刑事事件は刑法の規定に基づいて処罰される「刑法犯」と刑法以外の法律の規定に基づいて処罰される「特別法犯」の2種類に分類されます。
この記事では、刑事事件の種類について説明します。
「刑法犯」と「特別法犯」の違いについて知りたい方は最後までお読みください。
目次
刑事事件とは
刑事事件とは、刑法や条例などに定められた一定の罪を犯した事件のことです。
刑事事件を起こすと、警察や検察などの捜査機関から捜査を受ける場合があります。
捜査の結果、犯人であると証拠が固まり、検察官が刑罰を科す必要があると判断した場合には起訴処分を受けます。
起訴されると刑事裁判が開かれ、有罪か無罪かを裁判官が判断します。
日本の刑事事件では、起訴されると99%以上の確率で有罪判決を受けます。前科を回避したい場合には検察官から不起訴処分を得ることが、重要なポイントです。
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刑事事件の種類
刑法犯
刑法犯とは、主に刑法で規定されている罪を犯した刑事事件のことです。
刑法犯の代表例としては、殺人、傷害、不同意性交等、窃盗、横領などが挙げられます。
刑法犯に該当する犯罪は、いつどこでも犯罪とされる、人の身体や財産に被害をもたらしうるような行為が多いです。
刑法犯は、その性質や内容によって、6種類に分類されています(警察庁の分類による)。
刑法犯①「凶悪犯」
殺人、強盗、放火、不同意性交等(強姦)
刑法犯②「粗暴犯」
暴行、傷害、脅迫、恐喝及び凶器準備集合
刑法犯③「窃盗犯」
窃盗
刑法犯④「知能犯」
詐欺、横領、偽造、汚職、背任など
刑法犯⑤「風俗犯」
賭博及びわいせつ
刑法犯⑥「その他の刑法犯」
公務執行妨害、住居侵入、逮捕監禁、器物損壊等
なお、警察庁の統計では、「爆発物取締罰則」「暴力行為等処罰ニ関スル法律」などに規定されている各罪に該当する場合も刑法犯になります。
刑法犯になる罪を定めたその他の法律
- 「決闘罪ニ関スル件」
- 「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」
- 「航空機の強取等の処罰に関する法律」
- 「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」
- 「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律」
- 「人質による強要行為等の処罰に関する法律」
- 「流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法」
- 「サリン等による人身被害の防止に関する法律」
- 「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」
- 「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」
- 「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律」
特別法犯
「刑法犯」以外の罪を犯した事件のことを「特別法犯」といいます。
「特別法犯」の具体例としては、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反、軽犯罪法違反、出入国管理法違反、銃刀法違反等が挙げられます。
特別法犯は、元の刑法には規定がなかったものの、社会状況に応じて新たに成立した法律で規定されている罪を犯した刑事事件のことです。
各都道府県における迷惑防止条例違反なども特別法犯の一つです。
特別法犯についても刑法犯と同様、犯罪類型に応じて死刑・懲役・禁錮・罰金・科料の法定刑が予定されています。
なお、警察の統計においては、交通事故に係る過失致死傷、ならびに道路交通法および自動車の保管場所の確保等に関する法律に規定される罪は、特別法犯からは除かれます。
刑事事件に関するよくある質問
刑事事件の種類によって、処罰はどのように異なりますか?
刑事事件の種類によって、処罰は異なります。
軽微な犯罪では、罰金や科料が科せられますが、重大な犯罪では、懲役刑などの実刑が科せられることもあります。
また、死刑が科せられる犯罪もあります。
刑事事件を起こしてしまった場合は、早めに弁護士に相談して、適切な対応をすることが重要です。
刑事事件を起こしてしまった場合、どうすればよいですか?
刑事事件を起こした場合には、警察に発覚して逮捕されているケース、警察に発覚したが逮捕されていないケース、警察に発覚していないケースが考えられます。
どのケースであっても、事件直後に弁護士に相談することをおすすめします。
警察が介入している事件であれば、取り調べでの注意点や供述方法などをアドバイス可能です。
警察の介入前でも弁護士であれば状況を適切に判断し、自首をすべきか、示談を積極的に進めるべきかなど、処罰をなるべく軽くするための弁護活動をします。
刑事事件を起こした時に、弁護士に相談するメリットは何ですか?
刑事事件を起こした場合に弁護士に相談するメリットは、「被害者対応の代行」「警察対応のアドバイス」などのメリットがあります。
刑事事件は、人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。
警察の誘導通りに供述してしまい、起訴されて前科がついてしまうこともあるでしょう。また、被害者との示談交渉がうまくいかずに、法外な金額を支払ってしまうケースもあるかもしれません。
しかし弁護士であれば、当事者の権利を守り、最善の解決策を導き出すために全力でサポートすることが可能です。
刑事事件を起こしてしまった場合は、すぐに弁護士に相談してください。