国選弁護人とは、費用の自己負担なしで、国が選任してくれる刑事事件(加害者側)の弁護士のことです。
勾留状が発せられている被疑者(事件の容疑者)や、被告人(起訴された人)は、請求または裁判所の判断で、国選弁護人をつけられる可能性があります。
国選弁護人をつけるには、(1)資産が50万円未満であること、(2)私選弁護士選任を申し出て断られたこと、(3)必要的弁護事件であることなど、条件が数種類あります。
この記事では、弁護士をお探しの方に向けて、国選弁護人の利用条件、費用、私選や当番弁護士との違いなどを詳しく解説します。
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目次
国選弁護人とは?費用は無料?
国選弁護人制度とは?
国選弁護人制度は、資力が乏しい等の理由で、自分で弁護士を選任することができない人に、国が弁護士をつけてあげる制度です。
起訴前の被疑者国選弁護と、起訴後の被告人国選弁護の2種類あります。
弁護士白書によると、2022年度、被疑者段階から国選弁護人が付いた割合は約59.4%(「被疑者国選弁護制度の運用状況」より)、地裁で被告人国選が付いた割合は約84.2%です(「地裁・簡裁における刑事弁護人(被告人段階)選任率の推移(国選・私選別)」より)。
条件を満たせば、費用負担なく利用できる点に、国選弁護人制度の魅力があります。
国選弁護人制度の根拠は何ですか?
被告人国選については、国家から国民の権利を守るルールを定めた「憲法」に根拠があります。
刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
日本国憲法37条3項
被疑者国選については、憲法37条3項や弁護人依頼権(憲法34条)等が考慮されて、できた制度です。
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。
日本国憲法34条前段
国選弁護人の費用は?
国選弁護人を選任しても、弁護士費用は発生しません。国選弁護人の報酬は、法テラス(日本司法支援センター)から支払われます。
例外的に、弁護士費用を支払うことができる資力が実際にあると判明した場合には、法テラスから国選弁護人の費用が請求されることがあります。
また、裁判終結後に資力があると判断された場合には、裁判所から訴訟費用の負担を命じられる可能性があります。国選弁護人の費用は、この訴訟費用の中に含まれます。
刑の言渡をしたときは、被告人に訴訟費用の全部又は一部を負担させなければならない。但し、被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかであるときは、この限りでない。
刑事訴訟法181条1項
被告人の責に帰すべき事由によつて生じた費用は、刑の言渡をしない場合にも、被告人にこれを負担させることができる。
刑事訴訟法181条2項
上記の規定は原則として、事件終了後の資力が十分にある場合に適用されます。
私選弁護士を委任する資力がなく国選弁護人を利用していたようなケースで、訴訟費用の負担が命じられることは一般的にはありません。
被疑者国選の条件(起訴前)
起訴の前 | 起訴の後 | |
---|---|---|
制度 | 被疑者国選 | 被告人国選 |
時期 | 勾留状が発せられている | 起訴されている |
国選弁護人の利用の条件は、起訴(きそ)の前後で異なります。
起訴とは、刑事事件の裁判にかけられることです。
起訴前に利用できる国選弁護人制度を、被疑者国選(ひぎしゃこくせん)と言います。
被疑者は、(1)勾留されている場合、被疑者国選を利用できる可能性があります。この場合、(2)被疑者みずから請求(刑訴法37の2)するか、又は(3)裁判所の職権(刑訴法37の4)で、被疑者国選の利用を認めてもらう必要があります。
被疑者国選の条件
- (1)被疑者が勾留されている場合
- (2)被疑者の請求
または
(3)裁判所の職権
により、利用が認められる。
被疑者国選の条件を、一つずつ確認していきましょう。
(1)被疑者が勾留されていること
被疑者国選は、勾留(こうりゅう)されている最中の被疑者が利用できます。
勾留とは、逮捕された後に最大20日間身体拘束を受ける処分のことです。
勾留されなかった被疑者、釈放された被疑者は、被疑者国選を利用できません。
被疑者国選を利用できない例
- 勾留されていない
- 勾留後に釈放された
勾留される前に弁護士を依頼したい時は?
私選弁護人、当番弁護士、刑事被疑者弁護援助事業などの利用が考えられます。
- 私選弁護人
自分(又は家族等)が費用を負担して、依頼する弁護士。
自由に選任可能。依頼できる時期にも制限はない。 - 当番弁護士
逮捕後、1回限り接見に来てくれる弁護士。費用は、各地の弁護士会が負担。
継続して弁護を依頼する場合、2回目以降自己負担。 - 刑事被疑者弁護援助事業
身体拘束された被疑者のために、日弁連が費用を負担し、弁護士をつける制度。
被疑者国選を利用できる場合は、利用できない。
(2)被疑者の請求による国選弁護人の選任
勾留されている被疑者は、被疑者国選を依頼したい場合、みずから「請求」することができます。
この場合に、被疑者国選を利用できる条件は、(ア)流動資産が50万円未満の場合か、または(イ)私選弁護人選任申出をおこない、申し出を受ける弁護人がいない場合です。
また、(ウ)他の者が選任した弁護士がいないことも、被疑者国選の利用条件になります。
(ア)流動資産が50万円未満
現金や預金などの流動性のある資産の合計金額が50万円を下回っている場合、被疑者国選を利用できます。
資産の内容 | 国選の利用 |
---|---|
現金10万円+預金20万円 | 〇 |
自動車+預貯金30万円 | 〇 |
不動産+預貯金40万円 | 〇 |
借金300万+預金60万円 | ✕ |
本人10万円+親5000万円 | 〇 |
(イ)私選弁護人選任申出
資力が50万円以上の人が被疑者国選を利用するには、事前に、弁護士会に対して「私選弁護人選任申出」をおこない、申し出を受ける弁護人がいないことが条件になります。
請求先となる弁護士会は、国選弁護人の選任を請求する裁判所の管轄区域内にある弁護士会です。
私選申出を受ける弁護人がいないというのは、弁護人になろうとする者がいない場合や、紹介された弁護士が被告人の選任申込みを拒絶した場合等です。
(ウ)他の者が選任した弁護士がいないこと
ご家族が資力に余裕があり、すでに私選弁護人を選任していた場合などは、国選弁護人の利用ができません。
(3)裁判所の職権による国選弁護人の選任
裁判所が職権で国選弁護人を選ぶ場合もあります。
職権とは、本人や弁護人の請求がなくても、裁判所がみずから判断することです。
職権による被疑者国選の条件は、勾留状が発せられている被疑者に弁護人がついていない場合に、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある「被疑者」について、「弁護人をつける必要がある」と裁判官が認めることです。
被疑者国選弁護人の人数
被疑者国選弁護人の人数は、原則1人です。
ただし、死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件について、裁判官は、職権で更に1人弁護人を追加することができます(刑訴法37条の5)。
被告人国選の条件(起訴後)
(1)被疑者国選がついていた場合
起訴後の段階で国選弁護人に依頼することを被告人国選(ひこくにんこくせん)と言います。
被告人国選は、すでに被疑者国選弁護人が選任されていた場合、そのまま被告人国選を任せることができます。
起訴後はじめて被告人国選を依頼する場合は、自分で国選弁護人に依頼する場合、裁判所が強制的に国選弁護人を選定する場合の2つのパターンがあります。
(2)自分で被告人国選を請求する場合
まず、自分で国選弁護人に依頼する場合は、以下のどちからの条件を満たす必要があります。
国選弁護人を自分で依頼する場合の条件
- 資力が50万円を下回る
- 資力が50万円以上だが私選弁護人が選任されていない
まず資力が50万円を下回っている場合には、起訴後すぐに誰でも国選弁護人に依頼することができます。
資力が50万円を上回っていたとしても、私選弁護人が選任されていない場合には国選弁護人に依頼することができます。
この場合、事件を管轄する裁判所の所在地を管轄する弁護士会に私選弁護人の選任を申し出ていなければなりません。
(3)裁判所が強制的に被告人国選を選ぶ場合
続いて裁判所が国選弁護人を選任するのは以下のいずれかを満たす場合です。
国選弁護人を裁判所が選ぶ場合
- 必要的弁護事件で、弁護人が付いていない(又は不出頭の)場合
- 被告人が未成年者
- 被告人が70歳以上の者
- 被告人が耳の聞こえない者・口のきけない者
- 被告人が心神喪失者・心神耗弱者の疑があるとき
- その他裁判所が必要と認めるとき
必要的弁護事件とは、「死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役・禁錮刑にあたる事件」のことです。
必要的弁護事件に該当する殺人や強盗などは重大犯罪であるため、弁護人が選任されている状態でなければ裁判を開廷することができないとされています。
必要的弁護事件に該当する事件で被告になった場合かつ私選弁護人を選任していない場合は、資力にかかわらず裁判所が強制的に弁護士を選任します。
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国選弁護人に依頼する流れとは?
国選弁護人に依頼する場合、刑事手続上どの段階にいるかで依頼の流れが変わってきます。刑事手続きについては『刑事事件の流れ【弁護士監修】』の記事が参考になりますので、あわせてご確認ください。
国選弁護人は、起訴前の被疑者段階で依頼する「被疑者国選」と、起訴後の被告人段階で依頼する「被告人国選」の2つにわかれます。それぞれどのような流れで依頼することになるのかみていきましょう。
被疑者国選の場合(起訴前の勾留中)
被疑者国選の選任の流れは、以下のようなものです。
- 留置場所の警察官等に「弁護人」を選任したいと伝える*
- 必要書類を受け取り、記入して提出
例:国選弁護人選任請求書、資力申告書 - 裁判所による要件の審査
- 法テラスによる弁護人の人選
- 裁判所による国選弁護人の選任
* 流動資産が50万円以上の被疑者は、私選弁護人選任申出をおこなう。弁護士会から派遣された弁護士と面談し、弁護を断られた場合に、国選弁護人選任の請求が可能になる。
被告人国選の場合(起訴後)
資力などの要件を充足しているか審査されるのは、被疑者国選の時と同様です。被告人国選では、身体拘束を受けていない状態でも希望を出すことができます。
まだ弁護士をつけていない場合、在宅起訴されると起訴状が裁判所から被告人宅に送付されます。そのとき、国選弁護人の選任を希望するかアンケート用紙も同封されていますので、希望者はそれに記入して裁判所に提出することになります。
裁判所が被告人から国選弁護人選任の希望を受け取ったあとの流れは、被疑者国選と同じです。法テラスの人選に基づいて、裁判所が弁護士を選びます。
国選弁護人のメリット・デメリット|私選弁護人との違い
項目 | 国選弁護人 | 私選弁護人 |
---|---|---|
費用 | 原則無料 | 費用は有料* 着手金約30万円~ 報酬金約30万円~ |
時期 | 勾留決定後 起訴後 | いつでも可能 |
弁護士選択 | 選べない | 自由に選択可 |
* あくまで相場です。弁護士費用は、弁護士事務所ごとに異なりますので、各自でご確認ください。
国選弁護人のメリット
- 原則、費用は無料
- 資力がなくても弁護士をつけられる
国選弁護人の最大のメリットは費用がかからないことです。
資力のない人に向けた制度である関係上、弁護活動がどれだけ長期間に及ぼうと、また裁判がどれだけ難しいものになろうと原則として弁護士費用が発生することはありません。
国選弁護人への報酬は法テラスから行われます。
また費用が無料だからと言って弁護活動に差が生じるということも原則としてはありません。
国選弁護人も通常の私選弁護人と同じく、依頼者の状況を法律の専門家の観点から客観的に把握し、警察や検察、裁判所に対して必要な手続きを代行し、依頼者の希望に沿いながら事件解決に向けて活動してくれます。
国選弁護人のデメリット
- 依頼できる時期が限られる
- 弁護士を選べない
国選弁護人のデメリットは、依頼できるタイミングが被疑者国選では勾留決定後、被告人国選では起訴された後になるという点です。
刑事事件は時間との勝負という面があります。早期に弁護士に依頼することができれば、身体拘束を回避したり不起訴処分の獲得により有罪判決を受けずに済んだりする可能性が高まります。
国選弁護人では依頼タイミングの関係で、身体拘束の回避、不起訴処分の獲得という点で私選弁護人に比べ不利になります。
また、弁護士を選べない点も大きなデメリットです。
国選弁護人は弁護士会から自動的に派遣された人にしか依頼できず、また弁護人の変更も原則としては不可能です。
つまり、刑事事件に精通していない弁護士が選任される、相性の悪い弁護士が選任される等の可能性もゼロではないのです。
「国選弁護人は報酬が少ないからやる気がない」ってホント?
「国選弁護人は報酬が少ないのでやる気がない」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
国選弁護人の報酬が少ないというのは事実です。
国選弁護人の報酬は法テラスが定めていますが、報酬金として貰えるのは10万円~20万円程度です。事件の内容にもよりますが、これは私選弁護人の着手金にも満たない水準の金額です。
この点、国選弁護人はどうしても積極的な弁護活動をしにくい状況にあり、サービスの質で劣るという面もあるかもしれません。
しかし、弁護士の職責や職務を定めた法律に弁護士法というものがあります。
第一条 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。
弁護士法 1条
弁護士は弁護士法を遵守しなくてはならないですし、不誠実な行為ばかりしていると弁護士会から処分が下される場合もあります。
この点、国選弁護人も弁護士なので、基本的にはきちんと誠実に職責を果たしてくれると考えてよいでしょう。
私選弁護人のメリット
- 要件を満たしておらず国選弁護人を選任できない
- 身体拘束を回避してほしい、不起訴処分を獲得したい
- 刑事事件に精通している人に依頼したい
このような方は私選弁護人に依頼したほうがよいでしょう。
私選弁護人は弁護士費用が発生しますが、弁護士を自由に選ぶことができ、事件の早期から弁護活動をしてもらうことができます。
私選弁護士と国選弁護士では、弁護士資格をもった弁護士が刑事弁護にあたってくれるという点では共通しています。
しかし、国選弁護士は必ずしも刑事事件に精通した専門家が派遣されるわけではなく、弁護活動の成果に不満が残ってしまう可能性もゼロではないのです。
私選弁護士は積極的な弁護活動を展開してくれることが期待できます。
逮捕されてしまうかもしれないという状況から逮捕を回避したり、在宅事件の被疑者の段階で起訴を回避したりといった活動は私選弁護人にしかできません。
また自分で弁護士を選ぶことができるという点が、私選弁護士と国選弁護士の大きな違いです。納得のいく結果を得るという点で、弁護士を自由に選択することができるという点はとても重要です。
国選弁護人から私選弁護人に切り替える方法
国選弁護人にやる気が感じられない!私選弁護人に切り替えられる?
この記事をお読みの方の中には、今まさにご自身やご家族が国選弁護人に依頼しており、その活動内容に不安を持っているという方もいるかもしれません。
国選弁護人のはたらきに不安・不満をお持ちの場合には、私選弁護人への切り替えをおすすめします。
国選弁護人を解約できる条件というのは刑事訴訟法という法律で定められています。
根拠条文を見る(こちらをタップ)
第三十八条の三 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。
刑事訴訟法 38条の3
一 第三十条の規定により弁護人が選任されたことその他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。
二 被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
三 心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。
四 弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。
五 弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
国選弁護人を依頼している人が新しく私選弁護人を選任したら、それまで弁護活動を行っていた国選弁護人は解任されます。
国選弁護人から私選弁護人への切り替えは法律で定められている通り、まったく問題のない行為ですので、もし切り替えたいと思っている方は躊躇せずに切り替えの手続きをはじめてください。
国選弁護人から私選弁護人に切り替える方法とは?
国選弁護人から私選弁護人へ切り替えたい人は、まず私選弁護人を選任するところから始めましょう。
私選弁護人が選任されれば国選弁護人は自動的に解任されます。引継ぎの作業なども選任された私選弁護人が行います。
勾留中の場合、ご家族を経由して私選弁護人を選任するとよいでしょう。
被告人国選など、現在拘束を受けていない場合には、ご自身で私選弁護人を探して依頼すれば国選から私選への切り替えができます。
国選弁護人から私選弁護人に切り替えるための具体的な方法については『国選弁護人を解任したい…解任方法と私選弁護人への切り替え手続き』の記事でも解説していますので、ぜひ、あわせてご確認ください。
国選弁護人の条件、費用でよくある質問
Q.親の資力が50万円を超えていると、国選弁護は無理ですか?
国選弁護人の資力の条件(50万円未満)というのは、ご本人に限られます。ご家族、保護者の方の資力は含まれません。
ご本人の資力をもとに国選弁護を依頼することも可能ですし、ご希望があれば、ご家族のお金で私選弁護をつけることも可能です。
Q.手元に通帳がなく、資力の条件を満たすか分かりません。
逮捕・勾留されている方が、ご自身の正確な資産状況を把握できないことも多いでしょう。
国選弁護人を請求する際、資力申告書に記載するのは、その時点の認識にもとづいた金額で問題ありません。
貯金や手持ちのお金など流動資産が50万円もないと認識していた場合は、資力の条件を満たします。
ただし、裁判官の判断を誤らせる目的で、虚偽の申告をした場合は、10万円以下の過料になります(刑事訴訟法38条の4)。
Q.当番弁護士と、国選弁護人は同じですか?
当番弁護士と国選弁護人は、異なる制度です。
当番弁護士と国選弁護人制度の関係
実務上、50万円以上の資力を有する人が国選弁護人の選任を請求する前に、私選弁護人の選任申出を弁護士会におこなわなければなりませんが、その際に派遣されてくるのが当番弁護士の場合もあります。
当番弁護士の内容
当番弁護士制度とは、逮捕された人に、弁護士が1回無料で面会する制度のことを言います。
弁護士との初回の接見(面会)によって、法的なアドバイスを受け、警察の取り調べに適切な対応をとることができるようになります。
一方で国選弁護人と違い、あくまで弁護士が一回だけ面会に来るという制度なので、その後も継続して弁護活動を受けられるわけではありません。
当番弁護士と国選弁護人の違い
当番弁護士 | 国選弁護人 | |
---|---|---|
費用 | 無料 | 無料 |
呼べる条件 | 逮捕された人なら誰でも | 資力要件など複数の条件あり |
呼べるタイミング | 逮捕後 | 勾留決定後、もしくは起訴後 |
活動内容 | 1回だけ接見(面会)をする | 弁護活動を継続して行う |
なお接見にきた当番弁護士にそのまま私選弁護人として弁護活動を依頼することもできます。
また勾留後に当番弁護士を呼んだ場合で、かつ各種の条件を満たしている場合には国選弁護人として依頼をお願いできる場合もあります。
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