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覚醒剤の刑罰・捜査の流れ・裁判例

覚醒剤で適用される刑罰

覚醒剤を所持等した場合、覚醒剤取締法により処罰されます。
禁止されている行為は、覚醒剤の輸出入、所持、製造、譲受け、譲渡、使用、施用、広告です。
実務上は、特に所持や使用について処罰されることが多いです。

覚醒剤取締法41条の2第1項

10年以下の拘禁刑

第四十一条の二 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(略)は、十年以下の拘禁刑に処する。

条文における「覚醒剤」とは、フェニルアミノプロパン(アンフェタミン)、フエニルメチルアミノプロパン(メタンフェタミン)および各その塩類、これらのいずれかを含有する物を言います。
「所持」とは法律上、事実上の実力支配関係を言い、家や車に保管している場合も所持にあたります。

覚醒剤取締法41条の2第2項

1年以上の有期拘禁刑
または情状により1年以上の有期拘禁刑
および500万円以下の罰金

第四十一条の二
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期拘禁刑に処し、又は情状により一年以上の有期拘禁刑及び五百万円以下の罰金に処する。

自己使用目的ではなく、営利目的で覚醒剤を所持等した場合、この罪に問われます。
営利目的の場合、非営利目的よりも重い法定刑が規定されています。

覚醒剤取締法41条の3第1項1号

10年以下の拘禁刑

第十九条 (略:正当な理由がある)場合の外は、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
第四十一条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の拘禁刑に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者

「使用」とは、法律上、薬品として消費する一切の行為を言います。
覚醒剤を自己の身体に注射する場合はもちろん、他人に覚醒剤を注射した場合も、使用にあたる可能性があります。

覚醒剤の捜査の流れ

覚醒剤事件は、証拠の隠滅が容易であることから、前触れもなく家宅捜索が行われたり、逮捕されたりするケースも多いです。

職務質問される場合

1 職務質問を受ける
2 覚醒剤が見つかる
3 検挙

パトロール中の警察官に職務質問や所持品検査を受け、覚醒剤の所持等が露見することがあります。
覚醒剤の所持が判明した場合、多くは現行犯逮捕され、尿検査を受けることになるでしょう。
使用していた場合は、所持容疑で逮捕後、使用容疑で再逮捕されることも考えられます。

家宅捜索を受ける場合

1 警察が疑いを持つ
2 家宅捜索
3 覚醒剤を発見

覚醒剤の所持者や売人が検挙された際、警察は、入手経路や販売先などについても情報収集します。
場合によっては、覚醒剤に関与したであろう人物が芋づる式にピックアップされるケースもあります。
覚醒剤所持等の疑いを持った警察は、対象者の家などを捜索し、覚醒剤の発見に努めます。

覚醒剤の有名裁判例

覚醒剤を所持等すると、覚醒剤取締法により処罰されます。
ここでは、覚醒剤を麻薬(コカイン)と誤認して所持した場合、どのような罪に問われるのか判示した例をご紹介します。

覚醒剤を麻薬と誤認して所持した場合の罪責について判示した判例

裁判所名: 最高裁判所 事件番号: 昭和61年(あ)第172号 判決年月日: 昭和61年6月9日

判決文抜粋

「(麻薬所持罪と覚醒剤所持罪は)後者につき前者に比し重い刑が定められているだけで、その余の犯罪構成要件要素は同一であるところ、麻薬と覚醒剤との類似性にかんがみると、この場合、両罪の構成要件は、軽い前者の罪の限度において、実質的に重なり合つている」「両罪の構成要件が実質的に重なり合う限度で軽い麻薬所持罪の故意が成立し同罪が成立する」

弁護士の解説

覚醒剤を麻薬であると誤認して所持した場合に、軽い麻薬所持罪の限度で犯罪が成立すると判示した判例です。
覚醒剤所持罪の故意がないからといって無罪となるわけでなく、同罪より軽い類似犯罪の麻薬所持罪の故意があればその罪が成立するとされました。

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