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強制わいせつの再犯は実刑になる?執行猶予中は?量刑の相場を解説

  • 前にも強制わいせつ事件で逮捕されたのに、再度犯行に及んでしまった
  • 強制わいせつの前科があると、2回目は実刑を免れないのか?

以前強制わいせつ罪を犯してしまい、再度強制わいせつで逮捕された場合、今度は実刑を免れないのでしょうか。

また再犯であっても、再度執行猶予がつくということはありえるのでしょうか?

この記事では「強制わいせつ事件」で「再犯」になってしまう場合の量刑や、執行猶予期間中の罪の取り扱い、処分を軽くする方法があるのかについて解説していきます。

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強制わいせつ罪の再犯とは?

強制わいせつ罪は「暴行や脅迫を用いて被害者にわいせつ行為をした場合」に成立し、法定刑は「6か月以上10年以下の懲役」です(刑法176条)。

被害者が13歳未満の場合には、暴行や脅迫がなくともわいせつ行為をしただけで強制わいせつ罪が成立します。

なお、痴漢は一般的には各都道府県の迷惑防止条例違反となりますが、悪質な痴漢行為ですと強制わいせつ罪になることもあります。

強制わいせつ罪一般の解説については『強制わいせつをしてしまったら弁護士に相談を』のページが詳しいですのでそちらもご覧ください。

強制わいせつの再犯率はどのくらい?

令和2年版の「犯罪白書」によれば、強制わいせつ罪で検挙された人(逮捕や書類送検などをされた人)のうち、同種の前科を持っていた人の割合は7.6%となっています。

性犯罪は再犯が多いというイメージがありますが、実はそうとは言い切れません。刑法全体で見たとき、検挙された有前科者の割合は13.1%ですので、強制わいせつ罪の再犯率が突出して高い、とまでは言えません。

なお、ここでの「前科」とは有罪の確定裁判を受けた人を指しており、以下で説明する刑法上の「再犯」以外も含まれています。

強制わいせつの「再犯」は最大懲役20年? 「再犯」には2種類あることに注意!

刑事手続きで再犯という言葉を使うとき、①一般的な意味での再犯と、②刑法上の「再犯」の違いに注意する必要があります。

①一般的な意味での再犯というのは、つまり「以前にも犯罪を犯したにもかかわらず、再度犯行に及んでしまった人」のことです。刑法上の「再犯」に当たらない場合でも、捜査機関に記録された前科・前歴の情報は刑事処分の判断の参考資料になるので、前回よりも処分が重たくなるのが一般的です。もっとも、法定刑が変わるわけではありません。

これに対し、②刑法上の「再犯」にあたる場合、刑の上限そのものが変わります

再犯の罪は、その罪について定めた懲役の長期の2倍以下とする

刑法57条(再犯加重)

強制わいせつ罪の場合、懲役刑の長期は10年です。よって強制わいせつ罪の再犯となると「20年以下の懲役刑」が刑の上限となります。

また、再犯を3度以上行っている者については、再犯と同様に扱われます(刑法59条)。

刑法上の「再犯」にあたるのはどんな場合?

刑法56条では「再犯」について、以下のように規定されています。

刑法56条(再犯)
懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。

刑法56条1項

わかりやすく言えば、以前に刑務所に入っていた人が、5年以内に犯罪を行うと、次は懲役刑の上限が2倍になってより長く刑務所へ収監されるおそれが高まる、ということです。

刑法56条の「再犯」となる3つの要件について以下で詳しく説明します。

刑法上の再犯の要件①以前実際に懲役刑になった

懲役に処せられた者

以前の刑が罰金刑や禁固刑などの場合には「再犯」にはなりません。また、執行猶予期間が満了している場合も、実際に懲役刑になったわけではないので「再犯」となりません

強制わいせつ罪の場合は、罰金刑や禁固刑の規定がありませんので、前回の罪で執行猶予がついていなければ、この条件を満たすことになります。

刑法上の再犯の要件②執行の終了などの翌日から5年以内

  • その執行を終わった日(出所日)の翌日から5年以内に罪を犯す
  • その執行の免除を得た日(時効完成など)の翌日から5年以内に罪を犯す

刑の執行が終わってから5年以内に犯罪行為をした場合が「再犯」となります。よって刑務所を出てから10年後に犯罪をしてしまった場合は、刑法上の「再犯」にあたりません。

また執行猶予中は、執行の終了・免除を得たとは言えないため、犯罪をしても「再犯」とはなりません。執行猶予期間中に罪を犯した場合は、先の刑の執行猶予を取り消すかどうかという問題になります。

刑法上の再犯の要件③有期懲役に処するとき

その者を有期懲役に処するとき

再度の犯罪であっても、罰金刑や禁固刑となった場合は「再犯」とはなりません

強制わいせつ罪の執行猶予中に犯罪をしたらどうなる?

執行猶予期間中に犯罪を犯しても、刑法上の「再犯」にはあたらず、刑の上限が2倍になることはありません。しかし、前回より重い刑罰が科せられる傾向があります。

さらに執行猶予期間中に犯罪を犯すと、以前の執行猶予を取り消されてしまうことがあります

強制わいせつ罪の執行猶予が必ず取り消されるケースとは?

刑法26条より、以下のような場合には執行猶予が取り消されます

執行猶予の取り消し

  • 執行猶予期間中に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき
  • 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき
  • 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき

執行猶予中に犯した罪が強制わいせつの場合、懲役刑のみしか規定がありませんので、執行猶予が取り消される可能性は非常に高いと言えます。

強制わいせつの執行猶予中の犯罪で刑罰はどうなる?

執行猶予期間中に犯罪を犯し、執行猶予が取り消された場合を考えてみましょう。その場合、執行猶予が取り消された罪に加えて、新たに犯した罪についても、あわせて服役しなければなりません

例えば以前の強制わいせつ罪で懲役2年執行猶予3年、その後執行猶予期間中に再度強制わいせつで懲役2年となった場合は、合計して4年の懲役刑となります。

強制わいせつ罪を繰り返したとき、再度の執行猶予はつけてもらえる?

強制わいせつ罪で繰り返し有罪判決を受けた場合、基本的に再度執行猶予をつけてもらうことは極めて困難です。

具体的には、以下の要件を全て満たさなければ執行猶予がつくことはありません。

  • 今回言い渡された刑期が1年以下
  • 前の執行猶予で保護観察をつけられていない
  • 犯行の内容や程度、結果などにおいて特に酌量すべき情状がある

強制わいせつの下限刑は6ヶ月以上ですが、実務では1年6ヶ月以上の懲役となるのが一般的です。さらに執行猶予期間中に犯罪を犯したことで「反省がない、再犯可能性がある」と考えられ、刑罰が重くなる傾向があります

いずれにせよ、執行猶予を再度つけてもらうことは難しいでしょう。

強制わいせつの再犯などで刑罰を軽くする方法はある?

強制わいせつの刑の執行から5年以内に再犯をした場合、または強制わいせつの執行猶予中に再度強制わいせつをしてしまった場合、5年以上前の前科がある場合、いずれにせよ刑罰が初犯より重くなる可能性があります

再び同じような犯罪を犯してしまったことを反省し、なるべく早くに社会復帰を果たすためには、どうすればよいのでしょうか。

法律上の「再犯」にあたらなくても強制わいせつの前科があれば罪は重くなる?

2度目以降の強制わいせつ事件で逮捕された場合、法律上の「再犯」が成立しなくても刑罰が重くなる可能性があります

以前に有罪判決を受けた場合、その記録は「前科」として本人が死亡するまで残り、新たに罪を犯したら、検察官に前科照会されて調べられます。裁判所にも前科記録が提出され、悪い情状として評価されます

たとえば以前には執行猶予をつけてもらえた場合でも、今回は実刑になる、などが考えられます。事件を起こしてしまったら、早急に刑罰を軽くするための活動を開始すべきです。

早急に強制わいせつの被害者と示談する

強制わいせつ罪などの性犯罪では、被害者と示談することが非常に重要です。

示談の際に示談金の支払いや被害弁償をすることで、被害者に謝意や反省を伝えることができます。

また示談の結果、もしも被害者から宥恕(加害者を厳罰に処することを望まないという意思)が得られれば、裁判で良い情状として評価され、刑罰が軽くなることもあります。

強制わいせつで示談は弁護士に任せる

強制わいせつの加害者が被害者と示談を進めるときには、刑事弁護人によるサポートが必要不可欠です。

そもそも加害者個人では、被害者側と連絡をとること自体まず不可能であるためです。刑事弁護人であれば検察官を通じて被害者の許可をとり、連絡先を確認できる可能性があります。

また弁護人からの連絡であれば、被害者の方も示談交渉に応じてくれることがあります。

強制わいせつの再犯で不安な方はお早めにご相談を!

アトム法律事務所では性犯罪の加害者の刑事弁護に積極的に取り組んでいます。

以前に強制わいせつで逮捕されたのに再度犯行に及んでしまった場合、実刑判決を受ける可能性はかなり高いものとなります。強制わいせつの再犯で不安がある場合、早急に弁護士に相談することを強くおすすめします。

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