
2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
クレジットカードを不正利用してしまい、逮捕や刑事処分が不安な方へ。
クレジットカードを不正利用すると、警察に犯人が特定されて逮捕される可能性があります。クレジットカードの不正利用は、他人のカード情報を無断で使う行為であり、詐欺罪や窃盗罪などに該当します。
この記事では、クレジットカードを不正利用した場合に考えられる逮捕の可能性や流れ、刑罰の内容について、初めての方にも分かりやすく解説します。

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
クレジットカードの不正利用は逮捕されるのか
クレカ不正利用で逮捕される可能性
クレジットカードの不正利用は、金額や手口、頻度などによっては逮捕される可能性が十分にあります。警察が捜査によって不正利用をしている犯人を特定し、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」があると判断した場合、逮捕の手続きが取られます。
ただし、すべての不正利用が逮捕されるわけではありません。不正利用で逮捕されやすいのは、以下のようなケースです。
- 不正利用の金額が高額(たとえば数十万以上)
- 短期間で繰り返し不正利用をしている
また、クレジットカードを盗んだ、拾ったなどの場合は、持ち主が被害届を出していて捜査が進んでいるケースもあり、不正利用とは関係なく逮捕されるケースもあります。
クレカ不正利用で逮捕された後の流れ

逮捕後、警察官は48時間以内に事件を検察に送ります。これを送致と言います。
検察官は事件が送致されてから24時間以内に勾留が必要かどうか判断し、必要であると判断すれば裁判官に勾留請求を行います。
勾留請求を受けた裁判官が勾留を認めれば、起訴されるまで最大で20日間身体拘束されてしまいます。
つまり、逮捕後、事件が起訴されるかどうか決まるまで最長で23日間身体拘束を受けるおそれがあるということです。長期間身体拘束を受けると、職場や学校に通うことが難しくなるケースもあります。
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クレジットカードの不正利用は何罪になる?
クレジットカードの不正利用は「カード盗用」「カード偽造」「カード番号の不正入手」などに分類されます。具体的には「窃盗罪」「詐欺罪」などが成立します。
ここでは、それぞれのケースで、何罪になるのか説明します。
クレカの不正利用で問われる罪名
主な行為 | 罪名 |
---|---|
カードの盗用 | 窃盗罪 |
カードの盗用 | 占有離脱物横領罪 |
他人名義のクレカ利用 | 詐欺罪 |
スキミング | 支払い用カード電磁的記録不正作出 |
偽造したクレカの不正利用 | 電子計算機使用詐欺罪 |
クレカ番号の不正入手 | 不正アクセス禁止法 |
カードの盗用:窃盗罪・占有離脱物横領罪
クレジットカードの盗用とは、クレジットカードを不正に手に入れることであり、窃盗罪・占有物離脱横領罪などの罪に問われます。
クレカ盗用で問われる罪
- 窃盗罪:クレジットカードを他人から盗んで使う
- 占有離脱物横領罪:クレジットカードを落とし物や忘れ物から拾って使う
他人からカードを盗む行為は、窃盗罪に問われる可能性があります。窃盗罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。
置き引きした場合には占有離脱物横領罪に問われる可能性があります。占有離脱物横領罪の法定刑は「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料」です。
他人名義のクレカ利用:詐欺罪
そもそも他人名義のクレカ利用は、詐欺罪になります。そのため、盗んだり、置き引きしたりしたクレカを利用して店舗で買い物をする等の不正利用では、詐欺罪が成立します。詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。罰金刑はないため、有罪判決を受けて執行猶予がつかないと、直ちに刑務所に入る実刑になります。
なお、クレカ不正利用の被害者は、基本、カードの加盟店となります。
スキミング:支払用カード電磁的記録不正作出罪
スキミングとは、クレジットカードの有効なカード番号、有効期限、CVVコード、磁気情報を不正に読み取ってコピーし、偽造カードを作成することです。
スキミングをおこない、偽装カードを作った場合、支払い用カード電磁的記録不正作出罪になります。支払い用カード電磁的記録不正作出罪の刑罰は、「10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」です。
偽造したクレカの不正利用:詐欺罪、電子計算機使用詐欺罪
店頭で偽造カードを不正利用すれば、詐欺罪になります。また、ネット決済等で不正情報を入力して使えば「電子計算機使用詐欺罪」になります。同じ行為に両罪が同時に成立することは通常ありません。
詐欺罪の場合も、電子計算機使用詐欺罪の場合も、法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
詐欺罪と電子計算機使用詐欺罪の違い
詐欺罪 | 電子計算機使用詐欺罪 | |
---|---|---|
成立要件 | 「人」をだまして財物や利益を得る行為 | コンピュータに虚偽情報や不正指令を与えて利益を得る行為 |
被害者 | 人(店員や事業者など) | 機械・システム(コンピュータ) |
法定刑 | 10年以下の拘禁刑 | 10年以下の拘禁刑 |
クレカ番号の不正入手:不正アクセス禁止法違反、電子計算機使用詐欺罪
クレジットカードの番号の不正入手とは、クレジットカードの有効なカード番号、有効期限、CVVコードを不正に取得することです。
たとえば、カード会社に類似したサイトを作って情報を入力させるフィッシング行為を行った場合には不正アクセス禁止法違反になります。
不正アクセス禁止法に違反してフィッシング行為をすると、「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科される可能性があります。
なお、不正に取得した情報を入力してネット決済などを行うと、電子計算機使用詐欺罪が適用される場合があります。
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クレジットカードの不正利用で逮捕・起訴を防ぐには
クレカ不正利用で逮捕を防ぐ方法
クレジットカードの不正利用をしてしまったとしても、自首をすることで逮捕の可能性が低くなる場合があります。
自首が有効に成立するためには、「警察に事件が発覚していない」もしくは「警察に犯人が発覚していない」のいずれかを満たす必要があります。
ご自身の事案で自首が逮捕回避に効果的なのか、判断が難しければ弁護士に相談してみてください。
弁護士に依頼すれば、自首の際に警察署まで同行してもらうことも可能です。弁護士は「逮捕する必要がない」旨の意見書を捜査機関に提出するなどして、逮捕回避を目指します。
また、一人では自首することが難しい状況でも弁護士と同行することで、精神的な安心感を得られるといったメリットもあります。
クレジットカード不正利用(不起訴処分)
店舗において無人レジに置き忘れられていたクレジットカードを窃取し、4000円相当の食料品などを購入したとされたケース。店舗に対する詐欺の事案。
弁護活動の成果
事件発覚前に受任し即日で弁護士同行のうえ警察署に自首した。クレジットカードの持ち主とも示談を締結し、不起訴処分となった。
クレカ不正利用で刑罰を避けるには
クレジットカードの不正利用で刑罰を避けるには、(1)無罪判決を受けるか、(2)不起訴になる必要があります。
日本の刑事裁判では、起訴されたら99%以上は有罪判決を受けます。そのため、確実に刑罰を回避したいなら、不起訴を目指す必要があります。不起訴になれば、裁判が開かれず、刑罰を言い渡されることもありません。
クレカの不正利用が事実でも、犯行の悪質性、結果、犯行後の情況などから不起訴になることはあり得ます。
クレカ不正利用で不起訴を目指すには

不起訴になるためには、被害者との示談が重要です。
示談とは、クレカを不正利用してしまった人(加害者)が、被害者に対して謝罪をし、許しをもらって、和解の合意をすることです。
もちろん、示談が成立していれば必ず不起訴になるというわけではありません。
しかし、加害者を許すという文言(宥恕条項)を含めて示談を成立させられれば、被害者側に処罰意思がないことを検察官に主張することができます。
その結果、処罰の必要性がないと検察に判断してもらいやすくなり、不起訴になるケースが多いのです。
クレジットカードの不正利用の被害者は、主に店舗(カード加盟店)になります。
しかし、状況によってはカード会社から被害届が出る場合もあり、どの当事者と示談を進めなければならないかは、事案ごとに変わります。
最適なタイミングでスムーズな交渉を行い、不備のない示談成立を目指すためには、弁護士への依頼が事実上必須です。「出来心だった」と反省しても、起訴されてしまえば前科がついてしまう可能性が非常に高まります。お悩みの方はできる限り早く弁護士に相談することをおすすめします。
クレジットカード不正利用(執行猶予判決)
電車内において、他人のかばん(中身も含め時価合計約十数万円相当)を盗み、在中のクレジットカードを不正に使用しようとしたとされた詐欺未遂および窃盗の事案。
弁護活動の成果
保釈が認容され早期釈放が叶った。かばんの持ち主と示談を締結。執行猶予付き判決を獲得した。
クレジットカードの不正利用で逮捕されたら弁護士に相談を
最後にひとこと
クレカの不正利用をすると、窃盗や詐欺などの罪で逮捕される可能性があります。
初犯の場合、示談で不起訴を目指せる可能性もあります。
示談の相手は、基本的にはクレジットカード会社とおこないますが、クレジットカードの持ち主、その他関係者などの対応が必要になるケースもあります。
刑事事件に強い弁護士に相談して、早期に適切な対処をおこなうことが重要です。
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示談成立で早期解決

(抜粋)相談時から、丁寧なご説明をいただき安心しておまかせする事ができました。ご対応も迅速で最も望む結果につながったのも先生のお力添あってのことと思います。私自身は今回の事はしっかりと反省し再スタートしてまいります。
示談成立で不起訴

(抜粋)迅速に対処していただいたおかげで、早く解決する事が出来ました。今後は、息子も、心底、反省し、同じ過ちを、繰り返さないことを願っております。私も、親として、この件を通して、今までの家族の有り方を見直すきっかけを得たように思います。
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被害者との示談の際にも、刑事事件に強い弁護士であれば被害者感情に寄り添いつつ、加害者にとっても最大限の利益を実現するよう交渉できる可能性が高まります。
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