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住居侵入罪・建造物侵入罪は初犯でも逮捕?示談や刑罰の相場を弁護士が解説

住居侵入罪の初犯

つい出来心から住居侵入・建造物侵入をしてしまうと、どのような処罰を受けるのでしょうか?

初犯でも逮捕されるのか?」「初犯でも有罪になるのか?」など、今後の対応への不安が尽きない方も多いでしょう。

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯は、示談が成立すれば刑事処分が軽くなる可能性が高いです。

刑罰の重さ逮捕される可能性示談などの弁護活動についてお悩みの方は、ぜひ最後まで本記事をご覧ください。

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住居侵入罪・建造物侵入罪とは?初犯の基礎知識

住居侵入罪とは?

住居侵入罪は、刑法130条に規定されています。

住居侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居に侵入した場合に成立する犯罪です。

(住居侵入等)第百三十条

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

刑法130条

住居侵入罪の成立要件

「人の住居」

住居侵入罪の「人の住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所、つまり人が居住するために使用している場所のことです。

具体的には、自宅、アパート、マンション、借家、一時滞在のホテル・旅館の部屋・船室などが挙げられます。アパートの階段通路や屋上(広島高判昭和51年4月1日高刑29-2-240)、庭等が住居侵入罪の「人の住居」にあたります。

たとえば、戸建て住宅の裏庭に侵入して、住居内をのぞいたような場合は、住居侵入罪と軽犯罪法1条23号違反の罪に問われる可能性があります(最三判昭和57年3月16日刑集36-3-260)。

「侵入」

住居侵入罪の「侵入」とは、住居権者(居住者等)の意思に反する立ち入りのことをいいます。

住居権者の同意があれば、基本的には住居侵入罪は成立しません。

ただし、強盗の意図を隠して「今晩は」とあいさつし、家人が「おはいり」と答えたのに応じて住居に入った事案において、「外見上、家人の承諾があったように見えても、真実においてはその承諾を欠く」として住居侵入罪に問われた裁判があります(最大判昭和24年7月22日 刑集3-8-1363)。犯罪を目的とする立ち入りの場合は、住居侵入罪の「侵入」にあたる可能性が高いといえるでしょう。

「正当な理由がないのに」

住居侵入罪の「正当な理由」とは、警察官の捜査(刑事訴訟法にもとづく捜索、押収、検証)のための立ち入り、正当な争議行為等をいいます。

これらの事由がなければ、「正当な理由がない」ことになります。

住居侵入罪の既遂時期

住居侵入罪は、身体の全部が住居や囲繞地に入った時点で既遂になります。一方、塀を乗り越えようとしている状態では、住居侵入罪は未遂です。

住居侵入罪の未遂は処罰されます。

第百三十条の罪の未遂は、罰する。

刑法132条

住居侵入罪の既遂と未遂の区別

たとえば、盗撮目的でマンションのエントランスやベランダに侵入してしまったのであれば、住居侵入罪の既遂に問われると考えらえます。

一方、一軒家に侵入しようとして、塀を乗り越えようとしている状態では、住居侵入罪の未遂にとどまります。この時点で「やっぱり住居侵入はダメなことだ。やめておこう。」と思って、住居侵入を自ら中止した場合は、刑罰が軽くなったり、免除されたりする可能性もあるでしょう。

犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

刑法43条

建造物侵入罪とは?

建造物侵入罪は、住居侵入罪と同じ刑法130条に規定が置かれています。

人の住居以外の場所への侵入行為を住居侵入と区別するため「建造物侵入」と呼ばれています。

建造物侵入罪の成立要件

人の看守する邸宅」「建造物」「艦船」に正当な理由なく侵入すると、建造物侵入罪となります。

「人の看守する邸宅」とは、住居に使用されていない空き家や廃屋のことです。

「建造物」には商業施設や公共施設などが含まれますが、自由に出入りできる建物であっても、目的次第では犯罪となる場合があります。

建造物侵入罪の典型例

  • 空き家に興味本位で侵入
  • ホテルなどの廃墟に侵入
  • 施設の立ち入り禁止区域に侵入
  • パチンコ店に不正行為をはたらく目的で侵入

なお、建造物侵入罪についても、正当な理由がある場合には犯罪にはなりません。

住居侵入罪・建造物侵入罪の罰則は?初犯は?

住居侵入罪・建造物侵入罪の罰則(基本)

侵入「のみ」の刑罰は?

住居侵入罪と建造物侵入罪の法定刑(刑罰)は、「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。

犯罪目的の侵入…刑罰は?

犯罪目的で住居侵入や建造物侵入をした場合「牽連犯」(けんれんぱん)としてさらに重い刑罰を受けることになるでしょう。

たとえば、「殺人、強盗、窃盗、不同意性交等(旧強制性交等)、不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)、盗撮、のぞき」等の犯罪目的で侵入した場合の刑罰は、以下のとおりです。

刑罰(処断刑)
住居侵入+殺人死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
住居侵入+強盗5年以上の有期懲役
住居侵入+窃盗10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
住居侵入+不同意性交等5年以上の懲役
住居侵入+不同意わいせつ6ヶ月~10年以下の懲役
建造物侵入+盗撮(埼玉県迷惑防止条例違反3年以下の懲役または50万円以下の罰金
住居侵入+のぞき(軽犯罪法違反)3年以下の懲役または10万円以下の罰金

 2023年7月13日以降、「盗撮」については、基本的には「撮影罪」が適用されます。撮影罪の法定刑は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。住居侵入等罪と撮影罪が牽連犯として処断される場合、刑罰は3年以下の懲役または300万円以下の罰金になると考えられます。
 最一小判令和2年10月1日 刑集74-7-721

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯で刑罰が科されるケース

住居侵入罪と建造物侵入罪の刑罰は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」の範囲で言い渡されます。そして具体的な刑罰は、裁判官によって、被害の重大性や犯行態様の悪質性等が考慮されて決められます。

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯が不起訴になる場合

住居侵入罪や建造物侵入罪で初犯の場合、被害者側との示談が成立すれば不起訴になる可能性もあるでしょう。つまり、住居侵入罪の初犯は、示談成立によって刑罰が科されない可能性があるということです。

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯で刑罰が科される場合

住居に侵入された被害者は恐怖心を抱いていることが多く、示談交渉が難航することもよくあります。店舗や施設などの建造物に侵入した場合には、会社の方針で示談を拒否されることも多いです。

示談不成立の場合は、初犯であっても、何らかの刑罰が科される可能性があがるでしょう。

住居侵入や建造物侵入の初犯で刑罰が科される場合は、たしかに罰金刑(10万円以下の罰金)に留まる可能性もあります。

しかし侵入方法が穏当でない、犯罪目的で侵入したというようなケースでは懲役刑が科されるケースもあります。殺人、強盗、性犯罪などを犯すために住居侵入をした場合、執行猶予がつかず懲役の実刑判決が出されることもあります。

住居侵入・建造物侵入の初犯の刑罰

  • 示談が成立した場合は不起訴になる可能性があがる
  • 示談不成立の場合は罰金刑になる可能性があがる
  • 悪質な場合には初犯でも懲役刑になる可能性がある
    (例)性犯罪目的の住居侵入・建造物侵入
    (例)初犯であっても余罪多数etc.

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯…実例は?

アトム法律事務所の事例

アトム法律事務所で過去にあつかった住居侵入の初犯事件の傾向については、以下のとおりです。

事案刑罰
①住居侵入+窃盗  初犯。示談不成立。
生理用品窃盗。
盗撮余罪あり。
懲役1年6ヶ月  
執行猶予3年
②住居侵入+窃盗初犯。示談成立。
下着6枚を窃盗。
不起訴
③住居侵入+盗撮初犯。示談不成立。
同僚宅に数回侵入。
懲役1年6ヶ月 
執行猶予3年
④住居侵入+強姦等*初犯。示談成立。
合計3件の性犯罪目的の住居侵入。
検察官の求刑は懲役9年。
懲役5年6ヶ月 
⑤建造物侵入+盗撮初犯。示談不成立。
勤務先の更衣室に盗撮目的で侵入。
建造物侵入容疑で逮捕。
罰金10万円
⑥建造物侵入+窃盗初犯。示談成立
勤務先店舗に金銭を盗む目的で侵入。
防犯カメラ映像で発見。
不起訴
⑦建造物侵入+器物損壊初犯。示談不成立。
スーパーのトイレの壁にいたずら書き。
弁護士が被害店舗と交渉し告訴を回避
不起訴

*2023月7月13日以降、強制性交等罪(事件当時「強姦罪」)ではなく「不同意性交等罪」となります。

弁護士会の資料

以下の住居侵入等罪の量刑は、第一東京弁護士会が編集している「量刑調査報告集Ⅴ」(平成30年3月発行)から抜粋したものです。

事案示談刑罰
初犯。
検察官の求刑は懲役1年。
のぞき目的・わいせつ目的で侵入。
懲役1年 
執行猶予3年
初犯。
検察官の求刑は懲役1年。
盗撮目的で数回侵入。
余罪あり(示談成立により不起訴)。
懲役1年
執行猶予3年
前科あり(初犯ではない)。
検察官の求刑は懲役1年。
執行猶予期間中の犯行。
懲役8か月
執行猶予なし

住居侵入罪の初犯であり、かつ示談が成立した場合であっても、性的な犯罪目的があったり、行為態様が悪質だったりするケースでは、執行猶予つきの懲役判決が言い渡されることもあるといえそうです。

住居侵入罪が初犯でない場合は、執行猶予がつかないケースも少なくないでしょう。

住居侵入罪の初犯は逮捕・起訴?

捜査される確率は?

住居侵入罪の逮捕率、勾留請求率、起訴率等については、法務省の「犯罪白書」で確認することができます。

令和4年版の犯罪白書では、令和3年度の住居侵入の検挙率について51.8%となっています(同前『1-1-1-2表』)。

初犯も含め、捜査中の住居侵入については、約5割強が警察や検察の取調べを受けることになるといえそうです。

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逮捕される確率は?

令和3年度の住居侵入の身柄率は47.2%となっています(同前『2-2-3-2表』)。

初犯も含め、捜査中の住居侵入については約5割弱が逮捕・勾留などの身体拘束を受けるといえそうです。

逮捕関係
総数 ⒜5963人
逮捕されない者2831人
警察等で逮捕後釈放319人
警察等で逮捕・身柄付送致 ⒝2812人
検察庁で逮捕 ⒞1人
身柄率 (b+ⅽ)÷a47.2%
法務省「令和4年版犯罪白書」『2-2-3-2表 検察庁既済事件の身柄状況(罪名別)』(2023年8月4日現在)

勾留される確率は?

令和3年度の住居侵入については、身体拘束を受けている人のうち92.4%が勾留請求されて、そのうち実際に勾留されたのは2414人となっています。勾留請求された人たちのうち184人は、勾留されずに釈放されています(同上『2-2-3-2表』)。

初犯も含め、住居侵入罪で逮捕された後、すべての事件で勾留が続くわけではないということが分かります。

勾留関係
認容 ⒟2414人
却下 ⒠184人
勾留請求率(ⅾ+e)÷(b+ⅽ)92.4%

早期釈放をめざすには、検察官に働きかけて勾留請求を阻止することが近道です。また検察官によって勾留請求された場合は即座に裁判官に面談を申し入れて、勾留を決定されないように交渉する対応をとる必要があります。

できるだけ早く弁護士に相談してくことで、いざという時に、すみやかに早期釈放のための弁護活動をしてもらえる尽くすことがでます。

起訴される確率は?不起訴は?

令和4年度の犯罪白書では、令和3年度の住居侵入について、起訴された人数は合計2074人、不起訴になった人は2944人、家庭裁判所に送致された人は947人となっています。

初犯も含め、令和3年度の住居侵入罪の不起訴率は、約58.7%といえます(家庭裁判所送致を除く。)。

人数
起訴2074人
不起訴2944人
家庭裁判所送致947人

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実際に住居侵入事件をおこしても不起訴になることがある?

令和4年度の犯罪白書では、令和3年度の住居侵入について、不起訴になった全体の人数が2944人、起訴猶予が2182人、起訴猶予以外が762人となっています。

起訴猶予とは、検察官が、犯罪の嫌疑があり、起訴できる十分な証拠がある場合でも、公訴を提起しないこと(不起訴)を決定することです。

起訴猶予で不起訴になれば、刑罰を科されずに事件終了となります。

令和3年度に不起訴になった理由について、起訴猶予だった確率は約74.1%です。したがって、初犯も含め、約7割強の人が実際に住居侵入罪を犯しているけれども不起訴になっているといえそうです。

人数
不起訴の人数2944人
うち起訴猶予2182人
起訴猶予以外762人
法務省「令和4年版犯罪白書『資料2-2 検察庁終局処理人員(罪名別)』(2023年8月4日現在)

罰金刑になる確率は?

令和4年度の犯罪白書では、令和3年度の住居侵入について、起訴された人は合計2074人、そのうち公判請求された人が1234人、略式起訴された人が840人となっています。

初犯も含め、令和3年度に略式起訴される確率は約31.1%なので、少なくとも起訴された人の約3割強は罰金刑になっているといえそうです。

人数
起訴された人2704人
うち公判請求1234人
うち略式起訴840人
法務省「令和4年版犯罪白書『資料2-2 検察庁終局処理人員(罪名別)』(2023年8月4日現在)

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯で逮捕されるケースとは

逮捕の要件

刑事事件で逮捕されるのは「嫌疑の相当性」があり、かつ「逮捕の必要性」が認められる場合です。

住居侵入罪や建造物侵入罪は、カメラの映像などで犯人が発覚しやすいため、「嫌疑の相当性」が一般的に認められやすい犯罪です。

その上で、本当に初犯なのか、余罪はないのか、同時に他の罪を犯していないかなどが考慮されて「逮捕の必要性」が判断されます。

逮捕の要件

嫌疑の相当性

「嫌疑の相当性」とは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由とされています(刑事訴訟法199条1項本文)。

住居侵入罪や建造物侵入罪の場合、具体的には、侵入をしている場面が防犯カメラに録画されていた、家人と鉢合わせた等の事情があれば、「嫌疑の相当性」が認められるでしょう。

逮捕の必要性

「逮捕の必要性」とは、明らかに逮捕の必要性がないと認められる場合のことをいいます(刑事訴訟法199条2項ただし書)。被疑者の年齢、境遇、犯罪の軽重及び態様等の諸般の事情に照らし、逃亡のおそれがなく、かつ罪証隠滅のおそれがない等の事情があれば、「逮捕の必要性」はないと判断してもらえます(刑事訴訟規則143条の3)。

行為態様が悪質であればあるほど、科される刑罰は重くなります。重い刑罰を回避するためには、証拠隠滅や逃亡をおこなう人もいるでしょう。そのため証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合は「逮捕の必要性」があると判断されることになります。

初犯で逮捕されるケースは?

初犯の場合は、刑罰は比較的軽いものになると予想されます。そのため前科や余罪がある場合よりも、初犯のほうが「逮捕の必要性」は低いと判断されやすい傾向はあるでしょう。

ただし、鍵を壊したり暴力的な方法での侵入、前科や余罪がある場合、窃盗・傷害・性犯罪などの犯罪目的で侵入した場合などは、行為態様が悪質なものです。そのため初犯であっても、そのような行為態様であれば「逮捕の必要性」があると判断されやすいでしょう。

逮捕後の流れ

逮捕の流れ

住居侵入罪や建造物侵入罪の初犯は、現行犯逮捕されることもあれば、後日逮捕されることもあります。

建造物侵入の場合には、侵入行為について逮捕されるケースは少ないでしょう。盗撮や窃盗の目的をもって施設に立ち入る事案がほとんどで、複数の容疑で逮捕される場合が多いです。

逮捕された場合、まずは警察署に連行され、取調べを受けることになります。警察の取調べでは、住居侵入罪が初犯なのか前科があるのか、住居侵入罪を犯した経緯、犯行に使った道具、侵入経路、侵入場所などの情報を聞かれることになります。

逮捕後は48時間以内に検察官に送致され、検察官のもとで取調べを受けて勾留請求されるかどうかが判断されます。検察官によって勾留請求された後、裁判官が勾留を決定した場合、最長で逮捕から23日間留置場での生活をおくることになります。

長期の身体拘束を回避するために

仮に逮捕されてしまった場合は、その後、勾留請求や勾留決定をされないように、弁護活動をおこなってもらう必要があります。

同居のご家族等が身元引受人になること、養うべき家族がいること等を訴えたり、いつでも出頭すると誓約する、反省をして罪を認める等の対応をとったりすることが考えられます。

弁護士は、これらの事情を書面や面談などで、検察官や裁判官に対して訴えていきます。

検察官の終局処分

そして勾留満期までに、検察官によって、不起訴処分、略式起訴、正式起訴のいずれかの処分が決定されます。

不起訴処分とは、起訴せずに事件終了となるものです。

略式起訴とは、一定条件のもと簡易な手続きで罰金刑を科す手続きです。

正式起訴とは、通常の刑事裁判で審理される手続きです。

不起訴処分を獲得するには、まずは弁護士から、検察官に対して不起訴が相当であるということを訴えてもらう必要があるでしょう。

そのためには、不起訴処分が相当といえる理由が必要です。

住居侵入の罪を認める場合は、被害者との示談が成立していること等を主張して不起訴を目指すことになるでしょう。一方、住居侵入罪を否認する場合は、住居侵入の犯人性がないこと、住居侵入罪の構成要件に該当しないこと、住居侵入罪の証拠が十分ではないこと等を主張して不起訴を目指すことになるでしょう。

逮捕されない場合もある?

刑事事件の流れ

住居侵入罪の初犯で逮捕されない場合というのは、逮捕の要件を満たしていない場合です。逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがなければ逮捕されません。

逮捕されない場合は、在宅捜査を受けることになります。

在宅捜査は、自宅で生活しながら、出頭要請を受けた場合に警察や検察で取調べを受ける流れになります。

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在宅事件の流れを解説|起訴率は低い?逮捕される刑事事件との違い

住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯の対処法

1.まずは弁護士相談?

初犯でも弁護士相談は必要?タイミングは?

住居侵入罪や建造物侵入罪で逮捕されたり捜査を受けたりしている場合、できるだけ早く弁護士相談をしましょう。

最近では刑事事件の弁護士相談について、初回無料で対応している弁護士事務所も多いです。

自分であれこれ解決策を調べるのも大事ですが、取調べや刑事処分が差し迫っている段階では、弁護士に相談してしまったほうが早いです。

とくに初犯の場合、取調べ対応や今後の刑事手続きの流れに大きな不安をお持ちのことでしょう。弁護士にご相談いただければ、事件の見通し、刑事手続きの流れ、今後の弁護活動などのご不安にこたえることができます。

住居侵入罪の初犯における弁護士の役割

刑事事件を得意とする弁護士であれば、住居侵入罪の初犯に対して以下のような役割を果たしてくれることでしょう。

住居侵入罪の初犯-弁護士の役割

  1. 警察・検察の取調べについてアドバイスをし、被疑者の権利を守る。
  2. 被疑者の主張を検察官に伝え、不起訴処分を獲得するため交渉する。
  3. 裁判で被疑者の法廷弁護をし、無罪を目指す。刑罰の軽減を目指す。
  4. 被害者と示談交渉をし、示談成立による不利な処分を回避を目指す。

2.取調べのアドバイス

警察・検察の取調べでは、被疑者の自白を引き出すために様々な質問がされます。とくに初犯の場合は、取調べの対応方法が分からず、どういった発言が不利になるのか認識できていないケースも多いものです。取調官に同調してしまい、思わぬ発言が調書に残されて、犯罪認定の重大な証拠になってしまうこともあるのです。

ですが、弁護士相談をすれば、取調べ対応のアドバイスをもらうことができます。逮捕事件であれば出張して接見室でアドバイスをしてくれますし、在宅事件であれば取調べ実施前に適宜アドバイスをもらうことができるでしょう。

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3.不起訴を目指す

住居侵入罪や建造物侵入罪は初犯であっても、罰金、懲役等の刑罰を受ける可能性がある犯罪です。

ですが、不起訴になれば刑罰を受ける可能性はなくなります。不起訴になれば前科がつくこともありません。

起訴/不起訴を決定する権限は検察官にあります。そのため弁護士は検察官と交渉して不起訴処分を目指してくれます。弁護士は、住居侵入罪の被害者との和解(示談交渉)や再発防止策など今のあなたに必要な弁護方針を立てて、実践し、その効果を検察官に訴えてくれます。

不起訴を目指す

  • 示談交渉
    示談金により被害を回復。示談条件を調整して和解をする。
  • 再犯防止策
    性的目的で住居侵入をした場合、性的嗜好の治療をうける。
    同居の家族が監督し再発防止に努める

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4.無罪・刑の軽減を目指す

住居侵入罪・建造物侵入罪で起訴された場合は、裁判で争うことになります。弁護士は、あなたの事情を裁判官に伝え、最善の処分を得られるよう尽力します。

弁護士は、住居侵入罪の無罪を目指すため、罰金や執行猶予判決を目指すために最善の法廷弁護を実践します。

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5.初犯は特に「示談交渉」が大事

示談とは

住居侵入罪・建造物侵入罪で被害者がいる場合は、示談交渉を行う必要があります。

示談とは、住居侵入罪の加害者側から、被害者に対して、謝罪を申し入れ、示談金を支払い、被害者からゆるしてもらうという和解の合意をいいます。

とくに住居侵入罪の初犯の場合、被害者の方との示談が成立すれば不起訴になる可能性があります。また仮に起訴されたとしても、示談は、刑罰を軽くする一要因となるものです。

なお示談交渉は、弁護士に依頼することをお勧めします。

被害者の住所を知っているとしても、突然押しかけたり、連絡を入れたりすると、被害者の恐怖心を再燃させてしまい、示談交渉どころではなくなってしまうことも多いでしょう。加害者本人と直接連絡をとりたくないと考える被害者であっても、弁護士であれば連絡が取れることもあります。

示談金額の相場が分からない、どうやって示談書を作成すればよいか分からないといったお悩みもあるでしょう。このような示談交渉にまつわる問題については、弁護士の力を借りて示談交渉に取り組むのが最善の対処法です。

刑事事件の示談交渉の経験がある弁護士ならば、被害者の心情に配慮しつつも、あなたに寄り添った解決を目指してくれます。

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住居侵入罪・建造物侵入罪の初犯のお悩みは弁護士相談

24時間365日相談予約受付中…弁護士相談の窓口は?

住居侵入罪・建造物侵入罪は初犯であっても逮捕、起訴される可能性がある犯罪です。

そのため早期に今後の対処法を検討することが大切です。とくに初犯であれば、示談成立により不起訴や刑罰の軽減を目指せる可能性もあります。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了