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刑事手続き概要<詐欺その1>

詐欺には多様な手段があるので、誰もが詐欺罪の被害にあう危険性もありますし、最近では振り込め詐欺の被害増加など、詐欺被害のニュースが多く流れるため、詐欺罪は比較的なじみの多い犯罪かもしれません。

詐欺といえば、お金をだまし取られた、というケースが想像できると思います。
簡単にいえばまさにそういうものです。

刑法第246条では、

  • 第1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
  • 第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする

と規定しています。

このように、詐欺罪は、条文では「人を欺いて財物を交付させた」場合に成立するのですが、その内容は人を欺いて錯誤を生ぜしめ、その錯誤による瑕疵ある意思に基づいて財物や財産上の利益を交付させる、というものです。
詐欺罪が成立するには、欺罔行為、錯誤、処分行為、財物の交付・財産上の利益移転の4つの要件が必要になります。

詳しく見ると、以下のような流れになります。

1.欺く行為(詐欺行為)
  ↓
2.被害者が錯誤に陥る
  ↓
3.処分行為(交付):財物交付など
  ↓
4.詐取

という流れになります。

なお、詐欺罪の特別なばあいとして、刑法では以下のような条文も規定されています。

刑法 第248条 (準詐欺)

未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する

具体的には、詐欺としてどのような事案があるのでしょうか。
まず、一般的な詐欺の代表例である「代金詐欺」についてみてみましょう。

事例

1月1日午後3時ごろ、太郎は、売買代金の名のもとに金員をだまし取ろうと企て、なじみのスナック「はなこ」にて、ママの花子に対し、テレビを売る意思も引き渡す意思もないのにそれがあるように装って、「この店にぴったりの、テレビが1台余っているんだ。花子さんに安く売るよ。明日の昼には届けるから、先に代金のうち1万円、前金としてちょうだいよ。」と嘘をいい(欺罔行為)、花子を太郎の言葉通りに誤信させた(錯誤)。

花子は太郎に「太郎ちゃんがいうんだったら」といって前金として現金1万円を太郎に交付し(処分行為)、太郎はその1万円を受け取って財布に入れ、帰って行った(財物の移転)。

それから数日たっても太郎がテレビを届けに来ず、電話も通じないため花子は「太郎ちゃんに騙された!」といって怒っている。

この事案では、被害者を騙して、被害者がこれを信じ、信じたことによって相手に財産を渡し、相手はこれを受け取った、という、上記の一連の要件を満たしています。
ですから、太郎に詐欺罪(刑法246条1項)が成立する、ということができます。

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