
「ある日警察が突然来て、家族を大麻取締法違反で逮捕していった」
「大麻で家宅捜索が入ったがこれからどうなるのか」
アトム法律事務所にはこのような相談が日々寄せられています。 特に、最近は若者の大麻摘発が増えているので、お子様が突然大麻事件に巻き込まれどうしてよいかわからない状況の方もいらっしゃるかもしれません。
また、大麻を使用してしまい、自分は逮捕されるのか、逮捕されたらどうなってしまうのか不安な方も多いのではないでしょうか。
大麻は、逮捕・勾留されやすい犯罪類型です。この記事を読めば、大麻で逮捕されるケース、逮捕されてしまった後はどうなるのか、自身や家族が逮捕されてしまった際にどうすれば良いのかがわかります。
大麻事件のご相談はアトムにお任せください!
- 逮捕されても早期の身柄解放
- 不起訴によって前科を回避
- 執行猶予で実刑回避・刑の軽減
アトム法律事務所は刑事事件に注力する事務所としてこれまでに数多くの大麻事件を解決してきた経験と実績があります。

大麻や薬物でご家族や知人が逮捕されお困りの方は以下の窓口からお問い合わせください。アトム法律事務所の弁護士がお力になります。

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は有料となります。
大麻で逮捕される条件と刑罰
大麻で逮捕される4つの行為|使用や所持は合法?
逮捕はすべての犯罪についてできるというわけではなく、証拠隠滅または逃亡のおそれがなければできません。大麻所持や購入などの容疑がかけられると、証拠隠滅を防ぐという名目で、非常に逮捕されやすくなります。
ただし、 日本では大麻の使用については罪に問われることはありません。 これは、もともと麻が食品や繊維で利用されていたこともあり、合法の部分を利用して陽性反応が出た場合に誤って逮捕をしないためです。
大麻が犯罪となり逮捕されるのは、主に以下の4つの行為をした場合です。
- 所持:携帯したり家や車で保管すること
- 譲渡・譲受:売買すること
- 栽培:種まきから収穫までの行為
- 輸出入:郵送などで輸入や輸出すること
※大麻の成熟した茎や種子及びその製品など、衣服や食品として合法的に流通しているものについては上記の行為をしても犯罪とはなりません
このように、大麻の使用自体は犯罪ではありませんが、使用するためには所持や購入をしているのが通常ですので、使用していた事実から上記の行為が疑われ結果的に逮捕されることも少なくありません。
大麻事件の逮捕率
2019年の検察統計によれば、大麻取締法違反の逮捕率は約63%となっています。
刑事事件全体の逮捕率がおよそ38%ほどですから、大麻事件は逮捕率が高いことがわかると思います。
逮捕をされていないケースのほとんどは、大麻の使用の形跡は認められる(=所持の疑いも強い)ものの、大麻そのものが捜査によっても見つからなかったというようなケースです。大麻の所持が発覚すれば、ほぼ逮捕は免れないと考えても良いでしょう。
周囲で大麻を吸っている人がいる、今までずっとバレなかった、などと甘く考えてはいけません。近年は大麻事案の検挙率が急激に増加(参考: 令和2年版 犯罪白書 )しており、特に10代20代といった若年層での検挙が目立ちます。
大麻は初犯でも逮捕される?
大麻は初犯でも逮捕されます。大麻は証拠隠滅が容易なため捜査の必要上逮捕をされやすいのであり、そこに初犯かどうかの違いはありません。ただし最終的な刑罰は初犯の場合軽く済む傾向にあり、執行猶予が付くことも多いです。
大麻事件の初犯について詳しくは『大麻は初犯でも逮捕・前科になる?子供や家族を薬物から救うために』の記事も併せてごらんください。
大麻で逮捕されたら|大麻の刑罰
大麻の刑罰には、罰金刑のみの軽い処分がなく、比較的重い法定刑が定められています。
個人で使用する目的か、利益を得る目的であったかで罪の重さが変わり、営利目的の方がより厳しい刑罰が科されます 。また、未遂であっても処罰されるため注意が必要です。
大麻の刑罰
営利目的 | 非営利目的 | |
---|---|---|
所持・購入など | 7年以下の懲役 | 5年以下の懲役 |
栽培・輸出入 | 10年以下の懲役 | 7年以下の懲役 |
※営利目的の刑罰は情状により罰金刑が併科される
犯罪となる行為の具体例や量刑については『大麻の犯罪行為と刑罰|まずは弁護士にご相談を』でも解説しているため、こちらもぜひご参考になってください。
大麻で逮捕される5つのケース
大麻事件は証拠隠滅が容易であるため、前兆なく突然逮捕されるケースがほとんどです。
大麻で逮捕されるケース①大麻仲間や売人が摘発されて逮捕
大麻で逮捕されるケースに、大麻仲間や売人の摘発から芋づる式に逮捕される場合があります。
先に捕まった大麻仲間や売人が取り調べで共犯者や購入者について供述することもありますが、押収されたパソコンや携帯電話などの履歴から芋づる式に特定されることも多いです。
芋づる式の逮捕では、警察はある程度事前に調べ上げたうえで共犯者や購入者の逮捕に踏み切ります。客観的な証拠が揃っているのに不合理な否認をすると、その後の処分に不利に働いてしまいます。警察対応についてできるだけ早く弁護士の助言を受けることが望ましいでしょう。
大麻で逮捕されるケース②家族や隣人の通報から逮捕
大麻事件では、家族や隣人の通報から逮捕される場合があります。
例えば、大麻草を栽培していたり、使用していて大麻独特のにおいから気づかれ、警察に通報されるようなケースです。大麻の栽培は個人で使用する目的でも罪になりますし、不可罰であるはずの大麻の使用だとしても通常は所持の疑いで逮捕されます。
この場合、警察は令状を事前に請求し、家宅捜索を行うのが通常です。家宅捜索は強制捜査なので拒否できません。家宅捜索で大麻が発見されると、大麻所持で現行犯逮捕されます。栽培や譲受、輸出入の証拠が現場で見つからない場合でも、ひとまず所持で現行犯逮捕したうえでその後の捜査で再逮捕される場合もあります。
大麻で逮捕されるケース③職務質問で大麻所持が発覚し逮捕
大麻所持で逮捕されることが多いのが、職務質問で大麻が見つかり現行犯逮捕されるケースです。
自動車の検問で、ダッシュボードなどから発見されることもあります。この場合、警察官が現場で簡易鑑定をし、大麻と判明したら現行犯逮捕をし、警察署に連行した後正式な鑑定をする流れになるのが通常です。
職務質問は任意捜査といい、一般人の協力を得て行う手続きです。鞄の提出を求められても断ったり、その場を離れても構いません。承諾なく警察官が勝手に所持品検査をすることは違法です。とはいえ、職務質問に応じないと、長時間説得される間に令状を請求され、強制捜査に切り替わることもあります。
大麻で逮捕されるケース④別件での捜査中に大麻が見つかり逮捕
大麻では、別の犯罪の捜査中に大麻についても発覚し、大麻取締法違反で逮捕されることがあります。
例えば、窃盗事件の家宅捜索で乾燥大麻が見つかる場合、交通事故の捜査中に車から大麻が見つかる場合、児童ポルノで押収されたパソコンから大麻売買のやり取りが見つかる場合などです。
捜査は一般人の協力を得て任意で行い、強制的に行う捜査は裁判官が発行する令状に基づくことが原則です。しかし、大麻は違法薬物の一つなので、別件の捜査中でも大麻が発見された場合は、警察は本人を大麻取締法違反で現行犯逮捕し、例外的に令状なく大麻を押収できます。
大麻で逮捕されるケース⑤本人からの自白・自首により逮捕
大麻では、本人が自白・自首して逮捕されるケースもあります。
自白とは、自分の犯した罪等を隠さずに言うことをいい、自首とは犯罪事実や犯人が発覚する前に警察等に犯罪事実を申告して罰則や処分を求めることをいいます。自首は、犯罪発覚前や犯人が発覚する前にする必要があります。
自首の効果として、刑を免じたり軽くしてもらえる可能性があります(刑法42条)。しかし、自首によって必ず刑が減免されるとは限らず、大麻の態様によっては、余罪等が疑われ事態が悪化する恐れもあります。自首する場合は、事前に弁護士に相談し、同行を求める等することをお勧めします。
大麻で逮捕されたあとの流れ
20歳未満(少年)が逮捕された場合には手続きが異なります。『少年事件を弁護士に依頼する|わが子が犯罪を犯したらすべきこと』の記事もあわせてご覧ください。
大麻に限らず、成人(20歳以上)が刑事事件で逮捕された場合、以下の流れで手続きが進められます。

逮捕されると、警察で取調べを受け、48時間以内に検察庁に事件が送られ、それから24時間以内に勾留請求されるかどうかが決定されます。
勾留は逮捕に引き続き行われる身体拘束処分です。勾留されるとまずは10日間、延長されると最大20日間身体拘束が続きます。
勾留中に、検察官は事件を起訴するか不起訴にするか決定し、起訴をした場合には裁判が開かれることとなります。
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大麻で逮捕された後|原則勾留される
勾留をするためには、①罪を犯したと疑う相当の理由および、②住所不定、証拠隠滅の恐れ、逃亡の恐れのいずれかの要件を満たす必要があります(刑事訴訟法60条1項)。
勾留について詳しく知りたい方は『「勾留」とは?被疑者勾留・被告人勾留のすべてを弁護士が解説』の記事も併せてご参照ください。
検察官や裁判官が、勾留の要件がないと考えれば逮捕からおよそ3日程度で釈放されますが、大麻では証拠隠滅が疑われやすく、原則勾留されます。2019年の検察統計によれば、逮捕された大麻取締法違反の被疑者についておよそ95%が勾留されています。
また、大麻事件では、証拠隠滅などによる捜査への支障を避けるため家族も面会できない接見禁止がつくことも多いです。弁護士ならいつでも面会できるので、ご家族や知人が逮捕されてしまった場合には、できるだけ早く弁護士に接見(面会)を依頼することをおすすめします。
大麻で逮捕された後|不起訴を目指すのは難しい?
大麻で逮捕されても、不起訴処分を獲得できる可能性があります。平成30年には、大麻事件の50.8%が不起訴で終了しました(令和元年「犯罪白書」)。大麻では懲役刑か懲役と罰金の併科しかないため、裁判と重い刑を避けるには不起訴獲得が重要です。また、不起訴になれば前科もつきません。
約半数が不起訴になるとはいえ、大麻は再犯率が高く社会的影響も大きいので、甘く考えてはいけません。不起訴になりやすいケースとしては、直接的な証拠である大麻そのものが見つかっていない場合や、見つかってもごく微量(0.5g以下)であるような場合が考えらえます。
不起訴獲得のためには、 弁護士に依頼して、大麻の悪質性・常習性の低さ、再犯防止の取組み、家族の支援などを十分に検察官へ伝えることが重要です。大麻事件の実績豊富な弁護士にまずご相談ください。
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大麻で逮捕された後|大麻事件の刑事裁判
大麻事件で起訴されると、必ず公開の法廷で行われる正式裁判になります。
大麻は罰金刑のみで済むケースがないため、非公開の略式裁判で終わることはありません。初犯でも量が多かったり営利目的があるなどの場合には、起訴され公開の裁判で実刑判決を言い渡されることがあります。
実刑を回避するためには、適切な弁護活動によって執行猶予を得ることが肝心です。
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・刑事事件の裁判の実態は?|裁判の流れ・弁護士は何をしてくれる?
大麻で逮捕された後|報道される?職場や学校にバレる?
大麻などの薬物犯罪は、社会的な関心が強い事件ですので、報道される可能性は十分あります。報道は逮捕の翌日にされることが多いです。大麻で逮捕されたネットニュースなどをいくつか見るとわかるかと思いますが、実名報道がされているケースが多くあります。
実名報道されるかどうかについては、報道機関の裁量によるためコントロールすることはできません。もっとも、弁護士が捜査機関や報道機関に意見書を出すことで、報道を抑制できる可能性はあります。
詳しくは『刑事事件が報道される基準やリスク、実名報道を避ける方法を解説!』の記事もご覧ください。
警察から会社に連絡されることは、逮捕されたとしても基本的にはありません。もっとも、 会社内に大麻を隠し持っていた疑いがありガサ入れが入るケースや、会社の人間関係など会社が大麻事件にかかわっているケースでは警察から会社へ連絡や捜査がいくことがあります。
また、逮捕・勾留をされると不自然な欠勤が長期間続くことでバレてしまうことも多いです。逮捕を周囲に知られずにスムーズに社会復帰をするためには、早期の身柄釈放がポイントになってきます。
詳しくは『逮捕されたら会社にバレる?解雇される?弁護士が教える対応法』の記事もご覧ください。
家族や大切な人が大麻で逮捕される前・逮捕された後にできること
大麻で逮捕される前にできること
大麻で逮捕されるか不安な方や、家族が大麻を使用・所持していることに気が付いた場合には、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
大麻事件の取り扱い経験が豊富な弁護士であれば、事案に応じて今後の見込みやリスクをお伝えし、いざという時の対応方法や、必要があれば自首も検討するなど、適切なアドバイスをすることができます。
今までいくらバレなかったとしても大麻で逮捕をされるのは突然です。事前に弁護士に相談して助言を得ておくことで、万が一の場合にも落ち着いて行動をとることができます。
多くの刑事事件を扱う法律事務所では1時間10,000円ほどで法律相談を行っています。
家族が大麻で逮捕されたらまずは弁護士に相談して接見(面会)をする
大麻は逃亡の恐れや証拠隠滅が疑われやすいので、逮捕されると勾留され、起訴・不起訴の判断が下るまで最大23日間の身体拘束を受ける可能性が高いです。
逮捕直後のおよそ3日間は家族であっても面会することができません。勾留された後であれば面会できるようになるのが原則ですが、大麻事件の場合、外部の人間と連絡を取ることで証拠隠滅が図られるおそれがあるとして接見禁止がつくケースも多いという特徴があります。
警察からも詳しいことを教えてもらえずに、本人の状況もわからずに困って法律事務所に相談に来られる方は多くいらっしゃいます。
弁護士なら、逮捕直後でも接見禁止処分がついても面会できます。
そこで、ご家族が大麻で逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に相談し、まずは弁護士面会(接見)を依頼してください。大切なのは面会はできるだけ早い方が良いということです。刑事弁護を行う法律事務所では、弁護活動を依頼するか決める前に接見だけの依頼も受けていることがほとんどです。
取調べで不利な供述をしてしまう前に、弁護士と面会してアドバイスや黙秘権の適切な使い方を聞くことが、最終処分をより良いものとするために必要です。
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・弁護士の接見とは|逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと
大麻事件で家族ができること
逮捕前 | 逮捕後 | |
---|---|---|
家族ができること | 弁護士に相談 | 弁護士に接見依頼 |
弁護士の活動 | 自首同行や今後のアドバイス | 留置施設で本人と面会 |
大麻事件で逮捕・勾留からの釈放・保釈を目指す
大麻で逮捕された後、警察段階で釈放されるのは困難です。そこで、勾留を避けるのが最短の釈放です。大麻は勾留される可能性が高く、アトム法律事務所でも9割近くが勾留される統計が出ています。家族の協力を得て、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを弁護士に伝えてもらうことが重要です。
勾留されても、不起訴になれば釈放され前科もつきません。起訴されてしまったとしても、諦めず保釈による釈放を目指しましょう。起訴されたらすぐに弁護士に保釈申請を依頼することが早期釈放に繋がります。
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大麻で保釈が認められる条件は?
保釈は起訴された後でなければ利用することはできません。逮捕中や勾留中には保釈はされません。
保釈を希望する場合、保釈請求を行い裁判官に認められることが必要です。保釈請求できるのは、本人、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系親族、兄弟姉妹ですが(刑事訴訟法88条)、通常は弁護人が行います。
保釈は、法律上の条件を満たせば許されるのが原則です(権利保釈)。条件を満たさなくても、裁判所の裁量で許される場合もあります(任意保釈)。保釈請求が認められるには、逃亡・証拠隠滅の恐れのなさや社会生活上の不利益等が考慮されます。保釈請求が認められたら、保釈金を納めれば釈放されます。
大麻事件での保釈金の相場は?
大麻では、弁護士に依頼して弁護活動を尽くしてもらえれば、初犯であれば保釈は比較的認められやすい傾向にあります。その際の保釈金額は、初犯で単純な所持であれば150万円前後が相場と言えます。しかし、大麻の量が多い場合などは、一般人でも300万円と保釈金が高額になることもあります。
大麻の保釈金について詳しくは『大麻事件の保釈金の相場はいくら?初犯でも再犯でも釈放される?』をご参照ください。
保釈金は、釈放した被告人が裁判所に出頭するように担保として納めるお金で、無事裁判を終えれば全額返金されます。担保の役割を果たすよう、同じ大麻事件でも、類型が重かったり、資産が多いほど保釈金額は高額になりがちです。保釈金額の目安は弁護士に聞き、早めに準備できるようご相談ください。