恐喝罪の逮捕率は高く、逮捕されれば長期間の身柄拘束を受け、厳しい取り調べが続くことになります。恐喝事件で起訴されれば前科がつく可能性も高く、懲役刑という刑罰を受けることになるでしょう。
弁護士に相談や依頼しておけば、被害者との示談交渉・早期釈放や不起訴の獲得に向けた対応・取調べの助言といったさまざまなサポートが受けられます。恐喝事件が不起訴に終われば、前科がつくこともありません。
本記事では、恐喝罪で逮捕されたらどのような問題に直面するのか、弁護士に依頼するメリットや弁護士費用について解説します。是非この記事をお読みになり、恐喝事件の逮捕・示談・刑罰など、今後の不安解決にお役立てください。
恐喝事件で逮捕されたり、被害者に被害届を出されたりしたら、早めに弁護士に相談しましょう。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
恐喝罪の逮捕率は?逮捕されやすいケース
恐喝罪の逮捕率は〇〇%?
2022年における恐喝罪の逮捕率は約74%となっています。
検察統計(法務省)によれば、2022年に捜査機関が取り扱った恐喝事件1,701件のうち逮捕された事件の数は1,251件でした(「罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員」より参照)。
恐喝罪は、逮捕される割合がかなり高い犯罪類型といえるでしょう。
恐喝罪で逮捕されやすいケースと逮捕の要件
恐喝罪で逮捕されやすいケースは、恐喝の被害額が大きかったり、恐喝の被害者が何人もいたりする場合です。他にも、恐喝の余罪や前科があると、逮捕される可能性が高くなるでしょう。
そもそも、逮捕とは「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」があるときに容疑者の身柄を拘束する刑事手続です。逮捕の必要性とは、「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」の2つを指しています。
逮捕されやすいケースでは重い刑罰を受ける可能性が高いので、その重い刑罰を避けるために逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとみなされやすく、結果的に逮捕につながりやすいのです。
恐喝罪は現行犯逮捕より通常逮捕が多い
実際のところ、被害者からの被害届によって捜査が進むため、恐喝罪は通常逮捕(後日逮捕)されるケースが大半です。
通常逮捕は逮捕の理由と必要性がなければできないので、被害金が高額な場合や手段が悪質な場合、複数人が関与した共犯事件の場合、定職がない場合等は、逮捕される可能性が高いといえます。
もっとも、状況によっては、恐喝罪で現行犯逮捕される場合もあるでしょう。
恐喝罪で現行犯逮捕される場合
恐喝罪で現行犯逮捕される場合としては、暴行・脅迫等の恐喝行為の現場を目撃した第三者に通報され、駆けつけた警察官に逮捕されるケースが考えられます。
この場合、お金などを奪う前の段階でも恐喝未遂として逮捕されたり、もっと早い段階では暴行罪や脅迫罪で逮捕されることもあるでしょう。
恐喝罪は時効になるまで逮捕される可能性が続く
恐喝罪の逮捕の可能性は、刑事裁判を提起される可能性がゼロになる(≒不起訴になる)まで続きます。刑事事件が不起訴になるケースの一つとして、公訴時効の完成があげられます。
恐喝罪の公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条)。
公訴時効とは刑事事件の時効のことで、この公訴時効の期間を過ぎてしまうと、検察官は被疑者を起訴する(≒刑事裁判にかける)ことができなくなります。
公訴時効は犯罪行為の終わった時から進行するので、恐喝行為が終わった時から公訴時効がカウントされます。仮に、継続的に恐喝していた場合に時効がカウントされるのは最後の恐喝行為があった時からです。
恐喝罪における時効についてのさらに詳細な解説や、恐喝罪と似たその他の犯罪の時効については『恐喝罪の時効とは?脅迫罪・強要罪・強盗罪との違いも解説』が参考になります。あわせてご確認ください。
恐喝罪で逮捕された後の流れ
恐喝罪をはじめ犯罪を犯して逮捕されると、大まかには逮捕、送致・勾留、勾留延長、起訴という流れに沿って刑事手続きが進められていきます。
逮捕
恐喝罪で警察に逮捕されると、警察署で取調べを受け、逮捕から48時間以内に検察に送られます(送致)。
送致・勾留
恐喝事件を引き継いだ検察官は、送致された被疑者を受け取った時から24時間以内に、勾留する必要があるか判断します。勾留というのは、逮捕後も引き続き被疑者の身体を拘束するという手続きです。
検察官が勾留請求をしてそれを裁判官が勾留を認めると、原則10日、身体拘束が続くことになります。
勾留延長
勾留はさらに勾留延長されることもあり、その場合は追加で10日間以内の身体拘束が実施されます。
結果として勾留期間は最大20日間となる可能性があり、その間は留置場から出られません。恐喝事件では送致されるとほとんどが勾留までされます。
起訴
勾留されると、勾留期間中に検察官が証拠を集め、事件を起訴する(刑事裁判にかける)かどうか決定します。
起訴されると日本の刑事司法上約99%が有罪になりますが、不起訴になれば前科がつかずに釈放されます。
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弁護士への相談が早いほど恐喝」事件がスピーディーに解決し、平穏な生活に戻れるのも早くなります。
アトム法律事務所は刑事事件に注力する事務所としてこれまでに数多くの恐喝事件を解決してきた経験と実績があります。
恐喝事件で逮捕勾留されない場合の流れ
なお、勾留されず在宅で捜査が進む場合は、自宅にいながら捜査を受けることはできます。しかし、公訴時効(=起訴の期限)以外に時間制限は特にないため、起訴/不起訴の判断までに何か月もかかる場合もあるでしょう。
恐喝罪で逮捕される行為とは?成立要件と刑罰
恐喝罪とは?恐喝罪の成立要件
恐喝罪は、人を恐喝して、財物の交付を受け、または財産上不法の利益を得る犯罪です(刑法249条)。
1 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
刑法249条
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
恐喝をもっと簡単にいうと、財物等を奪う目的で相手が怖がるような暴行や脅迫をすることです。「財物」とはお金など財産的なものをいい、「財産上不法の利益を得」とは支払を免除させることなどをいいます。
恐喝罪の例としては、暴行してお金を巻き上げる「カツアゲ」や、脅して借金を免除させる「タカリ」などが典型的です。
他にも「クレーマー」が店の悪口を拡散すると脅して慰謝料を払わせたり、若者が中年男性に暴行を加えて財布や時計などを奪う「オヤジ狩り」も、程度が軽ければ恐喝になります。
恐喝罪が成立する要件
恐喝罪が成立する要件は、以下の4つです。
恐喝罪の成立要件
- 相手の財物を奪うため暴行や脅迫をすること
- 相手が恐怖を感じること
- 相手が恐怖心から財物を処分すること
- 財物が加害者や第三者に渡ること
「財物を処分すること」とは支払いを免除・猶予することなども含み、「財物が加害者や第三者に渡ること」とは加害者や第三者が利益を得ることも含みます。
自分が一切利益を受けていないとしても、第三者に利益を得させれば恐喝になります。
なお、恐喝は未遂罪もあるので、最終的に財物を入手できなくても恐喝未遂で逮捕される可能性があります。
正当な権利行使でも恐喝になる
恐喝によって、不当な利益を得ることが犯罪になることに異論はないでしょう。一方、貸したお金を返してもらうような、正当な権利行使でも恐喝になることはあるのでしょうか。
この点、正当な権利行使であっても、「社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度」を逸脱する方法で権利を実行したときは恐喝罪が成立すると判例は判断しています(最判昭和30年10月14日)。
貸したお金を返してもらうケースのほか、示談金の請求などでも請求の方法によっては恐喝罪の加害者となってしまうことがあるので注意が必要です。
自分では、「正当な請求だし、支払わない相手が悪い」などと思っていても、相手が恐怖を感じて被害届を出してしまえば恐喝罪の加害者として逮捕や取り調べなどの捜査をうける可能性があります。
【参考】:恐喝の有名判例
恐喝罪が成立しなくても他の犯罪になり得る
恐喝罪が成立する4つの要件を満たさなくても、他の犯罪が成立するケースがあります。
財物を奪う目的がない場合は「暴行罪」や「脅迫罪」が成立する可能性があり、暴行や脅迫なく(人の目を盗んで)財産を奪う場合は「窃盗罪」が成立する可能性があります。
暴行や脅迫を用いて、財物の交付ではなく義務のない行為をさせる場合は「強要罪」が成立する可能性があるでしょう。また、暴行・脅迫の程度が相手が抵抗できないほどであれば「強盗罪」が成立する可能性があります。
暴行罪 | 単なる暴行のみ |
脅迫罪 | 単なる脅迫のみ |
窃盗罪 | 暴行・脅迫なく財物を窃取 |
強要罪 | 暴行・脅迫+義務のない行為をさせること |
強盗罪 | 相手の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫 + 財物の交付(利益の取得) |
恐喝罪 | 相手が恐怖する程度の暴行・脅迫 + 財物の交付(利益の取得) |
また、相手の意思を制圧して業務を妨害した場合には、威力業務妨害罪にも問われる可能性があります。
会社や店舗へのクレーム電話をかけ続けること、「〇〇というイベントを中止しろ。中止しなければ爆発する」などの犯行予告を会社やイベント会場に送り付けることなどが例としてあげられるでしょう。
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恐喝罪の刑罰
刑事裁判で有罪が確定した場合、恐喝罪は「10年以下の懲役刑」の刑罰を受けることになります。恐喝罪の刑罰には罰金刑がなく、懲役刑のみが定められていることから非常に重い罪であることがわかるでしょう。
恐喝罪は起訴されると必ず正式裁判(公開法廷での裁判)にかけられ、「無罪か」、「執行猶予付判決か」、「実刑判決を受けて刑務所に収容されるか」のいずれかが決められます。
起訴されても無罪判決の可能性が少なからずあるとはいえ、実務上、起訴されてしまうと無罪の確率は極めて低いのが実情です。そのため、恐喝罪で懲役刑の言渡しを避けるためにはまず、起訴されないように不起訴を目指す必要があるでしょう。
恐喝罪の懲役刑相場をみると、法務省の犯罪白書によれば、2021年に通常第一審により刑が科せられた恐喝罪308件のうち291件という、ほぼすべての事件が懲役1~3年となっています(執行猶予含む)。また、執行猶予がついた割合は約66%程度(308件中204件)です。(「令和4年度 犯罪白書 科刑状況」より参照)
ただし、なかには3年を超える実刑で、執行猶予もつかないケースもあります。
恐喝事件を弁護士に依頼するメリット
被害者との示談に対応してもらえる
恐喝罪で被害者と示談をすることができれば、不起訴処分を獲得して前科を避けられる可能性が高まります。また、逮捕前に示談が成立していれば、逮捕自体を回避できる可能性も高まります。
もっとも、恐喝の被害者は、加害者に対する恐怖心があるはずなので、連絡先を教えてくれない可能性があります。連絡先を入手し、示談交渉を進めるには、弁護士が間に入って対応する必要があるでしょう。
また、被害者と顔見知りで連絡先を知っていたとしても、示談交渉しようと加害者が直接会ったり、連絡したりするのは避けるべきです。加害者が被害者に直接示談交渉をしようとすると、恐喝という犯罪の性質からも、被害者をさらに脅す等の証拠隠滅が疑われ、かえってマイナスに判断される恐れが高いからです。
恐喝では、被害者の恐怖や怒りから示談が難しいこともありますが、弁護士に任せれば、被害者に応じたベストな示談が期待できます。
アトムに寄せられたお手紙
示談が成立するかどうかは、刑事処分に大きく影響します。弁護士に被害者との示談交渉を依頼したい場合、まずは無料相談からはじめてみましょう。
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示談がなぜ重要なのか?
そもそも、示談とは、当事者間が示談条件などに合意し和解することです。
加害者が恐喝をしたことを反省して賠償を尽くし、被害者が謝罪を受け入れて合意・和解したことは、処分が検討されるうえで有利な事情として考慮され、結果として不起訴になる可能性が高まります。
また、恐喝は重大犯罪なので逮捕されないとは限りませんが、被害者が許している以上、逮捕の必要性が低いと判断されやすくなるでしょう。逮捕・勾留後でも示談によって早期釈放も期待できますし、起訴されてしまった後でも示談できれば執行猶予が付く可能性が高まります。
どのタイミングであっても、謝罪と賠償を尽くして示談できたことはプラスに判断してもらえるので、示談を諦めてはいけません。
さらに、示談には民事上の問題も解決できるメリットもあります。刑事事件で示談をすることで、恐喝によって被害者に与えた精神的・身体的・金銭的損害を一挙に解決できるため、被害者救済にも役立ち、加害者としても、後で別に民事裁判を起こされて損害賠償を請求されるリスクを回避することができるでしょう。
恐喝罪の示談金相場
示談金は当事者の合意で決まるものなので、決まった金額もありませんが、ある程度の相場はあります。恐喝の場合、恐喝で得た金額(得たものが物品であればその時価)に、精神的苦痛に対する慰謝料を加味した金額がおおむね支払うべき額になります。
被害者の精神的苦痛は、恐喝行為の態様によっても大きく変わります。慰謝料額は、民事裁判で慰謝料請求をした際に認められる金額が目安にはなりますが、数万円~場合によっては数十万円になります。
恐喝で得た額も様々ですので、恐喝の示談金は数万円で済むケースもあれば、数百万円になることもあります。アトム法律事務所が過去に解決した恐喝事件の示談金についても参考にしてみてください。
逮捕されても接見に来てもらえるので安心
逮捕前に弁護士相談をしておければベストですが、逮捕されてしまった後でも留置場に弁護士を呼ぶことができるので安心です。留置場の面会室において、弁護士とマンツーマンで面談でき、取り調べ対応の助言がもらえます。このことを弁護士接見と呼んだりします。
逮捕された場合は外部と連絡が取れなくなります。突然、逮捕され、警察の取り調べを受けることとなれば適切に対応できないことが普通でしょう。
取り調べで作成された供述調書は一度サインをしてしまうと後から覆すことができず、後の裁判や勾留、起訴・不起訴の判断の証拠資料となってしまいます。そのため、取調べ対応について、一刻も早く弁護士の助言を受ける必要があるのです。
弁護士接見は、ご家族の要請によって実施することも可能です。
恐喝事件で逮捕されてしまった場合
アトム法律事務所では「初回接見出張サービス」(初回1回限り・有料)を実施中です。
逮捕直後はご家族でも面会できず、「まずは本人に話を聞きたい」という場合、弁護士を出張させてご本人のご様子を確認してくることができます。
またその際は、刑事事件を得意とする弊所の弁護士より、取り調べ対応について助言を差し上げることが可能です。
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逮捕されても早期釈放に向けて対応してもらえる
弁護士がついていれば、逮捕・勾留による長期の身体拘束から早期釈放に向けた対応をしてもらえます。
恐喝事件は逮捕されると、その後は勾留という長期間の身体拘束がつづく可能性が高い犯罪類型です。長期間の身体拘束となると会社や学校に支障が生じやすくなってしまうので、元の生活にすぐ戻るためにも早期釈放が重要になるのです。
早期釈放の活動として具体的には、逮捕直後の段階なら、弁護士は検察官に勾留請求しないように働きかけたり、勾留請求されてしまったとしても裁判官に勾留許可を出さないように働きかけたりします。勾留決定となったとしても、弁護士は裁判所に勾留決定を取り消すよう求める「準抗告」を行ったりもするでしょう。
逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身元引受人がいること、被害者との示談が成立していればその旨を検察官や裁判官に伝えるなどして、弁護士は身体拘束する必要性がないことを主張します。
弁護士から取り調べへの助言がもらえる
事情聴取に対しどのように対応すればよいか弁護士に相談し、助言を受けておくことが重要です。
恐喝事件では、いきなり警察が自宅にやってきて逮捕されることもあれば、警察から出頭命令を受けることもあるでしょう。いずれの場合でも、事前に弁護士から取り調べの助言をもらっておけば、いざという時でも安心です。
たとえば、取り調べ時の受け答えの方法や黙秘権の適切な使い方、供述調書へのサインの重要性などについて、弁護士から助言がもらえます。
関連記事
・警察からの呼び出し!取り調べの流れや逮捕の可能性、対応方法を解説
・逮捕されたらすぐに呼ぶべき弁護士とは|弁護士費用と連絡方法
前科を回避するために不起訴を目指してもらえる
恐喝で不起訴処分の獲得を目指すためには、起訴か不起訴を決める権限を持つ検察官に対して、弁護士から以下の内容や結果を十分に伝えてもらうことが重要です。
- 示談の締結の有無
- 示談金の額
- 恐喝に至った動機や行為態様
- 反省の有無や度合い等
恐喝罪の量刑を判断するには、以上の点が総合的に考慮されます。弁護士がついていれば、不起訴の判断に影響を与える内容を過不足なく適切に、検察官に伝えることができるでしょう。
起訴されても執行猶予を目指してもらえる
起訴されたとしても、実刑判決にならないよう弁護士は起訴猶予を目指して活動します。
たとえば、起訴前までに示談が出来ずに起訴されてしまったとしても、その後に示談ができれば執行猶予になる可能性は高まるのです。裁判では、加害者の反省や再犯しないかといった事情が考慮されます。裁判で示談を考慮してもらうためには、示談内容を証拠として提出することが必要ですが、これは弁護士でなければ難しいでしょう。
恐喝罪は懲役刑しかない重大事件のため、示談できたからといって必ず不起訴や執行猶予が獲得できるとは限りません。同種前科の有無、被害の大きさ、悪質性等の事情によっては厳しい判断になることもありますが、それでも示談の成立は有利な事情になるでしょう。諦めずに弁護士に示談を依頼してください。
アトム法律事務所が過去に扱った恐喝事件では、ほとんどの事件で被害者と示談が成立し不起訴処分を獲得しています。
恐喝事件の逮捕で要する弁護士費用
弁護士相談だけなら無料で済むことが多い
恐喝事件の弁護を弁護士に依頼する際、まずは対面での弁護士相談をおこない、事件の見通しや今後の流れについて説明を受けることになります。
弁護士相談については初回無料で済むことが多かったり、30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどの料金が相場となったりするでしょう。弁護士事務所ごとに弁護士相談の費用は異なるので、あらかじめ確認してから弁護士相談の予約を取ってください。
弁護士相談を通して、弁護士の弁護方針や、弁護士との相性などを確認して納得できたら、いよいよ弁護活動を依頼することになります。
なお、アトム法律事務所では、警察から呼び出された、逮捕されたなど警察が介入している恐喝事件の弁護士相談については、初回30分無料で実施しています。お気軽にお電話ください。
弁護士費用の内訳と相場|金額は状況次第で違う
実際に弁護士に弁護活動を依頼する場合、弁護士費用は一般的に100万円前後かかるといわれています。もっとも、弁護士費用は弁護士ごとに金額が異なるので、相場は一つの目安と考えておきましょう。
弁護士費用の内訳としては、着手金、成功報酬、出張日当、実費などがあります。内訳についても弁護士事務所ごとに違いがあります。また、逮捕事件の場合、着手金や成功報酬が高額になる傾向があるので、よく確認しておきましょう。
弁護士費用の内訳
- 弁護士相談料
正式に依頼する前に、弁護士に法律相談をする際かかる費用。初回無料あるいは30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどが相場。 - 着手金
弁護士に弁護活動を依頼するときにかかる費用。
難易度が高い事件や、弁護活動に多くの時間を割く必要がある事件(例:逮捕事件)などは、高額になる傾向がある。 - 成功報酬
弁護活動の成果に応じて支払う費用。
達成した成果ごとに金額が加算される。そのため、どのような成果について、どのくらいの費用が発生するか把握しておく必要がある。 - 出張日当
留置場への接見や、被害者との示談交渉のために出張した場合にかかる弁護士の日当。 - 実費
郵送費など弁護活動に必要な実費。
恐喝罪で逮捕された時のために知っておきたい疑問
Q.「恐喝罪」と「脅迫罪」の違いは?
恐喝罪と脅迫罪の違いは、目的が「財物等を奪う」かどうかです。脅すことが目的なら脅迫罪、財物を脅し取ることが目的なら恐喝罪にあたります。恐喝罪は暴行や脅迫によって財物などを脅し取る犯罪である一方、脅迫罪は人を怖がらせる程度の害悪を告げる(つまり脅す)犯罪です。
また、恐喝罪と脅迫罪は刑罰の重さでも異なります。恐喝罪は、10年以下の懲役刑しかない重大犯罪ですが、脅迫罪の刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。罰金刑でも前科はつきますが、罰金を払えば終了する略式裁判という簡易な手続きで終了することもあります。
恐喝罪との違い
- 恐喝罪
相手が恐怖する程度の暴行・脅迫+財物の交付(利益の取得)
10年以下の懲役 - 脅迫罪
単なる脅迫のみ
2年以下の懲役または30万円以下の罰金(略式裁判の可能性あり) - 暴行罪
単なる暴行のみ
2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料(略式裁判の可能性あり) - 窃盗罪
暴行・脅迫なく財物を窃取
10年以下の懲役または50万円以下の罰金(略式裁判の可能性あり) - 強要罪
暴行・脅迫+義務のない行為をさせること
3年以下の懲役 - 強盗罪
相手の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫+財物の交付(利益の取得)
5年以上の有期懲役
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・「訴えるぞ」「警察に言うぞ」は脅迫罪になる言葉?構成要件や時効を解説
・脅迫罪で逮捕されたら?逮捕後の流れと逮捕されないための方法
Q.恐喝事件での逮捕が会社や家族にバレる可能性はある?
恐喝事件での逮捕が、会社や家族にバレる可能性はあります。
成人の場合、逮捕されると長期間帰宅できないので、警察から同居の家族に連絡が入ります。一方、会社に対しては、社内の恐喝事件でない限り、警察から連絡することは少ないです。ただ、恐喝事件では、勾留され長期間留置場に入れられるケースが多いので、欠勤が長引いてバレる可能性が高いです。
会社にバレて解雇されるのだけは避けたいという場合は、関連記事『逮捕されたら会社にバレる?解雇される?弁護士が教える対応法』もあわせてご確認ください。
また、カツアゲや美人局などの恐喝事件は若者が起こすケースも多く、特に学生や未成年で親と同居している場合は、同居の親や保護者に連絡されるのが通常です。学校にも警察と教育委員会の相互連絡制度に基づいて連絡が行くこともあります。
なお、20歳未満の場合は通常の刑事手続きと異なり、通常は少年審判にかけられることになるので、詳しくは『少年事件を弁護士に依頼する|わが子が犯罪を犯したら親がすべきこと』もあわせてご覧ください。
Q.恐喝罪での逮捕がニュースになることはある?
恐喝罪の逮捕がニュースになることはあります。実際、過去にも、コンビニの店員に因縁をつけて土下座をさせ、タバコを脅し取った女性が逮捕されたニュースや、子供が通う学校の校長に因縁をつけ、恫喝・暴行を加えて現金を脅し取った両親が逮捕され、有罪判決を受けたニュースが上がっています。
恐喝は重大事件で、昨今いじめによる恐喝事件が問題になっていることからも、成人・未成年を問わずニュースになりやすい類型といえます。しかし、弁護士に依頼して警察に要請してもらうことで、逮捕がニュースになることを防げる場合があります。事案により異なりますが、まずは相談してみましょう。
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弁護士なら周囲に知られずに解決できる可能性を高められる
恐喝は逮捕されると報道されやすい事件類型です。実名報道されるとネットに情報が残る場合もあります。逮捕された事件については、報道を必ず防げる方法があるわけではありませんが、弁護士に依頼すれば、警察にメディアに情報を流さないよう要望書を出す等の活動をしてもらえます。できる限りのことをして損はありません。
また、そもそも被害者側と示談して刑事事件化を防いだり、自首により逮捕を回避する可能性を高めることができます。逮捕された場合でも、弁護活動により早期釈放されれば会社への影響が最小限で済みます。事件に関係がない限り、捜査機関が会社に事件を知らせることはまずありません。会社に事件が発覚する最たる理由は、勾留に伴う長期の身体拘束です。
弁護士なら依頼者の希望に応じて恐喝事件について会社や周囲に知られるといった影響を最小限にとどめられる弁護活動ができる可能性があります。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
Q.恐喝事件はどのタイミングで弁護士に相談すべき?
恐喝事件を起こしてしまった場合、弁護士に相談するタイミングは早ければ早いほどよいです。
早急に弁護士に相談し、逮捕・勾留といった身体拘束を回避する弁護活動をしてもらいましょう。恐喝事件は、逮捕される可能性の高い事件類型であり、逮捕されてしまうとほとんどが勾留までされてしまいます。
逮捕・勾留あわせて最大で23日間の身体拘束をされてしまえば、会社をクビになってしまうなど社会生活への影響は甚大です。
早期に弁護士に相談して依頼していれば、被害者と示談を行って被害届を出さないように合意をしたり、すでに出されてしまった被害届を取り下げてもらうことで、恐喝の刑事事件化を防いだり、事件を警察限りで終了させ、検察官へ送致されることを回避することが期待できます。
なお、国選弁護士制度を利用できるのは勾留決定後ですので、逮捕・勾留を防ぐための活動を依頼するには、私選弁護士に依頼する必要があります。恐喝事件は重大事件ですので不安がある場合にはまずは相談だけでもしてみるのがおすすめです。
また、勾留された後でも、弁護士に依頼すれば勾留の要件を満たさないことを主張するなどして、早期釈放を期待することができます。恐喝はその性質上、被害者を脅すことで証拠隠滅を図る懸念が強くありますので、早期釈放のためには被害者と示談を締結して事件について当事者間では解決しているということを適切に検察官に示せるかどうかが重要です。
身体拘束をされている場合、ご自身で示談交渉をすることはできませんので弁護士に活動してもらう必要があります。
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恐喝事件は、逮捕率が約74%と逮捕される可能性が高い犯罪ですが、示談交渉などの弁護活動を早期に開始すれば、不起訴になる可能性がある刑事事件です。
アトム法律事務所は、刑事事件をあつかう事務所として設立されて以来、現在にいたるまで刑事事件の弁護活動に取り組んできました。
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