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警察の事情聴取(取調べ)どう乗り切る?弁護士が要点を解説する

警察の事情聴取(取調べ)どう乗り切る?弁護士が要点を解説する

警察から事情聴取を受けることになった人に向けて、事情聴取で気をつけるべきポイントを整理してお伝えします。警察での取調べも、検察官の取調べも、それが後の裁判で証拠に使われることがあるのです。自分では問題のない答え方だったと思っても、あとで後悔する場合もあります。

慎重に取調べを受け、後で不利にならないようにするには、弁護士への相談は必須です。闇雲に黙秘権を使うのはよくありませんし、全く使わないのも問題です。こまめに専門家に相談しながら警察対応をしていくようにしましょう。

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警察の事情聴取(取調べ)で注意すべきこと3つ

①被疑者の取調べは逮捕直後からはじまる

被疑者として警察から事情を詳しく聞かれることは、一般的に「取調べ」といわれます。一方で、被害者や目撃者に対しては「事情聴取」と言われます。被疑者が逮捕された場合は、逮捕直後から警察の取調べを受けなければなりません。逮捕されると、警察署内の留置場で寝泊りをし、取調べの度に呼び出され、取調室にて警察の質問に答えることになります。

在宅捜査の場合には、基本的には普段通りの生活を維持することができます。警察から呼び出しを受けたときにだけ、応じなければなりません。逮捕された時には、身動きが取れないため、誰にも相談できない状態で取調べに応じることになるでしょう。家族が弁護士を派遣するか、自分で当番弁護士をよぶことで、応急処置を検討してください。

②被害者の事情聴取も行われる

被害者が被害申告をしたことをきっかけに、警察は捜査を始めます。被疑者の取調べが行われるのと並行して、被害者からより詳しく事情聴取が行われることになります。被害者は当時の状況を詳しく説明しなければならないため、特に性犯罪では事情聴取に大きな抵抗を示す人も多いです。必要なことであるとはいえ、被害者も精神的に大きなダメージを受けるのです。

被疑者は、被害者の供述に合わせて事実確認がとられていきます。ここで話が食い違うようであれば、警察は被害者の言い分のほうを重視する傾向にあります。その結果、被疑者への取調べが激化することも、十分にありえるでしょう。しっかり自分の主張を警察に理解してもらうためには、弁護士のサポートなしでは難しいという局面があります。

③取調べの状況次第では勾留延長も

逮捕から勾留にわたり、警察の取調べに黙秘を続けたり、十分な供述をしない場合には、「捜査未了」として勾留が延長されることがあります。勾留は、逮捕に続く身体拘束で、まずは10日間と決められています。しかし、それでは捜査が十分に尽くされなかった場合には、延長されるのです。

勾留延長は、最大を10日として、その範囲で身体拘束期間が延ばされます。できるだけ早く釈放されたいからと、事実と異なる供述をしたり自分に不利な回答をすると、あとあと取り返しのつかないことになるかもしれません。取調べは、逐一弁護士に相談しながら対応していくようにしましょう。

警察の事情聴取(取調べ)は拒否できる?

逮捕・勾留されている被疑者は拒否できない

逮捕・勾留されているときは、被疑者は取調べを拒否することはできません。被疑者には「取調べ受忍義務」があり、必ず応じなければいけないのです。もちろん、取調べに応じるということと、答えなければいけないということとは違います。黙秘権を行使して何も話さないという対応をとることも可能です。

「警察の誘導には乗らないようにしよう」「出来る限り黙秘を貫こう」と思ったとしても、逃げ場のない環境下での取調べは精神的に疲弊します。警察も狙っている供述をとるために、あの手この手で取調べを行います。ここでの発言はきわめて重要ですので、どれだけ精神的に負荷がかかっても、弁護士との打合せ通りの対応を守ってください

任意での事情聴取(取調べ)は拒否できる

在宅捜査で任意の呼び出しがあったときには、任意である以上、取調べを拒否することができます。まだ参考人段階での事情聴取も、被害者としての取調べであっても、任意の場合には応じないという選択肢があります。

しかし、注意しなければならないのは、任意の事情聴取(取調べ)を断り続けると、嫌疑が深まり、逮捕という強制捜査に踏み切られてしまうおそれがあるということです。特別な事情がない限り、任意の事情聴取(取調べ)に対しては応じるようにしたほうがよいでしょう。不安があるときは、先に弁護士に相談してある程度のシュミレーションをしてから応じてください。

コラム|警察・検察官の取調べは証拠になる

警察や検察官の前で話したことは、基本的にはすべて供述調書にまとめられます。話したことは、警察や検察事務官が文字に起こします。そして、最終的に、その内容に誤りがないか確認が求められ、署名と押印をすることになるのです。この供述調書は、のちに裁判で証拠として使われることがあり、判決に影響がでる可能性があります。「だいたい合っているから署名しよう」という軽い気持ちではなく、少しでも供述調書に誤りがあれば、訂正を求めることが大切です。

どれほど厳しい取調べであっても、被疑者には供述調書への署名を拒んだり、内容を修正するよう依頼する権利があることをおさえておきましょう。弁護士は、先々の展開を考えてアドバイスを行います。サインをするかどうか、弁護士の指示に従い対応することが大切です。

警察から取調べを受ける前に弁護士に相談を

警察、検察官からの取調べを受ける前に

警察や検察官から取調べを受ける前には、弁護士に相談するということが大切です。弁護士は、これから行われる取調べにどう答えるべきか、助言をしてくれます。弁護士は、逮捕直後には被疑者に「被疑者ノート」という冊子を差し入れます。これは、日本弁護士連合会がインターネットで公開しており、弁護士会にも設置されている冊子で、身体拘束中の被疑者がメモをとるためのものです。

被疑者は、受けた取調べの内容と、自分の話したことを詳細に記録しておくのに使います。時間がたてば記憶は薄れます。出来る限り正確な情報を弁護士にわたし、それをもとに今後の取調べ対応を検討していくことになるため、被疑者ノートはとても重要なアイテムです。

取調べを乗り切るために必要なこと

取調べは、担当する警察によってもその方法は様々です。ドラマであるような感情に訴えて自供を迫ろうとするケースもあれば、半ば脅迫に近い高圧的な迫り方をする警察もいます。すべての警察が取調べを可視化していないため、実際にはどのようなやりとりが行われているか、外部からは知ることができません

だからこそ、弁護士とこまめに連携をとり、取調べの状況を専門家に分析してもらうことが大切です。警察がどのような捜査をしようとしているのか、その思惑を知るには取調べを受けた被疑者本人の体験(記憶)はとても重要になります。弁護士との面会は誰も立会人をつけることなく行うことができます。すべてありのままに弁護士に話し、細かいことでも相談をすることが取調べを安全に乗り切るには大切なことです。

警察に違法な取調べを受けた場合

密室の取調室で、乱暴な取調べを受けたとします。必要以上に高圧的であったり、言葉や身体的な暴力が取調べに使われたとすれば、それは問題です。そのようなときは、すぐに弁護士に報告し、是正を求めるようにしましょう。弁護士は、被疑者を守り、適切な取調べが行われるよう、警察署長や担当検察官に抗議を行うことができます。

刑事訴訟法は被疑者・被告人の人権保障を大前提にしています。犯罪を疑われているからとって、違法な取調べには断固反対することが大切です。ここでも、法律の専門家は心強い味方になります。

まとめ

警察から事情聴取(取調べ)を受けることになると、緊張のあまり警察に言われるがまま「はい」といってしまうことがあります。精神的に追いつめられることも予想されます。まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談をし、落ち着いて警察対応をすすめるよう心がけてください。

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岡野武志弁護士

監修者情報

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

第二東京弁護士会所属。ご相談者のお悩みとお困りごとを解決するために、私たちは、全国体制の弁護士法人を構築し、年中無休24時間体制で活動を続けています。