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強制わいせつ罪の判決は懲役何年?執行猶予や被害者参加の可能性は?

強制わいせつ罪の判決は懲役何年?執行猶予や被害者参加の可能性は?

強制わいせつ罪は、「懲役6月~懲役10年」の範囲で判決が言い渡されます。言い渡される刑が懲役3年以下でなければ執行猶予は付きません。どのような弁護活動を展開すれば、執行猶予の可能性が高められるか、刑事事件の専門家の意見を参考にするとよいでしょう。

この記事では、強制わいせつ事件における被害者対応(示談)の大切さについても解説しています。示談の実践経験は、弁護士選びの重要な要素になります。

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強制わいせつ罪の判決は「懲役6月~懲役10年」

強制わいせつ罪に罰金刑はなし|懲役刑のみ

強制わいせつ罪は、刑法176条に規定されている犯罪です。

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

刑法176条

法定刑としては、懲役刑のみが定められており、罰金刑は予定されていません。強制わいせつ罪の刑罰は、「懲役6月~懲役10年」ですので、刑事裁判になり判決を言い渡されるときには、この範囲内で刑が言い渡されることになります。

強制わいせつをした際に、被害者に怪我をさせた場合には、強制わいせつ致傷罪としてさらに重い刑罰が予定されています。被害者を死亡させると、強制わいせつ致死罪が適用されます。強制わいせつ致死傷罪が成立すると、「無期又は三年以上の懲役」(刑法181条1項)が刑罰になっているため、最も重い判決は「無期懲役」です。

強制わいせつ罪一般の解説については以下のページも詳しいですのであわせてご覧ください。

強制わいせつ罪の態様と刑罰

強制わいせつ強制わいせつ致死傷
態様暴行・脅迫を用いてわいせつわいせつ行為に伴い相手を死傷させる
刑罰6か月~10年の懲役無期又は3年以上の懲役

強制わいせつ罪の判決で執行猶予が付されるときとは

強制わいせつ罪の判決に、執行猶予が付されることもあります。 執行猶予が付される可能性を高める事情には次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 初犯である
  • 被告人が真摯に反省している
  • 被害者が被告人を宥恕(「許すという意味」)している
  • 再犯防止策を具体的に検討し実行している
  • 監督者が被告人の更生に協力的である

執行猶予は、懲役3年以下の判決について付すことができるものです。そのため、強制わいせつ罪の判決が3年を超えるようであれば、執行猶予の可能性はなくなります。また、執行猶予が付されるときは5年以内と法律で決められているため、最大で5年の執行猶予が検討されることになります。

強制わいせつ罪で執行猶予がつく場合

執行猶予つく執行猶予つかない
量刑3年以下の懲役刑3年を超える懲役刑
服役必要なし必要あり

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強制わいせつ罪で逮捕されると懲役刑は免れない?

強制わいせつ罪で逮捕されると、すぐに刑務所行きになると思う人もいるでしょう。しかし、刑事事件で逮捕されたあと、すぐに刑務所に送られるということはありません。法律に定められた手続きが順番に行われ、最終的に裁判所から判決が言い渡されるのです。そして、それが確定すれば、実刑の場合は刑務所に収監されます。

強制わいせつ罪で逮捕されると、まずは捜査機関の捜査を受けなければなりません。そして、検察官に起訴されたときにはじめて刑事裁判がスタートします。裁判では審理を経て、判決が言い渡されます。判決の日の翌日を1日目として、14日が経過すれば刑が確定するという流れです。つまり、逮捕されてすぐに裁判になるわけでも、判決が言い渡されて刑務所行きになるわけでもありません。逮捕後、すぐに弁護士に弁護活動を依頼することで、起訴を回避したり執行猶予付きの判決を獲得することも現実的になります

強制わいせつ罪の判決に被害感情は反映される?

強制わいせつ罪の裁判では被害者参加もありえる

強制わいせつ罪で、刑事裁判になったとき、被害者参加という手続がとられることがあります。例えば、13歳未満の子供が被害者になった場合、その法定代理人である親は検察官に申し出て、法廷で事件に対する心情を陳述する手続が用意されているのです。被害者は、被告人に対して犯罪事実について質問したいときは、裁判所の許可を得て質問することもできます。

刑事裁判は、基本的に検察官が被告人を訴え、それを裁判所が判断するという場であり、被害者は裁判の当事者に含まれません。しかし、被害者がこの制度を利用することで、刑事裁判に関与することができます。裁判所の許可を得て証人尋問もすることができます。被害者が積極的に刑事裁判の手続に参加することができる制度が被害者参加制度です。

被害感情、処罰感情は判決に影響する

強制わいせつ事件の判決には、被害者の被害感情や被告人に対する処罰感情が影響します。強制わいせつ事件は、犯罪の中でも被害感情や処罰感情が強い傾向にあるといえるでしょう。詐欺事件や窃盗事件のように、被害弁償をすれば被害が回復するというものではありません。性的羞恥心が害されたとき、その精神的苦痛は簡単には癒されず、被害者は一生苦しむという場合もあります。

場合によっては、強制わいせつの被害者になったことで精神科に通わざるを得なくなったり、仕事ができなくなってしまうという深刻な被害が生じることもあります。このような結果も含めて裁判では審理が行われるのです。被害者の感情がおさまらない以上、判決は厳しいものになると予想されます。

弁護士の弁護活動は「示談」がメインテーマになる

強制わいせつで被害感情や処罰感情が判決に影響するということは、逆に言えば、被害者が許していて処罰を望んでいないのであれば重たい刑罰を科す必要性も小さくなるということです。

つまり執行猶予付き判決を得るには、弁護士の活動として示談は必須です。捜査段階で示談がうまくいかなくても、公判段階で示談が締結できれば、それを証拠として公判で提出することが可能です。被害者と示談ができ、被害者が許しているという事情は、判決にも影響します

強制わいせつ事件の弁護活動の目的は、被告人が少しでも軽い刑罰になるよう求めていくことです。強制わいせつ事件では、示談ができているかどうかが注目されますので、必然的に弁護士の活動のメインテーマは示談交渉になります。強制わいせつ事件で弁護士を選ぶ際には、性犯罪事件の示談実績が豊富にあるかどうかを一つの基準にすることをおすすめします。

示談の有無が与える刑罰への影響

示談あり示談なし
被害者の許しもらえるもらえない
刑の軽減可能性高い可能性低い

強制わいせつ罪の判決で執行猶予を獲得する方法

強制わいせつで逮捕されたらすぐに被害者対応を行う

強制わいせつ罪で逮捕された場合、すぐに被害者対応をはじめることが必要です。被害者対応をしなければ、起訴されることが見込まれます。また、判決で厳しい判断が下される可能性もでてきます。出来る限り早く被害者と示談をして、許しを得ることが大切です。

強制わいせつの示談では、示談金が300万円になることもあります。もちろん、被害者が受け入れてくれる場合には、数十万円で話が落ち着くこともありますが、強制わいせつでは示談金が100万円を超えるケースも珍しくありません。示談ではしっかりと被害者の心情に耳を傾け、実損害の部分と精神的苦痛に配慮した金額で示談をすることが大切です。

弁護士を通じて示談を進める

強制わいせつ罪のような性犯罪は、加害者本人が示談をすることは控えるべきです。被害者の心情を考えたとき、直接加害者に接触されることは恐怖や不快感を与えます。すぐに弁護士に対応を依頼して、弁護士を通じて示談の話を進めるようにしてください。

弁護士に依頼するから加害者は何もしなくてよいというわけではありません。謝罪の意思を書面にしたり、被害者の不安を少しでも取り除くために、被害者の生活圏内に足を踏み入れないようにするなど、加害者の努力も必要になります。強制わいせつ罪は金銭の支払いで簡単に解決するものではありませんので、担当弁護士と十分な打合せをして示談を進めることが大切です。

医療機関などの専門家に協力を仰ぐ

強制わいせつ事件は、「魔がさした」として単発の事件として起こることもあれば、同じ者が複数回行う場合もあります。複数回、同じ被害者が狙われることもあれば別々の被害者が狙われることもあります。このとき、原因として病的な性的嗜好が関係していることも否定できません。被害者対応と同時に、医療機関などの専門機関を受診して、根本的な解決を目指すことが大切です。

医師や心理カウンセラーの意見書を裁判所に提出し、少しでも執行猶予判決の可能性を上げるということも、重要な弁護活動になります。原因の究明と再発防止に真摯に向き合うことは、強制わいせつ事件の解決においては極めて重要です。

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強制わいせつ事件の弁護はアトム法律事務所まで

強制わいせつ罪は、懲役6月から懲役10年の範囲で判決が言い渡されます。もちろん、逮捕されてすぐに懲役刑が決まるわけではありません。刑事手続きの限られた時間の中で、いかにスピーディに適切な被害者対応をするかが、執行猶予獲得の鍵になります。強制わいせつ事件で弁護士を選ぶ際には、示談の経験値に注目することをおすすめします。

アトム法律事務所は刑事事件に注力する弁護士事務所としてこれまで数多くの強制わいせつ事件を取り扱い、解決してきた実績があります。弁護士相談を検討されている方は、以下の番号からアトム法律事務所の受付窓口までお電話ください。

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