盗撮、痴漢、万引きなどをしてしまった方へ。これらの犯罪は、防犯カメラ映像で犯人特定に至り、後日逮捕・捜査される可能性があります。
盗撮や痴漢、万引きといった比較的軽微な犯罪は「現行犯でなければ捕まらない」「被害者にバレなければ大丈夫」と思っている方も少なくありません。たしかに、盗撮、痴漢、万引きなどは現行犯で捕まるケースが多いです。
しかし、ある日警察から呼び出しの電話が来たり、警察が突然やってきて後日逮捕されたというご相談も多いです。
被害届が出され、警察が捜査を行って犯人が特定されれば、現行犯でなくとも逮捕される可能性は十分あるのです。そして、犯人特定に至るもっとも大きな手掛かりが「防犯カメラ」です。
- 防犯カメラだけで犯人特定・後日逮捕されるケースは実際に多い
- 特に盗撮・痴漢・万引きは「現行犯でなくても」逮捕される
- 不安がある場合は、警察からの連絡前に弁護士に相談する
この記事では、防犯カメラでの犯人特定やその期間、後日逮捕に不安がある場合にすべきこと、実際に防犯カメラがきっかけで後日捜査を受けたケースについて解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
犯人特定と防犯カメラの役割
犯罪検挙数の約17%が防犯カメラで犯人特定
警察庁のまとめによると、2024年に警察に検挙された刑法犯27万6664件(交通事犯を除く)のうち、防犯カメラやドライブレコーダーの画像によって犯人特定に至った事件は4万8789件(約17.6%)にのぼります。
防犯カメラ等で犯人特定に至った件数
| 総数 | 防犯カメラ等による検挙 | |
|---|---|---|
| 刑法犯 | 27万6664件 | 4万8789件(約17.6%) |
| 万引き | 6万6146件 | 1万7355件(約26.2%) |
| 不同意わいせつ | 5775件 | 1328件(約23.0%) |
| 公然わいせつ | 1686件 | 374件(約22.2%) |
| 住居侵入 | 5322件 | 628件(約11.8%) |
| 器物損壊 | 6926件 | 1800件(約26.0%) |
防犯カメラによる犯人特定は、職務質問による検挙(2万1087件)や参考人取り調べをきっかけとする検挙(3万1068件)よりも多い件数となっており、極めて重要な捜査手段となっています。

また、平成28年には全体の5%にも満たなかった防犯カメラ等による検挙率が、令和6年になると約17.6%と約4倍にまで跳ね上がっています。
現行犯でなければ特定されずに逃げ切れる、という認識は、もはや通用しなくなっています。
防犯カメラでわかること
防犯カメラは長時間の映像を記録しているため、古いアナログ画質であることが多く、不鮮明な画像であることも少なくありません。
しかし、重要なのは画像から直接犯人の人相を割り出すことだけではありません。そもそも、「防犯カメラに映った犯人の顔が似ている」という情報は不確かなものです。
防犯カメラの解析で重要なのは、客観的に特定が可能な数字・記号・特徴です。例えば、車体の特徴や車のナンバー、身に着けている服のロゴなどが犯人特定に至る有力な証拠となります。
また、防犯カメラの捜査では、カメラに写った犯人を特定するのみならず、犯行現場付近の複数の防犯カメラ画像を利用して犯人や事件関係者の足取りをたどるためにも用いられます。
防犯カメラの犯人特定はどうやっている?
警察は、迅速に防犯カメラ画像を収集・分析できる体制を構築しています。
たとえば、捜査支援分析センター(SSBC)という専門組織では、DAIS(捜査支援用画像分析システム)と呼ばれる最新システムを用いて不鮮明な画像の鮮明化や、膨大な映像からの特定人物の抽出を行っています。
現在、こうした最新技術と組み合わせて犯人特定に貢献しているのが、以下の手法や技術です。
リレー捜査
リレー捜査とは、事件現場周辺のカメラだけではなく、逃走経路に沿って公共施設、コンビニ、マンションなどのカメラを数珠つなぎに確認していく捜査手法です。
たとえ犯行現場のカメラに顔が映っていなかったとしても、数キロ先のカメラまで確認して犯人の足取りを追跡していきます。
実際に約200キロメートルに及ぶ防犯カメラの追跡捜査を行い犯人逮捕に至ったケースも存在します。現在の広域なカメラネットワークの前では、現場から離れればバレないという考えは通用しなくなっています。
三次元顔画像識別システム
三次元顔画像識別システムとは、被疑者の三次元の顔画像データを取得し、防犯カメラの映像と重ね合わせることで、両者が同一であるかどうかの識別を行うシステムです。
この技術により、従来は個人の識別が困難であった、帽子やマスクなどで顔が隠れているような画像であってもより高い精度で個人を識別することができるようになっています。
歩容解析
歩容とは、歩行時の身体運動の様子(歩幅、姿勢、腕の振り方)をいいます。歩容や身長・体型をあわせて解析することで、顔画像に頼らずとも高い精度で個人の識別が可能となる技術が開発されています。
防犯カメラでの犯人特定にかかる期間
防犯カメラの映像から犯人を特定するためには、警察がデータの保存期間内に捜査を開始し、映像を確保する必要があります。
多くの防犯カメラは、一定期間(1週間~1か月程度)が経過すると自動的にデータが上書きされる仕組みになっています。そのため、警察が映像を確認し、犯人を特定して逮捕や任意の取り調べに至るケースは、事件から1か月以内に集中する傾向があります。
ただし、警察がすでに映像を確保済みである場合などには、数か月経ってから突然警察が自宅に来るケースもあります。1か月経てば安心、というわけではない点には注意が必要です。
防犯カメラから後日逮捕までの一般的な流れ
防犯カメラの映像を端緒とした後日逮捕は、通常以下のような流れで進みます。

(1)被害届の提出と捜査開始
被害者が警察に相談し、警察は被害者から日時、場所、犯人の特徴などの詳細な情報を把握したうえで捜査を開始します。
(2)映像の照会・押収
現場周辺の防犯カメラの設置者に対し、映像の開示依頼を行います。
同時に、被疑者や犯行の様子を目撃した人がいないかの聞き込みも行うことが多いです。
(3)画像解析と犯人特定
捜査支援分析センター等で映像を鮮明化し、リレー捜査や各種データベースとの照合を行って犯人を特定します。
(4)接触・逮捕
警察は犯人の氏名や住所が判明次第、裁判官に対して逮捕状を請求します。
逮捕状が発付されれば、いつでも逮捕可能な状態になります。警察が自宅へ訪れ、後日逮捕に至ります。
防犯カメラの保存期間
防犯カメラの映像には保存期間があります。いくら画質を落としていても、ひたすら増えていく動画データをいつまでも保存しておくわけにはいきません。
また、情報管理の面からもあまり長期間保存しておくことは推奨されていません。
金融機関などの特にセキュリティが重視される機関で数か月〜1年程度、一般的には1週間〜1か月程度でデータが上書きされます。場所によっては当日〜数日しか保存していないこともあります。
防犯カメラ保存期間の例
- 街頭防犯カメラシステム(警視庁):最大30日
- コンビニ・スーパー:1週間~1か月程度
- 電車や駅構内(東京都交通局):7日以内
なお、防犯カメラの映像は個人情報保護の観点から、警察からの開示依頼以外で外部に提供されることは通常ありません。
防犯カメラだけでは証拠が不十分な場合
画質の問題以外にも、防犯カメラの映像は、犯人の顔や犯行の様子が直接映っていないなど、それだけでは証拠として不十分なこともあります。
そのため、通常は交通系ICの利用履歴や目撃者の証言など、他の証拠と防犯カメラから得られた情報を組み合わせて犯人を特定します。
もっとも、重大犯罪でない限り、確実に犯人を特定できるだけの十分な証拠を得るためには捜査のコストがかかりすぎて難しいというケースもあります。
警察から呼び出しがあった場合に、防犯カメラが決定的な証拠にならないケースでは取り調べでの供述が極めて重要になるでしょう。
取り調べの注意点、対応について詳しく知りたい方は『警察の取り調べはひどい?自白強要されるって本当?拒否・録音はできるのか』の記事もご覧ください。
防犯カメラでの特定が不安!弁護士に相談すべきケース
被害者や目撃者に気が付かれ逃走した場合
防犯カメラの映像によって逮捕される可能性が最も高いのは、被害者や目撃者に気がつかれて逃走したケースです。
このような場合はすぐにでも弁護士に面談して相談をしておくべきです。
- 被害者が被害届を出した場合
- 目撃者が通報をした場合
このどちらの場合であっても、すぐに警察の捜査が始まり、防犯カメラによって特定されて逮捕されたり呼び出しを受ける可能性があります。特に逃走をした事実は不利な事情として考慮されます。
警察が事件を認知しているか不明の場合
防犯カメラの映像は何事もなければ数日~1か月ほどで上書きされてしまいます。そのため、犯行が誰にも気づかれなければ、そもそも防犯カメラがチェックされることはありません。
- 被害届が出されているかわからない
- 今後捜査をされることがあるのか不安
このような場合、何事もなく済むケースもあるでしょう。とはいえ、やはり弁護士に相談しておくことが望ましいといえます。
被害届が出ているかどうかを知るすべはありませんし、突然自宅に警察が来て逮捕される可能性も0ではありません。
そのため、正しくリスクを把握して、今後の適切な対処方法を知るためにも弁護士に相談をしてください。
弁護士に相談をした上で、必要に応じて弁護士同行の自首を検討したり、いざという時のために弁護士と顧問契約を結んでおくという方法も考えられます。
警察から呼び出しがあった場合
防犯カメラで犯人として特定されたとしても、いきなり逮捕されるとは限りません。一度任意で呼び出されて取り調べ(事情聴取)を受けるということは結構あります。
防犯カメラの映像だけでは逮捕の決め手として不十分ということもあります。
もっとも取り調べでは、犯人特定が困難な映像しか証拠がない場合であっても、画像を見せないまま「防犯カメラにはっきり映っているぞ」などと迫り自白をとるといったことも考えられます。
このような取り調べに一般人が適切な対応をすることは困難です。警察の呼び出しがあった場合には、必ず弁護士に相談して助言を得ておくことを強くおすすめします。
関連記事
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防犯カメラで犯人特定された盗撮の解決事例
1.女児5名の盗撮で後日逮捕(保護観察)
19歳の未成年者が、路上で女児(計5名)のスカートをめくって盗撮し、後日逮捕された事案。
被害者の証言、防犯カメラ映像などが証拠となった。
弁護活動の成果
被害者らに謝罪と賠償を尽くした結果、示談が成立。
20歳を迎えると少年事件の扱いではなくなり、成人として厳しい刑事処分が予想されたため、迅速な弁護活動を実施。
結果、保護観察処分を獲得した。
示談の有無
あり(5名中4名)。
最終処分
保護観察
2.コンビニでの盗撮(略式罰金)
コンビニで、複数回に渡り同僚の被害者女性のスカート内をiPodで盗撮したケース。店員に通報され防犯カメラ解析後、家宅捜索されて任意同行に応じた迷惑防止条例違反の事案。同種の余罪あり。
弁護活動の成果
情状弁護を尽くした結果、略式起訴に持ち込み、罰金刑となった。
示談の有無
なし
最終処分
罰金40万円
盗撮の場合、被害者に気が付かれない犯行が考えられます。単なる第三者からの通報だけでは、必ずしも積極的な捜査がされるとは限りません。
通常、防犯カメラの管理権者は、個人情報である防犯カメラの映像をみだりに開示しません。警察からの要求があっても「捜査関係事項照会書」がなければ映像を提供しないという対応をとっている企業もあります。
そのため、被害者が特定されていなかったり、他の物証がないような場合、防犯カメラの捜査まで至らないことがあります。
しかし、このケースのように、店員などから通報を受けた場合、店舗側も積極的に捜査に協力することが多く、防犯カメラの映像が提供されて犯人特定に至る可能性は高まります。
通報などを受けて盗撮で逮捕された後の流れはこちらの記事で詳細に解説していますので、併せてご覧ください。
また、トイレに隠しカメラを仕掛けるなどの設置型の盗撮や、住居や建物に侵入しての盗撮の場合も、店舗や建物の管理権者から通報されて付近の防犯カメラの映像をもとに犯人が特定されることが多いケースです。
関連記事
・トイレ盗撮は逮捕される?示談による不起訴の可能性や刑罰を弁護士が解説
防犯カメラで犯人特定された痴漢の解決事例
1.痴漢(迷惑防止条例違反の不起訴)
駅のホームにおいて、被害者女性の臀部を服の上から触る痴漢行為を行い、当日は逃走したが約4か月後に防犯カメラとICカード履歴から身元を特定された迷惑防止条例違反の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。
2.痴漢(強制わいせつ罪の不起訴)
路上で被害者女性の後方から抱きつき胸や陰部を触りキスをする等した事案。防犯カメラに犯行が記録されており、約2か月後に逮捕された強制わいせつの事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。
痴漢や強制わいせつ(現不同意わいせつ)の場合、被害届を出されれば後日逮捕されるケースは少なくありません。被害届が出されたかどうかは、捜査上の秘密情報ですので知る方法はありません。
放っておくとこれらケースのように数か月後に逮捕されるということは十分考えられます。
なお性犯罪は、被害者の供述は直接的な犯行の証拠ですから重視される傾向にあります。そのため、具体的かつ迫真であるなど信用性のある供述があれば、防犯カメラの映像が不十分であったり、客観的な証拠がなくても捜査・立件されることがあります。
防犯カメラで犯人特定された万引きの解決事例
1.無人店舗での万引き(事件化せず)
無人店舗で、商品の代金を1個分しか支払わずに、複数個持ち帰った事案。後日、店舗内に、防犯カメラ映像の一部をプリントアウトした写真が掲示され、店舗が犯人特定に動いたことから、ご相談にいらした。
弁護活動の成果
被害店舗に対して、商品代金の弁償をおこない、示談が成立。
被害届の提出を回避し、結果、事件化せずに終結となった。
2.オーディオ機器の万引き(不起訴)
商業施設において、夫婦で複数のオーディオ機器(約14万円相当)を万引きしたケース。防犯カメラ映像や車のナンバー等から身元が判明し、警察の捜査をうけることになった窃盗の事案。
弁護活動の成果
被害の弁済や贖罪寄付を行った結果、不起訴処分を獲得した。
万引きも現行犯逮捕が基本となる事件類型ですが、それは現行犯でない場合、犯人を特定し万引き行為を証明することが難しくなるためです。
逆にいえば、防犯カメラの映像や他の証拠とあわせて、犯人の身元が特定でき、犯行が証明でき得るのであれば後日逮捕の可能性も十分あるといえます。
防犯カメラの映像だけでは不十分であったとしても、車で来店しているのであれば、車の特徴やナンバーは有力な手掛かりになりますし、一部の商品をレジに通していれば、その際の電子マネーやクレジットカードの決済情報も犯人特定につながる情報といえます。
最近では事前に登録した常習犯や要注意人物の顔がカメラに映った際に検知する「顔認証システム」を万引き対策として導入している企業もあります。
また、万引きは余罪があるケースがほとんどですから、防犯カメラで余罪の捜査をされるのかもよく相談を受ける点です。余罪についても警察はある程度の捜査はします。もっとも保存期間の問題で防犯カメラの映像が残っていないことも多く、立件されないことも多いです。
余罪について心配がある場合は、取り調べ対応など事前に良く弁護士と相談しておいてください。
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まとめ
盗撮、痴漢、万引きなどの刑事事件において、防犯カメラ映像は今や犯人特定に至る重要な証拠となっています。
身柄事件では、逮捕から23日後には起訴するかどうかの結論が下され、在宅事件であっても、検察官からの呼び出し後はすぐに処分が決定する可能性があります。
弁護士へのご相談が早ければ早いほど、多くの時間を弁護活動にあてることができます。
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