2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
「国選弁護人があまり面会してくれない」「親身になってくれない……」
家族が刑事事件を起こしてしまったとき、頼みの綱である国選弁護人への不信感は耐えがたいものです。国選弁護人を別の弁護士に変更したいと考えている方は多いのではないでしょうか。
実務上、国選弁護人を「解任」するのは法的に非常にハードルが高いのが現実です。しかし、私選弁護人への切り替えを使えば、確実に弁護士を変えることができます。
この記事では、国選弁護人の解任事由や、現実的な解決策である「私選への切り替え」の具体的なステップまで、刑事事件に強い弁護士が分かりやすく解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
国選弁護人は解任できる?
国選弁護人は自由に解任できない
国選弁護人は自由に解任することが原則できません。国選弁護人は、国が選任する弁護人であるため、解任できるのは裁判所だけです。依頼者が自由に解任することはできなくなっています。
国選弁護人を解任したい場合は、裁判所に解任請求を行う必要があります。その場合でも、法律で定められた解任理由に該当しなければ解任できません。
国選弁護人の解任事由とは?
裁判所が国選弁護人を解任できるケースは、刑事訴訟法(38条の3)で厳格に定められています。主に以下のような「よほどの事情」がある場合に限られます。
国選弁護人の解任事由
- 弁護人が心身の故障などで弁護活動ができないこと
- 被告人と弁護人が利益相反関係にあること
- 弁護人が職務に著しく違反したこと
- 被告人が弁護人を暴行・脅迫して弁護活動できないこと
しかし、解任事由が定められているとはいえ、解任請求は実務ではほとんど認められないのが実情です。
国選弁護人を自由に解任できてしまうと、憲法が保障する弁護人をつける権利を十分に保障することができないため、国選弁護人の解任の条件は厳しくなっているのです。
「相性が悪い」「連絡が遅い」だけでは解任できない?
多くのご家族や本人が抱く不満のほとんどは、残念ながら上記の「解任事由」には当たらないと判断されるのが現実です。
「解任」が認められない可能性が高い例
- 態度が冷たくて、親身になってくれない
- 接見(面会)を全然してくれない(月1回程度など)
- 自分の主張を信じてくれない、方針が合わない
- 連絡をしても折り返しが遅い、連絡がほとんどない
裁判所は「最低限の法的サポートがなされているか」を重視します。そのため、「性格的な不一致」や「スピード感への不満」だけでは、解任の申し立てをしても「棄却」されてしまうことがほとんどです。
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【国選から私選への切り替え】が最も確実な変更方法
裁判所に「国選弁護人を変えたいです」とお願いしても、認められる可能性は極めて低いのが現実です。しかし、実は裁判所の許可を一切必要とせず、確実に弁護士を変更する方法があります。
それが、「私選弁護人への切り替え」です。
被疑者や被告人・その家族は、いつでも私選弁護人をつけることができるのが原則です(刑事訴訟法30条1項)。この権利は、国選弁護人がついている状態よりも優先されるのです。
私選弁護人への切り替え手順
国選弁護人から私選弁護人への切り替えの方法・流れは、以下の通りです。依頼者がすることは、私選弁護人を探して依頼するだけです。以降の対応は選任した弁護士が行います。
私選弁護人への切り替えの流れ
- 【依頼者】私選弁護人を探して依頼
- 【弁護士】弁護人選任届の作成と署名
- 【弁護士】検察庁または裁判所への提出
私選弁護人になろうとする弁護士は、「弁護人選任届」を留置場で、ご本人に差し入れ、署名・指印を求めます。
そして、その弁護士がこの「弁護人選任届」を検察庁や裁判所などに提出します。
私選弁護人がついたら国選は自動的に解任される
国選弁護人がついている場合は、他の弁護士を私選弁護人にすれば、国選弁護人は自動的に解任されます。
被疑者や被告人、そのご家族も、国選弁護人から私選弁護人に変えるのに自分で国選弁護人の解任手続を行う必要はありません。新しく依頼した私選弁護士が「弁護人選任届」を提出し、私選弁護人の選任届が受理されると、裁判所によって国選弁護人は解任され、任務が終了します。
なお、例外的に、観護措置が取られている少年事件で審判期日が直前の場合は、手厚いサポートのために国選と私選の2人体制になることもあります。
※付添人:少年事件における弁護士のこと
切り替えを検討すべき3つのタイミング
特に以下のタイミングでは、手遅れになる前に決断を検討すべきです。
検討するタイミング
- 勾留直後(起訴前)
釈放に向けた働きかけ(示談交渉など)のスピードが、その後の人生を左右するため - 方針の食い違い時
「自分はやっていない」のに、弁護士が「認めた方が楽」と強制的に諭してくる場合 - 起訴が決まった直後
裁判(公判)の準備には時間が必要。納得感のある弁護活動には信頼関係が不可欠
国選弁護人と私選弁護人では、単に費用の有無だけではないことを認識しておきましょう。違いについて詳しく知りたい方は『弁護士をつけるなら私選弁護士?国選弁護士?費用・メリット等の違いを徹底比較』の記事をご覧ください。
国選弁護人と私選弁護人の違い
| 国選弁護人 | 私選弁護人 | |
|---|---|---|
| 選び方 | 国が選任 | 本人・家族が選任 |
| 解任 | 原則できない | いつでもできる |
| 弁護士の指名 | できない | できる |
| 費用負担 | 原則無料(※一部負担の場合あり) | 有料(着手金・報酬金など) |
国選弁護人を解任して、よい私選弁護人に切り替えるには?
ここでは、国選弁護人から私選弁護人に切り替える場合に役立つ「弁護士選びの基準」をご紹介します。
よい私選弁護士を選ぶためのポイントとしては、以下のようなものがあります。
私選弁護士選びの基準
- 刑事事件解決の実績が豊富
- 法律相談の説明がわかりやすい
- 料金体系がわかりやすい
- 連絡が取りやすく対応が早い
(1)刑事事件解決の実績が豊富
私選弁護人を選ぶ際は、刑事事件解決の実績が豊富な弁護人を選んでください。弁護人選びは医者と同じです。病気やけがに合わせて専門の医者を選ぶ必要があります。弁護士にも専門分野があり、刑事事件の分野は、まさに専門性が活かされる分野です。
刑事事件解決の実績が豊富かどうかは、まずはホームページをみて扱っている分野が広いか、刑事事件の対応が詳しく書かれているかをチェックするとよいでしょう。そのうえで、法律相談を利用して実際に話を聞き、今後の対応をしっかり取ってくれる弁護士かを判断することをおすすめします。
(2)法律相談の説明がわかりやすい
刑事事件は、専門用語が多くわかりにくい分野です。私選弁護人は、法律相談でわかりやすい説明をする弁護士を選びましょう。難しい専門用語を駆使する弁護士の方が偉くみえるかもしれませんが、専門的な内容をわかりやすく説明できる弁護士の方が、知識や経験が豊富と思って間違いありません。
刑事事件に巻き込まれる経験は、一生に一度あるかないかです。刑事弁護士の対応が、あなたご自身や、大切なご家族、友人の一生に関わります。それだけに、今の状況や、今後取るべき対応をご自身も十分把握することが大切です。そのためにも、分かりやすい説明で信頼できる弁護士を選んでください。
(3)料金体系がわかりやすい
国選弁護人と異なり、私選弁護人を依頼するには弁護費用がかかります。弁護費用の内訳には、受任前の相談時の法律相談料、接見を頼む初回接見料、受任した時の着手金、事件が成功した場合の報酬金、弁護士が示談や裁判に出張した際の日当や、郵送費や交通費などの実費が含まれます。
私選弁護人を選ぶ際は、料金体系が明確でわかりやすい事務所を選びましょう。一見安くても、保釈で急に大金が必要になったり、曖昧な説明で後から追加請求されることもあります。当初は高額でも、事件途中で金策に走らなくて済む、結果的に安く済むこともあるので、見積もりを出してもらいましょう。
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(4)連絡が取りやすく対応が早い
刑事事件でご自身やご家族が当事者になると、弁護士を通じて状況を知りたい、中にいる人と連絡を取りたいというご要望は非常に多いです。また、実際に弁護活動を進んでいく中でも、捜査や示談の進捗など現状の把握や、裁判に向けた打ち合わせなどで弁護人との連絡は欠かせません。
国選弁護人は自分で選べないので、民事事件を多く抱え時間がないとか、刑事弁護に不慣れで対応が遅い弁護士にあたる可能性もあります。残念ながら私選弁護人にもそういう人はいます。しかし、弁護費用を払って自分で選ぶのですから、連絡が取りやすく、対応が早い弁護士を選ぶようにしましょう。
国選弁護人の解任に関するよくある質問
Q.私選への変更以外で国選弁護人を解任請求するには?
「よほどの事情」と考えられる解任事由があり、国選弁護人を解任したい時には、裁判所に上申書を提出します。
たとえば、被告人が無罪主張しているにもかかわらず、弁護人が有罪主張をしようとしている場合など、被告人の意思に弁護活動が反したり不利になる場合です。この場合、被告人は裁判所に「国選弁護人解任の上申書」を提出できます。
上申書には、弁護人の弁護活動が任務違反にあたること、現実に不利益を被ったこと、解任すべきことなどを具体的に記載し、作成年月日や罪名、氏名を書いて管轄裁判所の担当裁判官に提出します。もっとも、上申書を書いても認められるのは例外的です。
Q.国選弁護人を解任したら再度の選任はできる?
国選弁護人の解任請求を行い、私選弁護人の選任以外の理由で解任請求が認められた場合は、裁判所が再度国選弁護人を選任します。
一方、私選弁護人を選任すると、国選弁護人は「不要になった」として解任される運用が一般的です。
その後、事情変更により私選の継続が困難になった場合でも、国選が必ず再度認められるとは限らず、資力要件等の審査が必要になります。
また、国選弁護人と違って私選弁護人であれば何回でも解任して再度選任もできますが、その場合にも解任にあたっては取るべき対応が取れなくなってしまったり、裁判まで準備不足になるというリスクも考えなければなりません。
Q.国選から私選にした後の対応で気を付けることは?
国選弁護人から私選弁護人に変わった場合、まずはこれまでの事件の経緯を説明し、コミュニケーションを取ることが重要です。
国選弁護人が持っている資料などは、通常は私選弁護人に送られてきます。しかし、それ以外の事情についても、十分に説明したり接見に行ってもらうようにしてください。
刑事事件は、スピードが命です。国選弁護人の動きが悪い、対応が悪い等の場合は、遅れを取り戻すためにも、信頼関係の構築の相互協力が大切です。
交代の時期や事件の状況によっては、私選弁護人に変えても結果が変わらないこともあるので、変更のタイミングは十分検討することをおすすめします。
解決事例(国選弁護人からアトムに切り替え)
こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った刑事事件のうち、国選弁護人からアトムの弁護士に切り替えた事案について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。
国選弁護人からアトムに切り替え、無罪に
強盗(無罪)
路上で被害者女性を倒す等の暴行を加えて頭部打撲等の傷害を負わせ、現金約数千円とカバン等を強盗したとされたケース。依頼者は犯人性を否認。強盗致傷の事案。
弁護活動の成果
一貫して犯人性を否認。犯人でないことを示す証拠の収集のため証拠開示請求を行うなどして主張・立証を尽くした結果、裁判員裁判で無罪判決を獲得した。
起訴後、国選弁護人からアトムに切り替え
覚醒剤(早期釈放、実刑回避)
覚醒剤所持にて逮捕され起訴されたが、使用の再逮捕や追起訴も見込まれた。国選弁護人から切り替えで受任。
弁護活動の成果
国選弁護人は、追起訴を待ってから保釈請求をする方針だったが、追起訴を待たずとも、釈放の可能性があると見込まれたため、アトムで受任後は、即座に保釈請求をおこない、早期釈放を実現。
薬物依存の治療のサポートや、情状弁護を尽くし、全部執行猶予付き判決を獲得した。
最終処分
懲役2年執行猶予4年、覚醒剤2袋の没収
国選弁護人から私選弁護人に切り替えるならアトム法律事務所
さいごに一言
国選弁護人を「解任」するのは法的に非常にハードルが高いのが現実です。しかし、私選弁護人への切り替えを使えば、確実に弁護士を変えることができます。
国選弁護人は自分で選ぶことができないため、刑事事件の経験値やスピード感にミスマッチが生じるリスクがあります。ご不安がある場合は、刑事事件を得意とする私選弁護人に相談してみてください。
私選弁護人を選任すれば、その私選弁護人が弁護人選任届を準備して、切り替えの手続きをおこない、国選弁護人は解任されます。
国選弁護人に対して、直接、解任することやその理由などを伝える必要はありません。
刑事手続きは刻一刻と進んでいきます。早期の決断が、早期解決の鍵です。
アトムのご依頼者様の声
アトム法律事務所は、2008年創業以来、刑事事件の弁護活動に取り組んできました。
刑事事件の解決実績が豊富な弁護士集団です。
ここでは、実際に、アトム法律事務所が私選弁護人として過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介します。
国選からアトムにして矛盾点の立証に尽力してくれました。

国選弁護人の時は事件に対する矛盾点を一生懸命に伝えたのに理解してくれなくて裁判が始まる前から戦う意思がなく不安で仕方なかったがアトム法律事務所に頼んでからは、矛盾も理解して何度も現場に足を運んで更に矛盾点を探し出し裁判に臨む姿勢に安心して頼めました。
24時間相談ご予約受付中
アトム法律事務所の刑事事件の相談予約受付窓口は、24時間つながります。
また、警察が介入している事件など、一部の事件では、初回30分無料で弁護士相談を実施中です。
- 家族に警察が逮捕された
- 警察から呼び出しが来た など
国選弁護人では対象外のケースでも、私選弁護人であれば、無料相談可能な場合がございます。
くわしくはお電話でオペレーターにおたずねください。


