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ATMの取り忘れ現金を窃盗!刑罰や警察の捜査への対処法は?

ATMの取り忘れ

「ATMに取り忘れられた現金があった」

誰でも手に取れる状態のお金を見ると、ほんの出来心で自分のものにしてしまおうという気持ちに駆られることもあるかもしれません。

しかし、残念ながられっきとした犯罪行為です。もし、あなたが、ATMのお金を持ち去ってしまった場合、後日、警察に逮捕されてしまう可能性があります。

今回は、ATM窃盗をしてしまい警察から呼び出しを受けた方や、ご家族が逮捕されてしまいご不安になっている方などに向けて、ATMに取り忘れたお金を持ち去った場合にどのような犯罪が成立するのか、逮捕された場合、釈放される可能性はあるのか、そのために何をすべきなのか、弁護士に相談・依頼するメリットは何なのかといった内容を解説します。

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ATMの取り忘れたお金を取ると窃盗罪になる?

ATMの取り忘れたお金を持ち去る行為は、そのお金が未だ他人が占有している状態といえるかどうかによって窃盗罪もしくは占有離脱物横領罪が成立します。

もっとも、多くは窃盗罪が成立するケースであると考えられます。

窃盗罪と占有離脱物横領罪の違い

占有とは、物を事実上の支配下に置いている状態のことをいいます。

持ち主以外が占有している状況でも、他人が占有しているものを盗めば窃盗罪になります。
一方、誰も占有していない状態の物を持ち去った場合には、占有離脱物横領罪となります。

窃盗罪は、他人の占有を侵害する犯罪であるという点で、占有離脱物横領罪よりも重たい刑罰が定められています。

窃盗罪10年以下の懲役または50万円以下の罰金
占有離脱物横領罪1年以下の懲役または10年以下の罰金もしくは科料

ATM窃盗が窃盗罪になる理由

ATMのお金は、管理者である銀行等が占有しています。そして、ATMの利用者が引き出し操作をするとそのお金の占有は利用者に移転します。

ATM利用者(お金の持ち主)がお金を取り忘れてしまったとしても、取り忘れからまだ間もなく、持ち主が付近にいるような状況であれば、現金には持ち主の現金に対する占有が継続していると評価されます。

また、取り忘れられたお金は一定時間が経過するとATMの内部に戻される仕組みになっています。このような管理の仕組みは、取り忘れられたお金にも銀行やコンビニの占有が及んでいることを示しているといえるでしょう。

したがって、ATMの取り忘れ現金には、持ち主もしくは銀行等の占有が続いていますので、持ち去れば原則として窃盗罪が成立します(もちろん、持ち去った目的が、店員や警察に届けるためということであれば、犯罪は成立しません)。

なお、取り忘れから長時間経過しているなど、もはや法的にも誰も占有していないと評価できる状態になっていれば、窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪が成立する可能性はあります。ただし、その場合も犯罪であること自体には変わりありません。

ATM窃盗の犯人はどのように特定される?

ATM窃盗の場合、お金を取り忘れた持ち主や銀行が警察に被害届を提出することによって捜査が開始されることが多いようです。

そして、ATMが設置されている銀行などの場所には、当然防犯カメラが設置されています。警察が捜査を始めれば、防犯カメラの映像やキャッシュカードの使用歴から、現金の取り忘れのあった時刻、持ち去られた時刻、犯人の特徴などは容易に割り出すことができます。

また、昨今は、街頭など公共空間にも防犯カメラが設置されていることも多く、警察はありとあらゆる防犯カメラを確認することで、例えば被疑者の帰宅ルートまで特定することも可能といわれています。

防犯カメラと犯人特定方法についてより詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

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防犯カメラで犯人特定される?盗撮・痴漢・万引きの後日逮捕

ATMに取り忘れたお金を窃盗したら逮捕される?

通常、被疑者が犯行を行ったことが相当程度認められ、かつ、逃亡や証拠隠滅を図るおそれがある場合には、警察は事前に令状(逮捕状)の発付を受けた上、逮捕に踏み切る可能性があります。

もっとも、犯人を見つけたら必ず逮捕をするというわけではなく、逮捕しないまま呼び出して事情を聴いたり、捜査を続けていくことも多いです。

そのため、ATM窃盗の場合にも上記の条件が認められれば逮捕されるおそれがありますが、必ず逮捕に踏み切るという訳でもありません。もっとも、逮捕されなかったとしても、刑事事件として立件されてしまうこととなります。

警察庁の統計によると、2020年に置引きで検挙された人の身柄措置の内訳は以下のとおりです。ATM窃盗に限らず、置引きのデータではありますが、参考にしてみてください。

窃盗罪(置引き)の逮捕率(2022年)

現行犯逮捕92人(2.3%)
緊急逮捕65人(1.7%)
後日逮捕361人(9.2%)
身柄拘束なし3,423(86.9%)

ATM窃盗で警察から逮捕・呼び出しされたら

ATM窃盗で警察から呼び出しを受けたら無視してはダメ

電話などで警察から呼び出しを受けた場合には、警察署内で任意の取り調べが行われることが多いです。その場合、任意の取り調べを実施した結果、そのまま逮捕に至るケースもありますが、逮捕の可能性としてはそこまで高いものではありません。

もっとも、警察からの呼び出しを無視してしまうと、警察が逮捕手続に踏み切る可能性が出てきてしまいます。逮捕をされないためには呼び出しに素直に応じることが賢明でしょう。

取り調べでの対応や逮捕が心配な場合には遅くとも警察からの呼び出しを受けた時点で一度弁護士にご相談されることをおすすめします

弁護士に相談をすることで、任意の取り調べへの対応に関するアドバイスだけではなく、逮捕手続に踏み込まれないためのアドバイスをすることも可能です。

もしもATM窃盗で逮捕されてしまったら

ATM窃盗の容疑で逮捕されてしまった場合、ご家族や友人、勤務先への連絡なども自由にできなくなってしまい、ご自身の社会生活に著しい不利益が及んでしまう可能性があります。

また、逮捕だけではなく、その後の勾留まで認められてしまうと、検察官が起訴をするかどうか判断するまででも最大23日間の身柄拘束がされるおそれがあります。

長い間留置場に収容されることとなり、ご自身の私生活に悪影響が及んでしまうばかりか、精神的肉体的にも辛い状況が続くことになります。

弁護士であれば逮捕直後でもすぐに面会が可能ですので、ご家族や職場等に関する緊急の要件についても対応できますし、警察からの取調べについても即時にアドバイスをすることが可能です。

何より、逮捕された直後から弁護士に依頼することによって、勾留されないよう検察官や裁判所に働きかけたり、被害者との間で示談を成立させることで早期の身柄解放に向けた弁護活動をいち早く進めることが可能となります。

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逮捕されたらすぐに呼ぶべき弁護士とは|弁護士費用と連絡方法

ATMのお金を取り忘れた被害者と示談をして不起訴を獲得

刑事事件となってしまった場合に大切なことは逮捕回避・早期釈放だけではありません。不起訴処分の獲得も最終的な目標の一つです。

弁護士による適切な弁護活動により不起訴処分を獲得することができれば、裁判で裁かれずに前科が付くことなく事件が終了します。

不起訴で事件を終わらせるための有効な手段の一つが、「被害者の方と早期に示談を成立させる」ことです。

もちろん、示談が成立したからといって必ず不起訴を得られるという訳ではありませんが、示談が成立することで、被害者は被疑者への刑事罰を積極的に求めないことになるため、不起訴処分になる可能性がグッと高まります。

示談をするためには、被害者の方と直接連絡を取って示談金の交渉などをする必要があります。しかし、被害者は、被疑者(加害者)の方と直接連絡を取りたくないというケースが多く、実際には、弁護士をつけて被害者の方と示談交渉をする場合がほとんどでしょう。

そのため、ATM窃盗をしてしまい逮捕されてしまうおそれがある場合には、早期の身柄解放及び不起訴処分の獲得を目指していくためにも、可能な限り早い段階で弁護士に相談をすることをおすすめします。

ATM窃盗の逮捕・不起訴・示談は弁護士に相談

ほんの出来心でしてしまったATM窃盗でも警察に逮捕されてしまう可能性は否定できません。長い間、刑事施設に収容されることになってしまえばご自身の社会生活に甚大な影響が生じてしまうおそれがあります。また、起訴されてしまうとほぼ前科がついてしまいます。

そのような事態を回避し、できる限り早い段階で元通りの生活を取り戻すためには、刑事弁護に精通した弁護士に早期に相談をしておくということが大事になってくるでしょう。

逮捕されたら弁護士相談で早期釈放を目指す

逮捕された場合、48時間以内に検察官に送致され、その後、24時間以内に勾留請求をするか否かを検察官が決めます。

この逮捕後の72時間にいかに迅速かつ適切に対応できるかどうかが、長期の拘束を防ぐポイントです。

勾留されると原則として10日間、さらに10日間の延長が認められると最大20日間拘束が続きます。

そのため、遅くとも逮捕されてしまった段階ですぐに弁護士に相談することをおすすめします。逮捕された本人は、自身で信頼できる弁護士を探すことはできません。そのため、外部のご家族などが弁護士に相談するなど周囲のサポートも重要になってくるでしょう。

すぐに弁護活動を始めることで、勾留がなされないように事前に検察官や裁判所に働きかけたり、勾留決定に対して異議申立てをするなど、早期釈放を目指すことができます。

弁護士が不起訴獲得のためにできる活動

弁護士は、早期の身柄解放に向けた活動だけでなく、警察の取り調べに対するアドバイスや、面会を通じてご本人を精神的に支えたりご家族や外部の人間との橋渡し的存在としても動きます。

また、当然、身に覚えのないことで逮捕されてしまった場合などには、嫌疑なし、又は嫌疑不十分を理由とする不起訴処分を得るための弁護活動を実施することも可能です。

ATM窃盗の被害者との示談には弁護士が必要

早期の身柄解放と不起訴処分を獲得するための手段として、被害者との示談は最も有効な手段ですが、ご自身で直接被害者と連絡を取って示談を成立させることは、かなり高いハードルがあります。

被害者との示談交渉についても全て弁護士に依頼することで、迅速な示談の成立はもちろん、不当に高額な示談金を払わなければならないというケースも未然に防ぐことができます。

もし、示談交渉が不成立で終わったとしても、被害の弁償を行い、検察官と粘り強く処分交渉をするなど、弁護士は最善の結果を獲得できるように依頼者に尽くします。

アトム法律事務所の弁護士相談

アトム法律事務所は、刑事事件に注力する法律事務所として、数多くの事件を解決してきた実績があります。以下のケースはその一例です。

ATM窃盗(不起訴処分)

コンビニATMにおいて、置き忘れてあった現金を持ち去り後日警察に逮捕された窃盗の事案。


弁護活動の成果

検察官と交渉し勾留されることなく早期釈放された。示談は不成立であったものの、被害を弁済。不起訴処分となった。

警察から呼び出しを受けている段階など、逮捕される前に弁護士に相談すれば弁護活動の選択肢の幅も多くなります。逆に、逮捕や勾留がされてしまった後は、弁護活動の幅も制限されてしまうおそれがありますので、これらを回避していくためには、早めに弁護士に相談されることが必要です。

少しでもご不安の方は、まずは、以下の番号から刑事事件に強いアトム法律事務所までお気軽にご相談ください。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了