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刑事事件解説<市橋達也被告の裁判>

ニュース

2007年、千葉県市川市で英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)が遺体で見つかった事件の裁判員裁判が4日午後、千葉地裁で始まりました。殺人や強姦致死などの罪に問われている住所不定、無職市橋達也被告(32)は罪状認否で申し訳なかったとのべつつも、殺意を否認しています。(読売新聞 7月4日13時52分配信)

殺意の有無によって、刑の重さはどう変わるのか? 被告人が事件後逃亡したことは、刑罰に影響するのか?
今回の市橋達也被告人に対する裁判員裁判についての素朴な疑問にお答えします。

解説
Q1. 市橋被告の殺意の有無が問題になっていると聞いています。殺意があった場合と、ない場合で、刑の重さはどう変わるんですか?

A. 検察側が主張するように市橋被告に殺意があった場合は、殺人罪(死刑、無期懲役若しくは5年以上の懲役)が成立し、弁護側が主張するように殺意がなかった場合は、傷害致死罪(3年以上の有期懲役)が成立するにとどまります。
同じ人の死という結果が発生したとしても、殺意の有無で法律に定められた刑罰の重さが変わってきます。
今回の事件では、殺意があったとする検察側は殺人罪と強姦致死罪が成立すると主張し、殺意は認められないとする弁護側は傷害致死罪と強姦罪が成立するにとどまると主張しています。

Q2. 市橋被告は、事件後に逃亡したり、整形をしたりしたようですが、そうした行動が刑の重さに影響しますか?

A. 犯人が自分自身を庇う行為は、他人が犯人を庇う行為と異なり、新たな犯罪を構成しません(他人が犯人の逃走を助ければ、犯人隠匿や犯人隠避罪が成立します。)。
これは、犯人自身に「自分を庇うな!」ということを法律上強制できず、また強制してもその効力は期待できないと考えられているからです。
そのため、市橋被告が逃走し、整形したこと自体が、直ちに刑罰の重さに重大な影響を与えることは、これまでの裁判ではあまり考えられませんでした。
ただ、今回は裁判員裁判で審理されるため、逃走したり、整形したりしたことが、反省の態度が見られない事情として、従来より重たく評価される可能性があります。

Q3. 被害者のリンゼイさんは英国人ですが、そもそもどこの国の法律で裁かれるんですか?被害者の国籍は関係ないんですか?

A. 日本の刑法は、「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」(第1条)と規定しています。
これは、日本国内で犯罪を犯した場合は、仮に被害者が外国人であっても、日本の刑法を適用して処罰するという意味です。
今回の裁判も、リンゼイさんは英国人ですが、日本の刑法が適用され、日本の刑事裁判で審理されることになります。

Q4. 報道では、市橋被告は「殺意はありませんでした。リンゼイさんの死には責任があり、責任を取るつもりです」と述べたとありますが、よく意味が分かりません。「殺意はない」のに「責任を取る」とは、どういうことですか?

A. 市橋被告の発言は、殺人の結果については、これ認容していなかったが、自分の暴行によって相手が死亡したこと自体は間違いがないため、この点については責任を取りたいという趣旨だと思われます。
つまり、殺人罪の成立は認めないが、傷害致死罪の成立は認めるし、この点については責任を取るつもり、との趣旨です。

Q1.の殺意の有無とも関連しますが、「殺意はありませんでした。」との発言は、法律的には、「リンゼイさんが死ぬことについては認容していなかった」という意味になります。
リンゼイさんが死ぬことを認識し、それでも構わないと認容して暴行を続ければ殺人罪が成立しますが、リンゼイさんが死ぬことは認容していなかったが、行き過ぎた暴行により死亡してしまった場合は傷害致死罪が成立するにとどまります。
殺意の内容や判断方法については、刑法学者間でも意見の分かれる難しい問題ですが、今回は一般国民から選ばれた裁判員がこれを審理しなければなりません。
裁判員裁判であっても、感情論を排除した、証拠に基づく冷静な判断が行われる必要があります。

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