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刑事事件解説<痴漢総括>

痴漢は犯罪です
昨今、痴漢が社会問題として大きくマスコミに取り上げられるようになりました。女性専用車両導入の是非や痴漢冤罪問題など、痴漢に絡んだ話題も毎日のように何かしら提供されています。
これまで、痴漢行為は、その多くが単なる迷惑行為として済まされてきました。しかし、世論の波を受け、現在では立派な「犯罪」として意識されるようになってきています。

痴漢に下される罪と罰

痴漢と一口に言っても、その行為は様々で、行為の態様や程度によって適用される罪も刑罰の重さも異なってきます。以下、痴漢事件に適用される主な罪について解説します。

迷惑防止条例違反

着衣の上から胸や尻・性器を触る、下着等を盗撮するといった一般的な痴漢行為には、迷惑防止条例が適用されます。迷惑防止条例は、条例ですので、各都道府県ごとに正式名称や項目の内容、罰則等が異なります。東京都の場合、先のような一般的な痴漢行為は、正式名「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為の防止に関する条例」の第5条1項「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」という規定に該当するとして、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

強制わいせつ罪

下着の中に手を入れて執拗に性器を触る、例え着衣の上からであっても13歳以下の児童にわいせつ行為をする等、エスカレートした痴漢行為には、刑法の強制わいせつ罪が適用されてしまう場合があります。罰則は、6月以上10年以下の懲役です。強制わいせつ罪は、罰金刑のない、非常に重い罪なのです。
ただし、このような刑法犯罪が成立するには非常に厳格な要件が必要ですので、痴漢行為の程度が強制わいせつ罪等の要件を満たしそうにない場合には、上記の迷惑防止条例が適用されることとなります。

刑事弁護人が教える逮捕された場合の対処法
まずは身柄の解放を!

逮捕されてしまった場合は、できるだけ早い段階で弁護士を付けましょう。逮捕から24時間以内に弁護士を付けることができるのがベストです。なぜなら、逮捕されて2日目には、被疑者は検察庁に連れて行かれ、ここで検察官によって勾留請求がなされます。そして裁判所が勾留を決定すれば、その後少なくとも10日間は勾留され続けることになってしまうからです。
捜査機関や裁判所は、いとも簡単に勾留を決定します。しかし、実際に身柄を拘束されてしまうと、その間は家に帰ることも会社に出勤することもできません。最悪の場合は、勤務先に痴漢の容疑がばれて懲戒解雇になってしまうようなこともあり得ます。ですから、痴漢で逮捕された際には、まずは身柄の解放を目指すべく、この種の事件の対処に手馴れた弁護士を早急に選任すべきなのです。

不起訴を目指す!

以下、痴漢事件に適用される主な罪について、逮捕後の有用な対処法を簡単に解説いたします。

迷惑防止条例違反

初犯の場合は、示談が成立さえすれば、ほとんどの場合は不起訴で済みます。ですので、早期に弁護士を選任し、示談の締結に向けて動いてもらいましょう。
同種犯罪の前科がある場合は要注意です。同種同犯の前科があるような悪質な場合においては、例え被害者が許してくれようとも、検察の独断によって起訴されてしまう場合があるのです。ですから、同種同犯の前科がある方は、再び同じ過ちを犯すことのないよう気を引き締めてください。

強制わいせつ罪

強制わいせつ罪は懲役刑しかない大変重い罪です。事件の性質から、加害者と直接コンタクトを取ることを嫌う被害者も少なくありません。ですから、早期に弁護士を選任し、被害者との間を取り持ってもらうのが最良の選択でしょう。そして、被害者に謝罪と賠償を尽くして、告訴をしないように、または告訴を取り下げてもらえるようにお願いしましょう。

示談金の相場

このように、通常、痴漢事件は、示談が締結され、被害者が許してくれさえすれば、不起訴になります。痴漢で逮捕された場合は、選任した弁護士と協力して、誠心誠意被害者に謝罪し、全力で示談の締結にのぞみましょう。
ここで皆さんが一番気になるのは、示談金の相場だと思います。現在の相場は、服の上からお尻を触るというようなよく見受けられる事例で20万円~30万円です。ただし、下着の中に手を入れて執拗に触る等したり、被害者が若く精神的ショックが大きいような場合など、特別の事情があるケースでは、50万円~100万円程度用意しないと納まらないことも少なくありません。

一番重要なのは逮捕されないこと

最初に述べましたが、痴漢は犯罪です。いたずら心から女性に触れて、睨みつけられるだけで許してもらえるような時代は終わりました。目の前の誘惑に負けない強い心を持って、毎日の通勤に臨んでください。また、誤解や示談金を目的とした痴漢の冤罪事件も目立つようになってきています。満員の電車内ではできるだけ女性の近くには立たない、万一女性の近くに立つ場合には、両手でつり革につかまる等、何かしら普段から自分の身を守る工夫をしておきましょう。

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