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「弁護人選任に関する回答書」の書き方(パターン別)、国選弁護人と私選弁護人の違いを解説!

在宅のまま起訴されると、起訴状と一緒に「弁護人選任に関する回答書」という書類が送られてくるケースがよくあります。

突然見たこともない書類が届いたら「何を書けばよいのかわからない」「弁護人を選任しなかったらどうなるのか?」と心配になってしまうでしょう。

弁護人選任届は刑事裁判で重要な「刑事弁護人」の選任について意思確認する書類です。

今回は弁護人選任に関する回答書のパターン別の書き方を解説しますので、書類が届いて困惑している方はぜひ、参考にしてみてください。

弁護人選任に関する回答書とは

弁護人選任に関する回答書とは、刑事事件における弁護人の選任に関して被告人の希望を確認するための書類。被告人が弁護人選任に関する回答書を受け取ったら、必要事項を記入して提出しなければなりません。提出方法としては郵送または持参が可能です。

国選弁護人を希望するのか私選弁護人を選任するのか回答する

刑事事件で起訴された被告人には、自分を弁護してくれる「刑事弁護人」をつける権利が認められます。

ただ刑事弁護人には「国選弁護人」と「私選弁護人」の2種類があります。本人がどちらを希望するか、あるいはどちらも希望しないのかによって国側の対応も変わってきます。

被告人が国選弁護人を請求するなら、要件を満たしている限り国は被告人へ国選弁護人をつけなければなりません。一方で、被告人が自分で私選弁護人を選任するなら、国が国選弁護人を用意する必要はなくなります。

そこで起訴したら起訴状とともに被告人に「弁護人選任に関する回答書」を送り、本人の弁護人に関する希望を確認するのです。

弁護人選任に関する回答書の書き方

起訴されて「弁護人選任に関する回答書」が届いたら、照会内容にどうやって回答したら良いのでしょうか?

  • 国選弁護人を選任したいとき
  • 私選弁護人を選任したいとき
  • 国選弁護人も私選弁護人も不要な場合

以下では上記の3パターンに分けて弁護人選任に関する回答書の書き方をご説明します。

国選弁護人を選任したい場合

国選弁護人を選任したい場合には、「国選弁護人の選任を請求する」という欄にチェックしましょう。

次に国選弁護人をつけたい理由を書かなければなりません。国選弁護人を選任できる要件はいくつかあります。

私選弁護人を依頼する資力が不足している

預貯金等の資産が50万円以下であれば、「資力不足」を理由に国選弁護人をつけてもらえます。「貧困のため」をチェックするとよいでしょう。

弁護士会に紹介を申請したけれど断られた

「弁護士会へ弁護士の紹介を依頼したけれども断られた場合」には国選弁護人を選任してもらえます。その場合「その他」の欄に、「弁護士の紹介を依頼したが断られた」などと書きましょう。

重大事件の場合

「死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮にあたる事件」の場合、法律上必ず刑事弁護人をつけなければなりません(刑事訴訟法289条)。重大事件の場合、被告人の権利を適切に守るために刑事弁護人が必須と考えられるからです。これを「必要的弁護事件」といいます。

【必要的弁護事件の例】

  • 殺人罪
  • 傷害罪
  • 強盗罪
  • 強制わいせつ罪
  • 強制性交等罪
  • 放火罪
  • 窃盗罪
  • 詐欺罪
  • 横領罪
  • 過失運転致死傷罪
  • 危険運転致死傷罪

必要的弁護事件の場合、弁護士会に弁護士の紹介依頼を出さなくても国選弁護人をつけてもらえます。

法律上、国選弁護人を選任してもらえるケース

さらに、以下のような場合にも国選弁護人をつけてもらえる可能性があります。

  • 被告人が未成年者
  • 被告人が70歳以上の高齢者
  • 被告人の耳が聞こえない、口をきけない
  • 被告人が心神喪失者や心神耗弱者である可能性がある
  • その他裁判所が必要と認めるとき

上記の状況に該当すれば、必要的弁護事件ではなく弁護士会に弁護士紹介を依頼していなくても、職権で国選弁護人をつけてもらえる可能性があります。

理由欄には「○○歳で高齢のため」「耳が聞こえない身体障害者のため」など、具体的な事情を記入しましょう。

私選弁護人を選任したい場合

刑事事件では、自分で私選弁護人を選ぶことも可能です。

私選弁護人とは、被告人が自ら弁護料を払って依頼する刑事弁護人。

私選弁護人を選任する場合、弁護人選任に関する回答書には以下のように記入しましょう。

すでに私選弁護人を選任している場合

令和○年○月○日、○弁護士会所属弁護士○○を選任した。

こちらにチェックを入れて、日付を記入しましょう。

これから私選弁護人を選任する場合

至急心当たりの弁護士を選任する。

依頼したい弁護士がいる方、これからネット検索などで弁護士を探そうと考えている方は、こちらにチェックしましょう。

これから弁護士会へ紹介を依頼する場合

令和○年○月○日、○弁護士会に、私選弁護人の選任を申し出た。

すでに弁護士会へ紹介を依頼した場合、こちらにチェックして依頼を出した日付を記入しましょう。

至急、○弁護士会に、私選弁護人の選任を申し出る。

これから弁護士会へ紹介を依頼する場合、こちらをチェックしましょう。

国選弁護人も私選弁護人も不要な場合

国選弁護人をつけるには資力がオーバーしているけれど、私選弁護人も選任したくない場合にはどうしたらよいのでしょうか?

その場合、「私選弁護人を選任せず、国選弁護人も請求しない」を選択できます。

ただこちらを選択したからといって、必ずしも「弁護士なし」で刑事裁判が行われるとは限りません。

必要的弁護事件の場合

死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮にあたる事件は「必要的弁護事件」であり、弁護人がいないと開廷できません。

本人が「弁護人は要らない」といっていても、弁護人がいないと裁判できないので、裁判所が職権で弁護人をつけます。

なお「必要的弁護事件で弁護人不要と回答すると心証が悪くなるのか?」と心配される方もおられますが、そういったことは通常ありません。

ただ断っても国選弁護人をつけられるので、私選弁護人をつけないなら国選弁護人の選任を請求するとよいでしょう。

それ以外の場合

必要的弁護事件以外の場合、本人が私選弁護人も国選弁護人もつけなかったら「弁護人なし」で裁判できます。

ただ現実には、「弁護人なし」で刑事裁判が行われるのはかなりのレアケース。多くの場合、裁判所が職権で国選弁護人を選任します。

なお職権で国選弁護人をつけられたとき、「弁護士は要らない」と思ってもそれだけの理由では解任できません。また資力のある人に国選弁護人が選任された場合には、後に弁護士費用の償還を求められる可能性もあります。

「資力申告書」の書き方

必要的弁護事件以外で国選弁護人を選任するには、基本的に「資力が50万円以下」であることが条件です。

そこで「弁護人選任に関する回答書」を作成するとき、同時に「資力申告書」も作成しなければなりません。ここには以下のような事項を記入する欄があります。

  • 手持ちの現金
  • 銀行等への預貯金
  • 社内預金
  • 金融機関の自己宛小切手
  • 郵便為替

虚偽を書いてはならない

ときどき「実際にはお金があっても、国選弁護人をつけてほしいから虚偽を書いたらどうなるのだろう?」と考える方がおられます。

確かに資力申告書は自己申告であり、本人の預金内容などを照会されて調査されるわけではありません。通帳などの提出も基本的には不要です。

しかしどのようなきっかけで実情が発覚するかわかりません。もしも虚偽申告が明らかになったら国選弁護人の費用を負担させられるでしょうし、「過料」という金銭的な制裁を受ける可能性もあります。

資力申告書には正しく資産状況を書きましょう。

国選弁護人と私選弁護人の違い

弁護人選任に関する回答書を受け取ったとき、「そもそも国選弁護人と私選弁護人のどちらを選んだらよいかわからない」という方も少なからず存在します。

以下で国選弁護人と私選弁護人の違いをみていきましょう。

【国選弁護人と私選弁護人の違い】

国選弁護人私選弁護人
選任する人や機関国がつけてくれる自分で選ぶ
費用基本的に無料有料
弁護士を選べるかどうか弁護士を選べない自分で気に入った弁護士を選べる
弁護人がつく時期すぐにつくとは限らない依頼したときからすぐに活動してもらえる

選任する人や機関

国選弁護人は国(裁判所)が選任しますが、私選弁護人は被告人自身が選任します。

費用

国選弁護人の場合、費用は基本的に無料です。ただし被告人に資力がある場合など、後に償還を求められる可能性もあります。

私選弁護人の場合には、事務所所定の弁護士費用を払わねばなりません。具体的な金額は依頼する弁護士によって変わります。

弁護士を選べるかどうか

国選弁護人の場合、国が弁護士を選ぶので被告人が自分で弁護士を指定できません。

刑事事件を得意とする弁護士がつくとは限らないので、争いのあるケースや重大事件などでは不利益を受ける可能性もあります。

私選弁護人の場合、自分で刑事事件に強い弁護士を選んでつけることが可能。刑罰を軽くしたい方や無罪を主張したい方などは、国選弁護人より私選弁護人を選んだ方が安心といえるでしょう。

弁護人がつく時期

国選弁護人の場合、弁護人に関する回答書を返送してから国が選任するので時間がかかります。すぐに弁護人と打ち合わせができるとは限りません。

私選弁護人であれば、依頼した瞬間から活動してもらえるので、すぐに動いてもらいたいときには私選弁護人の方が有利といえるでしょう。

弁護人選任届について

私選弁護人を選任するときには、「弁護人選任届」に署名押印して裁判所へ提出しなければなりません。これは「この弁護士を私選弁護人として選任します」という届出書。弁護人選任に関する回答書とはまったく違うので、混乱しないようにしましょう。通常は弁護士から書式を渡されるので、署名押印だけすれば弁護人選任届を完成させることができます。

まとめ

刑事事件で起訴されたとき、罪を軽くするにはできるだけ私選弁護人を依頼した方が安心といえます。当事務所では刑事弁護に力を入れていますので、頼りになる私選弁護人をお探しの方がおられましたらお早めにご相談ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者情報

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代表弁護士 岡野武志

第二東京弁護士会所属。ご相談者のお悩みとお困りごとを解決するために、私たちは、全国体制の弁護士法人を構築し、年中無休24時間体制で活動を続けています。

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