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風営法違反の有名裁判例

風営法は、パチンコやキャバレーなどの風俗営業を無許可で行うことを処罰しています。
ここでは、改正前風営法2条1項3号における「ダンス」の意義や、風営法2条6項3号、同法施行令2条1号「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる興行の用に供する興行場」の該当性について争われた裁判例をご紹介します。

風営法2条1項3号に定める「ダンス」の意義が争われた裁判例

裁判所名: 大阪高等裁判所 事件番号: 平成26年(う)第705号 判決年月日: 平成27年1月21日

判決文抜粋

「(3号営業に対する規制の主な目的は、)男女間の享楽的雰囲気が過度に醸成されることを防止することを通じて性的逸脱行為の発生を防ぎ健全な性風俗秩序を維持することにある」
「風営法2条1項3号にいう「ダンス」とは,男女が組になり,かつ,身体を接触して踊るのが通常の形態とされているダンスを指(す)」

弁護士の解説

ダンスクラブを営んでいた事例において、改正前風営法で規制されている風俗営業を営んだことに当たらないとして無罪となった裁判例です。
職業の自由や表現の自由、ダンスの多様化等に照らして、ダンスを一律に規制することは合理性を欠き、「ダンス」とは、男女が組になり、かつ、身体を接触して踊るのが通常の形態とされているダンスをいうと限定解釈されました。

個室ビデオ店の風営法2条6項3号、同法施行令2条1号「専ら」「興行場」の該当性について争われた裁判例

裁判所名: 東京高等裁判所 事件番号: 平成19年(う)第1189号 判決年月日: 平成19年8月29日

判決文抜粋

「店内に多数の個室を設置し、多数のアダルトビデオ等をあらかじめ準備した上、来店した客に対し、店内の個室において、それらのアダルトビデオ等のうち客の選択したものを視聴させていた」
「本件個室ビデオ店は、まさにアダルトビデオ等を視聴するために来店する客を対象として営業し、そのような客にアダルトビデオ等を視聴させることを専門的に行っていた」

弁護士の解説

いわゆる個室ビデオ店が店舗型性風俗特殊営業にあたるとして、これを無許可営業したため有罪となった裁判例です。
被告人は、「興行」をするのは客自身であって営業者は「映像を見せる興行」をしていない、陳列したアダルトビデオは全体の7割を下回るため「専ら」にあたらないと主張しましたが、この主張は認められませんでした。
営業実態等を総合してみれば、これらの要件に該当することは明らかであると判断されています。

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