刑事事件の加害者になってしまった場合、被害者との示談は最も重要です。そのため事件直後から迅速に示談交渉に動くべきといえます。しかし、加害者が被害者と直接、示談交渉をするのは避けるべきでしょう。示談交渉は第三者的な立場の弁護士に任せた方が、スムーズに解決へむかえます。
この記事では、刑事事件における示談の重要性と、弁護士に示談交渉を依頼するメリットを中心に解説しています。弁護士の探し方や選び方、弁護士費用についても適宜触れておりますので、最後までぜひご覧ください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
刑事事件の示談を弁護士に相談する重要性
刑事事件における示談とは
刑事事件における示談とは、加害者と被害者の争いを清算するもので、一種の和解契約(民法695条)です。示談が成立していれば、検察官は起訴・不起訴の判断を下すときに被疑者に有利な事情として考慮します。また、裁判の場面においても、裁判官は判決の際、示談の成立を被告人に有利な事情として考慮することになるでしょう。
示談を締結する際は、加害者から被害者へ示談金を支払うことが一般的です。また、示談が成立していることを示すため、示談は書面で取り交わすことになります。示談書を捜査機関や裁判所に証拠として提出することで、被害者との間の争いが清算されたことを示すことが可能です。
示談が成立するメリット5つ
示談は一種の和解契約であることから、刑事手続とは別個のものといえます。したがって、示談が成立したからといって、刑事処分がなくなるといった関係にありません。もっとも、当事者間に争いがないことは、刑事手続のあらゆる場面で事実上、被疑者・被告人に有利な効果を生み出します。具体的には、以下の効果が期待できます。
- 被害届を出されず事件化を防げる可能性がある
- 逮捕や勾留を回避できる可能性があがる
- 不起訴処分の可能性が上がる
- 刑事処分の減軽が期待できる
- 民事請求を封じることができる
関連記事
示談は弁護士に相談したほうが良い
まず、示談交渉するために被害者の連絡先を入手する必要があります。捜査機関は、刑事事件における被害者の連絡先を加害者には教えてくれません。しかし、弁護士であれば、被害者と示談交渉したいと申し出て、被害者の連絡先を入手できる可能性があります。
次に、被害者の感情に配慮した示談交渉ができる点が挙げられます。通常、刑事事件の被害者は、加害者に対し憎悪の感情を持っています。そのため加害者が直接、被害者と示談交渉をすると、話がこじれてしまうケースが少なくありません。特に性犯罪の被害者は、加害者と接点を持ちたくないのが通常です。弁護士なら第三者的な立場で、被害者感情に配慮した示談交渉ができます。
関連記事
・示談交渉は示談に強い弁護士へ。弁護士なしのリスクや費用も解説
刑事事件の示談を弁護士に依頼するとかかる費用
示談を依頼したときにかかる弁護士費用
示談を弁護士に依頼した場合にかかる主な費用は以下のとおりです。
・相談料
法律の相談をするのにかかる費用です。30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどが相場です。初回の相談料無料や、逮捕されている場合は相談料無料といった事務所もあります。
・着手金
実際に弁護活動に着手するときにかかる費用です。相場は20万円〜60万円程度で、身体拘束されていたり、裁判員裁判であったりする場合は増額されるのが一般的です。
・接見費用
身体拘束されている場合に、弁護士が接見(面会)をしに行くときの費用です。接見1回ごとの費用が決まっている事務所もあれば、刑事事件全体を依頼することで接見費用をとらない事務所もあります。必ずHPなどで確認しておきましょう。
・報酬金
弁護士の活動の成果によって発生する費用です。一般的に刑事事件の場合、不起訴処分が一番の成功といえるため報酬が高いといえます。着手金と同等かそれ以上の費用がかかることも多いため、確認しておきましょう。
・日当・実費
弁護士が示談交渉のため被害者に会いに行ったり、裁判所に出かけたりする場合に発生する費用です。日当は数万円となることが多いでしょう。
弁護士費用とは別に示談金がかかる
被害者と示談交渉をする場合、通常は示談金を用意する必要があります。示談金とは、被害弁償や慰謝料などを含めた、争いを清算するのに必要なお金のことです。示談金は犯罪の種類・事案の軽重・被害者の意向などによって変わってきます。
たとえば、窃盗などの財産犯では被害金の大小が示談金に影響するでしょう。また、性犯罪などは被害者の肉体的・精神的損害を賠償する必要があり、示談金もそれが考慮された額になります。弁護士に依頼して、被害者と示談交渉するには、弁護士費用のほかに示談金も用意しておく必要があるのです。
弁護士費用を支払うのが困難なら国選弁護人制度も
国選弁護人制度とは、資力が乏しく、自ら弁護士に依頼できない人を救済するために設けられた制度です。国が定めた資力要件(現金や預金をあわせて50万円未満)などの審査を通過すれば、国が弁護士をつけてくれます。弁護士費用は国の負担となっており、無料で利用できます。ただし、被疑者国選では勾留後、被告人国選では起訴後でなければ利用できません。
刑事事件における示談は早ければ早いほど今後の展開に有利に働きます。国選弁護人制度は無料である点で魅力的ですが、利用できる時期に制限があるため、迅速な示談交渉が必要な場面では私選弁護士に劣るといえるでしょう。また、国選弁護人制度は自ら弁護士を選べないため、刑事事件の経験豊富な弁護士がきてくれるかは、運次第になります。
関連記事
・弁護士をつけるなら私選弁護士?国選弁護士?メリットを徹底比較
刑事事件の示談を弁護士に相談する方法
弁護士会で示談の相談をする弁護士を探す
弁護士会は、法律相談の窓口となるサイトを運営しています。たとえば法律相談センターなどです。これらのサイトにアクセスして相談予約をすれば、電話相談することができます。相談料は各法律センターによって違うため、サイトで確認しましょう。一部の法律相談は無料となっていることもあります。
また、弁護士会の中には、弁護士紹介をしているところもあります。たとえば、東京弁護士会の弁護士紹介センターです。サイトの手続きに従い申し込みをすれば、紹介できる弁護士がいる場合、紹介してもらえます。紹介料は無料です。ただし、弁護士を自分で選ぶことができないため、刑事事件の示談に詳しい弁護士にあたるとは限りません。
インターネットで示談が相談できる弁護士を探す
インターネットで「刑事事件 弁護士」や「刑事事件 法律事務所」などといった検索ワードで探してみましょう。多くの法律事務所のHPがヒットするはずです。それらのHPを実際に見てみて、刑事事件の示談を相談できる弁護士を見つけることがおすすめです。
刑事事件を専門的に扱っている法律事務所の場合、刑事事件の経験豊富な弁護士が所属しています。安心して示談を任せられるでしょう。また、弁護士を選ぶ際には、地理的に近くの法律事務所から選ぶことも大切だといえます。たとえば逮捕されている場合、身体拘束されている留置場に近い弁護士ほどすぐ接見できる上、交通費等も安く済むからです。
アトム法律事務所で示談の相談をする
アトム法律事務所は刑事事件を数多く扱っている弁護士事務所です。そのため、刑事事件の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。示談について成功実績やノウハウがございますので、刑事事件の示談を弁護士に相談したいなら、ぜひアトム法律事務所をご検討ください。
アトム法律事務所では、24時間365日刑事事件加害者の相談予約を受け付けています。警察の捜査を受けている事件では無料相談も可能です。各支部には基本的に複数の弁護士が在籍しており、当日の来所相談予約であっても対応できる場合が多いです。お気軽にご相談ください。