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恐喝の有名裁判例

恐喝罪は、相手の反抗を抑圧しない程度の暴行または脅迫により財物を交付させることを処罰しています。
ここでは、債権者による取立てでも恐喝罪を構成しうるとした判例と、告知した害悪の内容が違法でない場合でも恐喝罪が成立するとした判例をご紹介します。

債権の取り立てにつき恐喝罪の成立を認めた判例

裁判所名: 最高裁判所 事件番号: 昭和27年(あ)第6596号 判決年月日: 昭和30年10月14日

判決文抜粋

「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする」

弁護士の解説

返済に応じなければ身体に危害を加えるような態度を示した事案で、恐喝罪が成立するとした判例です。
債権取立のためにとった手段が、権利行使の方法として社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した恐喝手段である場合には、交付を受けた全額につき恐喝罪が成立するとされました。
借金を返すように説得するような態様であったとしても、その説得の方法によっては恐喝罪が成立し得るというわけです。

害悪通知の方法に制限はないと判示した判例

裁判所名: 最高裁判所 事件番号: 昭和27年(あ)第6260号 判決年月日: 昭和29年4月6日

判決文抜粋

「恐喝罪において、脅迫の内容をなす害悪の実現は、必ずしもそれ自体違法であることを要するものではないのであるから、他人の犯罪事実を知る者が、これを捜査官憲に申告すること自体は、もとより違法でなくても、これをたねにして、犯罪事実を捜査官憲に申告するもののように申し向けて他人を畏怖させ、口止料として金品を提供させることが、恐喝罪となることはいうまでもない」

弁護士の解説

「恐喝」とは相手の反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫または暴行を加え、財物交付を要求することをいい、脅迫とは相手方を畏怖させるような害悪の告知をすることをいいます。
本件では、葉タバコを盗んだという弱みにつけ込み、その犯罪事実に対する口止め料を提供させた事案ですが、これは恐喝にあたるとされました。
脅迫の内容それ自体が合法的なものであったとしても、脅迫にあたり得るというわけです。

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