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身元引受人の役割とは?逮捕されたら身元引受人は必要?

家族や身近な人が逮捕されたり刑事事件の当事者となってしまった場合、身元引受人が必要になることがあります。身元引受人となるように求められた経験がある方もいるかもしれません。

そもそも身元引受人とはどのような役割の人であり、身元引受人となったらどのような責任を負わなければならないのでしょうか。また、どのような場合に身元引受人を求められるのかも気になるところだと思います。

この記事では、身元引受人の役割や身元引受人になった場合に負う責任どのような場合に身元引受人が必要となるかなどについて解説を加えています。

身元引受人とは

身元引受人の意義

身元引受人とは、「被疑者・被告人のことを責任を持って監督する人」という程度の意味の言葉です。はっきりと意味が定まっているわけではなく、場合によって微妙に違う意味で使われることもある言葉です。

身元引受人は、法律上はっきりと定義されている概念ではありません。多くの場合、身元引受人は法律に規定されているから必要とされるのではなく、実務上の運用として必要とされます。

身元引受人という言葉が使われる際には、それがどのような意味合いで使われているのかについてその場面ごとに判断しなければなりません。また、身元引受人が必要なのかどうかを判断する際にも、実務的な知識や経験が必要となります。このため、刑事手続きの中で身元引受人を求められた場合には、刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談してどのように対応するべきか判断してもらうとよいでしょう。

身元引受人になることができる人

通常、身元引受人になることができるのは、同居の家族です。同居の家族であれば、被疑者・被告人のすぐそばにいるため、被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡などの不適切な行動に出ないように常に監視・監督できるからです。

これに対して、遠方に住んでいる親族などは、基本的に身元引受人になることができません。遠方に住んでいると常に身近な場所から被疑者・被告人を監視・監督することができないからです。

もっとも、同居の家族以外の人が一律に身元引受人になれないわけではありません。被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡に及ばないようにしっかりと監視・監督できる人であれば、身元引受人になることができることもあります。例えば、同居の家族がいないような場合には、近隣に住む知人や弁護人が身元引受人の役割を引き受けることが許される場合もあります。

身元引受人になった場合の責任

身元引受人になった場合、被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡などの不適切な行為に出ないように、しっかりと監視・監督する責任を負います。もっとも、必ずしも常時一緒にいなければならないというわけではありません。生活をする中で一緒にいることのできる時間はできる限り被疑者・被告人と一緒にいるようにすればそれで足ります。被疑者・被告人がどのような生活・行動をしているのかをしっかりと把握できていれば、身元引受人としての責任を果たしていると言えるでしょう。

身元引受人として被疑者・被告人を監視・監督していたにも関わらず、被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡などの不適切な行為に及んでしまう場合もあります。このような場合であっても、身元引受人が何らかの法的な責任を負うというわけではありません。身元引受人が被疑者・被告人に代わって身体を拘束されたり罰金を科されたりするといったことはありません。身元引受人は、被疑者・被告人をしっかりと監視・監督できなかったことに対して道義的な責任を負うにとどまります。

身元引受人を立てる方法

身元引受人を立てるには、単に身元引受人を立てることを捜査機関などに口頭で申し出るだけではなく、書面をもって申し出るのが通常です。身元引受人を立てる必要が生じた場合には、身元保証書や誓約書などと題した書面を作成します。この書面には、被疑者・被告人が罪証隠滅や逃亡をしないように身元引受人が監視・監督すること、捜査機関の呼出しに応じて出頭させること、その他捜査機関や裁判所の指示に従わせることなどを記載します。

このような内容の書面を作成し、身元引受人が署名捺印をしてその書面を捜査機関や裁判所に提出します。捜査機関や裁判所がこの書面を受理すれば、身元引受人を立てることができたということになります。

身元引受人が必要となる場合

身元引受人が必要となる場合①|在宅事件

被疑者が逮捕・勾留されていない在宅事件の場合、初回の取調べの際などに、捜査機関から身元引受人を立てることを要求されることがあります。これは、被疑者が証拠隠滅や逃亡などに及ばないこと、捜査機関の呼出しに応じて出頭することを身元引受人が保証するものです。身元引受人を立てることで、捜査機関があえて被疑者を逮捕しなくても捜査に支障が出ないようにすることが目的です。いわば、逮捕をしないのと引換えに、担保として身元引受人を立てるという意味合いがあります。

在宅事件で捜査機関から身元引受人を立てるように要求されているにも関わらず身元引受人を立てることを拒絶すれば、逮捕されてしまう可能性もあります。在宅事件で身元引受人を立てることを要求された場合には、どのように対応するべきか慎重に判断する必要があります。

身元引受人が必要となる場合②|身柄事件

被疑者が逮捕・勾留されている身柄事件では、弁護士から身元引受人を求められることがあります。この場合の身元引受人には、在宅事件の身元引受人とは少し異なった意味合いがあります。

身柄事件で身元引受人を求められる場合とは、被疑者の弁護人が勾留の裁判に対する準抗告や勾留取消請求をする場合などです。これらは、いずれも身体拘束されている被疑者の釈放を裁判所に対して求める行為です。釈放を求めるに際して身元引受人を立てることで、被疑者が釈放された後も証拠隠滅や逃亡などの不適切な行為に及ばないことを保証するという意味合いがあります。また、被疑者を監視・監督するための身元引受人を立てることで、裁判所に釈放しても良いという判断をさせやすくするという効果があります。

身元引受人が必要となる場合③|起訴後勾留中

起訴後勾留中に身元引受人が必要となる場合があります。これは、起訴前の被疑者段階での身元引受人とは異なる役割があります。

起訴後勾留中に身元引受人が必要となる場合とは、保釈請求をする場合です。この場合、保釈請求をするのと同時に身元引受人を立てます。その上で、被告人が逃亡をせず呼び出しに応じて裁判手続きに出頭するようにしっかりと監視・監督することを身元引受人が誓約します。このような身元引受人の誓約により、裁判所としても保釈をしても差し支えないと判断しやすくなり、裁判所が保釈を許可する可能性が高くなります。

身元引受人を立てることの意義

身元引受人にはどのような意味があるのか

身元引受人は、被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡などに及ばないように監視・監督する役割の人です。しっかりと信頼できる人を身元引受人に立てることで、捜査機関や裁判所としては、被疑者・被告人が証拠隠滅や逃亡などに及ばないだろうと信頼しやすくなります。

被疑者・被告人に対して逮捕・勾留がなされるのは、証拠隠滅や逃亡といった捜査を妨害する行為を防ぐためです。証拠隠滅や逃亡のおそれが少なければ、逮捕・勾留がなされる可能性は低くなります。身元引受人は、監視・監督によって証拠隠滅や逃亡のおそれを少なくすることで、逮捕・勾留を阻止し、釈放の可能性を高めるという意味合いを有しているのです。

身元引受人を立てると逮捕を回避できる?

身元引受人を立てると逮捕を回避できる場合があります。これは在宅事件で身元引受人を捜査機関から要求されている場合です。捜査機関としては、在宅事件として手続きを進めるか、それとも逮捕して身柄事件として手続きを進めるか、判断に迷う場合があります。このような判断が微妙な事件では、身元引受人を立てることで、身元引受人を担保として、逮捕を回避することができることがあります。

このように、身元引受人を立てれば逮捕を回避できる場合には、ぜひとも身元引受人を立てるべきでしょう。身元引受人を立てると逮捕を回避できる場合なのかどうかの見極めには、刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談して判断してもらうのが効果的です。捜査機関から身元引受人を立てることを要求された場合には、まずは刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談してどのように対応すればいいのかアドバイスをもらうようにするとよいでしょう。

身元引受人を立てると保釈される?

身元引受人を立てると保釈が許可される可能性が高まることがあります。保釈を許可するかどうか判断する裁判所は、通常、保釈によって被告人が逃亡してしまわないかということを強く懸念しています。このような懸念に対して身元引受人を立てることで、被告人が逃亡しないことを裁判所に誓約することができます。裁判所も、身元引受人の誓約があることで、安心して被告人を保釈することができるのです。

もっとも、身元引受人という名目であればどのような人でもいいというわけではありません。実際に身元引受人としてしっかりと被告人を監視・監督できる人でなければ意味がありません。身元引受人としての役割を全うできると信頼できる人でなければならないのです。どのような人を身元引受人に立てるのが最も効果的なのかということは、刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば適切に判断することができます。保釈のために身元引受人を立てる必要がある場合には、まずは刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談をして、どのような人を身元引受人に立てるべきかアドバイスをもらうようにするとよいでしょう。

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岡野武志弁護士
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代表弁護士岡野武志

監修者情報

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

第二東京弁護士会所属。ご相談者のお悩みとお困りごとを解決するために、私たちは、全国体制の弁護士法人を構築し、年中無休24時間体制で活動を続けています。