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偽物ブランド品の販売は罪になる!商標法違反で逮捕される?

偽物ブランドの販売

昨今、安易な気持ちで偽物のブランド品を売ってしまい、あとから商標法や刑法、不正競争防止法等に違反したとして刑罰などを受けてしまう方が非常に多くなっています。

  • 「海外で買った偽物のブランド品を正規品と偽って転売したら違法?」
  • 「自作の商品に高級ブランドのロゴを貼ったら罪になる?」

この記事では、商標法違反がどのような罪なのかといった点や、どのように偽物を販売すると商標法や刑法に違反したとされてしまうのか、これらに違反するとどのような刑罰が科されるのかなどについて解説していきます。

商標法違反では逮捕される可能性もあるので、逮捕後の流れや逮捕された場合の対策も含めて解説します。最後までご覧ください。

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偽物ブランド品販売は商標法違反の罪になる

商標法違反とは?

商標法違反とは、自社製品と他社製品を識別したり区別したりするための表示・マークである商標を侵害する犯罪です。無断でブランドロゴを使用したり、本物を模造して類似商品を作ったりして偽物のブランド品を販売すると、商標法違反の罪に問われます。

商標法違反の具体例

  • 高級ブランドのロゴにそっくり真似たロゴを自社製品に貼り付け無断で販売した
  • 商標登録済みの有名キャラクターを使って趣味で作っていたアイテムを知人に頼まれて販売した
  • メルカリやヤフオクなどのフリマサイトで偽物のブランド品を販売した
  • 偽のブランド品を販売する目的で所持していた
  • 偽物であると認識したうえで商品を輸入したり輸出したりした

商標の種類には色々なものがあり、具体的には、文字・記号・図形・文字と記号・文字と図形の組み合わせ、立体・音・動き・ホログラム・色彩・位置です。たとえば、高級ブランド品のロゴや特有の図柄、特有のデザインなどは、商標の代表的な一例です。

会社や個人事業主が特許庁に申請(出願)して商標を登録した場合、申請した会社等にはその商標を独占して使用することができる商標権という権利が保障されます。

権利者以外が商標権を使用することはできません。商標権は、以下の内容の効力を持つからです。

  • 主に自社製品の商品を独占的に使用することができる(商標法第第25条)
  • 他人・他者が登録商標を使用、もしくは登録商標に類似したマーク等を使用した場合に、その使用を禁止させる(商標法第36条等)

商標権の効力の範囲としては、特許庁に申請して登録を受けた分野の商品・サービスに対して及びます。

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商標法違反した場合の刑罰

個人が商標権を侵害した場合、「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれらの併科」の刑罰が科される可能性があります(商標法78条)。

また、法人の代表者や従業員が、法人として模倣品を輸入したり、販売したりした場合には、上記の罰則に加えて法人に対しても「3億円以下の罰金」の刑罰が科される可能性があります(商標法82条1項1号)。

さらに、実際に販売した場合に限らず、メルカリやヤフオクなどで出品したものの、購入・落札されなかったような場合でも、商標権侵害の準備行為のために商標侵害品を所持したとして商標法違反に問われます。この場合、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」の刑罰が科される可能性があります(商標法第78条の2)。

商標権侵害の刑罰まとめ

個人法人準備行為
懲役10年5年
罰金1000万円3億円500万円
併科ありあり

偽物ブランド品販売の時効

偽物のブランド品の販売等に関する公訴時効(検察官が起訴できなくなる時効)は、それぞれ次のとおりです。

  • 商標法第78条に該当する場合には、一番最後に商標権を侵害したときから7年
  • 模倣品を出品し購入や落札はされなかった場合の時効は、最後に商標権を侵害したときから5年
  • 詐欺罪においては、公訴時効は詐欺行為が終わったときから7年
  • 不正競争防止法違反は、違反行為をしたときから5年

ご覧の通り、偽物のブランド品を販売する行為は商標法違反だけでなく、詐欺罪や不正競争防止法違反などその他の罪にも問われる可能性があります。つづいては、そういった商標法違反以外の罪についてみていきましょう。

偽物ブランド品販売は商標法違反以外にも問われる罪がある

詐欺罪が成立する可能性

偽のブランド品や偽物だと疑われるような品を本物だと偽って販売し、購入者がこれを本物のブランド品と信じて購入した場合には、刑法第246条1項の詐欺罪が成立します。

詐欺罪の場合、「10年以下の懲役」となる可能性があります。

詐欺罪と聞くと、特殊詐欺や結婚詐欺などのイメージがあるかもしれませんが、偽物を本物と偽って購入させる行為は詐欺罪に該当するのです。詐欺罪について詳しくは『詐欺罪は逮捕されたら初犯でも実刑?懲役の平均・執行猶予の割合もわかる』の記事もあわせてご確認いただくと理解が深まるでしょう。

不正競争防止法違反になる可能性

本物そっくりな偽のブランド品もしくは本物に類似している偽のブランド品を販売・出品・海外で購入して仕入するなどをした場合、ケースに応じて不正競争にあたります(不正競争防止法第2条1項1号、2号、3号)。

これらを事業目的として行い、不正な利益を得る目的で行なっていたときなどには、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」となる可能性があります(不正競争防止法第21条2項1号から3号)。

不正競争防止法違反についてより深掘りした解説記事『不正競争防止法違反の具体例と刑罰|会社のデータ持ち出しは営業秘密侵害罪?』もあわせてご確認ください。

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意匠法違反・著作権法違反になる可能性

偽物のブランド品を販売したり譲渡したりする行為は、場合によって意匠法違反・著作権法違反に該当する可能性もあるでしょう。

意匠法違反と著作権法違反はともに、「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」となる可能性があります(意匠法69条、著作権法119条)。

偽物販売と商標法違反でよくある質問

Q.メルカリなどでの転売も商標法違反?

メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでは、一般の市場に流通する商品を転売する行為が横行しています。本物をそのまま転売する行為については商標権侵害に問われることはありませんが、状況によっては転売が商標法違反となる可能性はあるでしょう。

転売行為で商標法違反となる可能性があるケースは次の通りです。

  • 無断で第三者が商標を付けた偽物を転売する行為
  • 一般の市場で販売する予定にないサンプル品・不良品を入手して不正に転売する行為
  • 一般の市場に売られている本物を改造して転売する行為
  • 一般の市場に売られている本物を小分けにしたり再包装したりして転売する行為

安易な転売行為は商標法違反になる可能性があるので注意してください。

Q.偽物ブランド品の購入・所持も商標法違反?

偽物のブランド品を個人で使用する目的で、購入したり所持する行為であれば商標法違反とはなりません。

ただし、偽物のブランド品を販売目的で所持する行為は商標権侵害とみなされる行為なので、商標法違反になります(商標法37条6号)。単に偽物のブランド品を所持しているだけでは他人の商標の侵害とはいえませんが、販売目的であれば侵害行為と評価されるからです。

販売目的で偽物を所持する場合も、商標権侵害の準備行為として、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(同法78条の2)。

販売目的の所持かどうかは、販売・出品したことがあるかどうかや、所持する偽物のブランド品の数、購入方法や購入回数などから判断されることになります。

注意!個人使用の目的で個人輸入する場合

個人で使用する目的で海外から偽物を個人輸入した場合、税関で没収・廃棄されます。個人輸入を装って、偽物を販売目的で輸入するケースが多いため、個人輸入についても規制が強化されることとなったのです。

また、頻繁に偽のブランド品を購入して、フリマアプリで販売を繰り返すなどした場合、販売目的だと判断されて罪に問われる可能性があるでしょう。

Q.メルカリなどで正規品の確証なく販売した?

フリマサイトのメルカリでは「購入時のレシート写真がないもの」「シリアルナンバーの写真がないもの」「購入経路が不明確なもの」は、正規品として確証のない商品として出品が削除されることがあると明記しています(メルカリ「偽ブランド品、正規品と確証のないもの(禁止されている出品物)」より参照)。

偽物の販売は、メルカリでの出品が削除されるだけでなく、刑罰が科される可能性のある違法行為です。確証のない商品は安易に販売しないようにしましょう。

Q.偽物だと知らずにメルカリなどで販売した?

実際に偽物や模造品をメルカリなどのフリマサイトで売りはしたものの、それが正規品だと知らなかったという場合、犯罪に故意が無かったとして原則として罪に問われることはありません。

ただし、警察や検察といった捜査機関からすれば、本当に偽物や模倣品であることを知らなかったどうかについてはわからないので、商標法違反の故意があったものとしてまず疑ってかかられることになるでしょう。

そのため、実務上は偽物や模倣品を販売したという事実のみで警察の捜査が入り、逮捕されてしまう可能性もあります。逮捕されれば長期にわたり身体拘束が行われ、たとえ将来的に不起訴や無罪になったとしても日常生活に大きな影響が生じるおそれもあります。

ご家族が逮捕されてしまった場合や、警察の捜査が入ることになって逮捕されるかもしれないと不安な場合は、弁護士に今後の対応について相談してみましょう。

Q.商標を用いた類似サービスや類似商標もアウト?

登録された商標を用いて類似する製品・サービスの提供、類似する商標で類似する製品・サービスの提供をすることは、みなし侵害行為として商標権を侵害する違法行為です(商標法37条)。また、これらの準備行為をした場合も同様に、違法行為となります。

みなし侵害行為をした場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方が併科されます(同78条の2)。

具体的には、ブランドのロゴをもじった商品やパロディ商品の販売、商品の包装紙や容器に商標を付ける行為、他者の商標を無断で利用した商品を販売するために所持する行為などがあります。

よくある例

有名ブランドXに似たロゴの入ったポーチを、ネットオークションで販売した。もっとも、ネットオークションに出品する際、ブランドXの名前は出していなかった。ポーチはブランドX風の商品として人気があった。

Q.会社(法人)が商標権を侵害すると刑罰はより重い?

個人で商標権を侵害した場合よりも、会社(法人)が行うとさらに刑罰が重くなります。

法人の業務として、法人の代表者や従業者等が商標権を侵害する行為をした場合、行為者に「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはそれらの併科」の刑罰が科されることに加え、法人に対して「3億円以下の罰金刑」が科されます(商標法82条1項1号)。

商標法は、商標法の権利者の信用維持を目的とするため、違反する法人に重いペナルティが課されています。

商標法や刑法等に違反したらその後はどうなる?

商標法違反等の発覚までの流れ

模倣品や偽物のブランド品の販売はバレないとお思いの方も多いです。しかし実際には色々なルートで発覚し、検挙に至るケースも数多くあります。

まず偽のブランド品の購入者や出品サイトを知った一般の消費者等は、インターネット上にある申告フォーム等により運営事業者やブランド品の商標権を有する企業等に通報をすることができます。

運営事業者であれば、商品の販売を停止するなどの対応を取られるにとどまる場合もあります。しかし、商標権を有する企業の知るところとなった場合、警告書が送付されてくるにとどまらず、不法行為に基づく損害賠償請求をするのに合わせて、警察に被害届を出すことも想定されます。

また、商品を購入し実際に騙されたことを知った消費者については、警察に通報し被害届を出したりすることも考えられます。

いずれにせよ事件について把握した警察は、出品サイトに登録された情報などから販売者を特定し、検挙に向けて捜査を開始します。

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発覚後の刑事手続きの流れ|必ず逮捕される?

商標法違反は、起訴するにあたって被害者の同意(告訴)が必要な親告罪ではありません。そのため、偽物のブランド品を事業などの目的で取り扱っていることが警察の知るところとなれば、捜査を開始する可能性があります。

商標法違反の場合には、商品を取り扱っているという特殊性から、他にも偽物のブランド品を所持しているのではないかと疑われます。このことから、家宅捜索が行なわれる可能性は極めて高いでしょう。

ある日、突然に警察が自宅に家宅捜索に来て、任意同行を求められたり、逮捕が行われる可能性も十分に考えられるわけです。ただし、逮捕は必ずされる訳ではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に逮捕される可能性があります。

逮捕されると、勾留決定がでるまでの約3日間は弁護士にしか会えず、勾留されることになれば、それから約20日間も留置される可能性があります。

逮捕の流れ

その後、起訴されて有罪判決が下された場合には、刑罰等を受ける可能性があります。

商標法違反が発覚したら早期に弁護士相談

偽物のブランド品をヤフオクやメルカリなどで出品したり販売することは、様々な法令違反のリスクを伴います。事案の特殊性から、自分の気づかないうちに通報されて捜査が開始しているおそれもあるでしょう。

もし偽物のブランド品を販売してしまった場合や、急に逮捕されてしまった場合には、早期に刑事事件に強い弁護士を依頼したほうが良いです。

弁護士は逮捕・勾留の回避、不起訴処分の獲得、実刑の回避といった側面から依頼者の方を支援することができます。

弁護士相談のメリット

  • 逮捕・勾留の回避を目指すた対策を立てられる
  • 不起訴処分の獲得を目指す対策を立てられる
  • 実刑の回避を目指す対策を立てられる
    etc.

日常生活への影響を最小限に抑えるためにも、まずは弁護士への相談を検討して下さい。

商標法違反事件で弁護士に相談するべきか迷われている場合は、『商標法違反が疑われたら弁護士に相談|商標法違反での弁護活動』の記事もあわせてご覧いただくことをおすすめします。

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弁護士の口コミ・アトムを選んだお客様の声

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yh2017057

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ng2017021

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了