3か月以上7年以下の拘禁刑
第二百二十条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
人を監禁した場合、刑法の逮捕・監禁罪によって処罰され得ます。
この法令において、逮捕とは人の身体に対して直接的な拘束を加えて行動の自由を奪うこと、監禁とは人が一定の区域から出ることを不可能にするか著しく困難にすることをいいます。
第二百二十条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
監禁というと、室内などに物理的に閉じ込めるイメージがあると思います。
しかし、判例では物理的に脱出が容易でも、暴行や脅迫などによって立ち去ることが著しく困難になっていた場合などについては、監禁にあたると認められています。
監禁は、傷害や虐待、性犯罪などの手段として行われることが多いです。
被害者や近隣住民などの通報を受けて警察が事件を認知するほか、被害届の提出などによって捜査を開始するケースもあります。
被害者などの通報により、警察が事件を認知して捜査が開始されます。
その後、被疑者が特定されると、逮捕や任意同行を求められ、警察署で取調べを受けることになるでしょう。
被害者による被害届の提出や告訴によって、警察が事件を認知し捜査が開始されるケースがあります。
監禁は余罪を伴うケースも多いことから、まずは余罪の嫌疑について捜査を受け、その過程で監禁についても検挙に至るという流れも考えられます。
監禁罪といえば、部屋から出られなくするのが典型例ですが、その態様は様々です。
ここでは、「監禁」の該当性について参考となる判例をご紹介します。
また、監禁致傷罪ではなく、監禁罪・傷害罪の成立を認めた判例についてもご紹介します。
「被告人の同女に対する仕打が前記のように苛烈なものであつたため、敢て施錠や監視を必要としなかつたものとさえ言えないことはないのであつて、以上のような情況の下において当時被告人に監禁の意思がなかつたものとする所論は到底採用することができない」
「監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能または著しく困難にしてその行動の自由を奪うことをいい、客観的に逃走可能な状況があったとしても、犯人の言動により恐怖心を抱いて逃走できなかったときは監禁にあたるとされます。
本件では常時監視の目があったわけでも施錠されているわけでもない場所であっても被告人の脅迫的な言動等によって脱出するのは困難であったとして、監禁罪が成立すると判示しました。
「暴行は、不法監禁の状態を保つため、その手段としてなされた旨の摘示はなく、右判示を挙示の証拠と合わせ読めば、右暴行は、右の手段としてではなく被告人が自動車内における右朴の態度に憤慨した結果なされた事実を判示したものと認められる、(略)監禁致傷罪は成立せず、監禁と傷害の二罪が成立し、両者は併合罪の関係になる」
監禁の手段としてなされたものでなく、別個の動機、原因から暴行して傷害を負わせたときは、監禁致傷罪ではなく、監禁と傷害の二罪が成立し、両者は併合罪の関係となるとした判例です。
本件では被害者を監禁中、被害者の態度に憤慨した被告人が被害者の頬を殴ったという事案について、監禁と傷害の二罪が成立すると判示しました。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。