 訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(犯罪事実)
 被告人は,A,B,C及びDと共謀のうえ,平成21年5月14日,
1 営利の目的で,みだりに,大阪府にある関西国際空港で,事情を知らない同空港関係作業員らに,木製の箱3箱に隠した覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩を含む結晶合計約2500グラムを,中華人民共和国瀋陽桃仙国際空港発中国南方航空第611便から運び出させ,上記覚せい剤を日本国に輸入した。
2 前記関西国際空港内にある大阪税関関西空港税関支署旅具検査場で,前記木製の箱3箱に輸入してはならない貨物である前記覚せい剤を隠して同支署税関職員の検査を受け,被告人が持っていた木製の箱1箱に隠した覚せい剤約687グラムについては,同検査場を通過させてこれを輸入したが,C及びDが持っていた木製の箱2箱に隠した覚せい剤合計約1812.07グラム(共犯者Cの裁判で没収され,同裁判は確定済み)については,同職員に発見されたため,これを輸入するに至らなかった。
(証拠の標目)
〔括弧内の甲乙の数字は,証拠等関係カード記載の検察官請求証拠の番号を示す。〕
被告人の公判供述
証人Cの公判供述
Aの検察官調書抄本(甲29ないし33)
Cの検察官調書抄本(甲34)
捜査報告書(甲13,27,38,39)及び同抄本(甲45ないし48)
押収してある木製の箱2個(甲25,26),手提げ袋1枚(甲40),紙製バッグ2枚(甲41,43)及びポリ袋バッグ2枚(甲42,44)
大阪地方検察庁で保管中の覚せい剤2袋(甲16,17)
 なお,弁護人らは,上記のAの検察官調書抄本5通(以下「A調書」という。)について,Aが証言を拒絶した際,裁判所がその理由を聞かず,刑事訴訟規則122条2項に基づき,過料その他の制裁を受けることがある旨を告げて証言を命じることもしないまま,刑事訴訟法321条1項2号前段の「供述することができないとき」に該当すると認め,証拠採用の決定をしたとして,職権によりA調書を証拠から排除することを求めている。
 しかしながら,上記規則の規定は,証人尋問の手続を円滑,迅速に進行させるための手続的規定であり,証人による証言や,証人に対する尋問権の確保そのものを直接の目的とする規定ではないうえ,検察官による長時間にわたる主尋問に対してだけでなく,弁護人による反対尋問や裁判所による補充尋問に対しても,一貫して「話したくありません。」などと述べて証言を拒絶し続けた,A証人のかたくなな証言態度などに照らせば,上記規則の規定に基づき,裁判所が同証人に対し証言を命じることにより,同証人の証言拒絶の態度を改めさせ得たとは考えにくいことなどを考えあわせれば,本件において,裁判所がA調書を上記のとおり証拠採用したことに違法はない。
(争点に対する判断)
第1 争点について
 被告人及び弁護人らは,AとB(以下「B」という。)が覚せい剤の密輸を計画し,Aが,中国の瀋陽まで渡航して覚せい剤を仕入れ,同行していたCとDの2人に合計約1812.07グラムの覚せい剤を持たせてこれを日本に運び込んだこと,及びこの渡航に被告人も同行していたことは特に争わないものの,①被告人が自ら覚せい剤を日本に運び込んだ事実,及び②被告人が本件の覚せい剤の密輸を上記の4人との間で共謀した事実は,いずれも存在しないとして,無罪を主張している。
 検察官は,主にA調書上の供述(以下「A供述」という。)に基づいて,上記①及び②の各事実が認められると主張するので,以下,A供述の信用性を中心に検討する。
第2 A供述について
1 A供述の概要
(1) Aは,暴力団A組の組長であった平成21年の2月か3月ころ(以下の経緯は,いずれも平成21年の出来事である。),金に困り,兄弟分であった暴力団E会会長のEに相談した末,E会若頭のBから紹介された覚せい剤密売関係のつてをたどり,4月中旬ころ,中国の瀋陽まで行って,Fと名乗る韓国人と思われる男(以下「F」という。)と接触し,Fから直接覚せい剤を仕入れるという話をまとめて帰国した後,5月7日,Fから,2~3日で3キログラムの覚せい剤を用意できる,取引の際には800万円を用意し,案内役であるA自身のほか,運び役3人を同行するように,との連絡を受けた。
(2) そこで,Aは,すぐに,この話をBに伝えたところ,Bが代金800万円及び4人分の渡航費用と運び役2人を用意し,Aがもう1人の運び役を用意することになった。その後,Bから,関西国際空港(以下「関空」という。)・瀋陽間往復の直行便の発着日について連絡があったので,Aは,教えられたとおり,大阪の中国南方航空公司(以下「南方航空」という。)に電話をして,航空券の予約手続をするとともに,運び役として同行するよう誘っていたCにも,その日程等を連絡した。
(3) 5月11日(出発日),Aは,Cとともに,南海電鉄難波駅の関空行き特急ラピートのプラットホームに行ったところ,B,被告人及びDの3人に会ったが,Bに手を挙げてあいさつしただけで,話はしなかった。
 ラピートに乗った後,BがAら2人のところに来て,茶封筒2つを,「言ってた金が入っています。」などと言って渡してきた。この際,Bが,被告人とDにも同じものを持たせているようなことを言っていたので,Aは,うち1つをその場でCに渡した。
(4) 瀋陽に到着し,Fらに出迎えられて宿泊先のホテルに着いた後,Aは,ロビーで被告人,C及びDに対し,預けていた物をすぐAの部屋に持ってくるように指示したところ,それぞれが,現金が入った封筒をAの部屋に届けに来たので,その後すぐに部屋に来たFに,自分の分を含め4つの封筒を渡した。
(5) その後,Aは,自分の部屋に,被告人,C及びDの3人を呼び集め,「自分らが持って帰る荷物は酒の入った箱や。」「この酒の箱の下に荷が入っている。」「捕まったときには『空港でようけ荷物を持った人がおってその人に荷物を持っていってくれたらお礼をすると頼まれた。』といえ。」「帰るときは,みんなバラバラで,知らん顔して税関検査を受けるんやで。」「うまいこと持って帰ってくれたら,ええ金になるわ。」などと言ったが,3人とも,「そんなことは聞いてないで。」などと言うこともなく,真剣に指示を聞いてうなずいていた。その後も同じようなミーティングを何回か繰り返した。
(6) 5月13日(帰国前日),Aは,密輸入する覚せい剤の現物を確認するため,団地のような建物内の事務所のようなところに行き,Fから,白色結晶の固まりが入った半透明のビニール袋3袋を見せられた。
 Fの話では,今回は2.5キログラムしか調達できなかったとのことで,F側が出してきたデジタル式の秤で量ったところ,3袋合計で2.5キログラム強しかなかったが,Fが次回に不足分をそろえると言ってきたので,とりあえず,用意された覚せい剤を日本に持ち帰ることにした。
 ホテルに帰った後,Aは,被告人ら3人をAの部屋に呼び,日本に着いて税関検査を受けるまでの行動について,重ねて指示を与えた。
 その日の夜,Aは,密輸する覚せい剤が2.5キログラムに減ったことをBに電話連絡し,その了解を得た。
(7) 5月14日(帰国当日),Fが用意した2台の車のうち,1台にFとAと被告人が,別の1台にCとDが同乗して,ホテルから空港に向かったが,途中,前の日に覚せい剤を確認した場所に寄り,Fらが車を降り,赤色の袋3袋を手に提げて帰って来た。
 瀋陽の空港に到着し,車から降りた後,Aは,他の3人とバラバラに行動するため,車から少し離れたところまで行って車の方を見たところ,既に被告人ら3人が,赤色の袋を手に持って歩いているところだった。
(8) Aは,関空に到着して税関検査を通過し,被告人と合流した後,CとDを待っている間,被告人が電話でBと連絡をとっている様子であったので,Bに指示された場所に行くように言うと,被告人は,タクシーに乗って空港を離れた。
 Aは,何回かBに電話をかけ,CとDの2人ともいかれたと思うなどと話し,その後Bと合流して,一緒にミナミにある麻雀店「×××」(被告人の勤務先であり,E会幹部が経営している店)に行ったところ,その場に,Eと被告人がいた。Bらは,密輸入する覚せい剤を売る約束を既にしていたようで,色々なところに電話をしてその相手に謝っており,CとDの分の覚せい剤を輸入できなかったことで対応に苦慮している様子だった。しかし,Bらは,「被告人の分も覚せい剤がなかった。」などと文句は言っておらず,Eは,被告人を指さして,「儲かったのこいつだけで,こいつ一番少ないの持って来たんか。」などと言っていた。
2 A供述の信用性
 上記のA供述は,その内容自体,本件の覚せい剤の密輸入をBとともに計画し,被告人を含む運び役3人とともに中国に渡航し,現地で輸入する覚せい剤を確認し,運び役らを指揮して帰国したが,うち2人の運び役の分の覚せい剤が税関検査で発見されたという一連の経緯を合理的かつ具体的に説明するものであることに加え,以下の理由から,十分にその信用性を認めることができる。
(1) 携帯電話の発信履歴と整合すること
Aが供述する,本件に関するFやBらとの間の連絡状況や,往復航空券の手配の状況が,5月7日から同月15日までのAやBの携帯電話からの発信履歴と概ね整合している。
(2) 被告人がBと連絡を取り合って航空券を手配したこと
 証拠によれば,被告人は,南方航空の窓口まで関空・瀋陽間往復の航空券を買いに行き,先にD分の航空券を電話で予約していた同姓のBと間違われた際,「予約の分は後で別の人間が取りに来る。」と説明したことが認められる。この事実によれば,被告人は,この時点で,Bが別に,同じ往復便の航空券を予約している事実を知っていたことが推認できる。
 さらに,被告人やBの携帯電話の発信履歴によれば,被告人とBは,南方航空に予約等の電話をする直前や直後などに,相互に連絡を取り合っていたことがうかがわれる。
 以上に照らせば,被告人は,今回の中国渡航に先立ち,Bと連絡を取り合い,Bが別に予約したのと同じ往復便の航空券を購入したと認めるのが相当である。
 そして,この事実は,Bが覚せい剤の運び役の1人として被告人を用意したとするA供述に整合する。
(3) C証言と整合すること
ア C証言の概要
 5月11日以降の中国渡航などに関するCの証言は,概ね,前記A供述と整合しており,Cは,①瀋陽のホテルに到着した後,Aが,被告人,C及びDの3人に対し,封筒をAの部屋に持ってくるように指示した,②同月13日だったとは思うが,Aの部屋に4人全員が集まった際に,Aから,帰国の際に酒が入っている木箱を持って帰ることや,税関で捕まったときの弁解方法などについて指示・説明を受けた旨を述べている。
イ C証言の信用性
 Cは,今回の証言時において,既に本件(ただし,C及びDが運び込んだ合計約1.8キログラムの覚せい剤輸入に関するもの)について,宣告された懲役5年及び罰金350万円の判決が確定していたうえ,C自身は,Aの古くからの知り合いに過ぎず,暴力団であるA組やE会の関係者でもなく,被告人とは本件の中国渡航まで面識が全くなかった者であって,ことさら事実に反してまで,被告人に不利益な証言をする理由は見当たらない。
 したがって,Cの前記証言は十分に信用できる。
(4) Aに虚偽供述をする理由がないこと
 Aにおいては,CやDの分の約1.8キログラムの覚せい剤密輸入の事実に加えて,被告人の分の約687グラムの覚せい剤密輸入の事実を供述することにより,自らの罪責が重くなることはあっても,軽くなるようなことは考えられない。しかも,被告人の分の覚せい剤は税関を通過したというのであるから,なおさらである。
 このような利害の状況に照らすと,Aが,自己の罪責が重くなるにもかかわらず,あえて虚偽の供述をするとは考えられない。
第3 被告人の公判供述(以下「被告人供述」という。)
1 被告人供述の概要
(1) 被告人は,勤務先である麻雀店「×××」の常連客で,金を貸したりもしていたAから,費用を半分持ってやるなどと言われて中国旅行に誘われ,店の実質的な経営者であるBらに許可を得て中国に観光に行くことにしたものであり,航空券の手配に関し,Bと連絡を取り合ったことはない。関空に行く途中のラピート内で,たまたまB及びDと合流した際,Dが,怪しげな態度で紙袋を預けようとしてきたが,Dとは関わりたくなかったので,預かるのを断った。
(2) 帰国前夜,被告人は,Aから1人だけAの部屋に呼び出され,覚せい剤の運び役をするようしつこく言われたが,断固として拒否し,Aも最後にはあきらめた。
(3) 帰国当日,被告人は,Aと一緒に瀋陽の空港に向かう車内で,同乗していた中国人から,覚せい剤らしき物が入っている小袋を見せられ,「シャブシャブ,ジャパン」などとしきりに言われ,これを渡されそうになったが断った。
 また,空港に到着した後,Aに遅れて,車のトランクに入れていた手荷物を持って急いでその場を離れようとしていた際,中国人から,Cらが持っていたという赤い袋に似た袋を強引に持たされそうになったが,これも断った。
(4) 帰国後に「×××」に行ったところ,Bから,持って帰った物を出せと言われ,持って帰っていないと言うと,外に出ておけと言われた後,再び呼び戻された時には,自分の手荷物は全て出され,土産に買って帰った紹興酒の箱はバラバラにされていた。
2 被告人供述の信用性
 以上の被告人供述は,まず,前記のとおり,被告人とBとが連絡を取り合って中国渡航のための航空券を予約・購入しているという事実と明白に矛盾するほか,瀋陽のホテルでAが被告人ら3名に覚せい剤密輸入に関する指示をしたなどとするA供述やC証言と相反するうえ,Aから覚せい剤の運び役をするように言われ,これを断った後も,Aらと行動を共にしている点など,全体的に不自然・不合理であり,信用できない。
第4 弁護人らの主張について
 弁護人らは,被告人らの中国からの帰国便に関しては,不正薬物を持ち込むおそれのある者(D)が搭乗していたため,税関職員に対し,旅客全員について厳重に検査せよとの指示が事前に出ており,被告人の手荷物についても,一つずつ開けて説明をさせ,探知機で精査するという厳重な検査が行われたが,何も異常は発見されていないとして,被告人が覚せい剤を持ち帰っていないことは,この事実から明らかである旨主張する。
 しかしながら,被告人は,税関当局からマークされていたDや,初めての中国への単独渡航であるのに中国に知人がいないと答えるなどして,税関職員から不審感を抱かれたCとは異なり,特に不審者と目されなかったことや,木箱の底に覚せい剤を隠すという本件の巧妙な手口に照らして,税関職員が被告人による覚せい剤の密輸入を発見できなかったことが不合理とはいえず,弁護人らの主張は採用できない。
第5 結論
 以上のとおり,信用できるA供述などによれば,①被告人が自ら覚せい剤を日本に運び込んだ事実,及び②被告人が本件の覚せい剤の密輸を4人の共犯者らとの間で共謀した事実は,いずれもこれを認めることができる。
(法令の適用)
罰条        
 1の行為につき,刑法60条,覚せい剤取締法41条2項,1項,2の行為につき,輸入してはならない貨物の輸入の点は,刑法60条,関税法109条1項,69条の11第1項1号,輸入してはならない貨物の輸入未遂の点は,刑法60条,関税法109条3項,1項,69条の11第1項1号
包括一罪       
2の行為につき,刑法10条(混合した包括一罪として,犯情の重い輸入してはならない貨物の輸入罪の刑で処断)
観念的競合      
刑法54条1項,10条(重い覚せい剤取締法違反の罪で処断。ただし,罰金の多額については関税法違反の罪の刑による。)
刑種の選択      
情状により有期懲役刑及び罰金刑
未決勾留日数の算入  
刑法21条
労役場留置      
刑法18条
追徴        
関税法118条2項,1項(2の輸入してはならない貨物の輸入に係る覚せい剤約687グラムの価格から,共犯者Aが支払った2000円を控除した金額)
訴訟費用       
刑事訴訟法181条1項本文
(量刑の理由)
 本件は,暴力団幹部が経営する麻雀店で働いていた被告人が,いずれも別の暴力団幹部であるAやBのほか,C及びDと共謀のうえ,覚せい剤を密輸入して利益を得る目的で,Bを除く3人とともに中国に渡り,Aの指揮の下,運び役である被告人,C及びDの3人がそれぞれ木箱に隠された覚せい剤を機内預託手荷物として預けて航空機に搭乗し,中国から日本に合計約2.5キログラムの覚せい剤を輸入した後,税関検査の際,C及びDが運び込んだ覚せい剤約1.8キログラムは発見されたが,被告人が運び込んだ覚せい剤約687グラムは発見されずに税関を通過したという,覚せい剤取締法違反及び関税法違反の事案である。
1 被告人らが運び込んだ覚せい剤が大量であり,その害悪が著しいこと
 覚せい剤は,その使用により人の身体や精神をむしばみ,幻覚や妄想等による重大犯罪を引き起こしたり,購入資金目当ての犯罪を誘発したり,犯罪組織の資金源となったりするなど,現在の日本で最も深刻視されている違法薬物である。本件で被告人らが日本国内に運び込んだ覚せい剤の量は,合計約2.5キログラムにも上り,そのうち約687グラムが税関で発見されずに社会内に持ち込まれたことにより,日本の社会全体に著しい害悪を及ぼしたことが推察される。
2 覚せい剤の密輸入が重大犯罪であること
 違法薬物の中でも特に覚せい剤の害悪が著しいため,営利の目的で覚せい剤を輸入する本件のような行為に対しては,無期懲役刑を選択することも可能なほど,重い刑罰が法律上定められている。したがって,本件を敢行した被告人に対しては,厳しい非難が加えられるべきである。
3 暴力団による組織的犯行であること
 被告人は,暴力団幹部であるBから持ち掛けられて,本件を敢行したと考えられるが,それが暴力団に多大な利益を得させるものであることは容易に想像できるから,本件は,まさに暴力団の重要な活動資金源となる,組織的かつ反社会的な犯行であるといえる。
4 被告人の果たした役割が重要であること
 被告人は,自らの手で覚せい剤を運搬し,運び役3人の中で唯一,税関検査を通過して,現実に約687グラムもの覚せい剤を社会内に持ち込んだのであるから,被告人の果たした役割が重要であることは明白である。
5 社会のルールを守る意識が欠けていること
 被告人は,平成21年2月に売春防止法違反等の罪により懲役6か月,3年間執行猶予などの判決を受けた後も,暴力団の周辺で活動を続け,その判決の確定から3か月も経たないうちに,本件のような重大犯罪を敢行した。
 そのうえ,被告人は,本件について不合理な弁解に終始している。
6 被告人のために考慮すべき事情
 被告人は,本件の首謀者ではないこと,被告人に薬物事犯による前科がないこと,幼い子どもなど扶養すべき家族がいることなどが認められる。
7 結論
 以上の諸事情をあわせ考慮して,裁判員と裁判官が評議した結果,主文のとおり量刑するのが相当であると判断した。
(求刑 懲役11年及び罰金500万円,金3111万9100円の追徴)
平成22年5月31日
大阪地方裁判所第4刑事部
裁判長裁判官   細井正弘
裁判官   福島恵子
裁判官   池上 弘

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