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刑事事件で示談をするなら弁護士費用はいくら?

示談の弁護士費用

刑事事件を起こしてしまった場合、示談をすることで多くのメリットが得られます。そして、示談をしたい場合にはまず弁護士を入れることがよろしいでしょう。しかし、示談には示談金も必要となるため、示談をする場合の弁護士費用がいくらになるのかということは疑問に思うところでしょう。

そこで、刑事事件での示談をする場合の弁護士費用はどのようになっているのかについて、そもそもの刑事事件の弁護士費用の内訳や示談自体のメリット、弁護士費用が準備できない場合にどのような方法があるかを踏まえつつ、以下を見ながらその疑問を解決していきましょう。

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※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は有料となります。

刑事事件の弁護士費用の相場体系

弁護士費用①法律相談料

法律相談料は、事務所ごとによりますが、大体30分~1時間程度で5,000円~10,000円(+税)ほどの所が多いでしょう。もっとも、事件の概要や緊急性に応じて費用を変化させる場合もあり、たとえば初回の相談料を無料にするところや、警察の捜査を受けている場合には無料で相談できるようにするところもあります。

時間としては、30分ごとに料金設定をしている場合も1時間ごとに設定している場合もあるでしょうが、相談時間に応じて費用が発生することが多いでしょう。もっとも、初回無料のところも多いため、まず相談前に費用が何分あたりいくらかかるのかを確認の上で取り急ぎ相談をしてみるというのがよろしいでしょう。

弁護士費用②接見費用

接見費用は、接見場所との距離や所要時間、接見回数によって金額が算定されることが多いでしょう。そのため、接見を頼む場合には警察署にどれほど事務所が近いかは念頭に置いておくとよろしいでしょう。また、全体の刑事弁護の契約をしている場合には、接見費用を取る場合も取らない場合もあります。

接見は、1回限りの接見を頼む場合に発生することは勿論、弁護契約の内容によっては身柄拘束のある事件での弁護契約で接見に弁護士が行くごとに発生する場合がございます。その場合には、勾留が長引くほど接見費用で弁護士費用が増えていく可能性があるため、どれほどの接見費用になるのかは随時確認が必要でしょう。

弁護士費用③着手金

着手金は、弁護士が弁護活動に着手するために必要な費用となり、弁護契約をして最初に支払うことになります。着手金の額については、事件の軽重によって増減することがありますが、40~60万円ほどは一例でしょう。また、身体拘束されている事件や裁判員裁判が見込まれる事件は増加することが多いでしょう。

着手金は弁護に動き出したその後の成果達成のためにどれだけの労力がかかるか、という観点から算定されることになります。そのため、身体拘束されている事件であれば、処分軽減の弁護活動以外に接見や身体解放活動を弁護士がする必要がありますし、裁判員裁判では相当の前準備が必要となるため、着手金は増額されます。

弁護士費用④報酬金

報酬金は、弁護士の刑事弁護活動によって得られた成果の内容によって発生する費用となります。たとえば、刑事処分の結果の報酬金は不起訴>罰金>執行猶予となることが多く、そのほか身体解放活動によって釈放された場合に発生したり、示談の締結によって発生したりするものとなります。

報酬金額は、事務所によって算定は様々ですが、弁護活動が功を奏した場合には着手金と同等額かそれ以上となることが多いかと思われます。報酬金の支払時期としては、弁護活動終了時か、弁護活動に着手する前に着手金とともに発生し得る報酬金同等額を最初に弁護士事務所に預け、そこから精算をすることもあります。

弁護士費用⑤日当・実費

弁護活動をする上で、弁護士が警察署や裁判所に行く場合、被害者との示談などで外出する場合には日当が発生することがございます。その場合、外出した回数や目的地までの距離によって金額が異なることが通常です。また、郵送代やコピー代などの実費が発生する場合には弁護士費用に含まれることになります。

日当については、接見費用を含めて計算をする場合もあり、その場合には警察署に定期的に接見に向かうため日当が大きくなりやすいこともあります。実費については大きくとも1万円前後までのことが多いですが、刑事裁判となった場合のコピー代が発生する場合にはそれよりも大きくなることもございます。

アトム法律事務所の弁護士費用

アトム法律事務所では、着手金の通常料金が66万円(税込)となっており、ご契約時に身体が拘束されている場合には22万円(税込)が追加されます。報酬金は、刑事処分の結果や身体解放や示談締結の際に発生し、それに日当実費が足され、着手金も併せた事件全体で在宅事件で150万円身柄事件で200万円ほどになることがございます。

アトム法律事務所では、着手金、報酬金、実費、日当で弁護士費用が構成されており、その概算を契約当初にお預かりの上、最終的に余った部分を返還し、足りなくなった場合に請求をするという方法を取ることがございます。もっとも、契約当初でまとまった金額のご準備が難しい場合には着手金のみを預かることも可能です。

刑事事件で示談をすると弁護士費用が高くなるって本当?

刑事事件で行われる示談とは?

刑事事件で行われる示談とは、加害者と被害者の一種の和解契約となります。加害者と被害者との間で関係を清算するものであり、時には被害届の取り下げなどを行っていただく場合もございます。被害者との示談がある場合には、刑事処分の軽減や身柄の早期釈放に繋がることが多いです。

被害者のいる刑事事件の場合、被害者の処罰感情が重要な判断要素となりますので、被害者と加害者の間で関係が清算されているという場合には、そこまで重い刑事処分を科すべきではない、身柄を拘束する必要がないなどという考え方をするため、刑事処分の軽減や身柄の早期釈放に繋がることになります。

示談をすると弁護士費用が増額する?

示談が成立した場合には、示談成立の報酬金が加算されるため、弁護士費用が増額することになります。すなわち、示談という刑事処分の結果に重大な影響のある成果を弁護活動により得られたということで、弁護活動の成果としての報酬金が足されるために費用の金額が増加することになります。

示談は刑事処分の結果や身柄解放に大きな影響を与えるものに加え、被害者との関係性を清算し民事的にも解決をするものになりますので、刑事処分の結果や身柄解放活動の報酬金とは別に発生します。なお、示談をする際に被害者に渡すことで示談を成立させる示談金とも別のものになります。

示談で支払う示談金の相場はいくら?

示談で支払う示談金の相場は、罪名の内容や事案の概要によって変わるものになります。たとえば、痴漢の場合には程度によって都道府県の迷惑防止条例違反と不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)にあたり得ますが、前者が30~50万円後者が50~100万円ほどが相場になります。窃盗罪や詐欺罪などの財産犯は被害金額によっても変わります。

もちろん、示談は被害者との解決のために行う話し合いで決めるため、示談金自体は被害者の意向によっても変わります。しかし、弁護士がいれば一定程度の事案での示談金の相場を踏まえ、その見通しも伝えた上で、弁護士費用とは別途発生し必要となる示談金の準備をすることができます。

弁護士に依頼してでも絶対示談をすべき理由とは?

示談は弁護士に依頼しなくても可能?

弁護士に依頼しなければ示談が全くできないということではございませんが、通常は弁護士に依頼しなければ示談が難しく、性犯罪や暴行・傷害事件など事件内容によっては、そもそも弁護士が入らなければ警察等から被害者の連絡先を教えていただけない場合も多いため、弁護士に依頼しなければ示談はほぼ不可能といえます。

ご本人のみで示談をするという場合には、交渉もすべて加害者が行うことになり、被害者は冷静に話を聞いていただけなかったりそもそも示談交渉に応じたくないと言ってきたりすることが多いです。そのため、示談交渉は加害者側とはいえ第三者であり示談交渉に長けている弁護士に依頼した方がよろしいでしょう。

示談のメリット①逮捕、勾留のリスクが減る

示談をすることによって、逮捕、勾留のリスクが減るという効果があります。逮捕、勾留は被害者への危害のおそれ等の事情を考慮して判断されるところ、被疑者と被害者が示談により一定の当事者間の解決をしているのであれば、被害者への危害のおそれも考えにくく、逮捕、勾留となる可能性が低くなります。

逮捕、勾留を決定する際、検察官や裁判官は、被疑者が証拠を隠滅するおそれがあるか、逃亡のおそれがあるかを判断します。もし示談が締結されていれば、被害者に危害を加えて供述証拠を捻じ曲げようとしたり罪の重さから逃亡を図る可能性も低くなるため、逮捕、勾留の必要性がないと判断する可能性が高くなります。

示談のメリット②起訴を免れて不起訴処分になる

示談をすることにより、起訴を免れ不起訴処分になる可能性が高くなります。すなわち、示談をして被疑者と被害者との間で当事者間の解決がなされているということであれば、検察官も被疑者に刑罰をわざわざ科す必要がないと考える場合があり、不起訴処分を下す可能性が高くなるということになります。

示談により不起訴の可能性が高くなる事件として、例えば被害者がいる事案で罰金相当が見込まれる事件や、性犯罪など被害者の意見が重要視される事件などが挙げられます。示談の中で関係を清算し、さらに被害者から被害届の取り下げやお許しを受けたとなれば、より不起訴処分の可能性が高くなります。

示談のメリット③刑事処分が軽くなる

示談をすることによって、刑事処分が軽くなるというメリットもあります。被害者のいる犯罪では被害者の意見や被害者との間で解決されているかが重要な要素となります。そのため、被害者との示談により一定の解決がなされているということであれば、裁判官も刑事処分を軽くすることになります。

被害者がいる刑事事件の処分として、示談がなされたということであれば、例えば、実刑相当の事件であれば刑事処分に執行猶予が付いたり、刑期が短くなる可能性があります。また、執行猶予付き判決が相当の事件であれば、執行猶予期間が短くなったり罰金刑になったりする可能性があります。

示談のメリット④民事訴訟を免れる

示談をすることにより、被害者からの民事訴訟を免れることができます。被害者は加害者から犯罪行為を受けているため、そのことに対する損害の賠償を請求することができます。示談をしていれば民事的にも関係を清算することができるため、示談後にさらなる損害賠償を請求される可能性を防ぐことができます。

示談では、示談金等を支払うことにより損害賠償についても既に行ったとして、刑事的にのみならず民事的にも関係を清算することとします。そのため、示談を行えば、被害者は示談金の支払い以上に加害者に請求をすることができないため、加害者は示談金以上の支払いをする民事訴訟を免れることができます。

弁護士費用を支払えないときはどうしたらいい?

弁護士と弁護士費用の交渉をする|分割払いは可能?

弁護士費用の支払いが難しいという場合には、弁護士と費用の交渉をすることができます。弁護契約はあくまで加害者と弁護士の契約のため、弁護士費用は事務所ごと、事件ごとに定めることとなります。弁護士や事務所によっては弁護士費用の分割払いも可能な場合がありますので、相談してみるとよろしいでしょう。

基本的に、弁護士費用は弁護士事務所ごとに基本の金額水準が定められているものになります。ご契約の前に通常弁護士の方から弁護士費用の内訳や見通しが告げられますので、その際にいくらまで支払えるか、着手金のみの預かりで問題がないか、分割支払いは可能かなどをお尋ねいただくのがよろしいでしょう。

国選弁護人に依頼する

私選で弁護士を委任することが金銭的に難しいという場合には、国選弁護人に依頼することができる場合もあります。国選弁護人は費用面で弁護士を付けることが難しい場合には国が無料で弁護士を付けてくれる制度となっております。もっとも、国選弁護人は勾留されている場合か起訴されている場合のみ付けられます。

国選弁護人を付けたいという場合には、勾留された被疑者が希望を出すか、起訴された際に裁判所から来る書面で希望を出すかのどちらかとなります。もっとも、国選弁護人は無料で付けられるという代わりに、弁護士が国によってランダムで配置されるため、ご自身で選ぶことができないという点には注意が必要です。

刑事被疑者弁護援助制度を活用する

弁護士費用が少ししか用意ができそうもないという場合、刑事被疑者弁護援助制度を活用して弁護士を依頼することもできます。これは、日弁連から日本司法支援センター(法テラス)に対する委託事業で、国選弁護人の対象外の被疑者が弁護士に弁護を依頼する場合に、弁護士費用の立替えを行うという制度になります。

刑事被疑者弁護援助制度を使えば、弁護士費用を立て替えることができ、費用が準備できないという場合には免除されることもあります。もっとも、刑事被疑者弁護援助制度を利用できる事務所とできない事務所がありますので、利用したいという場合はまず弁護士に相談するのがよろしいでしょう。

加入している弁護士費用保険の活用

弁護士費用保険に加入している場合は、その保険金を活用して弁護士を雇うことができます。もっとも、弁護士費用保険の中には、刑事事件の法律相談料は保障してもらえるが、刑事事件一般の費用は自身に非がある行為として保障してもらえない保険もあるため、適用内かどうかの確認は必須でしょう。

弁護士費用保険は、弁護士費用のうち一定額を負担してもらえる保険となりますので、事務所からの費用と保険の範囲は確認する必要があります。このような保険以外にも、近年一部の自動車保険では、交通事故を起こしてしまった場合一定の事件で刑事事件の弁護士費用を負担してくれる特約を商品としているものもあります。

自分で弁護士を選ぶメリットとデメリット

ご自分で弁護士を選ぶメリットは、ご本人が信頼できる弁護士や刑事事件に特化した弁護士などを付けることができるということです。一方、ご自分で弁護士を選ぶデメリットとしては、ご自身で選べる場面は限られているため、どうしても選ぶためには私選弁護士として一定の費用がかかるということでしょう。

国選弁護士を付けた方の中には、後から国選弁護士とのやり方を合わないと感じたりなかなか連絡が取れず不信感を抱いたという人が、私選弁護士に途中から切り替えるというケースもございます。そのため、自身で弁護士を選ぶことは、最初からご自身が気に入った弁護士に刑事事件を任せられるということはメリットでしょう。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了