刑事手続き概要<詐欺その6>

日常生活において、いまやクレジットカードは不可欠です。
しかし、クレジットカードを巡る詐欺罪の発生も、決して少なくはありません。
では、「クレジットカード詐欺」の内容はどのようなものでしょうか。

事案

桜が満開の4月4日、貧乏学生の四郎は、道を歩いていてクレジットカードが落ちているのを見つけた。
クレジットカードには花子の名前が書いてあった。四郎はそれを拾ってポケットにいれた。
四郎はかねて自分のパソコンが欲しいと強く願っていたため、またとないチャンスだと考え、不正に入手した花子のクレジットカードを使用してパソコンをだまし取ろうと企てたのだった。
四郎は花子のクレジットカードを持って秋葉原の大型電気店「びっくりガメラ」に行き、最新のパソコンを購入するため列にならんだ。購入の際、花子のクレジットカードを使用し、署名の欄にはカードの裏に書いてあった花子のサインを真似て、花子のサインを書いた(欺罔行為)。
びっくりガメラの店員は四郎が正当なクレジットカードの権利者であると誤信し(錯誤)、時価24万円相当のパソコンを四郎に交付し(処分行為)、四郎はそれを受取って帰宅した。

解説

この事例で四郎には、詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。
クレジットカードの制度は、名義人本人に対する個別的な信用を与えることが制度の根幹となっていますから、カードの使用者が名義人本人であるかどうかはクレジットカードを利用した売買において重要な要素といえます。
そのため、四郎がクレジットカードの名義人本人であると装い、店員にその旨誤信させたこと自体が欺罔行為となります。
ちなみに、花子のクレジットカードを拾って自分のものとして所持した行為は、詐欺罪とは別に占有離脱物横領罪(刑法254条)を構成します。

詐欺はその態様が多岐にわたる犯罪であり、まだまだ様々な具体事例があります。
詐欺の罪は、比較的身近な犯罪だということができます。

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