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不同意性交で適用される刑罰

不同意性交等罪は、16歳以上の者に対して「同意を得ることなく」性交等に及んだときに罪が成立します。
15歳以下の者に対する性交等は、同意があっても不同意性交等罪に問われます。

※令和5年7月13日に、不同意性交等罪を定めた改正刑法が施行されました。
改正日より前の犯行なのか、改正日以降の犯行なのかに応じて処罰の内容が変わります。
ここでは現行法と旧刑法、それぞれの条文を解説します。

刑法177条 不同意性交等

5年以上の有期拘禁刑

前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(略)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。

3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

不同意性交等罪は相手が同意していないもしくは同意できないような状況での性交等を処罰する規定です。
刑法改正前の強制性交等罪・準強制性交等罪に該当する行為は、不同意性交等罪に問われます。

旧刑法177条 強制性交等

5年以上の有期懲役

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

改正前の強制性交等罪は、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交、口腔性交をした場合に適用される犯罪でした。
条文中の「暴行又は脅迫」は「抵抗が著しく困難になる程度の行為」とされています。
必ずしも殴る蹴る、脅迫するといった行為が必要になるわけではありません。

旧刑法178条2項 準強制性交等

5年以上の有期懲役

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、(略:強制性交等)の例による。

条文の「心神喪失」「抗拒不能」とは、精神的な傷害により正常な判断力を失っている状況、心理的又は物理的に抵抗ができない状況を指します。
具体的には睡眠、酩酊等の状態や、錯誤などによって抵抗を期待できない状態等を指します。

旧刑法177条 強姦

3年以上の有期懲役

暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

平成29年7月13日に、強姦罪を強制性交等罪へ変更する改正刑法が施行されました。
それ以前の犯行は強姦罪によって処罰されますが、強姦罪は「被害者が女子限定(男子への強姦は強制わいせつ罪)」「膣への性器の挿入のみが処罰対象(肛門性交、口腔性交は強制わいせつ罪)」などの違いがあります。

旧刑法178条2項 準強姦

3年以上の有期懲役

女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、(略:強姦罪)の例による。

心神喪失、抗拒不能の定義は準強制わいせつ罪と変わりありません。
被害者が女子に限定されている、性交等ではなく姦淫のみが処罰の対象となるという違いがあります。

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