「公然わいせつ罪でも示談が成立するのか。」
公然わいせつ罪でできるだけ軽い処分を獲得したいとお考えの方へ。
公然わいせつの目撃者は、形式的には被害者ではないこととなっていますが、検察官や裁判官は目撃者との示談がなされているかどうかを考慮することがあります。このページでは、公然わいせつ罪の示談について詳しく解説します。
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示談することが有利な情状になる理由とは
示談をすることは、なぜ有利な情状になるのでしょうか。
示談書には、被害者が加害者を許し、加害者に対する刑事処分を望まない旨の条項を盛り込むのが通例です。これにより、被害者が加害行為によって受けた被害が回復したことが示されます。
その結果、犯罪による影響は、消滅するか相当程度に減少していることになり、加害者に刑事処罰を加える必要がないといえるようになります。
このように、示談をすることが有利な情状になるためには、特定の被害者が存在することが前提なのです。
公然わいせつ罪の保護法益と被害者
では、公然わいせつ罪に特定の被害者はいるでしょうか。
刑法学的には、公然わいせつ罪が保護しようとするのは、健全な性秩序ないし性的風俗という社会的な法益であって、特定個人の法益ではないとされています。その意味だと、公然わいせつの現場に居合わせた目撃者は、形式的には被害者ではないこととなります。
公然わいせつ罪で示談することの意味
以上のように考えた上で、「公然わいせつ罪に関しては、特定の被害者と示談を交わすことはできない。そのため、公然わいせつ事件においては、示談成立による被害の回復というものが観念できない。目撃者と示談をしたからといって、有利な情状になることは期待できない。」と言う人もいます。理論的にはその説明の通りです。
もっとも、実際の公然わいせつ事件において、処分を決する検察官や裁判官は、目撃者との示談がなされているかどうかを考慮することがあります。
公然わいせつ行為を直接目撃した人は不快感を覚えるでしょうから、刑法学上の厳密な意味での被害者と言えないとしても、事実上の被害者に当たります。
その事実上の被害者に、精神的損害の賠償を行い、示談に応じてもらうことができた場合、加害者の起訴・不起訴を決める検察官の判断は、不起訴に傾きやすくなります。起訴されるとしても、比較的軽い処罰で済みやすくなります。
その意味で、公然わいせつ事件においても、公然わいせつ行為の相手方(目撃者)と示談することは重要です。
示談に加えて重要なこと
不起訴などの軽い処分を目指すうえで、示談のほかに重要なことは、再犯防止の取り組みをすることです。たとえば、公然わいせつ行為をしてしまう原因を分析して対策を講じることや、同居している親や妻など監督能力のある人に、今後の生活を監督してくれるよう頼むことなども有効です。
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