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大麻の有名裁判例

大麻取締法は、大麻の輸出入・所持等を処罰対象としています。
ここでは、大麻輸入罪において故意が問題となった裁判例、大麻取締法違反で現行犯逮捕された事案におけるおとり捜査の適法性について判断された判例をご紹介します。

大麻輸入罪についての故意を認定した裁判例

裁判所名: 東京高等裁判所 事件番号: 平成15年(う)第601号 判決年月日: 平成16年3月5日

判決文抜粋

「依頼された仕事が,その内容及び報酬等からして異常であり,運搬するスーツケースが異様な重量のあるものであり,かつ発覚時に被告人らが不審な態度をとったこと等を総合すると,被告人らが,運搬していた本件スーツケースに,大麻等を含む身体に有害で違法な薬物類が隠匿されていたことの少なくとも未必的認識・認容があったことが優に推認される」

弁護士の解説

運び屋として大麻を輸入した事案につき、犯罪の成立に必要な故意があったとして有罪とされた裁判例です。
大麻輸入罪の故意については、大麻等を含む違法有害な薬物類に間違いないという確定的なものに限らず、未必的なものでも足りると解されています。
大麻等を含む違法有害な薬物類かもしれないがそれでもやむをえないと考えたのであれば、未必的認識・認容があったとして、本件のように故意が認められ、有罪となり得ます。

おとり捜査の適法性が問題となった判例

裁判所名: 最高裁判所 事件番号: 平成15年(あ)第1815号 判決年月日: 平成16年7月12日決定

判決文抜粋

「おとり捜査は,(略)少なくとも,直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において,通常の捜査方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に,機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象におとり捜査を行うことは,刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容される」

弁護士の解説

被疑者が大麻樹脂の買手を求めていたのを利用し、捜査機関がこれを買い受け、取引現場で被疑者を現行犯逮捕した事案において、本件のおとり捜査は適法であるとされた判例です。
通常の捜査方法では摘発が困難であるということと、被害者がいない犯罪であり、既に犯意を有する者を対象としていることから、おとり捜査の必要性および許容性があるとして適法と判断されました。
密行性の高い犯罪については、このようなおとり捜査が行われることがあります。

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