「親子間で口論の末、父親を殴ってしまった!」
「親子喧嘩が原因で逮捕されてしまい早く釈放されたい」
「親子喧嘩で警察沙汰になってしまったが起訴を防ぎたい」
そのような方に向け、この記事では親子喧嘩が刑事事件に発展した場合の対処法を解説します。重要なのは早期の示談成立です。
アトム法律事務所の弁護士は刑事事件を数多く取り扱い、示談による解決実績も豊富です。
アトム法律事務所では、弁護士による無料法律相談を24時間365日電話でご予約できます。メールでのお問い合わせも可能です。お悩みの方はいつでもお気軽にご相談ください。
目次
親子喧嘩で成立する可能性がある犯罪は?
親子喧嘩で怪我をさせると「傷害罪」が成立しうる
親子喧嘩の結果、相手に怪我をさせてしまうと傷害罪が成立する可能性があります。傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金です(刑法204条)。
「傷害」とは、他人の身体に対する暴力により、人の生理的機能を害することを意味します。
殴る、蹴るなど暴力によって怪我をさせた場合はもちろん「傷害」に当たります。
さらに、怪我が生じていなくても「傷害」に当たるケースとして、失神(大判昭和8年9月6日)や打撲痕のない胸部の疼痛(最決昭和32年4月23日)などがあります。
親子喧嘩で怪我に至らなければ「暴行罪」が成立しうる
親子喧嘩で暴力をふるって怪我に至らなかった場合は、暴行罪が成立する可能性があります。暴行罪の法定刑は2年以下の懲役もしくは30万以下の罰金または拘留もしくは科料です(刑法208条)。
「暴行」とは、人の身体に対する有形力の行使を意味します。人の身体に向けられれたものであれば足り、直接接触する必要はありません。
具体的には、殴る、蹴る、馬乗りになるなどの行為は「暴行」に当たります。
さらに、服をつかみ引っ張る行為(大判昭和8年4月15日)、椅子を投げつける行為(仙台高判昭和30年12月8日)、被害者の面前で包丁を突きつける行為(東京高判昭和43年12月19日)なども「暴行」に当たります。
暴行罪・傷害罪で重視される事情とは?
暴行罪は、起訴・不起訴や刑罰の重さを判断する際に以下の事情などが重視されます。
- 暴行の態様(凶器の有無など)
- 暴行の具体的内容
- 暴行の部位、回数
- 犯行の動機(被害者の落ち度など)
- 粗暴犯(暴行・傷害・脅迫・恐喝など)の前科前歴の有無、前刑からの経過期間
- 示談の成否
さらに、傷害罪の場合は以下の事情も重視されます。
- 傷害の程度
- 傷害の故意の有無
親子喧嘩で逮捕・起訴される可能性は?
傷害罪・暴行罪で逮捕される流れ
①現行犯逮捕されるケース
親子喧嘩の場合、被害者や近所の住民が警察に通報するケースもあります。
通報を受け駆けつけた警察が、加害者を傷害罪や暴行罪の容疑で現行犯逮捕する可能性があります。
また、現行犯逮捕は一般人が逮捕状なく行うことができるため、近隣住民等が逮捕したと扱われる可能性もあります。
逮捕後は、警察署に連行され取り調べを受け、勾留されなければ逮捕後72時間以内に釈放されます。しかし、勾留されると逮捕後から起訴・不起訴の判断が下るまで最長23日間も拘束されるおそれがあります。
なお、捜査の結果、必ず逮捕に至るわけではありません。まずは任意同行を求められ取り調べを受けるケースもあります。取り調べに素直に応じれば逮捕されずに済むことも多いです。
もっとも、取り調べであいまいな供述をすると不利な結果につながってしまうおそれがあります。
少しでも不安な方は、弁護士に事前に相談して取り調べの対応方法を確認することをおすすめします。
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②通常逮捕(後日逮捕)されるケース
被害者が被害届を提出したり告訴したことがきっかけで捜査が開始されるケースもあります。
被害届が提出された場合、捜査を始めるかどうかは警察の判断次第です。一方、告訴が受理されると必ず捜査が開始されます。
捜査の結果、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると通常逮捕される可能性があります。
通常逮捕の場合、警察官が逮捕状を持って自宅等にやってきます。
逮捕後は、警察署に連行され取り調べを受けます。その後の流れは現行犯逮捕の場合と同様です。
前述したとおり、取り調べでの対応は刑事処分に影響します。個別の事案ごとに最適の対応は異なりますので、ぜひ弁護士に直接ご相談ください。
傷害罪で逮捕・起訴される可能性は?
傷害罪の場合、逮捕されないケースも多いです。
ただ、家族間の傷害事件は当事者が同居しているケースが多いため、面識がない者同士の傷害事件に比べると、逮捕の可能性は高くなるでしょう。なぜなら、加害者が被害者に接触して威迫するおそれが高いと判断されやすくなるからです。
事案によっては、DV(家庭内暴力)が日常化していると疑われる可能性もあるでしょう。最近はDV事案への取締りが強化されているため、このようなケースでも逮捕される可能性は高くなります。
もちろん、同居しているから逮捕されると一概に言えるものではありません。傷害の程度や犯行状況など諸事情が検討され総合的に判断されます。
傷害罪で逮捕されてしまった場合も、被害者と早期に示談を成立させれば、勾留を回避できる可能性が高くなります。勾留されなければ早期の社会復帰が可能です。
傷害罪で起訴されるかどうかは、傷害の程度によるところが大きいです。実務では、全治2週間以上かどうかが一つの基準になるケースが多いです。
例えば、初犯で傷害の程度が全治2週間未満であれば、不起訴処分(起訴猶予処分)になる可能性が高いでしょう。
さらに、示談成立によって不起訴処分の可能性はますます高くなります。不起訴処分になれば前科はつきません。
傷害罪で検挙された場合、いかに早く示談交渉を開始するかが刑事処分を大きく左右します。
親子喧嘩の早期解決をご希望の方は、刑事事件の解決実績豊富な弁護士への相談をおすすめします。
暴行罪で逮捕・起訴される可能性は?
暴行罪の場合、逮捕されないケースも多いです。
ただ、傷害罪同様、同居家族間の親子喧嘩は、被害者への接触の危険から逮捕される可能性が高くなるでしょう。
暴行罪は、初犯であれば不起訴処分となる可能性が高いです。さらに、示談成立によって不起訴処分の可能性はより高くなります。
親子喧嘩で早期釈放・不起訴を目指すなら弁護士へ
早期釈放・不起訴処分のポイントは示談
親子喧嘩が刑事事件化した場合、示談交渉が非常に重要です。傷害罪・暴行罪は、刑事処分を決めるに当たり、示談の成否が重視されるからです。特に、被害者の許し(宥恕)を得た示談が成立すると、不起訴処分になる可能性が高くなります。
示談成立は早期釈放にもつながります。具体的には、示談成立により逃亡や証拠隠滅のおそれがなくなったとして、勾留されず釈放される可能性が高まります。
勾留されてしまった場合でも、準抗告を申し立て、示談成立の事実を裁判所に説明すれば釈放される可能性があります。
起訴された場合でも、示談成立によって刑事処分の軽減が期待できます。
示談交渉を依頼するなら、刑事弁護の経験豊富な弁護士が最適です。示談交渉は、ご相談者様の利益を最大限守りつつ、被害者への繊細な配慮も必要だからです。このバランス感覚は、数多くの刑事事件を経験することによって初めて培われます。
アトム法律事務所の弁護士は、多くの刑事事件で示談を成立させ不起訴処分を獲得した実績があります。示談交渉ならアトム法律事務所にお任せください。
被害届の取り下げも交渉
弁護士は、示談交渉と同時に被害届を取り下げてもらうよう交渉します。被害届の取り下げによって不起訴処分の可能性が高まります。
さらに、被害届提出前に示談を成立させ、被害者に「被害届を提出しない」と約束してもらえれば刑事事件化を回避できます。刑事事件に発展しなければ逮捕のおそれもなくなります。
もっとも、犯行態様が悪質な事案や傷害結果が重大な事案では逮捕の可能性はゼロではありません。逮捕された場合でも、弁護士は示談交渉や環境調整を通じ、刑事処分が少しでも軽減されるよう全力を尽くします。
再犯防止のための環境調整
傷害罪や暴行罪では、再犯防止のための環境調整も大事です。
同居親族間の親子喧嘩の場合、別居するのも一つの方法です。別居によって再犯のおそれが低下するため、早期釈放や不起訴処分につながりやすくなります。
ただ、従来の生活環境を変えるのは当事者の話し合いでは困難なケースが多いでしょう。そのような場合、専門的第三者である弁護士が関与することで、今後について冷静な話し合いがしやすくなります。
また、親子喧嘩の背景には、家族だからこそ生じる根深い問題が存在する場合も少なくありません。そのようなケースで、ご家族だけで問題を解決するのは困難です。行政機関などの支援を受けつつ、一歩ずつ家族関係を再構築する必要があります。
弁護士は、ご家族を適切な支援につなげるため、親子喧嘩の背景にある真の原因を丁寧に聴き取ります。
弁護士が関わることで、それまで出口が見えなかった問題を解決するきっかけがつかめるはずです。お一人で悩まず、弁護士にぜひご相談ください。