2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
警察から2回目の呼び出しを受けても、それだけで疑いが強まったとは限りません。1回目の供述内容を確認したり、供述調書を作成したりするために、2回目・3回目と呼び出されるのは珍しいことではないからです。
ただし、2回目の呼び出しには1回目とは異なる注意点があります。最も気をつけるべきなのは、1回目に話した内容との食い違いです。供述が変われば、その理由を詳しく確認されることになり、場合によっては逮捕の必要性を判断する材料にもなります。
この記事では、警察の呼び出しが2回目になる理由、呼び出しが何回まで続くのか、2回目の事情聴取で逮捕される可能性、そして2回目に臨むときの注意点を解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
警察が2回目の呼び出しをする理由とは?
2回目の呼び出しの理由は、多くの場合「1回目では足りなかった情報を補うため」です。
捜査機関は1回の聴取ですべてを確認できるわけではなく、供述を整理したうえで再度確認するのが通常の進め方です。
2回目の呼び出しには主に4つの理由がある
警察から2回目の呼び出しを受ける理由は、参考人としての呼び出しからさらに詳しい状況の聴取が必要となったり、被疑者として再度呼び出した上で調書を作成したりすること等が挙げられます。
2回目の呼び出し理由の例
- 1回目の供述内容の確認・補充
1回目で聞き取った内容に不明点や矛盾があった場合、その部分を確認するために再度呼び出されます。 - 新たな証拠が見つかった
防犯カメラ映像、通信記録、他の関係者の供述など、1回目のあとに得られた資料について説明を求められることがあります。 - 供述調書を作成するため
1回目は事情を聴き取るだけで終わり、内容が固まった段階で改めて調書を作成することがあります。 - 実況見分や現場確認を挟んだため
現場での確認を行ったうえで、その内容を踏まえて再度聴取するケースです。
どの理由であっても、聴取の目的は「1回目の話を確定させること」に向かっています。2回目で述べた内容は、そのまま事件の記録として残ると考えておくべきです。
事情聴取が2回目でも「疑われている」とは限らない
呼び出しの回数と、嫌疑の強さは必ずしも比例しません。参考人として呼ばれた場合でも、被疑者として呼ばれた場合でも、複数回の聴取は通常の捜査の流れの一部です。
ただし、1回目は参考人だったのが2回目は被疑者として扱われている、というケースはあります。見分けるひとつの目安が、聴取の冒頭で黙秘権(供述を拒むことができること)の告知があったかどうかです。
被疑者の取調べでは告知が必要とされているためです。告知があった場合は、自分が被疑者として扱われている可能性があります。
2回目の呼び出しで注意が必要なケース
次のような事情がある場合は、2回目の聴取に臨む前に弁護士に相談することをおすすめします。
2回目の取り調べの注意点
- 1回目に話した内容と、事実関係が食い違っていることに気づいた
- 1回目は認めていたが、2回目で否認したい(またはその逆)
- 1回目になかった罪名や事実を告げられた
- スマートフォンやパソコンなど、持ち物の提出を求められている
- 「書いてほしいものがある」と言われている(上申書・供述書などの可能性)
いずれのケースにも共通しているのは、2回目の聴取が「事情を聴く場」から「記録に残す場」へ移っているという点です。
ただ、調書が作られる前のこの段階では、まだ結論が出ていないということでもあります。ここでどう説明するかが、その後の処分の方向を左右する可能性があります。
警察の呼び出しは2回目以降も続く?
呼び出しの回数に法律上の上限はなく、警察が捜査に必要な供述と証拠を集め終えるまで続きます。
簡単な事件であれば1〜2回で終わることもあれば、否認している事件や関係者が多い事件では数回以上に及ぶこともあります。
呼び出しの回数に決まりはない
前述したように、呼び出し回数は何回まで、という決まりはありません。事件の内容、証拠の集まり具合、供述の一貫性などによって変わります。
回数が多いこと自体が不利益を意味するわけではありませんが、聴取が続いているということは、捜査機関がまだ判断材料を集めている段階だということです。
1回目の連絡から出頭までの期間や、聴取にかかる時間など、呼び出し全般の流れは警察からの呼び出しの記事で解説しています。
呼び出しが終わるのはどんなとき?
呼び出しが終わるのは、おおむね次のような場合です。
警察からの呼び出しが終わる時
- 捜査に必要な供述と証拠が揃ったとき
調書が完成し、警察としての捜査が一段落した段階です。 - 事件が検察官に送致されたとき
その後は検察庁からの呼び出しに移ります。 - 立件されずに終わったとき
嫌疑が認められなかった場合など、連絡がないまま終わることもあります。
注意したいのは、いずれの場合も、警察から「これで終わりです」と告げられるとは限らないことです。
連絡が途絶えたことと、事件が終わったことは同じではありません。自分の事件がいまどの段階にあるのかは、弁護士を通じて捜査機関に確認することで分かる場合があります。
呼び出しの間隔は1か月以上空くこともある
身体を拘束されていない在宅事件では、身柄事件のような時間制限がありません。
そのため、1回目から2回目まで1か月以上空くことも珍しくありません。間隔が空いていること自体は、捜査が止まっていることを意味しません。
在宅のまま捜査が進む事件の全体の流れや期間は在宅事件の記事をご覧ください。
2回目の呼び出しで逮捕されることもある?
2回目と聞いて、今度こそ逮捕されるのではないかと身構える方は多いはずです。しかし、2回目の呼び出しを受けたからといって逮捕されるわけではないのが実情です。
呼び出しに応じている人がその場で逮捕されるのは例外的
逮捕には、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由に加えて、逮捕の必要性が求められます。証拠を隠したり逃げたりするおそれが高い事件であれば、捜査機関は呼び出しをせず、逮捕状を用意して臨みます。事前に連絡をすれば、その間に証拠を処分されてしまうからです。
裏を返せば、呼び出しという手続がとられている時点で、身体を拘束する必要は高く見られていないと考えることができます。2回目であっても、この評価が自動的に変わるわけではありません。
2回目の呼び出しで逮捕されるのはどんな時?
ただし、2回目の聴取をきっかけに判断が変わることはあります。次のような事情があるときです。
2回目の呼び出しで逮捕される可能性のある例
- 供述と客観的な証拠との矛盾が大きく、説明がつかない
- 関係者との口裏合わせが疑われている
- 呼び出しを繰り返し拒んでいる
- 2回目の聴取で、それまで分かっていなかった重大な事実が判明した
- 被害者や関係者に接触していたことが発覚した
いずれも、捜査機関から見て「このまま身体を拘束せずに捜査を進めて差し支えないか」を疑わせる事情です。
見方を変えれば、心当たりがある場合でも、説明を整理し、証拠を隠したり逃げたりする意思がないことを示せれば、判断は変わりえます。
2回目の呼び出しは、その準備ができる最後の機会になることもあります。呼び出しを受けてから出頭日までの数日が、その後を分ける可能性は十分にあります。
関連記事
・逮捕されたらすぐに呼ぶべき弁護士とは|弁護士費用と連絡方法
警察からの2回目の呼び出しは断れる?
任意の呼び出しは2回目でも断れる
任意の呼び出しである以上、応じるかどうかは本人が決められます。参考人として呼ばれた場合も、被疑者として任意で呼ばれた場合も同じです。2回目だからといって強制力が加わるわけではありません。
断り続けると逮捕の理由になる
ただし、断れることと、断ってよいことは別です。拒否を重ねた場合、捜査機関はその態度そのものを評価の対象にします。
証拠を隠そうとしている、あるいは逃げるおそれがあると判断されれば、任意の聴取から逮捕へ切り替えられる可能性があります。
1回目に応じておきながら2回目を拒むと、その落差が理由を尋ねられる材料にもなります。応じたくない事情があるのなら、拒否という形をとる前に弁護士へ相談してください。
日程が合わないときの伝え方
都合がつかないだけであれば、断るのではなく調整を申し出るのが現実的です。伝え方の要点は3つあります。
- 応じる意思があることを先に伝える
「行けません」ではなく「その日は難しいので別の日にしてほしい」と伝えます。 - 候補日を自分から出す
調整の意思が形になり、引き延ばしと受け取られにくくなります。 - 担当者名と連絡先を控える
その後のやりとりが確実になります。
仕事の都合を理由に別の日へ変更してもらえる可能性は十分にあり、土日や夜間に設定されることもあります。
行政手続きの呼び出しは無視できない
なお、警察からの呼び出しには、刑事事件の捜査ではないものもあります。代表的なのが、運転免許の停止処分に関する出頭通知や、交通違反の反則金に関する出頭要請です。
これらは任意の事情聴取とは性質が違います。免許停止に関する出頭に応じなくても逮捕されるわけではありませんが、弁明の機会がないまま処分が進み、通知も受け取りにくくなるため、本人にとって不利にしかなりません。
また、反則金の納付や出頭の求めに応じないまま放置した場合は、反則金では済まず、刑事手続に移行することがあります。
刑事の呼び出しか行政の呼び出しかで、とるべき対応は変わります。手元の通知書がどちらのものか、まず確認してください。判断がつかないときは、通知書を手元に置いたうえで弁護士に相談すれば、その場で見分けがつきます。
2回目の事情聴取で気をつけること
ここからは、2回目の聴取の場で実際に問題になりやすい3つの場面を扱います。
1回目と違うことを言ってしまったら
供述が変わること自体が、ただちに不利になるわけではありません。問われるのは、なぜ変わったのかを説明できるかどうかです。記憶違いであれば記憶違いとして、思い出した経緯があるならその経緯を、そのまま伝えてください。
1回目の調書にすでに署名していても、後から訂正を申し出る道はあります。ただし、説明のつかない変遷は供述の信用性を下げる方向に働きます。「前回はよく覚えていなかった」で押し通すのではなく、なぜ今そう言えるのかまで整理しておくことが分かれ目になります。
2回目で作られた調書に署名押印は必要か
供述調書への署名押印は拒めます。調書は検察官が起訴・不起訴を判断する際の材料となり、裁判で証拠として扱われることもある書面です。
読み上げられた内容が自分の話したことと違う場合は、その場で訂正を求めてください。訂正に応じてもらえないのであれば、署名押印をしないという選択ができます。納得できないまま署名することだけは避けるべきです。
黙秘権は2回目でも同じように使える
被疑者には、2回目以降の取調べでも黙秘権があります。ただし、事実を争っていない事件でまったく話さない対応が有利に働くとは限りません。どこまで話すかは、事件の内容と自分の立場によって変わります。詳しくは黙秘権の記事をご覧ください。
事情聴取そのものの流れや所要時間、聞かれる内容については警察の事情聴取、取調べで不当な扱いを受けた場合の対応は警察の取り調べの記事で解説しています。
警察の呼び出し2回目に関するよくある質問
警察からの呼び出しは土日でも来る?
平日が中心ですが、呼ばれる側の仕事の都合に合わせて土日に設定されることもあります。日程の調整を申し出た結果として、休日や夜間になる例もあります。
聴取のやりとりを録音してもいい?
録音そのものを禁じる規定はありません。ただし発覚した場合に警察との関係が悪くなり、かえって不利に働くこともあるため、事前に弁護士へ相談してください。
1回目のあと、呼び出しが来ないまま時間が経ったらもう終わり?
在宅事件では次の連絡まで間隔が空きます。そのまま立件されずに終わる例もありますが、時間が経ったことだけを理由に捜査が終わったと判断することはできません。
2回目の呼び出しを受けたら弁護士に相談を
2回目の呼び出しは、1回目より弁護士に相談する意味が大きい場面です。1回目で何をどこまで話したかが確定しており、そのうえで何を求められているのかが読めるからです。弁護士に依頼した場合、次のような対応ができます。
- 呼び出しの意図と見通しの把握
1回目の内容と2回目の要請から、捜査がどの段階にあるかを検討します。 - 話す内容の整理
1回目との食い違いがある場合、どう説明するかを事前に組み立てます。 - 調書への対応
署名押印すべきか、訂正を求めるべきかの判断を支えます。 - 警察署への同行
取調べそのものへの同席は認められないことが多いものの、署内で待機し、聴取の合間に助言できます。 - 示談交渉の着手
被害者のいる事件では、早い段階での示談が不起訴につながります。
動けるのは、呼び出しを受けてから出頭日までのわずかな期間です。この間に事実関係を整理し、必要であれば示談交渉に着手できるかどうかで、その後の見通しは変わります。
2回目の呼び出しを受けて不安を感じている段階であれば、まだ打てる手は残っています。まずは一度ご相談ください。


