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ストーカーの有名裁判例

ストーカー規制法は、規制範囲の広さや規制の手段について一度その合憲性が争われたことがあります。
ここではその合憲性が争われた裁判例を解説し、またストーカー行為のうち「見張り」する行為や「押し掛ける」行為の定義について判示された裁判例も併せて解説します。

ストーカー規制法の合憲性が争われた裁判例

裁判所名: 最高裁判所 事件番号: 平成15年(あ)第520号 判決年月日: 平成15年12月11日

判決文抜粋

「ストーカー規制法は,(略)刑罰による抑制が必要な場合に限って,相手方の処罰意思に基づき刑罰を科すこととしたもの」
「(ストーカー規制法の)法定刑は,刑法,軽犯罪法等の関係法令と比較しても特に過酷ではない」

弁護士の解説

ストーカー規制法が憲法13条、憲法21条1項に違反するという主張について、これを退けた裁判例です。
ストーカー規制法は「社会的に逸脱したつきまとい等の行為を規制の対象とし、さらに相手方に対する法益侵害が重大で刑罰による抑制が必要な場合に限って刑罰を科すもので、その規制の程度は適正」とされ、さらに「法定刑の程度も他の刑罰と比較しとくに過酷ではないので適正」とされました。
ストーカー規制法は合憲である、という判断が示されたわけです。

ストーカー規制法における「見張り」「押しかける」の定義について参考となる裁判例

裁判所名: 東京高等裁判所 事件番号: 平成23年(う)第1654号 判決年月日: 平成24年1月18日

判決文抜粋

「(見張りについて)短時間の観察で目的が達せられることも十分あり得るところであり(略)観察時間が短いことのみを理由に「見張り」に当たらない(略)とすべき理由はない。」
「「押し掛ける」行為については,住居等に相手方が現に存在する必要があるとは解されない」

弁護士の解説

「約1分間から4分間程度,駐車場付近において被害者が使用する自動車の有無を確認した行為」「1分間以内から約9分間程度,被害者の居住する集合住宅の通路で玄関付近の様子をうかがう行為」について、それぞれ「見張り行為」「押しかける行為」と認定し被告人を有罪とした裁判例です。
たとえ観察の時間が短時間であっても「見張り」の行為に該当し得るし、たとえ相手方に存在を認知されかったとしても被害者の近辺に立ち入るのは「押しかける」行為に該当し得ると判示されました。

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