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保釈申請(保釈請求)とは?|保釈される条件と必要な保釈金

ご家族など大切な方が逮捕・勾留され、身柄の拘束が続いている場合「保釈で釈放してほしい」というご要望は少なくありません。しかし、保釈は起訴されなければ申請できず、一定の条件や保釈金の納付が必要になります。どのような場合に保釈が認められるのか、申請から保釈金の納付の方法、釈放までにかかる時間や手続きの流れを知っておくと、いざという時に早期の釈放を目指すことができます。ここでは保釈の条件や流れに加え、保釈金の相場やお金を確保する方法、についてご説明します。

保釈申請(保釈請求)とは?

保釈とはどのような制度?|3種類の保釈

保釈とは、逮捕されて以降身柄を拘束されている人が起訴された場合に、一定の金額の保釈金を預けることを条件に釈放してもらう手続きのことを言います。保釈されるには、裁判官によって保釈請求が許可されること、保釈金を納めることが条件になります。

保釈には、権利保釈・裁量保釈・義務的保釈の3種類があります。権利保釈は、重い罪を犯したり同様の前科や常習性がある、証拠隠滅の恐れがある等の例外を除き原則認められる保釈です。裁量保釈は権利保釈以外の場合に裁判官が認める保釈、義務的保釈は勾留が不当に長い場合に許可しなければならない保釈です。

保釈申請はどのタイミングですることができる?

保釈は、検察官が刑事裁判をすることを決める手続(起訴)をしてから初めて請求することができます。保釈の申請は、起訴されたそのタイミングからすることができます。逮捕されて以降勾留が続き身柄が拘束されている場合でも、起訴されると保釈による釈放のチャンスがあることになります。

反面、今回の事件が捜査されている起訴前の段階では、保釈申請はできません。逮捕・勾留中は保釈申請ができないため、弁護士に依頼して勾留されないように意見書を出してもらったり、勾留された場合は「準抗告」という不服申し立ての制度を利用して釈放を目指すことになります。

保釈申請は誰でもすることができる?

保釈申請は、誰でもできるわけではありません。申請できるのは、被告人本人、その弁護人、法定代理人(未成年の場合の両親等)、保佐人(判断能力が不十分な人の権利を守るために、慎重な判断が必要な場面で判断や同意等する人)、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹に限られます(刑事訴訟法88条1項)。

裁判所または裁判官に対して、保釈請求書という書面を提出して行います。本人やご家族も保釈申請できるとはいえ、実際は自力で保釈請求書を作成し提出することは難しく、弁護人が行うのが通常です。中には国選弁護人が保釈請求をしてくれないという場合もあるため、心配な場合は確認してみましょう。

保釈金の相場はいくら?

保釈金の額は、犯罪の性質や事情、証拠、被告人の性格や資産を考慮して、被告人の出頭を保証できる金額とされています(刑事訴訟法93条2項)。具体的には、刑罰が重く犯情も悪い場合や、事件を争っている場合、高収入の場合等は高額になりやすく、初犯の場合は再犯に比べ低額になりやすいです。

芸能人や政治家の事件では、保釈金が数千万から数億円になり話題になることもあります。しかし、一般的な刑事事件の保釈金の金額は150万円から300万円程度が相場です。ただし、同じ窃盗事件でも万引きかひったくりか、大麻所持の大麻の量など、犯罪の事情によって保釈金の額は大きく変わります。

保釈申請は弁護士に依頼するべき?

保釈申請は弁護士でなくてもできますが、保釈してほしい場合は弁護人に依頼することをお勧めします。保釈は、保釈金があれば認められるものではありません。保釈金を預けることで、逃亡や証拠隠滅しないことを担保するものなので、保釈申請では逃亡等をしないことを裁判官に理解してもらう必要があります。

具体的には、保釈が許可されるかを判断する事情となる、刑罰や犯行態様、前科、有罪の可能性、被告人の財産や就労状況、身元引受人の有無等を踏まえ、弁護人を通して、犯情の説明をしたり、身元引受人のサポート体制を整えるなどして、罪証隠滅やお礼参りの恐れがないことを説明することが重要です。

保釈申請~釈放されるまでの手続きと流れとは?

①起訴後に保釈申請を行う

保釈申請は、裁判所に「保釈請求書」を提出して行います。保釈請求書は、裁判所の刑事部を宛先にして、事件名、被告人の住所・氏名・生年月日のほか、保釈を請求するという「請求の趣旨」と、保釈が認められるべきという「請求の理由」を記載し、申請する被告人との関係を明らかにして署名押印します。

保釈請求書には、添付資料として、示談が成立している場合は示談書の写しや、身元引受書、ご家族が保釈による釈放を望む旨を記載した嘆願書なども提出することもあります。なお、保釈の申請は口頭による申請も可能とされていますが、通常は書面を提出して行います(刑事訴訟法規則296条)。

②裁判官面接・検察官意見が行われる

弁護士などから保釈が申請されると、保釈許可の決定の前に裁判官が検察官の意見を求めます。検察官は、保釈を認めてよいという「相当」、保釈すべきでないという「不相当」、裁判官に任せるという「しかるべく」の3つのどれかを答えますが、通常は不相当です。この場合、理由も書面で添付されます。

弁護人も希望した場合は保釈について担当裁判官と面接することができます。上記の検察官意見は閲覧できますが、通常は保釈の判断後のため、面接前に検察官の意見を知ることはできません。なお、面接で裁判官から保釈金額に関する話がでれば、保釈される可能性が高いと言われています。

③保釈許可決定がなされる

裁判官は、検察官意見、弁護人面接を経て保釈を認めるかどうか決定します。その際は、保釈金の金額に加え、釈放後の住居や旅行の制限などの条件も決めて付されます。裁判所にもよっても異なりますが、保釈請求当日に保釈されることは少なく、翌日や2~3日後になることもあります。

保釈が不許可になった場合は「準抗告」により不服を申し立てることができますが、逆に保釈が許可されても検察側が不服を申し立てる事があります。準抗告では、担当裁判官以外の3人の裁判官が判断します。保釈不許可決定が覆れば保釈金を払って釈放されますが、保釈許可決定が覆ると釈放されません。

④保釈金の納付を行う

保釈金は、現金で納付するのが原則です。ご家族が自ら裁判所に出向いて納める必要はなく、弁護人がご家族から預った保釈金を裁判所に納付するのが通常です。保釈金を納付する際、保釈金の返還先口座を記入した書面も提出し、被告人が逃亡等せず裁判を終えると、保釈金は指定口座に全額還付されます。

なお、最近は、事前登録することで、保釈金を銀行やネットバンキングで電子納付できるようになりました。刑事裁判所の管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による(刑事訴訟法第2条)とされ、遠方の裁判所になることもあるため、電子納付によってスピード対応が可能になりました。

⑤被告人が釈放される

保釈許可の決定を受けて弁護人が裁判所の出納課に保釈金を納付し、領収印が押印された書類を担当部署に提出すると、裁判所から検察庁に連絡が行き、その日のうちに被告人は釈放されます。ケースにもよりますが、保釈金を納付してから2~3時間はかかることが多いようです。

保釈許可の決定が出る時間帯は裁判官の事件量等によって変わりますが、通常は13時以降になります。当日中の釈放を希望する場合は、事前に保釈金を弁護人に預けておくことをお勧めします。なお、釈放時、被告人の私物は紙袋で渡されますが、量が多いと一人で運べないので迎えに行かれると安心です。

保釈の審査・保釈されるまでにかかる日数は?

保釈の申請をしてから審査を経て保釈の決定が出るまでにかかる日数は、2~3営業日、長くても1週間というのが通常です。保釈決定が出ると、すぐに保釈金を納付すれば、その数時間後には釈放されるため、釈放されるまでに要する日数も同程度と考えて構いません。

保釈金の納付時期にリミットはないので、保釈金の準備に時間がかかっても、保釈の決定が取り消されることはありません。早く保釈で釈放されたい場合は、原則裁判所の営業時間である17時~17時半頃までに納付します。保釈金が納付されれば、どんなに夜遅くても釈放されなければなりません。

保釈申請に必要な書類は?

保釈申請に必要な書類には、まず「保釈請求書」があります。保釈請求書には被告人を特定する事項のほか、保釈を求める旨とその理由を記載し、申立人と被告人との関係を示して署名押印します。弁護人を除く被告人以外の人が申立てる場合は申立て権者の証明のため戸籍謄本も必要です。

次に、保釈請求書に加えて、身元引受人の「身元引受書」や、釈放された後に住む場所の「住民票」、家族や友人が被告人を監督することを記載した「上申書」や、既に示談が済んでいる場合は「示談書」などを提出します。これらは、保釈で釈放後に逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを示すのに有効です。

保釈後は自由な生活ができる?

保釈されると、通勤や通学など、基本的には自由に日常生活を送ることができます。家族と過ごせる上、弁護人とも密に面談して裁判に備えられるので、保釈には非常に大きなメリットがあります。ただし、裁判前の身なので、裁判所に指定された条件に違反しないという一定の制約はあります

例えば、裁判所が指定した制限住居で生活すること、裁判所から呼び出されたら出頭すること、逃亡や証拠隠滅をしたり関係者と接触しないこと、海外旅行または3日以上の旅行は事前に裁判所の許可を受けることなどです。これらに違反すると保釈が取り消され保釈金も取り上げられるので注意しましょう。

保釈申請が通らない・保釈金が足りないときの対処法

保釈申請が許可されるための条件とは?

保釈申請が許可されるためには、 「死刑・無期懲役又は、法定刑の刑期の下限が1年以上の懲役・禁固刑」にあたる重罪でないこと、法定刑の上限が10年を超える罪の前科がないこと、常習性がないこと、証拠隠滅やお礼参りのおそれがないこと、氏名・住所が明らかなことが条件です。

上記の条件に当てはまれば、必要的保釈として原則保釈は認められます。上記にあたらない場合でも、被告人が病気で治療が必要であるとか、仕事上どうしても被告人が必要な場合に裁判官が職権で釈放を認める場合(裁量保釈)、勾留が不当に長期化し認めなければならない場合(義務的保釈)があります。

保釈申請却下に納得がいかないときの対処法|異議申立て

保釈申請が却下され、不許可になった場合は「準抗告」という手続きで不服を申し立てることができます。準抗告は、裁判官も間違った判断をすることもあるので、別の裁判官によってその判断の是非を問うものです。保釈の場合は、保釈請求を却下した裁判官以外の3人の裁判官によって見直しがされます。

準抗告が認められ、当初保釈請求を却下した裁判官の判断が誤りだったとされると、保釈請求が認められます。また、一度保釈が認められなかった場合でも、裁判で証拠が全部出された後ならば証拠隠滅の恐れがなくなった等として、後日請求し直すことで、保釈が認められる場合もあります。

保釈金が足りないときのときの対処法|日本保釈支援協会の利用

保釈金が足りないからと言って、保釈をあきらめる必要はありません。保釈金の代わりに保証書を納める方法もありますが、裁判所の代納許可が必要で積極的には認められていません。そのような場合は、保釈保証金の支援を目的とする有志の団体である「保釈支援協会」を利用することも可能です。

保釈支援協会は、被告人以外の申請によって罪名や前科が審査され、500万円を上限に保釈金を立替えてくれます。裁判が終わり保釈金が戻れば保釈金を返金します。手数料は150万円で3万円程度です。保釈金立替を謳う業者には悪質なところもあるので、利用の際は弁護士にご相談ください。

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