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教員が万引きで逮捕されたら免許剥奪?弁護士が対処法を解説

教員が万引き

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

教員として、または教員の家族として「万引きで逮捕されてしまった」という事態は、非常に大きな不安を伴うものです。

結論からお伝えすると、逮捕されただけで教員免許が剥奪されることはありません。 免許失効につながるのは、拘禁刑以上の刑が確定した場合です。つまり、弁護士に早期に相談し、適切な対処をすれば、免許・職を守れる可能性は十分にあります。

この記事では、逮捕されたら教員免許はどうなるのか、逮捕後の流れと前科がつくタイミングなどを分かりやすく解説します。

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教員が万引きで逮捕されたら免許剥奪になるのか

公務員は日本国憲法において「全体の奉仕者」と規定されており、一般の会社員よりも高い倫理観と公益性が求められます。そのため、万引き行為を行った場合、懲戒処分の対象となる可能性が十分にあります

教員免許が剥奪されるのは「拘禁刑以上の刑」を受けた場合

教員が万引きで逮捕されたとしても、逮捕されただけでは教員免許は剥奪されません。

法律上、教員免許が失効するのは拘禁刑以上の刑に処された場合と定められています(教育職員免許法5条1項3号、同法10条1項1号)。

「拘禁刑以上の刑に処された」とは、拘禁刑の実刑判決を受けた場合、あるいは執行猶予付き判決を受けた場合の両方を含みます。

不起訴でも懲戒処分になる場合がある

拘禁刑以上の刑を受けなかった場合でも、懲戒処分を受けて教員の職を失う可能性があります。

公立学校の場合

公立学校の場合、懲戒処分とする規定を地方公務員法29条で定めています。具体的には大きく3つあります。

懲戒処分の規定

  • 地方公務員法またはこれに基づく条例・規則に違反した場合
  • 法令に違反した場合や職務上の義務に違反・職務を怠った場合
  • 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合

私立学校の場合

私立学校の場合も、各学校法人の就業規則に懲戒処分の規定が設けられているケースがほとんどです。

「窃盗、横領、傷害等の刑法犯に該当する行為があった場合」などと定められており、万引きもこれに該当します。

つまり、公立・私立を問わず、不起訴であっても懲戒処分の対象となり、職を失うリスクがあります。

免許失効後一定期間は教員免許を再取得できない

拘禁刑以上の刑が確定して前科がついた場合、教員免許を再取得できる時期にも制限がかかります。

教員免許取得の制限

  • 実刑の場合
    刑の執行が終わってから10年間、罰金以上の刑に処せられずに経過するまで(刑法34条の2)
  • 執行猶予の場合
    執行猶予期間が満了するまで(刑法27条)
  • 前科がなくても免職・解雇された場合
    失効から3年間は再取得不可(教育職員免許法5条1項4号・5号)

教員が万引きで逮捕された後の流れ

万引きで逮捕された場合、事件が起訴されるかどうか決まるまで最大23日間の身体拘束が続く可能性があります。この間に示談を成立させられるかどうかが、仕事を守れるかの分岐点です。

逮捕の流れ

逮捕〜送致(48時間以内)

逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官へ送致(送検)します。

被害金額が少額で悪質性が低い場合などは、警察の判断により微罪処分で事件が終了することもあります。初犯で被害額が低く、その場で弁償が済んでいるケースなどが該当します。

送致~勾留請求(送致後24時間)

検察官は、警察から受け取った証拠と、ご本人から直接聞いた話の内容をもとに、さらに留置場に置くこと(勾留)が必要かを判断します。勾留が必要な場合は、裁判官に勾留請求を行います。

勾留請求の期限は、逮捕後72時間かつ、送致後、検察官が被疑者を受け取った時から24時間以内です。

勾留(最大20日間)

検察官が勾留を請求し認められると、原則10日間(必要に応じ最大10日間の延長)、身柄が拘束されます。

勾留中は長期欠勤が続くため職場バレのリスクが高まります。弁護士を通じて早期釈放を目指すことが重要です。

起訴・不起訴の決定

捜査を経て、検察官が起訴・不起訴を決定します。日本の起訴後有罪率は99%を超えるため、前科を避けるには不起訴を目指すことが最も現実的な手段です。

もっとも、不起訴であっても職務外の非行として懲戒処分の対象となる可能性はあるため、処分の有無や内容は所属機関の判断によって決まります。

逮捕後の釈放タイミングについて詳しく知りたい方は『逮捕されたら?逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説』の記事をご覧ください。

万引きの刑罰と初犯・再犯の違い

万引きは刑法上の「窃盗罪」にあたる

「万引き」という罪名は刑法上存在せず、刑法235条の窃盗罪が適用されます。

刑罰は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」と定められており、決して軽い犯罪ではありません。

拘禁刑が科されると教員免許失効の事由となります。

初犯・再犯別の刑罰の目安

ケース刑罰の相場
初犯・少額・示談成立微罪処分または不起訴の可能性が高い
初犯・起訴された場合罰金刑(上限30万円程度)が多い
再犯(2回目)罰金刑または正式裁判になることも
執行猶予中の再犯原則として実刑(拘禁刑)になる
複数回服役後の再犯常習累犯窃盗罪として3年以上の実刑

被害金額が高額な場合や常習性が認められる場合は、初犯でも正式裁判に発展するリスクがあります。

再犯や高額被害の場合は拘禁刑が科される可能性が高く、執行猶予期間中に再犯した場合は原則として実刑となります。

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教員が万引きで免許・職を守るための正しい対処法

早期釈放と示談成立が最優先

逮捕後に身柄拘束が長引くと、職場への欠勤が続き、逮捕の事実が発覚するリスクが高まります。また、逮捕中は本人が外部と連絡を取ることができません。

早期釈放を目指しつつ、起訴前に被害者との示談を成立させることが最も有効な手段です。

示談とは

示談が成立すると、検察官が当事者間の問題は解決していることから、不起訴と判断する可能性が高まります。

ただし、コンビニ・スーパーなどのチェーン店は示談に応じない方針の場合が多く、その場合は被害弁償・謝罪文・再発防止誓約書の提出などで不起訴の可能性を高めます。

万引きがやめられない場合は「窃盗症(クレプトマニア)」の可能性

万引きを自分の意思でやめられない状態は、「クレプトマニア(窃盗症)」と呼ばれる精神医学上の疾患(依存症)です。通常の窃盗と異なり、行為前後のスリルや快感・解放感が目的であることが特徴です。

クレプトマニアは治療が必要な病気であり、適切な医療機関での治療を受けていることを弁護士が検察官に伝えることで、刑事責任の軽減につながる可能性があります。

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逮捕後23日以内に弁護士に相談することが最重要

逮捕から起訴が決まるまでの最大23日間が示談交渉の勝負期間です。起訴後に示談が成立しても不起訴にはなりません。

また、逮捕されている加害者本人は示談交渉ができず、被害者と直接交渉することも困難です。弁護士を通じた迅速な示談交渉が不可欠であり、早期に依頼するほど不起訴・早期釈放・前科回避の可能性が高まります。

逮捕されている場合、加害者本人は示談交渉はできず、また逮捕されていない場合であっても加害者と被害者が直接示談交渉を行うことは困難です。そのため、示談交渉の際は弁護士を間に立てることが必要となります。

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教員の万引きに関するよくある質問

Q.教員が万引きで逮捕されたら、すぐに教員免許は剥奪されますか?

逮捕されただけで教員免許が剥奪されることはありません。免許が失効するのは、拘禁刑以上の刑が確定した場合です。

ただし、不起訴であっても懲戒処分を受けて職を失う可能性はあります。

Q.万引きで逮捕されると職場にはバレてしまいますか?

逮捕後すぐに職場に通知が届くわけではありませんが、身柄拘束が長期化すると無断欠勤が続き、職場に発覚するリスクが高まります。

また、事件が報道された場合は職場に知られる可能性があります。弁護士を介して早期釈放・迅速な示談解決を目指すことが、発覚リスクを下げるうえでも重要です。

Q.万引きで教員免許が失効した後、免許を再取得することはできますか?

教員免許は、万引き(窃盗)により失効した場合でも、法律上は再取得が可能です。ただし、一定期間は免許の授与を受けることができません。

拘禁刑以上の実刑の場合は刑の執行終了後10年間、執行猶予の場合は猶予期間が満了するまで再取得できません。 また、前科がつかない場合でも免職・解雇となった場合は失効から3年間は再取得できません(教育職員免許法5条1項4号・5号)。

もっとも、これらの期間経過後は再取得の申請自体は可能ですが、実際には審査や採用の面で厳しいハードルがあるのが実情です。

アトムの解決事例(公務員の万引き事件)

公務員がコンビニで窃盗した事例

アトムの解決事例①(不起訴処分)

40代の公務員男性が駅付近のコンビニで漫画本2冊などを万引きし、窃盗の容疑で現行犯逮捕された事案。妻が「公務員の職と前科を回避したい」として逮捕翌日に弁護士に依頼した。


弁護活動の成果

弁護士が勾留請求への意見書提出と裁判官への電話面談を行った結果、勾留請求が却下され逮捕から2日で釈放。その後、被害店舗2店との示談(1店舗は50万円で宥恕)を成立させ、逮捕から約3か月半後に不起訴処分となり、前科を回避した。

公務員が常習的に窃盗をした事例

アトムの解決事例②(不起訴処分)

地方公務員(学校関係者)の30代女性が、ストレスや対人関係の悩みを抱え、近所のコンビニで約4年にわたり常習的に万引きを繰り返した窃盗の事案。過去に同種で検挙歴があり、今回は現行犯逮捕されたが、父親が身元引受人となりその日のうちに釈放された。


弁護活動の成果

弁護士が5回にわたって被害店舗へ足を運び粘り強く交渉した結果、示談金30万円で示談・宥恕が成立。不起訴は得られず略式罰金20万円となったものの、捜査機関から職場への連絡はなく、依頼者は公務員の職を失わずに社会復帰を果たした。

教員の万引き・免職に関するお悩みは弁護士に相談

教員が万引きで逮捕されたとしても、逮捕だけで即座に免許が剥奪されることはありません。 ただし、拘禁刑以上の有罪判決が確定すれば免許失効となり、不起訴の場合でも懲戒処分で職を失うリスクがあります。

万引き(窃盗)事件における弁護士の早期介入は、教員という立場を守る上で極めて重要です。「逮捕された」「警察から連絡が来た」という段階で、まず弁護士に無料相談することをおすすめします。

アトムは24時間365日相談予約受付中

アトム法律事務所は設立当初から刑事事件を専門に扱う事務所として発足し、刑事事件の豊富な解決実績があります。

当事務所は、24時間365日、土日・深夜でもご相談予約を受け付けております。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了