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刑事事件と民事事件の違いとは?|民事訴訟のリスクを避ける方法

刑事事件と民事事件という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどう異なるか分からないという方も多いのではないでしょうか。また、刑事事件を経験した方の中には、裁判で刑罰を受けたのに後日被害者から民事訴訟を起こされ損害賠償を請求されて驚いた経験をお持ちの方もいるかもしれません。

被害者がいる刑事事件では、後日損害賠償を請求されるリスクは高いですが、刑事事件の手続きの途中で適切な対応を取ることで、民事上の問題も解決し、後日の民事裁判を防ぐことができます。今回は、刑事事件と民事事件の違いや後日の民事事件化を防ぐ方法をご説明します。

刑事事件と民事事件の違いとは?

刑事事件と民事事件とは?

日本で起きる事件は、刑事事件と民事事件に分けられます。刑事事件とは、人が起こした犯罪について国家が処罰を求め、刑事裁判で刑罰を与えるか決めるものです。具体的には殺人、暴行、詐欺などの事件があり、国があらかじめ法律でどのような行為が犯罪にあたるのかを決めています。

民事事件とは、人vs人、会社vs会社、人vs会社など、私人間の紛争を解決する手続きを裁判所に求めるものです。具体的には、貸したお金の返還請求、離婚をめぐる争い、会社と従業員の労働紛争、会社同士の買収問題等があります。国や地方自治体を訴える争いも、広い意味で民事事件に含まれます。

刑事事件と民事事件の当事者の違いは?訴訟できるのは?

刑事事件で、訴訟を起こせるのは検察官だけです(刑事訴訟法247条)。訴えられた人を「被告人」といい、訴えられる前は「被疑者」と呼ばれます。刑事事件の当事者は検察官と被告人ですが、力のバランスをとるため被告人には弁護人がつきます(憲法37条3項)。なお、被害者は訴訟を起こせません。

民事事件では、誰でも訴訟を起こすことができます。訴えた側を「原告」、訴えられた側を「被告」といい、両者が当事者になります。原告と被告の違いは、どちらが権利の請求等をするかだけで、良い悪いはなく、誰でも原告にも被告にもなりえます。民事裁判では弁護士を付けてもつけなくても構いません。

刑事事件と民事事件の適用される法律の違いは?

刑事事件で適用される法律では、犯罪にあたる行為と、犯罪行為に対する刑罰が定められています。刑法が典型ですが、それ以外にも道路交通法や覚せい剤取締法等の、特別法と呼ばれる国が定めた法律があります。また、都道府県が定めた青少年保護育成条例などの条例も、広い意味の法律に含まれます。

民事事件で適用される法律では、刑法のように「この行為をしたら犯罪になり、このような刑罰を与える」などという規定はなく、私人間のルールが定められています。民法を代表例として、会社法、商法、労働法、租税法など、社会における分野に沿って様々な法律が規定されています。

刑事事件と民事事件の手続きの違いは?

刑事事件では、警察や検察に、手続きを遂行する際の逮捕・勾留など、一般人の権利を制約する大きな権限が付与されています。検察官が訴訟を起こして裁判が開かれれば、裁判官により必ず有罪か無罪が言い渡されます。そのため、当事者である検察官と被告人が和解することはありません。

民事事件では、原告また被告が証拠保全のための手続きを取ることができるものの、刑事事件ほどの強力な権限や強制力はありません。また、刑事事件が判決により解決するのに対し、民事事件は訴訟を起こした前でも後でも、当事者同士の和解で事件を解決し終結させることができます。

刑事事件でも民事事件として訴訟されることがある?

刑事事件と民事事件はどういう関係にある?

刑事事件と民事事件は、当事者の関係や手続きに違いがありますが、ケースによっては、刑事事件と民事事件の両方の対象になる場合があります。具体的には、犯罪にあたる行為によって、被害者に損害が発生しているケースです。この場合、刑事事件が不起訴になっても、民事上の請求は免れません。

例えば、当て逃げという道路交通法違反の犯罪を起こした場合、不起訴になっても、被害者宅の塀を壊していた場合は別途損害賠償を請求される可能性が高いです。また、罰金刑になった場合の罰金は国に納めるため、被害者の損害は填補できません。そのため刑事・民事の両方で裁判になる可能性もあります。

被害者から民事訴訟を起こされるとどんなリスクがある?

刑事裁判で下される判決は、被告人に科される処罰であり、被害者に対する損害賠償は含まれていません。犯罪行為によって怪我や精神的苦痛などの被害を受けた人は、加害者に対して、被った被害の損害賠償を請求する権利があります。この権利を請求する手段として、民事訴訟を起こされる場合があります。

刑事事件以外に民事訴訟を起こされると、解決まで長期化するリスクがあります。また、刑事事件で示談金を払っていても、適切な示談をしていないと別途損害賠償を請求されて二重払いのリスクを負う可能性もあります。このようなリスクを防ぐには、弁護士に示談をしてもらうことをお勧めします。

刑事・民事両方で訴訟されるリスクがある事件とは?

1つの事件で、刑事・民事両方で訴訟されるリスクがあるのは被害者がいる事件ですが、典型的なのが交通事故です。人身事故を起こし、過失運転致傷罪で罪に問われて判決で懲役刑を受けた場合でも、被害者の怪我の治療費や休業損害、慰謝料、車の修理代などの損害賠償請求を起こされるリスクがあります。

また、痴漢等の性犯罪でも同様です。痴漢は、都道府県が定める迷惑行為防止条例違反や刑法の強制わいせつ罪にあたる犯罪です。条例違反の痴漢で罰金刑になっても、痴漢の被害で被った精神的苦痛を損害とする慰謝料を、別途民事訴訟を起こして請求されることがあります。

損害賠償命令制度とは?

刑事事件の被害者が、民事上の請求を刑事裁判の中で行うことは原則できません。ただし、殺人・傷害・強制性交等など一部の重大事件では、刑事事件の裁判を担当した裁判官が、引き続き民事上の損害賠償請求を審理する手続きが導入されています。この手続きを「損害賠償命令制度」といいます。

損害賠償命令制度では、刑事事件で利用された事件の記録を、民事事件の損害賠償請求の審理でもそのまま利用することができます。原則4回以内で審理を終了して損害賠償額を決め、裁判官が損害賠償命令を出します。刑事事件と同じ裁判官が担当するので審理がスムーズに進むメリットがあります。

民事事件の訴訟を防ぐためにはどうすべき?

民事事件の訴訟を防ぐためには、刑事事件の中で示談を締結し、民事上の損害賠償に関する問題も一挙に解決することが有効です。示談とは、当事者間の合意を言いますが、示談の中で損害賠償や精神的苦痛に対する慰謝料などをすべて含む解決金を示談金として払い、金銭問題を解決するのです。

具体的には、謝罪を尽くした上で、

  • 加害者は被害者に対して示談金として金○○円を払う
  • 加害者と被害者は、本示談書に定めるほか何らの債権債務がないことを確認する

などと記載します。これを清算条項といい、一切の金銭問題が解決したことになるので、後日の民事訴訟を防ぐことが可能になります。

民事事件も同時に解決できる刑事事件の「示談」とは?

事事件における「示談」とは?

示談とは、当事者間の合意を言いますが、刑事事件における示談にはいくつか種類があります。具体的には、犯罪によって被害者に生じた被害を弁償したことを証明する「被害弁償」の示談、犯罪を犯したことを反省し謝罪を受け入れる「示談」、その上で被害者が事件を許す「宥恕付き示談」です。

刑事事件では、被害者に謝罪と賠償を尽くして宥恕付き示談に応じてもらうことが大きな意味を持ちます。被害者が事件を許したのであれば、検察官や裁判官も厳しい刑罰を科す必要性が低下するからです。そのためには、弁護士を介して適切な示談金を提示し、粘り強く交渉することが求められます。

刑事事件で示談をするとどんな効果がある?

刑事事件で被害者と示談することは、被害者の気持ちや損害が填補された事実の証明になり、検察官や裁判官に有利な事情として考慮してもらえます。中でも、被害者が事件を許した旨を記した宥恕付き示談が締結できれば、軽微な犯罪では不起訴になり前科が避けられる可能性が高まります。

ただし、犯罪の類型のうち、被害者だけでなく社会や国にも悪影響を与えたような場合は、示談しても不起訴になると限らない場合もあります。具体的には、児童買春や公然わいせつなどです。しかし、それでも示談をしてマイナスになることはありません。あきらめずに弁護士にご相談ください。

刑事事件で示談をするには弁護士が必要?

刑事事件の示談は、当事者でもできますが、弁護士に依頼すべきです。まず、加害者側が示談を求めると脅迫と捉えられる恐れがありますし、そもそも被害者の情報を教えてもらえない場合が大半です。しかし、弁護士なら教えてもいいという被害者は多いので、検察などから連絡先を教えてもらいやすいです。

また、実際に示談をする際も、弁護士を介して適切な内容、金額で行い、示談書に記して、示談の結果を検察官や裁判官に伝えることが重要です。当事者間で示談したものの、内容に不備があり、示談金を払ったのに後日再度警察に訴えられたり、示談金を再度請求されるケースも少なくありません。

刑事事件の示談で気を付けるべきこととは?

刑事事件の示談で気を付けるべきなのは、合意すべき内容を網羅することです。具体的には以下のような内容を記載し、相互に署名押印します。

  • 事件の日時等を記して特定し、謝罪する
  • 示談金の金額と支払方法を明記する
  • 金銭問題が解決し追加請求しない
  • 被害者が事件を許す
  • お互い事件を口外しない

そして、示談は、弁護士に依頼して交渉してもらいましょう。被害者の中には、法外な示談金を請求してくる人もいるので、専門的な知見に基づいて適切な金額で示談することが重要です。また、示談がまとまったらその結果を検察官等に伝え、加害者に有利な事情として検討してもらうことも大切です。

刑事事件で示談が重要な理由や示談する方法、示談金相場ついて詳しく知りたい方は「刑事事件で示談をすべき5つの理由|示談金の相場も紹介」をご覧ください。

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