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釈放と保釈の違いとは?逮捕後に外に出られるタイミングと手続きを解説

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「釈放」と「保釈」は、どちらも身柄が解放されることを指しますが、起訴前起訴後かによって、制度や手続きの内容は異なります。

起訴前であれば勾留の阻止不起訴による釈放を目指し、起訴後であれば保釈請求が現実的な手段になります。

特に逮捕直後の72時間は、その後の展開を大きく左右する重要な期間です。この期間を無駄にしないためにも、曖昧な理解のままにせず、正しい知識で素早く行動する必要があります。

この記事では、早期の身柄解放を目指すために知っておくべき釈放と保釈の違いや、手続きの流れを詳しく解説します。

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釈放と保釈の違い

まず知っておいていただきたい大原則は、「警察から出られる=すべて保釈」ではないということです。

「釈放」と「保釈」は、どちらも身柄の拘束が解かれる点では同じですが、タイミングやお金が必要かどうかなど異なる点があります。

釈放と保釈の違い

項目釈放(しゃくほう)保釈(ほしゃく)
意味身柄の拘束を解かれること全般お金を預けて、裁判まで一時的に出ること
タイミング捜査中、裁判中などいつでも起訴(裁判が決定)された後のみ
対象者逮捕された人裁判が決まった人
お金(保釈金)不要必要(150万円〜が相場)
条件捜査機関等の判断による保釈金の納付・住居制限など

釈放とは

釈放とは、「身柄の拘束を解かれ、原則として日常生活に戻れること」の総称です。

逮捕・勾留されている状態から解放されることは、理由やタイミングを問わずにすべてを「釈放」と呼びます。原則として、釈放にお金がかかることはありません。

広い意味では「保釈」も「釈放」という大きな枠組みの中に含まれる手続きの1つです

保釈とは

保釈とは、「裁判が決まった後(起訴後)、保釈金を預けることで一時的に外に出られる制度」のことです。

日本の刑事裁判は時間がかかるため、身柄を拘束されたままでは、裁判の準備が十分にできません。そのため、条件を満たす場合に限って、一時的な帰宅を認めるのが保釈制度になります。

起訴される前に「保釈」はできない

逮捕直後から「保釈金を用意すれば出してもらえる」と考える方も多いですが、刑事裁判が始まる(起訴される)までの最大23日間は、保釈という制度は一切使えません。
※準抗告など、勾留自体を争う手段はあります。

この期間に外に出るためには、弁護士を通じて勾留の阻止や早期解放を働きかける必要があります。

釈放と保釈、どちらを目指すべき?起訴前後の手続き

起訴前か起訴後かによって、目指すべきゴールは自動的に決まります。「どちらを選ぶか」ではなく「今どの段階にいるか」で判断しましょう。

起訴される前(逮捕~最大23日間)は「釈放」を目指す

逮捕から起訴までの最大23日は、保釈という選択肢はありません。この段階では、次のいずれかによって釈放を目指します。

微罪処分

事件が軽微であり、警察官が検察官に送るほどの事件ではないと判断することがあります。この場合は、警察署での厳重注意のみとなり、その日のうちに釈放されます。

勾留の阻止・取り消し

検察官に事件が送られた後、弁護士が逃亡などの可能性がないことを裁判官に主張し、勾留の必要がないと判断した場合は釈放となります。

また、勾留が決まってしまった後でも、弁護士による準抗告(不服申し立て)が認められたり、勾留の必要性がなくなったと判断されれば、期間満了前でも釈放されます。

釈放後は自宅に戻り、呼び出しに応じて取り調べを受ける在宅捜査に切り替わります。

不起訴処分

検察官が裁判にする必要はない(不起訴)と判断した場合も、釈放されます。被害者との示談が成立した場合などに認められやすい傾向にあります。

直ちに釈放されることに加えて、不起訴であれば前科がつくこともありません

略式起訴

正式な裁判を開かずに、書面の手続きだけで罰金刑を科す処分です。罰金を納めればその日のうちに釈放されます。

身柄は解放されますが、前科がついてしまうという点には注意が必要です

釈放のルート別・前科と事件の行方

釈放のルート前科事件のその後
微罪処分つかないその場で事件終了
勾留の阻止・取り消しつかない ※在宅捜査として継続
不起訴処分つかないその場で事件終了
略式起訴つく罰金納付で事件終了

※この時点では前科がつきませんが、その後の結果によっては起訴される可能性があります。

不起訴による釈放は、前科がつかないという点で特に重要な結果の1つです

被害者との示談成立や、弁護士による勾留阻止の働きかけが、不起訴・早期釈放の可能性を高める重要な要素になります。

また、勾留阻止が難しい場合でも、準抗告(勾留決定への不服申し立て)によって勾留を取り消してもらえるケースもあります。

いずれにしても、起訴前の段階でなるべく早く弁護士を動かすことが釈放を目指すためには重要です

起訴された後(裁判が決まった後)は「保釈」を目指す

検察官に起訴されてしまった場合、身柄の拘束は原則として裁判が終わるまで続きます。この段階で外に出るための現実的な手段が保釈です。

保釈請求による一時的な釈放

起訴された直後から、弁護士を通じて保釈請求を行うことができます。

裁判所が保釈の許可をした場合、保釈金を納付することで、判決が出るまでの間の身柄は解放されます

保釈中は日常生活を送ることができるため、仕事や家族との時間を守りながら裁判の準備を進めることが可能です

ただし、保釈が認められるかどうかは、逃亡や証拠隠滅のおそれがないかどうかを裁判官が総合的に判断します。

弁護士が保釈請求書の内容を丁寧に組み立て、身元引受人の準備や示談の進捗などを合わせて主張することが、許可を得るうえで重要になります。

※裁判終了後の釈放

裁判による判決が「罰金、科料」や「執行猶予付き」であれば、その場で釈放されます。

どの段階でも弁護士への相談・依頼が重要

釈放を目指す段階でも、保釈を目指す段階でも、弁護士が早期に動けるかどうかが結果を大きく左右します

逮捕直後は状況の把握だけで精一杯になりがちですが、時間が経つほど選択肢は狭まってしまいます。

「もう少し様子を見てから」と待つのではなく、まずは弁護士に相談して現在の状況を把握することが最初の一歩です。

保釈の流れと仕組み

起訴が決まってしまった場合、身柄を解放するための最も現実的な手段が保釈です。

保釈の流れと釈放のタイミング

保釈の手続きは、以下のような流れで進みます。最短で請求から2~3日後に釈放されるのが一般的です。

  1. 保釈請求
    弁護士が裁判所に保釈請求書を提出します。家族などが作成する身元引受書も添付し、逃亡のおそれがないことを主張します。
  2. 面接・審査
    裁判官が検察官の意見を聞き、場合によっては弁護士と面接を行います。早ければ当日、遅くとも2~3日中に結果が出ます。
  3. 保釈決定と金額通知
    保釈が認められると、保釈金の金額と守るべき条件が伝えられます。
  4. 保釈金の納付・釈放
    裁判所の窓口で保釈金を納付します。確認され次第、その日のうちに釈放されます。

早く釈放されるためのポイント

保釈金は、平日の裁判所窓口時間内に納付する必要があります。保釈が許可されても、お金の準備が間に合わないと釈放が翌日以降になってしまいます。

弁護士と相談し、事前の準備を進めておけると早期の身柄解放が実現できるかもしれません。

保釈申請の流れについては別の記事でも詳しく解説しているため、ぜひご覧ください。

保釈が認められやすいケース・認められないケース

裁判官は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないかを慎重に判断します。

認められやすいケース

  • しっかりと監督してくれる身元引受人がいる
  • 被害者との示談が済んでいる、進んでいる
  • 住所や仕事が安定しており、帰る場所がある
  • 罪を認めており、捜査に協力的である

認められないケース

  • 証拠隠滅のおそれがある場合
  • 重い罪を犯している場合
  • 住所不定・身元不明

なお、犯罪白書によると、地方裁判所における保釈率は令和6年時点で32.3%となっており、平成15年の12.7%と比べると約2.5倍まで上昇しています令和7年版 犯罪白書 より)。

保釈が認められる割合は以前より高まっているものの、依然として3人に2人は保釈が認められていないのが現状です

また、日本弁護士連合会によると、自白事件における保釈許可率が26.5%である一方、否認事件では11.7%と半分以下にとどまっているというデータもあります(日本弁護士連合会:統計から見える日本の刑事司法 より)。

罪を認めているかどうかが、保釈の許否に大きく影響していることがわかります。

保釈金の相場と返金について

保釈金の相場は、一般的に150万円〜300万円程度です。逃亡しないための担保として設定されているため、被告人の資産状況や事件の重さによって金額は変動します。

保釈金はあくまで預け金です。保釈条件に違反しなかった場合は、有罪・無罪にかかわらず裁判終了後に全額返金されます。

ただし、以下のような場合は、保釈金の一部または全部が没取され再び身柄を拘束されてしまいます。

  • 召喚(呼び出し)を受けながら正当な理由なく出頭しないとき
  • 逃亡した、または逃亡のおそれがあるとき
  • 証拠隠滅をした、またはそのおそれがあるとき
  • 被害者や事件関係者、その親族に危害を加えたり、畏怖させたりしたとき
  • 住居制限などの保釈条件に違反したとき

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釈放・保釈を早めるために、今すぐできること

逮捕の連絡を受けたとき、何をすればいいかわからず時間だけが過ぎてしまうご家族は少なくありません。しかし、逮捕直後の72時間は、長期拘束になるか早期釈放できるかを左右する重要な期間です

すぐに弁護士に依頼する

最初にすべきことは、刑事事件に強い弁護士への相談・依頼です。逮捕から勾留請求されるまでの72時間以内に弁護士が動けるかどうかで、早期釈放の可能性が大きく変わります

国選弁護人は原則として勾留が決定してからしか選任されないため、逮捕直後の段階では私選弁護人に依頼することが早期釈放への近道です。

弁護士に依頼することで、次のような活動が可能になります。

勾留の阻止

検察官や裁判官に対して、逃亡のおそれはないことを法的に主張し、長期の拘束を回避します。

略式手続きへの切り替え

裁判を避けられない(不起訴が難しい)場合でも、罰金刑(略式起訴)で終わらせられるよう働きかけ、早期の身柄解放を目指します。

保釈の弁護士への依頼については別の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

被害者との示談交渉を始める

被害者がいる事件では、示談が成立している場合には不起訴・釈放の可能性が高まります

ただし、ご家族などが直接被害者に連絡を取ることは、トラブルの原因にもなるため、必ず弁護士を通じて交渉を進めましょう。

身元引受人になる準備をする

ご家族などが身元引受人になり、責任をもって監督することを約束することも大きな要素です

弁護士と相談のうえ、身元引受書や誓約書などの書類を作成し、裁判所に提出する準備を進めましょう。しっかりとした家族の支えがあることは、裁判官の判断にプラスの影響を与えます。

なお、令和6年(2024年)の法改正により新たに「監督者制度」も導入されています。これは裁判所から選任された監督者に、被告人と一緒に出頭することなどを条件として、責任を負わせる制度です。

監督者が選任されることで、保釈金による担保の重要性が相対的に低下し、これまで保釈が難しかったケースでも保釈が認められやすくなる可能性があります

保釈金の算段をつけておく

起訴される可能性がある場合は、早めに保釈金の算段をつけておきましょう。保釈が許可されても、入金が確認されるまでは外に出ることができません

保釈が許可されてから慌てて準備すると、釈放が数日単位で遅れることがあります。自己資金を用意することが難しい場合は、立替制度の利用も視野に入れておきましょう

立替制度

一定の手数料を支払うことで、日本保釈支援協会の立て替え払い制度を利用することができます。最大500万円まで保釈金を立て替えてくれる制度です。

弁護士費用の援助

経済的に余裕がない場合、国選弁護人制度や日弁連の法律援助事業を利用できる可能性があります。

これらの制度利用の手続きもサポート可能ですので、まずは一度弁護士にご相談ください

釈放と保釈に関するよくある質問

Q.釈放後も捜査は続きますか?

釈放後も捜査が続くケースがほとんどです

勾留の阻止や準抗告によって釈放された場合、自宅に戻った後も「在宅捜査」という形で捜査が継続します。

釈放されたからといって事件が終わったわけではないため、釈放後も弁護士のサポートを受けながら対応することが重要です。

Q.土日や祝日でも保釈してもらえますか?

保釈金の納付は、裁判所の窓口に納付する必要があり、窓口は平日しか開いていないことが多いです。

金曜日の夜に保釈が認められても、納付が月曜日になることで釈放が遅れてしまう可能性があります

Q.保釈金は誰が払わないといけないのですか?

誰が支払っても問題ないです。

ご家族はもちろん、知人や友人が支払うことも可能です。

Q.保釈された後、会社に行ったり旅行に行ったりできますか?

会社や学校に行くなど、日常生活を送ることは可能です

ただし、家を数日間留守にする場合は、事前に裁判所の許可を得る必要があります。

無断で旅行すると、保釈が取り消される可能性があるため注意が必要です。

Q.もし有罪判決が出たら、保釈金は没収されますか?

いいえ、没収されません(なお、法律用語では保釈金を取り上げられることを没収ではなく、没取といいます)。

保釈金は「逃亡や証拠隠滅を防ぐための担保」です。たとえ有罪判決であっても全額返金されます。

釈放・保釈は早期の弁護士相談が重要

まとめの一言

この記事では、混同しやすい釈放と保釈の違いや身柄解放までの流れを解説しました。

今ご家族が置かれている状況が起訴前なのか起訴後なのかによって、とるべき行動は変わります。

逮捕による拘束が長引けば、ご本人だけでなくご家族の精神的な負担も大きくなるでしょう。いつか帰ってくるだろうと待つのではなく、行動することが早期解決のためには重要です。

まずは状況を正確に把握し、不安な場合は一刻も早く弁護士へ相談することをおすすめします。あなたとご家族の味方となって、最善の解決策を一緒に考えます。

アトムの解決実績(釈放・保釈が認められた事例)

アトム法律事務所では、釈放・保釈に向けた弁護活動を数多く行ってきました。実際に早期釈放・保釈を実現した解決実績の一部をご紹介します。

準抗告による釈放(コンビニで万引きをした窃盗の事例)

依頼者のご子息が、コンビニでの万引きにより現行犯逮捕された事案。過去に同種の前科があることから裁判になる見込みと告げられており、ご両親が将来の処分を心配して当事務所にご相談。


弁護活動の成果

ご依頼後すぐに準抗告を申し立て、被害弁償済みであることを証拠とともに主張した結果、ご依頼からわずか2日で釈放を実現。その後、被害店舗との示談交渉も成立し、最終的に公判請求を回避。

保釈請求による釈放(大麻所持で現行犯逮捕された事例)

依頼者が、職務質問の際に大麻所持が発覚し大麻取締法違反で現行犯逮捕された事案。前科による大学生活への影響や実名報道を心配したご両親が、当事務所にご相談。


弁護活動の成果

起訴後すぐに保釈請求に着手した結果、起訴翌日に保釈が認められ、保釈金150万円の納付により身柄が解放された。公判では反省の態度やご両親による監督環境を主張し、最終的に執行猶予付き判決となった。

ご依頼者様からのお手紙・口コミ評判

刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。

早い対応のおかげで職場も解雇されずに済みました。

ご依頼者様からのお手紙(早い対応のおかげで職場も解雇されずに済みました。)

(抜粋)担当の稲葉先生から連絡いただき、本日に接見すると言われ、少し落ちつきました。それから示談、準抗告申立て、4日後に釈放され、一番心配していた職場も首がつながりました。これはひとえに、稲葉先生はじめアトム法律事務所さんの仕事の早さゆえです。本当に感謝致します。ありがとうございました。

最後まで私達家族と向きあい、力を貸していただきました。

ご依頼者様からのお手紙(最後まで私達家族と向きあい、力を貸していただきました。)

(抜粋)若い先生方には無理をさせてしまったと思いますが、保釈が決まり、家に連れて帰った時は、本当にうれしかったです。最後まで私達家族と向きあい、力を貸していただき、心より感謝申し上げます。お2人の今後のご活躍、ご健康をお祈り申し上げます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了