刑事手続き概要<交通事故示談Q&Aその2>

質問:被害者と示談をすれば前科は付きませんか?

前科が付かない場合、前科が付く場合の両方のケースがあります。
軽微な交通事故であれば、被害者と示談が成立し、被害者が今回の事故を許す意思を表明すれば、検察官は、今回の交通事故を起訴しない方向で最終処分をくだす場合があります。
これを起訴猶予(きそゆうよ)といいます。

起訴猶予になった場合は、検察官が事故を起訴しなかったということですから、あなたは懲役刑も罰金刑も受けることなく、いわゆる前科が付くこともありません。

飲酒運転、信号無視又は無免許運転などの重大な交通違反を伴わない単なる前方不注視による交通事故で、被害者の傷害の程度が加療1か月未満の場合は、被害者と示談が成立し、示談書の中で被害者の許しの意思が表明されていれば、原則として刑罰を科されることはなく、前科が付くこともないでしょう。

しかし、結果が重大な交通事故であれば、被害者と示談が成立したとしても、検察官は事故を起訴し、刑事裁判が開かれる場合があります。
検察官が事件を問題視し、あなたが懲役刑、禁錮刑又は罰金刑のいずれかの処分を受けた場合、あなたにはいわゆる前科(交通前科)が付くことになります。

前科を付けないためには、あなたの不注意が事故の原因である場合は、被害者に対し謝罪と賠償を尽くし、示談を成立させることが重要ですし、今回の事故があなたの不注意を原因としない場合は、無実を争って主張を貫くことが重要です。

質問:交通事故の示談金の相場を教えてください。

支払うべき示談金の金額は、個別事故によって異なります。

保険会社に事故処理を委ねたり、被害者があなたに対し民事裁判を提起し示談金の額が裁判所で審理される場合は、過去の前例に従って、相場どおりの示談金が算出されることになります。

しかし、交通事故が刑事事件として警察署に届けられ、保険会社や裁判所の介入なく示談交渉が行われた場合は、支払う示談金の額が相場を上回ることも多いです。
その場合は、通院費等の実費に休業損害等の金銭を加え、さらに迷惑料を加えた額の金銭を支払い、その代わりに「今回のあなたの事故を許し、刑事責任を問いません。」という内容の嘆願書を取得することになります。

刑事事件における示談は、民事裁判上の和解と異なり、要は相手方被害者が納得して被害を取り下げることができるだけの金額を支払い、嘆願書や示談書を書いてもらう手続きですので、民事裁判上の和解の場合と比べて、額が大きくなる傾向があります。

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