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危険ドラッグで逮捕されたら|ご家族は弁護士にご相談ください

危険ドラッグで逮捕

危険ドラッグで家族が逮捕されたとき、まずは弁護士に相談して正しい情報を得ることが大切です。危険ドラッグといっても、そのドラッグには複数の種類があり、それを使用して逮捕されたのか、譲り受けて逮捕されたのか、販売して逮捕されたのかでは、その後の展開は異なります。

弁護士のサポートを受けて早期釈放を目指すことが大切です。危険ドラッグの事案は被害者がいない犯罪ですので、示談で解決することはできません。少しでも刑を軽くするために、家族に何ができるのか、刑事事件に詳しい弁護士が解説します。

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危険ドラッグでの逮捕|家族は弁護士へ連絡を

「危険ドラッグで逮捕された」とは、どういう意味か

まず、「危険ドラッグ」が何を指すかを説明します。

規制薬物(覚醒剤、大麻、麻薬、向精神薬、あへん及びけしがら)又は、指定薬物に化学構造を似せて作られ、これらと同様の薬理作用を有する物質をいい、また、規制薬物及び指定薬物を含有しないことを標榜しながら、規制薬物又は指定薬物を含有する製品のことをいいます。

かつて、「脱法ドラッグ」や「合法ハーブ」と呼ばれていたものが、現在では危険ドラッグという呼び名で統一されています。危険ドラッグには、覚醒剤や大麻などの成分が含まれる薬物もあり、その薬理効果も覚醒剤や大麻と類似のものが認められています。危険ドラッグは、それを全般的に取り締まる法律はありませんが、成分によって医薬品医療機器等法や麻薬及び向精神薬取締法に抵触し、所持や使用で逮捕される可能性が否定できません。

逮捕事例①「大麻」と同成分のドラッグ

大麻と同じ活性成分(合成カンナビノイド系)が含まれたドラッグには、陶酔感、多幸感等の情動を引き起こす作用があり、記憶及び認知機能の調節に支障を与える危険があります。陶酔感、多幸感が得られることから、セックスドラッグとして使用される傾向にあります。神経の抑制作用があることから、ダウナー系薬物に分類されます。「大麻ではないので所持していても大丈夫だ」という考えは誤っており、逮捕される危険がある薬物です。

危険ドラッグの所持、使用、購入、譲受などは規制されていますので、心当たりがある方は、厚生労働省の公式ホームページで確認することをおすすめします。厚生労働省のホームページには、規制対象とされる指定薬物が明示されています。

逮捕事例②「覚醒罪」と同成分のドラッグ

覚醒剤と同じ成分(フェネチルアミン系)が含まれたドラッグは、神経の興奮作用がある薬物としてアッパー系薬物に分類されます。高体温、手足の震え、錯乱など、異常症状を引き起こし、人体への危険も高い薬物です。覚醒剤と同様、依存性があることから、一度手を出してしまうと自分では脱することが難しく、所持・使用などの再犯を繰り返す危険があります。

逮捕されると、ひどいときには取調べで自分が供述した内容すら覚えておらず、自ら不利な立場に自分を追い込んでしまうこともあります。身体への影響も考え、すぐに弁護士に相談することが必要です。

危険ドラッグ事件の解決方法|釈放を目指す

弁護士の活動①逮捕後は早期釈放を目指す

危険ドラッグの所持や使用で逮捕されたとき、まず考えるべきは釈放です。逮捕されると、そこで社会生活とは切り離され、日常生活に大きな支障が生じます。そこで、早い段階で釈放を実現することで、元の生活を取り戻すことを目指します。逮捕された本人は身動きがとれないため、家族の協力は必須です。

通常、家族が逮捕されると、警察から電話がかかってきて、逮捕事実が知らされます。そのとき、動揺して時の流れが止まってしまったかのような感覚になるのですが、逮捕されたことがわかれば、すぐに行うべきことがあります。それは、釈放のための活動を弁護士に相談、依頼することです。どのような事情があろうとも、まずは本人の身体拘束を解くことを優先的に考えることが大切です。

弁護士の活動②不起訴処分の獲得を目指す

次に、刑事処分で不起訴処分を獲得することを目指します。薬物事案は、不起訴処分で終わる可能性が高くはありません。しかし、事案によっては、例えば所持量が微量であったなどの事情が考慮されると、不起訴処分の可能性もあります。危険ドラッグから脱するための計画をたて、専門機関の協力を得るなどして不起訴を目指す活動が重要になります。

また、危険ドラッグの事例では、家族の協力を得て更生を図ることが不可欠です。もっとも身近な存在である家族が、二度と本人が危険ドラッグの世界に足を踏み入れないよう監督することを誓約することで、検察官に不起訴処分を促します。他にも、危険ドラッグの事案ならではの弁護活動がありますので、家族が危険ドラッグで逮捕された場合は、すぐに弁護士までご相談ください。

弁護士の活動③刑を軽くするために

危険ドラッグで起訴された場合には、刑事裁判の準備をしていかなければなりません。刑事裁判では、有罪と無罪、はっきりと結論が出されます。有罪になれば、懲役刑となる可能性があります。ここで、実刑を避けるために、執行猶予付き判決を求めることが重要です。執行猶予が付されると、刑務所に入ることなく、元の生活に戻ることができます。

執行猶予付き判決は、有罪の一種ですので、前科がつきます。しかし、生活の仕方、仕事の選択の仕方によっては、前科が特段大きな問題に感じることはないでしょう。執行猶予期間中は、交通事故など、過失の事件にも十分気をつけなければなりませんので、執行猶予期間が終了するまでは慎重な行動を心がける必要があります。

危険ドラッグ事件を弁護士に相談すべき理由とは

再犯率が高いため弁護士のサポートが必要

薬物事件の特徴に、再犯率の高さが上げられます。依存性の高さは覚醒剤が有名ですが、危険ドラッグも様々あり、一度摂取すると簡単にはやめられなくなるといわれています。「初犯で一回しか摂取していないので、依存はしない。大丈夫」という本人の言葉には信用性がありません。

そこで、危険ドラッグの事案では、専門の医療機関やカウンセリング機関の協力を得て、薬物なしの生活を再建していく必要があります。薬物事案に協力をしてくれる医療機関やカウンセリング機関は、そう多くはありません。そのため、刑事事件を数多く扱う弁護士に情報提供をうけることで、協力先を見つけます。

会社や学校への対応は弁護士に相談する

危険ドラッグで逮捕されたとき、会社への説明や学校への対応はどうするべきか、悩ましいものだと思います。事件の内容や、本人の認否、今後の刑事手続きや処分の見込みなど、どこまで説明するべきか、また、誰に説明するのがよいのかは、重要な問題です。このようなときは、まず弁護士に相談し、適切な対応方法についてアドバイスを受けてください。

刑事事件に注力している弁護士は、逮捕後に展開についてはある程度想定ができています。会社対応や学校対応も、そのうちの一つです。弁護士は本人の意向も確認しつつ、家族に説明をしてもらうか、弁護士が間に入って説明をすべきか、最善の方法を選択します。

早期社会復帰を実現させるには

危険ドラッグで逮捕されたときには、まず釈放に向けて動き出すことが大切です。そして、不起訴処分を目指した活動を行い、起訴された場合には執行猶予付き判決を求めて公判活動を行います。これらは、高度な法的判断が求められる活動です。大切な家族を一日も早く社会復帰させるためには、家族がどれだけ早く弁護士に問合せをするかにかかっています。

家族の逮捕という緊急事態だからこそ、落ち着いて行動することが大切です。この記事をご覧いただいた方は、この後、弁護士相談をうけ、より詳しい情報を得てください。本人にとって心強い味方になるのは、家族と弁護士です。いろんなことが頭をよぎると思いますが、まずは相談して情報を整理することをおすすめします。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了