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取締役に前科がついたらどうなる?役職を失うケースと前科を回避する方法

取締役の前科

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

「取締役として働いているが、事件で前科がついたら、役職を失ってしまうのか」

突然の逮捕や捜査を受け、そのような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、会社法上の欠格事由に該当する前科がつけば、取締役の地位を失う可能性があります。

しかし、弁護士に今すぐ相談して不起訴処分を獲得できれば、前科そのものがつかず、役職を守れる可能性があります。一刻も早く弁護士に相談することが、役職を守る最短の道です。

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取締役は前科がつくと役職を失う?

取締役が罪を犯し前科がついた場合、役職を失う可能性があります。ただし、すべての前科が即座に失職につながるわけではなく、罪の種類・刑の内容によって結論が異なります。

取締役になれない条件(欠格事由)とは

取締役に関する規定は、主に会社法に定められています。会社法331条は、取締役になれない条件(欠格事由)として以下の者を挙げています。

三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(中略)又は金融商品取引法(中略)民事再生法(中略)外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(中略)会社更生法(中略)破産法(中略)の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

会社法331条

つまり、会社法や金融商品取引法などの特定法令に違反して有罪となった場合は刑の種類を問わず2年間就任できなくなり、それ以外の法令違反で拘禁刑以上の実刑判決を受けた場合は刑の執行が終わるまで就任できなくなるということです。

拘禁刑以上の前科がつくと取締役に就くことができない

会社法上の欠格事由は「拘禁刑以上の刑」が基本的な基準となっています。罰金刑のみであれば欠格事由に該当せず、取締役の地位は直ちに失われません。

ただし、罰金刑も前科であることに変わりはなく、役員規程による社内処分や株主からの責任追及リスクは残ります。

刑事罰とは別に役員規程による社内処分もある

取締役が不祥事を犯した場合、刑事罰とは別に会社内での処分が行われることがあります。

取締役は通常、会社との関係が委任と整理されるため就業規則ではなく役員規程が問題となりますが、労働者性の有無は実態に応じて個別に判断されます。

役員規程の内容によっては、欠格事由に該当しない前科であっても解任されるリスクがある点に注意が必要です。

前科とは何か?罰金・執行猶予も前科になる?

前科とは、刑事裁判で有罪判決が確定することです。逮捕された事実や捜査を受けた事実だけでは前科にはなりません。裁判で無罪判決を獲得した場合も、前科はつきません。

罰金・執行猶予も前科になる

逮捕後は一定の勾留期間を経て、検察官が起訴か不起訴かを判断します。

起訴されて裁判で有罪判決が確定した場合に初めて前科がつきます。拘禁刑だけでなく、罰金刑・執行猶予付き判決・略式起訴による罰金刑もすべて前科となります。

「執行猶予がついたから大丈夫」と考える方も多いですが、執行猶予付き懲役刑は有罪判決であることに変わりなく、前科記録に残ります。

会社法上の欠格事由については、執行猶予中の者は除外されているため(331条4号)、執行猶予期間中は取締役に留まれる場合もありますが、執行猶予が取り消された場合は欠格事由に該当します。

取締役が役職を守るために弁護士へ早期相談すべき?

取締役が役職を守るためには、「前科がつくこと自体を回避する」ことが最も現実的かつ効果的な対策です。そのためには、弁護士への早期相談が不可欠です。

不起訴処分を獲得すれば前科はつかない

検察官が不起訴処分の判断を下せば、裁判が開かれることなく事件が終了し、前科はつきません

日本の刑事裁判では、起訴された後の有罪率は99%以上といわれており、起訴されてしまうと前科を回避することは極めて困難です。つまり、不起訴処分の獲得こそが、前科回避の最も現実的な手段です。

令和7年版犯罪白書によると、2024年(令和6年)に検察庁が処理を終えた事件(交通違反などを除く刑法犯)のうち、不起訴になった人の割合は約67.4%でした。これは、約3人のうち2人は起訴されず、裁判にならないで事件が終了していることを意味します。

弁護士による早期の示談交渉・弁護活動が不起訴の可能性を高めます。

示談を締結して不起訴の可能性を高める

示談とは

被害者のいる犯罪(窃盗・傷害・盗撮・不同意わいせつなど)では、被害者との示談の締結が不起訴処分を得るための最も有力な手段のひとつです。真摯に謝罪・反省の意を示し、示談を締結することで、検察官が「起訴するほどではない」と判断する起訴猶予の可能性が高まります。

逮捕されているケースでは、示談交渉は、逮捕から起訴まで最大23日という限られた期間内に行う必要があります。起訴が決まった後では示談が成立しても不起訴に変更することは原則としてできません。

示談交渉は弁護士でなければ事実上困難

逮捕されている被疑者本人は、自ら示談交渉を行うことができません。逮捕されていない在宅事件でも、加害者と被害者が直接交渉することは、被害者の心理的負担やトラブルのリスクから事実上困難です。

示談交渉は本人が直接行うことが難しい場合が多く、実務上は弁護士を通じて進めるのが一般的です。弁護士が介入することで示談成立の可能性が大きく上がります。

示談交渉を弁護士に依頼すべき理由はこちらの記事で詳しく解説しています。

取締役と前科に関するよくある質問

Q.前科があっても会社設立・取締役就任は可能?

欠格事由に該当する期間が経過すれば、前科があっても会社を設立して取締役・代表取締役(社長)に就任することは可能です。

ただし、業種によっては許認可が下りないケースもあるため、事前に弁護士への確認が必要です。

Q.罰金刑でも取締役の欠格事由に該当しますか?

罰金刑の場合、犯した罪の種類によって結論が異なります。

一般の刑法犯(傷害や窃盗など)の罰金刑であれば直ちに欠格事由にはなりませんが、会社法や金商法などの違反による罰金刑の場合は、役員の地位を失います。

欠格事由に該当しない場合も、役員規程の内容によっては会社から解任されることがある点に注意が必要です。

Q.執行猶予がつけば取締役を続けることができますか?

執行猶予も罰金刑同様に、一般の刑法犯(傷害や窃盗など)であれば直ちに欠格事由にはなりませんが、会社法や金商法などの違反による場合は、役員の地位を失います。

欠格事由に該当しない場合も、役員規程の内容によっては会社から解任されることがある点に注意が必要です。

まとめ

取締役に前科がついた場合、会社法331条の欠格事由に該当すると役職を失います。

会社法や金融商品取引法などの特定法令に違反して有罪となった場合は刑の種類を問わず2年間就任できなくなり、それ以外の法令違反で拘禁刑以上の実刑判決を受けた場合は刑の執行が終わるまで就任できなくなります。

役職を守るために最も重要なのは、前科がつく前に不起訴処分を獲得することです。令和7年の犯罪白書のデータでは、刑法犯の約6割以上が不起訴となっており、弁護士による迅速な示談交渉・弁護活動によって、不起訴処分を得られる可能性は決してゼロではありません。

しかし、逮捕から起訴まで最大23日間という時間制限があります。「役職を守りたい」と思うなら、今すぐに弁護士へ連絡することが最善の行動です。

アトム法律事務所は全国対応・24時間365日相談予約を受付中です。「警察から呼び出しを受けた」「家族が逮捕された」などのケースは初回30分の無料相談が可能です。取締役の刑事事件を数多く扱ってきた実績があります。まずは無料相談だけでも、ぜひお電話ください。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了