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弁護士が教える怖い警察の取り調べへの対応法|録音や拒否はできる?

警察の取り調べ

取り調べというと、テレビドラマで見るような警察官からの威圧的な取り調べや自白を強要されるような怖い取り調べをイメージするかもしれません。怖い取り調べに対抗するために、取り調べの録音や拒否ができるのでしょうか。

そのような疑問は、取り調べとは一体どのようなものなのか、怖い取り調べにはどのような対処法があるのかを知ることで解消することができます。以下では、取り調べの実態や取り調べで許されていること、そして怖い取り調べへの対処法を弁護士の解説とともに見ていきましょう。

警察の呼び出しを受けた方へ
取り調べ対応は間違えてしまうと取り返しがつかなくなるおそれがあります。具体的な事案を踏まえたうえで弁護士のアドバイスを受けておくことが重要です。アトム法律事務所の無料相談をご希望の方はまずは以下の番号からお電話をください。

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警察の取り調べとは?2種類の取り調べの違い

急な電話…警察の取り調べはいつ行われる?

警察が取り調べを行う場合、任意であれば突然電話がかかってくることが多いです。その際に警察署への取り調べの呼び出しがされますが、時間帯としては平日の日中が多いでしょう。警察に逮捕・勾留されてから警察署で行われる取り調べも同様に平日の日中に行われることが多いです。

もっとも、任意の取り調べの場合には警察も仕事の都合等事情を汲んでくれることもあるので、本人が希望して調整すれば取り調べが土日に行われることもあります。また、警察に逮捕・勾留されてから行われる取り調べについても、早く捜査を終わらせるために土日に行われることもあります。

警察の任意の取り調べとは?

警察の任意の取り調べは、警察から身体拘束を受けていない被疑者に連絡がなされ、呼び出しを受けてから警察署等で行われる取り調べになります。この場合の取り調べはいわゆる任意捜査の一環となりますので、被疑者は取り調べを断ることや時間帯の調整、途中での退出も可能です。

警察の取り調べとは?2種類の取り調べの違い

任意での取り調べは通常数日前に警察から連絡があり、詳しい事件内容などは伝えられないまま警察署に来て欲しいと言われることが多いです。

取り調べは1度で終わるとは限りません。取り調べ終了時に、次回呼び出しの予定を話してもらえることもあります。次は検察からの呼び出しになると言われることもあります。

警察から呼び出しがあった場合には、まずは1度弁護士へ相談をすることをおすすめします。

警察に逮捕、勾留されているときの取り調べとは?

警察に逮捕、勾留されているときの取り調べは、通常は身体拘束を受けている警察署で行われます。身体拘束中の取り調べは義務ですので、任意の取り調べと異なり、出頭を断ることや時間の調整など行うことができません。ただし、黙秘権はありますので話したくないことは黙秘することができます。

逮捕・勾留には期間制限があるため、逮捕・勾留中の取り調べはその期間内に検察官が勾留を請求すべきかや起訴・不起訴の判断を決めるために行われるものです。そのため、捜査機関は期間中に捜査を終わらせなければいけず、本人も取り調べに応じなければいけないということになります。

警察による取り調べの種類

逮捕前の取り調べ逮捕後の取り調べ
拒否や時間変更可能不可能
黙秘権ありあり

逮捕後の流れについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

実際の警察の取り調べはどうやって行われる?

警察の取り調べの流れとは?

警察の取り調べは、まず警察署の取調室で行われることが多いです。取り調べ前に指紋の採取やDNAの採取が行われることもあります。取り調べでは、1名ないし2名の警察官での対応で行われ、事件に関する事情聴取を行い、書面を作成します。最後に、次も呼ばれる場合には告知や日程調整をすることもあります。

警察での取り調べの合間に、実況見分のために事件現場まで行ったり、再現のための写真や証拠を示す写真を撮ったりすることもあります。そして、その際に行われた実況見分などの内容を踏まえた書面を作成するために、再度の取り調べが予定されて再び呼ばれるということもあります。

取り調べの流れ

取り調べの場では実際に何をするの?

取り調べの場では、まず黙秘権の告知が行われた上で事情聴取が行われます。警察官から雑談をすることもありますが、基本的には事件のことを聞いた上で、その内容を警察官が書面にまとめ、その中身を警察官からみせてもらい、確認した上で署名押印を求められることになります。

取り調べの内容として、事情をただ聞かれてお話するということもあれば、実況見分や防犯カメラ等の写真や映像を見てそれについて答えていくこともあります。書面を作成するときには最後に署名押印を求められますが、内容を訂正してほしい場合には警察官に伝えた上で訂正することができます。

警察の取り調べの時間・回数は?

警察の取り調べの時間は事案によってまちまちですが、通常1~2時間ほどで終了します。もっとも、長引く場合には半日程度かかることもあるため、取り調べ後の予定は立てない方が無難でしょう。

なお、取り調べは原則8時間以上は行えない決まりとなっています。取り調べが長引くケースとしては否認をしている場合や事実を争っている場合などが多いでしょう。

取り調べの回数も事案によって1回で終わることもあれば、複数回呼ばれることもあります。否認事件や複雑な事件などでは、複数回に分けて事情を聞いたうえで最後に書面を作成したり、検察官が追加で聴取の指示を出して再度の取り調べを行うというケースは少なくありません。

警察の取り調べへの対応方法とは?

警察の取り調べに呼ばれたら拒否できる?

警察の取り調べに呼ばれた場合、それが任意の捜査の場合には拒否することが可能ですが拒否することで事態が良くなることはまずありません。拒否を続けてしまえば不要な疑いを掛けられ身体拘束の危険性がありますので、できる限り捜査には協力をした方がよいでしょう。都合がつかない場合には、事情を話して日程を調整してもらってください。

実務上、3回程度任意の呼び出しに応じないと逮捕の可能性が高くなると言われています。話をしたくないということであれば、呼び出しには応じたうえで取り調べに対し一切を黙秘するという対応が考えらえます。

警察の取り調べには黙秘した方がいい?

警察の取り調べは黙秘をした方がよい場合とそうではない場合があります

捜査事項を争いたい場合や余罪発覚のおそれがある場合には黙秘をした方が良い場合があります。罪を認める場合であっても、争いがある事実がある場合には、誤解を招く表現を避けるために黙秘することも選択肢の一つです。

一方、黙秘をすることで、反省していないと捉えられたり、取り調べを無用に長引かせてしまったりすることもあります。疑われている事実について全く争う予定がない場合や、反対に一切身に覚えがないということであれば、捜査に協力し逮捕のリスクを避けるため正直に答えた方が良いでしょう。

不利にならないように取り調べに対応するためには、事前に対応方針を弁護士とよく相談することが重要です。

取り調べでの黙秘

争いがある事実争いがない事実
黙秘黙秘した方がよい黙秘しない方がよい
目的誤解を招く表現を避けるため取り調べの長期化を避けるため

警察の供述調書にサイン拒否できる?

供述調書へのサインは拒否することができます。供述調書は最終的に記録として証拠となり、検察官の処分や裁判官の判決にも影響を及ぼします。しかし、内容が違っているのにサインをしてしまえば正しい証拠として扱われてしまいます。一度サインすると取消したり訂正することはできません。

警察の取り調べで作成される供述調書の中には、自分が言ったことと違うことや自分の考えていたニュアンスと違うことが書かれていることがあります。過剰に悪い印象で書かれていないか、事実と違うところがないかは必ず確認が必要です。あいまいな部分について警察の誘導通りに供述することもいけません。

拒否する際には、まず違う部分の訂正を頼んだ上で、それでも直してもらえない場合には署名を拒否するという方法を取ることができます。

警察の取り調べを携帯で録音するのは違法?

警察の取り調べを携帯で録音することは違法ではありません。しかし、通常警察は録音することを良しとはしないので、録音することを告げた場合にはやめるように言われるでしょう。録音をしたいという場合には、隠れて行うことになりますが、見つかった場合には揉める可能性があります。

警察の取り調べへの対応方法とは?

警察の取り調べは可視化が進められており、一定の事件については録音録画がされています。しかし、対象となっているのはごく一部のものになります。ご自身で録音することには警察とトラブルになるリスクもあるため、違法な取り調べの不安があるという場合には、まずは弁護士に相談するのが良いでしょう。

警察の取り調べに嘘を言ったらどうなる?

警察の取り調べで嘘を言ったとしても、罪に問われることはありません。ただし、嘘はつくべきではありません

嘘というのは重ねていくといずれ破綻します。もし取り調べでどうしても言いたくないことがある場合には黙秘をするのが適切です。

嘘が後からバレてしまえば、それまでの供述の信用性もなくなり、その他の本当のことも嘘じゃないかと疑われる危険性があります。また、供述調書の内容は裁判の証拠になるので、嘘があるとわかれば判決に不利に働くことも考えられます。

警察の取り調べでの暴力や暴言を訴えられる?

取り調べではかなり厳しい追及を受けることも多く、警察の取り調べの不当性や違法性を訴えたいという方は良くいます。警察の取り調べで暴言を吐かれたり暴力を振るわれた場合には、刑事告訴や損害賠償請求をすることができます。

警察官の暴力や暴言は「特別公務員暴行陵虐罪」(刑法第195条1項)という罪にあたります。また、精神的肉体的な損害賠償を受けたとして管轄する県に賠償金の支払いを請求することができます。

もっとも、警察を訴えるという場合には暴力や暴言があったという証拠が必要となり、そのハードルは低くはありません。そのため、警察の取り調べでの暴力や暴言を訴える場合にはICレコーダー等で録音していた音声や暴力を受けた際の診断書等を証拠とすることになりますが、このような証拠を集めることが困難な場合も多いでしょう。

不当な取り調べに対しては、その都度弁護士に抗議してもらうという対応をとることもできます。

警察の取り調べをされたら…弁護士に連絡するべき?

弁護士は警察の取り調べの対処法を伝えられる!

警察の取り調べを受けることになったときは、まず弁護士に相談しましょう。弁護士は、事件の内容や相談者の方の主張を聞いた上で、警察での取り調べでの適切な対処法を伝えることができます。また、既に取り調べを受けた場合に、その内容を踏まえ、予定されている次の取り調べについての対処法を伝えることもできます。

突然の警察での呼び出しによる取り調べでは、何を話していいかわからないということはよくあります。弁護士であれば、取り調べを受ける際どんなことが起こりうるか把握しており、取り調べの際に自らの主張を警察に伝え、不当な捜査による証拠作成を防ぐためにどう臨めばいいのかを伝えることができます。

取り調べに弁護士に立ち会ってもらうことはできる?

取り調べへの弁護士の立ち合いは通常認められることはありません。ただし、弁護士が取り調べに同行し、取調室の外で待機してもらうことはできます。任意取り調べでは被疑者は自由に取調室を入退出できますので、取り調べの合間に弁護士から都度助言を行うことができます。

取り調べを受ける際には通常一人で呼び出され、どうすればいいか分からず心細いものです。そのため、弁護士が警察まで同行の上、任意の取り調べ中に困ったら取調室を出て、待機をしている弁護士に助言を受けることができれば、心強いと感じ取り調べに臨むことができるでしょう。

家族が逮捕されたらまずは弁護士に相談

ご家族が突然の逮捕により強制的に取り調べを受けることになったら、できるだけ早く本人が弁護士と面会して助言を受けることが必要です。まず弁護士に相談してください。

弁護士は相談内容を踏まえ逮捕されたご家族に接見し、重要な逮捕後の取り調べにおいてどのような対応を取れば身体拘束を避けたり自身の主張を正確に伝えられるか等の助言をすることができます。

逮捕中の取り調べは、最初の取り調べとして警察は証拠を得るために力を入れますし、また勾留をされるかどうかを決める資料となる供述調書を取る重要なものです。逮捕中の被疑者には一般の人は会えないため、弁護士が接見を行い、取り調べ対応の助言を行うことが必要です。

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違法な取り調べがあったらどうすればいい?

違法な取り調べがあった場合には、弁護士は警察に抗議の上、今後違法な捜査が行われないように警察や検察に申し入れます。また、逮捕中であれば、申し入れに加え、身体拘束自体の取り消しや拘束場所の変更を求めることもあります。

違法な取り調べがあれば、適切な刑事手続きが行われず、不当な処分を受ける危険性があります。そのため、違法な取り調べがある場合にはその旨を抗議して調査を促し二度と同じことがないよう働きかけます。また、強制的に違法な取り調べが行われることのないよう身体拘束からの解放や場所の変更を求める必要があります。

警察の取り調べのご不安はアトム法律事務所まで

アトム法律事務所では、24時間365日刑事事件加害者の相談予約を受け付けています。警察から呼び出しを受けた・捜査を受けている事件では無料相談も可能です。各支部には基本的に複数の弁護士が在籍しておりますので、当日の来所相談予約であっても対応できる場合が多いです。

警察の取り調べに不安がある方や弁護士相談を検討されている方は、以下の番号からお気軽にアトム法律事務所の受付窓口までお電話ください。無料法律相談の案内をお受けいただけます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了