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釈放と保釈の違いとは?逮捕後に外に出られるタイミングと手続きを解説

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ご家族や大切な方が突然逮捕されてしまったとき、「一刻も早く外に出してあげたい」と願うのは当然のことです。

ネットで調べると出てくる「釈放」と「保釈」という言葉。似ているようで、実はそのタイミングや条件がまったく異なります。

逮捕による身柄の拘束が長引けば、ご本人やご家族にとって大きな精神的な負担となりかねません。だからこそ、曖昧な理解のままにせず、正しい知識で素早く行動する必要があります。

「今、ご家族はどの段階にいるのか?」「どうすれば、早く外に出してあげることができるのか?」

本記事では、早期の身柄解放を目指すために知っておくべき釈放と保釈の違いや、手続きの流れを詳しく解説します。

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釈放と保釈の違い

まず知っておいていただきたい大原則は、「警察から出られる=すべて保釈」ではないということです。

「釈放」と「保釈」は、どちらも身柄の拘束が解かれる点では同じですが、タイミングやお金が必要かどうかなど異なる点があります。

釈放と保釈の違い

項目釈放(しゃくほう)保釈(ほしゃく)
意味身柄の拘束を解かれること全般お金を預けて、裁判まで一時的に出ること
タイミング捜査中、裁判中などいつでも起訴(裁判が決定)された後のみ
対象者逮捕された人裁判が決まった人
お金(保釈金)不要必要(150万円〜が相場)
条件捜査機関等の判断による保釈金の納付・住居制限など

釈放とは

身柄の拘束を解かれ、原則として日常生活に戻れること」の総称です。

逮捕・勾留されている状態から解放されることは、理由やタイミングを問わずにすべてを「釈放」と呼びます。原則として、釈放にお金がかかることはありません。

広い意味では「保釈」も「釈放」という大きな枠組みの中に含まれる手続きの1つです。

保釈とは

裁判が決まった後(起訴後)、保釈金を預けることで一時的に外に出られる制度」のことです。

日本の刑事裁判は時間がかかるため、身柄を拘束されたままでは、裁判の準備が十分にできません。そのため、条件を満たす場合に限って、一時的な帰宅を認めるのが保釈制度になります。

【注意!】起訴される前に「保釈」はできない

逮捕直後から「保釈金を用意すれば出してもらえる」と考える方も多いですが、刑事裁判が始まる(起訴される)までの最大23日間は、保釈という制度は一切使えません。
※準抗告など、勾留自体を争う手段はあります。

この期間に外に出るためには、弁護士を通じて勾留の阻止や早期解放を働きかける必要があります。

【時系列】釈放されるタイミングと手続き

刑事手続きは、大きく起訴前(捜査段階)と起訴後(裁判段階)にわかれます。ご家族が、今どの段階にいるのかによって、釈放してもらうための手続きやルートが変わってきます。

起訴される前(逮捕〜最長23日間)

この期間の目標は釈放です。主に以下のケースで身柄が解放されます。

微罪処分

事件が軽微であり、警察官が検察官に送るほどの事件ではないと判断することがあります。この場合は、警察署での厳重注意のみとなり、その日のうちに釈放されます。

勾留の阻止・取り消し

検察官に事件が送られた後、弁護士が逃亡などの可能性がないことを裁判官に主張し、勾留の必要がないと判断した場合は釈放となります。

また、勾留が決まってしまった後でも、弁護士による準抗告(不服申し立て)が認められたり、勾留の必要性がなくなったと判断されれば、期間満了前でも釈放されます。

釈放後は自宅に戻り、呼び出しに応じて取り調べを受ける在宅捜査に切り替わります。

不起訴処分

検察官が裁判にする必要はない(不起訴)と判断した場合も、釈放されます。被害者との示談が成立した場合などに認められやすい傾向にあります。

即座に釈放されることに加えて、不起訴であれば前科がつくこともありません。

略式起訴

正式な裁判を開かずに、書面の手続きだけで罰金刑を科す処分です。罰金を納めればその日のうちに釈放されます。

身柄は解放されますが、前科がついてしまうという点には注意が必要です。

起訴された後(裁判が決まった後)

検察官が裁判にかけることを判断すると、これまで身柄を拘束されていた被疑者は、被告人という立場になります。

原則、身柄の拘束は続きますが、ここで保釈という選択肢がでてきます。

保釈請求による一時的な釈放

起訴された直後から、弁護士を通じて保釈請求を行うことができます。

裁判所が保釈の許可をした場合、保釈金を納付することで、判決が出るまでの間の身柄は解放されます。

※裁判終了後の釈放

裁判による判決が「罰金、科料」や「執行猶予付き」であれば、その場で釈放されます。

保釈の流れと仕組み

起訴が決まってしまった場合、身柄の解放のため最も現実的な解放手段が保釈です。

保釈の流れと釈放のタイミング

保釈の手続きは、以下のような流れで進みます。最短で請求から2~3日後に釈放されるのが一般的です。

  1. 保釈請求
    弁護士が裁判所に保釈請求書を提出します。家族などが作成する身元引受書も添付し、逃亡のおそれがないことを主張します。
  2. 面接・審査
    裁判官が検察官の意見を聞き、場合によっては弁護士と面接を行います。早ければ当日、遅くとも2~3日中に結果が出ます。
  3. 保釈決定と金額通知
    保釈が認められると、保釈金の金額と守るべき条件が伝えられます。
  4. 保釈金の納付・釈放
    裁判所の窓口で保釈金を納付します。確認され次第、その日のうちに釈放されます。

早く釈放されるためのポイント

保釈金は、平日の裁判所窓口時間内に収める必要があります。保釈が許可されても、お金の準備が間に合わないと釈放が翌日以降になってしまいます。

弁護士と相談し、事前の準備を進めておけると早期の身柄解放が実現できるかもしれません。

保釈申請の流れについては別の記事でも詳しく解説しているため、ぜひご覧ください。

保釈金の相場

保釈金の相場は、一般的に150万円〜300万円程度です。逃亡しないための担保として設定されているため、被告人の資産状況や事件の重さによって金額は変動します。

保釈金はあくまで預け金です。特に問題行動などがなかった場合は、有罪・無罪にかかわらず裁判終了後に全額返金されます。

ただし、以下のような場合は、保釈金の一部または全部が没収され再び身柄を拘束されてしまいます。

  • 召喚(呼び出し)を受けながら正当な理由なく出頭しないとき
  • 逃亡した、または逃亡のおそれがあるとき
  • 証拠隠滅をした、またはそのおそれがあるとき
  • 被害者や事件関係者、その親族に危害を加えたり、畏怖させたりしたとき
  • 住居制限などの保釈条件に違反したとき

保釈の取り消しについては別記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

保釈には3つのパターンがある

保釈にはいくつかの種類があります。実務上、ほとんどのケースで権利保釈か裁量保釈のどちらかで判断されます。

権利保釈

証拠隠滅の可能性がないなど、法律で定められた条件をクリアしていれば、裁判所は原則として保釈を認めなければなりません。

裁量保釈

権利保釈の条件を満たさない場合でも、裁判官の裁量で認められるケースです。家族の強力なサポートがあるなどの事情が考慮されます。

義務的保釈

拘束期間が不当に長すぎる場合に認められますが、実務上で使われることはほとんどありません。

保釈が認められやすいポイント

裁判官は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないかを慎重に判断します。以下のようなポイントがそろっていると保釈が認められやすい傾向にあります。

  • しっかりと監督してくれる身元引受人がいる
  • 被害者との示談が済んでいる、進んでいる
  • 住所や仕事が安定しており、帰る場所がある
  • 罪を認めており、捜査に協力的である

保釈が認められないケース

すべての人が保釈を認められるわけではありません。以下のような事情がある場合、保釈請求が却下される可能性が高くなります。

  • 証拠隠滅のおそれがある場合
  • 重い罪を犯している場合
  • 住所不定・身元不明

釈放・保釈に向けたポイント

大切なご家族・知人を1日でも早く解放するために、積極的に行動しましょう。

すぐに弁護士に依頼する

釈放も保釈も、待機しているだけで認められることはありません。特に逮捕直後の最初の72時間は、長期間拘束されるか、早期釈放されるかが決まる重要な期間です。

弁護士に依頼することで、どの段階でも適切な弁護活動を期待できます。ご自身での手続きに少しでも不安がある場合は、必ず弁護士に相談しましょう。以下のような早期釈放に向けた活動が可能になります。

勾留の阻止

検察官や裁判官に対して、逃亡のおそれはないことを法的に主張し、長期の拘束を回避します。

被害者との示談交渉

被害者がいる事件の場合、示談が成立しているかいないかで大きな違いになります。成立していれば、不起訴(釈放)になる可能性が高くなります。

しかし、加害者家族が直接交渉をすることは難しいため、弁護士に依頼して交渉を行ってもらいましょう。

略式手続きへの切り替え

裁判を避けられない(不起訴が難しい)場合でも、罰金刑(略式起訴)で終わらせられるよう働きかけ、早期の身柄解放を目指します。

弁護士への依頼について別の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

身元引受人になる準備をする

ご家族などが身元引受人になり、責任をもって監督することを約束することも大きな要素です。

弁護士と相談のうえ、身元引受書や誓約書などの書類を作成し、裁判所に提出する準備を進めましょう。

しっかりとした家族の支えがあることは、裁判官の判断にプラスの影響を与えます。

なお、令和6年(2024年)の法改正により新たに「監督者制度」も導入されています。これは裁判所から選任された監督者に、被告人と一緒に出頭することなどを条件として、責任を負わせる制度です。

監督者が選任されることで、保釈金による担保の重要性が相対的に低下し、これまで保釈が難しかったケースでも保釈が認められやすくなる可能性があります。

保釈金の算段をつけておく

起訴された場合に備えて、保釈に向けたお金の準備もしておきましょう。保釈が許可されても、入金が確認されるまでは外に出ることができません。

保釈金が用意できない場合、立替制度を利用することで、保釈が可能になるケースもあります。

立替制度

一定の手数料を支払うことで、日本保釈支援協会の立て替え払い制度を利用することができます。最大500万円まで保釈金を立て替えてくれる制度です。

弁護士費用の援助

経済的に余裕がない場合、国選弁護人制度や日弁連の法律援助事業を利用できる可能性があります。

これらの制度利用の手続きもサポート可能ですので、まずは一度弁護士にご相談ください。

釈放と保釈に関するよくある質問

Q.土日や祝日でも保釈してもらえますか?

保釈金の納付は、裁判所の窓口に収める必要があり、窓口は平日しか開いていないことが多いです。

金曜日の夜に保釈が認められても、納付が月曜日になることで釈放が遅れてしまう可能性があります。

Q.保釈金は誰が払わないといけないのですか?

誰が支払っても問題ないです。

ご家族はもちろん、知人や友人が支払うことも可能です。

Q.保釈された後、会社に行ったり旅行に行ったりできますか?

会社や学校に行くなど、日常生活を送ることは可能です。

ただし、家を数日間留守にする場合は、事前に裁判所の許可を得る必要があります。

無断で旅行すると、保釈が取り消される可能性があるため注意が必要です。

Q.もし有罪判決が出たら、保釈金は没収されますか?

いいえ、没収されません(なお、法律用語では保釈金を取り上げられることを没収ではなく、没取といいます)。

保釈金は「逃亡や証拠隠滅を防ぐための担保」です。たとえ有罪判決であっても全額返金されます。

まとめ|早期の身柄解放のため今すぐ弁護士に相談しよう

本記事では、混同しやすい釈放と保釈の違いや身柄解放までの流れを解説しました。

今ご家族が置かれている状況が起訴前なのか起訴後なのかによって、とるべき行動は変わります。

逮捕による拘束が長引けば、ご本人だけでなくご家族の精神的な負担も大きくなるでしょう。いつか帰ってくるだろうと、待つのではなく行動することが早期解決のためには重要です。

まずは状況を正確に把握し、不安な場合は一刻も早く弁護士へ相談することをおすすめします。あなたとご家族の味方となって、最善の解決策を一緒に考えます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了