動画の内容書き起こし
岡野「質問きてた!」
『タバコの煙を顔に吹きかけたら罪になりますか?』
岡野「結論、暴行罪になる場合がある!
例えば、こんな感じ。
『山田くん、きみって喘息持ちやったっけ?』
『はい……』
『じゃあ、タバコの煙は絶対に吸ったらあかんなあ』
『はい。苦しいです……』
『では、ここで問題です。俺がいま山田くんに吹きかけてるこの煙の名前は?』
『……はい。副流煙です』
こんな風にことさら相手に向かってわざと煙を吹きかけた場合は暴行罪になる場合がある。
暴行って、人に向けられた不法な物理力の行使のこと。
殴る・蹴る以外にも、熱風や冷気、そして煙を吹きかけた場合にも成立する。
しかもさっきの山田くんは喘息持ち。煙を吹きかけられた山田くんに身体的な急性症状が生じたら暴行よりも重たい傷害罪が成立することになる!
海外でも煙を顔にわざと吹きかけた行為で、逮捕されたり有罪になってるケースがある。
タバコを吸うときはマナーと法律厳守で!」
動画の補足
アトム法律事務所がこれまで請け負ってきた事件を見てみると、喧嘩トラブルが派生して暴行罪として警察沙汰になってしまったというケースの相談はかなり多いです。
ここでは動画の補足として「暴行にあたり得る行為」などについてくわしく解説していきます。
暴行にあたり得る行為とは?
暴行罪の条文を確認してみましょう。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法208条
暴行罪における『暴行』とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいいます。
暴行、というと殴る、蹴る、叩くといった行為が想像されますが、暴行罪における暴行はもっと幅広い範囲の行為についても取締りの対象としています。
行使した力が相手に命中していないケースや、音や熱などを利用した攻撃でも「暴行」と評価される可能性があります。
暴行として評価され得る行為
- 他人に組み付く行為
- 他人の服を掴んで引っ張る行為
- 食塩を振りかける行為
- 髪の毛を切る行為
- 体液をかける行為
- 太鼓を室内で連打して音で意識をもうろうとさせる行為
- 車で幅寄せをする行為
- 人の近くに石を投げる行為
当然、たばこの煙を吹きかけるのも暴行として評価され得ます。
暴行罪が警察沙汰になるよくあるパターン
暴行罪は主に現場での通報によって警察沙汰になります。
「駅での喧嘩トラブルで相手方に手を出した」「家庭内や交際関係のある相手に暴力を振るった」といった場面で被害者本人や目撃者に通報され、警察官が駆けつけて事件化されます。
また後日被害者が被害届を提出し捜査が行われるケースもあります。
さらに捜査が開始された後、暴行の被害者が病院でケガの診断書などを取得し警察に提出することで、暴行罪からより罪の重い傷害罪に罪名が切り替わるケースもあります。
タバコの煙について言えば、例えば路上喫煙の注意を受けたことに逆上して煙を吹きかけるなどしたとき、被害者や目撃者が通報することによって刑事事件化するケースがあるでしょう。
暴行罪の量刑は?
暴行罪の法定刑は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。拘留や科料となることは実務上はほとんどありません。
被害者が怪我をして、傷害罪に罪名が切り替わった場合には、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に問われることとなります。
さらに詳しく知りたい方はコチラの記事を参照!
暴行事件について加害者の立場でお悩みになっていたり疑問をお持ちの方は、当サイトの「暴行罪の弁護士相談|刑事事件に強いアトム法律事務所」をご覧ください。
また、当サイトではアトム法律事務所が過去にとり扱った暴行事件について統計データを公開しています。暴行の逮捕率や起訴率のほか個別具体的な事例についてもご覧いただけるので、「暴行の統計を見る」からぜひご利用ください。
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