「大麻事件を起こすと何年の懲役になる?」
「捕まったら刑務所に行くことになるのか」
ご自身やご家族が大麻事件を起こしたとき、懲役刑で刑務所に行くことを不安に感じている方は多いでしょう。
大麻は2024年12月12日以降、法改正に伴い、麻薬取締法違反に問われます。
大麻事犯には、単独の罰金刑がありません。刑罰を受けると懲役刑(または懲役刑と罰金刑の両方)が科されます。
たとえば、営利目的がない場合、大麻の不正な使用・所持・譲受・譲渡は、2024年12月12日以降、最長7年の懲役刑が科されます。
しかし、不起訴を獲得できれば、懲役刑を回避できます。また、起訴されても執行猶予が付けば、直ちに刑務所に行くことは回避できます。
そこで、この記事では、大麻で逮捕された方やそのご家族向けに大麻の懲役刑や実際の量刑相場を解説します。
大麻事件で懲役刑を回避するために弁護士に相談・依頼するメリットもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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大麻の懲役は何年?
大麻の使用・所持・譲受・譲渡の懲役は何年?
2024年12月12日、大麻取締法と麻薬取締法の改正法が施行されました。
この改正により、個人の不正使用が禁じられ、違反した場合は、麻薬取締法違反で「1ヶ月以上7年以下」の懲役に問われます。
大麻の所持や譲り受け、譲り渡しも、これまでの5年以下の懲役から、7年以下の懲役に厳罰化されました。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
個人の不正な使用 | なし | 7年以下* |
所持、譲り受け、譲り渡し | 5年以下* | 7年以下* |
*刑罰の下限は1ヶ月となる。
営利目的の場合
営利目的で大麻の使用・所持・譲受・譲渡を行った場合の刑罰は、刑罰は1年以上10年以下の懲役です。情状によっては、懲役刑に300万円以下の罰金刑が追加されることもあります。
用語の解説
なお、所持とは、携帯している場合だけでなく、車や家で保管している場合等、自分の支配下にある状態のことを言います。
譲受・譲渡は、大麻を売ったり買ったりすることを言います。有償無償は関係ないため、無償で大麻を渡した場合も罪に問われます。
条文の比較
旧法の規制(大麻取締法の規定)はこちら
第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
大麻取締法(令和5年12月13日施行)24条の2
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
現行法の規制(麻薬取締法の規定)はこちら
第六十六条 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に規定する違反行為をした者を除く。)は、七年以下の懲役に処する。
麻薬及び向精神薬取締法66条、66条の2(令和6年12月12日施行)
2 営利の目的で前項の罪を犯したときは、当該罪を犯した者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する
第六十六条の二 第二十七条第一項又は第三項から第五項までの規定に違反した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の違反行為をしたときは、当該違反行為をした者は、一年以上十年以下の懲役に処し、又は情状により一年以上十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
大麻事件の逮捕の流れや、所持の意味合いなど、詳しくは『大麻の所持は逮捕される?所持の要件や刑罰を解説!』の記事をご覧ください。
大麻の輸入・輸出の懲役は何年?
大麻の不正な輸出入は、麻薬取締法違反で、刑罰は1年以上10年以下の懲役です。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
輸出入 | 下限:1ヶ月 上限:7年 | 下限:1年 上限:10年 |
営利目的で不正に輸出入をした場合、刑罰は1年以上20年以下の懲役です。情状により500万円以下の罰金が追加されることもあります。
輸出入は、空港等で発見された輸入大麻が追跡され、配送先で受け取った段階で逮捕されるケースがあります。
大麻の栽培の懲役は何年?
大麻の栽培は、大麻草の栽培の規制に関する法律(旧大麻取締法)の違反で、刑罰は1年以上10年以下の懲役となります。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
栽培 | 下限:1ヶ月 上限:7年 | 下限:1年 上限:10年 |
営利目的で大麻の裁判をした場合、刑罰は1年以上20年以下の懲役です。情状により500万円以下の罰金が追加されることもあります。
栽培は、自宅で栽培するほか、山中で栽培していた物が見つかるケースもあります。
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【まとめ】大麻の行為と懲役刑の年数
大麻の行為と懲役刑の年数は以下の通りです。
行為 | 刑罰 |
---|---|
使用(麻薬取締法66条の2第1項) | 7年以下の懲役 |
営利目的の使用(同法66条の2第2項) | 1年以上10年以下の懲役 (情状により300万円以下の罰金を追加) |
所持・譲受・譲渡(同66条1項) | 7年以下の懲役 |
営利目的の所持・譲受・譲渡(同66条1項) | 1年以上10年以下の懲役 (情状により300万円以下の罰金を追加) |
輸出入(同65条1項) | 1年以上10年以下の懲役 |
営利目的の輸出入(同65条2項) | 1年以上20年以下の懲役 (情状により500万円以下の罰金を追加) |
栽培(大麻栽培規制法24条1項) | 1年以上10年以下の懲役 |
営利目的の栽培(大麻栽培規制法24条2項) | 1年以上20年以下の懲役 (情状により500万円以下の罰金を追加) |
なお、刑法一部改正前の大麻の刑罰を知りたい方は『大麻使用はいつから違法?使用罪の刑罰は?12月施行の大麻取締法改正を解説』の記事をご覧ください。改正前後の刑罰の比較して解説しています。
大麻事件の懲役刑・量刑が変わる条件は?
初犯だったら懲役刑が軽くなる?
大麻の初犯の場合、常習性がないとして、懲役刑が軽くなる可能性は高いです。しかし、大麻の量や形状、営利目的等によって、厳しい判断が下される可能性は否定できません。特に営利目的の場合は、初犯であっても実刑となる可能性が高いです。
大麻の初犯で懲役を軽くするには、悪質性の低さを伝えてもらう弁護活動が有効です。具体的には、前科前歴がないこと、薬物を断つプログラムに参加していること、家族のサポート体制があること、薬物に関わる人物との縁を切ったこと等が挙げられます。再犯防止に向けた取り組みを書面にまとめる等して見える化し、弁護士を介して裁判官の理解を得るよう主張してもらうこと等が効果的です。
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前科があったら大麻の懲役は重くなる?
前科があると、大麻の懲役は重くなります。大麻に限らず、薬物事件の量刑の判断には、同種事件の前科・前歴の有無、前回の薬物事件からの経過年数などが考慮されます。大麻で以前不起訴になった場合でも、再犯で不起訴になるのは難しく、執行猶予もつかず、場合によっては実刑になる可能性もあります。
また、大麻で執行猶予付判決を受けてから、5年以内に大麻で再犯をした場合は、執行猶予を付けられず実刑になるのがほぼ確実です。大麻で前科があるものの、量刑を軽くしたい場合は、クリニックに通って薬物を断ち切る、互助会で自分を見直す等の対応を取り、弁護活動で裁判官に伝えてもらいましょう。
大麻の前科あり | 大麻の前科なし | |
---|---|---|
不起訴 | 難しい | 可能性あり |
懲役 | 重くなる | 軽くなる |
執行猶予 | 可能性あり ※5年以内の再犯を除く | 可能性あり |
大麻事件の実際の量刑相場は何年?
大麻事件で裁判官から科される量刑は、主に大麻の量、初犯か再犯か、営利目的の有無等で変わります。ここでは主に、大麻所持に関する量刑の相場を解説していきます。
大麻所持の初犯(非営利目的)の場合
大麻所持の初犯で非営利目的なら、起訴されても懲役1~2年に執行猶予3~4年がつくことが相場です。しかし、再犯の場合や前科がある場合には、再度の執行猶予になるのは困難で実刑の可能性が高まります。
大麻所持の初犯(営利目的)の場合
営利目的がある場合は実刑の可能性が高くなります。所持等は懲役3〜6年・罰金150〜200万円の併科、栽培等は懲役5年・罰金約200万円の併科が相場です。懲役刑だけではなく、罰金刑が追加されることも珍しくありません。
なお、営利目的があると懲役刑が重くなる理由は、社会に対する影響が大きいからです。営利目的の大麻事件を起こせば大麻を流通させ、さらなる大麻事件を生む可能性が高いため、営利目的での大麻事件は重く処罰されることとなっています。
大麻事件で懲役刑を回避するためには?
大麻で逮捕されたら弁護士に相談する
大麻には単独の罰金刑がないため、起訴されると懲役刑か、懲役刑と罰金刑の両方が科されます。そのため、大麻で懲役刑にならないためには、逮捕前の段階でも、逮捕後でも、できるだけ早く弁護士に相談し、逮捕後の流れや取調べの対応を知ることが重要です。
大麻事件で逮捕された後の流れについて詳しく知りたい方は『大麻で逮捕されたら|逮捕の条件とその後の流れ』の記事もご覧ください。
特に弁護士に相談し、取調べのアドバイスを受けておくことは非常に重要です。取調べで不利な供述をしてしまうと、あとから覆すことが難しく、後々の裁判で不利になってしまう可能性があります。
黙秘権の適切な使い方や、事実と異なる内容の供述調書が作成された場合の対応方法、違法な取調べを受けた場合の記録方法等を聞いておくことは、今後の刑事手続きの流れにおいても非常に有効です。
大麻で逮捕されたら早期釈放・保釈を目指す
大麻で逮捕されると、逃亡や証拠隠滅の恐れが疑われ、多くの場合で10日間、最長20日間の勾留が決定されます。
令和5年版犯罪白書によると、令和4年における大麻事件の勾留請求率は約97.5%、勾留認容率は約98%です(令和5年版 犯罪白書 第2編/第2章/第3節)。逮捕された大麻取締法違反の被疑者は、およそ95%が勾留されています。勾留を阻止できなくても早期釈放を目指すには、不起訴で釈放を目指す弁護活動を依頼することが有効です。
また、起訴後は、保釈による釈放で早期釈放を目指す活動が重要です。大麻で保釈してもらうためには、逃亡や証拠隠滅の恐れがなく、身柄拘束が続くと社会生活の不利益が大きいこと等を主張します。保釈請求は本人や一定の親族もできますが、釈放実現のためには弁護士に依頼することをおすすめします。
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大麻で懲役刑にならないためには不起訴を目指す
大麻で懲役にならないためには、不起訴処分を目指すことが重要です。不起訴になれば、裁判が開廷することがないため、有罪判決を受けずに済みます。令和4年の大麻取締法違反における不起訴率は約49%です(令和5年版 犯罪白書より)。
統計上は約半数が不起訴になるとはいえ、大麻は再犯率が高く社会的影響も大きいので、甘く考えてはいけません。不起訴になりやすいケースとしては、直接的な証拠である大麻そのものが見つかっていない場合や、見つかってもごく微量(0.5g以下)であるような場合が考えらえます。
大麻で不起訴になるには、検察官に、初犯で常習性がない、薬物治療の経緯、家族のサポート体制等を伝え、悪質性が低いことを主張する弁護活動が不可欠です。
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大麻で起訴されたら執行猶予を目指して実刑回避
大麻事件で起訴されてしまった場合でも、執行猶予を獲得できれば実刑を回避して直ちに刑務所に行くことを防ぐことができます。
全国の大麻事件を扱うアトム法律事務所の統計では、起訴された大麻事件のうち、約90%が弁護活動によって執行猶予付で実刑を免れています(アトム法律事務所「大麻事件の統計」より)。
執行猶予を目指す場合は、再犯防止策の見える化や家族の支援を、弁護士を通じて裁判官に伝える弁護活動が重要になります。
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大麻事件発覚前なら自首も検討する
自首とは、犯罪事実や犯人が発覚する前に、犯人が自発的に捜査機関に罪を申告し、処分を委ねることをいいます。法律では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と規定されており(刑法42条)、刑が減軽されることがあります。
大麻事件でも捜査機関に発覚する前に自首をすることで、刑の減軽をしてもらえる可能性があります。しかし、刑を減軽するか否かは裁判所の判断に委ねられており、自首が成立しても懲役が必ず軽くなるとは限らない点に注意が必要です。
大麻で自首をして刑の減軽の可能性を高めるには、自首前に弁護士に相談することをおすすめします。自ら警察署に一人で出向くことに不安が大きい方は、弁護士に依頼すれば、警察署等に自首する際の同行をしてもらうことも可能です。
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大麻の懲役でお悩みの方はアトム法律事務所へご相談ください
アトムの解決事例(不起訴・懲役回避)
ここでは、過去に、アトム法律事務所が取り扱った事案の一部を、プライバシーに配慮したかたちでご紹介します。
大麻の所持:不起訴で懲役回避
イベントで知り合った相手から渡された袋に大麻や麻薬が入っており、警察から職務質問を受けた際に発見された。大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕された事案。
弁護活動の成果
袋の中身が薬物だという認識がなかったことを、検察官に主張した。また、取り調べに対するアドバイスも行い、嫌疑不十分で不起訴処分となった。
最終処分
不起訴
大麻の所持:執行猶予判決で懲役回避
路上で大麻入りのポーチなどを落とし、交番を訪ねるも逃亡。後日、大麻取締法違反の容疑で家宅捜索を受けた。
弁護活動の成果
家宅捜索後、すぐ逮捕をされたが、勾留回避の意見書を検察官に提出し、早期釈放が実現。執行猶予判決となった。
最終処分
懲役8か月(執行猶予3年)
アトム法律事務所で、過去に取り扱った大麻事件では、約30%前後で不起訴を獲得しています(アトム「大麻の起訴/不起訴率」の統計より)。
また、裁判で、執行猶予付き判決を獲得できた割合は、約90%前後あります(アトム「大麻の執行猶予率」の統計より)。
アトム法律事務所で取り扱った事案についてもっと知りたい方は、『大麻事件データベース』も合わせてご覧ください。
ご依頼者からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のお客様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
遠距離にも拘わらず迅速な対応に感謝
(抜粋)支部の皆様、加藤妃華先生には、本当にお世話になりました。拘留場所が遠距離にも拘わらず迅速に対応して頂き頭の下がる思いでした。心より感謝しております。本当にありがとうございました。
的確なアドバイスで不安を安心に
(抜粋)的確なアドバイスを頂きました。家族一同の不安を安心に変えて頂き本当に感謝しています。相談できるという事をモットーにされているとお聞きしました。まさにその通りで心の不安が取れ、きちんとした対応に変えれたと思っています。
ご依頼者様からのお手紙のほかにも、口コミ評判も公開しています。
身柄事件では、逮捕から23日後には起訴の結論が出ている可能性があります。
在宅事件でも、検察からの呼び出し後、すぐに処分が出される可能性があります。
弁護士へのご相談が早ければ早いほど、多くの時間を弁護活動にあてることが可能です。
大麻事件でお悩みの方は、お早目にアトム法律事務所までご相談ください。
365日相談ご予約受付中
大麻事件で懲役刑をご心配されている方は、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談してください。
懲役刑および実刑を回避するためには、取調べでの不利な供述を避け、できるだけ早い釈放を目指すこと、不起訴処分を獲得すること、また裁判になっても執行猶予を獲得することが重要です。
大切な家族が逮捕されたという方は、ショックを受けるのは当然です。ただ、家族にしかできない重要なサポートがあります。まずは、今後の対応を知るためにも相談を活用し、何をすべきか弁護士と一緒に整理しましょう。
アトム法律事務所では、警察が介入した事件について初回30分無料の対面相談を実施しています。24時間365日、土日夜間も電話窓口でご予約を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。