オレオレ詐欺とは、被害者の親族などを装い、示談金等を名目にお金をだまし取る詐欺のことです。
被害者は、主に高齢の方です。手口には、直接対面で受け取る、口座に振り込ませる(振り込め詐欺)等があります。
令和5年、オレオレ詐欺の検挙件数*は2126件(前年比+20.0%)、被害額は約133.5億円(前年比+3.2%)でした(警察庁刑事局の資料より)。
検挙件数とは、被疑者(事件の容疑者)を特定し、警察が捜査や、逮捕におよんだ事件数のことです。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺で、逮捕の不安がある方や、ご家族が逮捕された方向けに、逮捕の流れ、刑罰などを解説します。
オレオレ詐欺で逮捕!ご家族ができることは?
アトム法律事務所では初回接見出張サービス(1回限り・有料2万~)を実施中です。
留置場まで弁護士が出張し、面会(接見)をおこない、取り調べ対応のアドバイスをすることが可能です。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は、受け子・出し子、初犯でも、一発実刑の可能性があります。初動が非常に重要です。
アトムは仙台・東京・大阪・名古屋・福岡など全国対応中。最短で当日対応可能な場合もございます。まずは、お見積りだけでもお気軽にご連絡ください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
オレオレ詐欺・振り込め詐欺などの解決実績
オレオレ詐欺・振り込め詐欺などの逮捕事件について、アトム法律事務所で解決した事例を、個人情報に配慮して一部ご紹介します。
逮捕あり・オレオレ詐欺の受け子│不起訴
大手求人媒体で募集があった「荷物を受け取るバイト」に応募し、被害者宅に出向いたところ、警察に現行犯逮捕された事案。
弁護活動の成果
ご本人は詐欺の受け子である認識がなかったので、否認事件の弁護活動に尽力した。また、被害者の方へご迷惑をおかけした点につき、謝罪を尽くした。
示談の有無
示談あり
最終処分
不起訴
逮捕あり・振り込め詐欺の出し子│執行猶予
「いい仕事がある」と持ち掛けられ、ATMで現金を引き出したところ、出し子として後日逮捕された事案。監視カメラ映像が証拠となった。
弁護活動の成果
被害者の方への謝罪と賠償を尽くした結果、執行猶予付き判決を獲得できた。
示談の有無
示談あり
検察官の求刑
懲役2年の実刑
最終処分
懲役2年執行猶予3年
逮捕あり・5件の特殊詐欺│不起訴と執行猶予
被害者1名に対する預貯金詐欺(受け子)、被害者4名に対するキャッシュカード詐欺盗(受け子兼出し子)など合計5件で検挙された。立て続けに逮捕、勾留が続いたケース。
弁護活動の成果
被害者の方々に謝罪と賠償を尽くした。
結果、5件のうち1件は不起訴。
残り4件は起訴されたが、検察官の求刑を下回る刑期となり、執行猶予も獲得できた。
示談の有無
被害者のうち4名と示談成立
検察官の求刑
懲役3年6か月の実刑
最終処分
懲役3年執行猶予5年
警察が介入しているオレオレ詐欺・振り込め詐欺の事案では、初回30分無料で弁護士相談を実施しています。
- オレオレ詐欺の受け子で息子が逮捕された
- 振り込め詐欺の出し子で夫が逮捕された
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くわしくは相談ご予約窓口のオペレーターまでおたずねください。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は逮捕される?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺とは?
オレオレ詐欺とは、被害者の親族、警察、弁護士などを装い、被害者に電話をかけて、示談金等の名目で、お金をだまし取る犯罪です。
受け子が、被害者から直接お金を回収する手口もあれば、被害者にキャッシュカードを交付させて出し子が引き出す手口もあります。
また、犯人グループの口座に振り込ませる「振り込め詐欺」のパターンや、受け子の住所にお金を送付させるパターンもあります。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕のパターン
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕は、現行犯逮捕、通常逮捕、緊急逮捕の3種類のパターンが考えられます。
現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後に逮捕されるパターンです。
一方、通常逮捕や緊急逮捕は、犯行からしばらくしてから、逮捕されるパターンです。後日逮捕とも呼ばれます。
逮捕の種類と具体例
- 現行犯逮捕
犯行中・犯行直後に逮捕状なしでおこなう逮捕。
例:だまされたふり作戦により、受け子が逮捕。 - 通常逮捕
警察等が逮捕状を用意してから、おこなう逮捕。
例:ATMの防犯カメラ映像で足が付き、逮捕状がとられ、出し子が後日逮捕。 - 緊急逮捕
犯人と出くわした緊急事態で行う逮捕。警察等は逮捕後に逮捕状をとる。
例:職務質問で詐欺の犯行が発覚し、緊急逮捕。
例:特殊詐欺の指名手配後、見つかり緊急逮捕。
詐欺の受け子の逮捕
オレオレ詐欺の受け子は、直接、被害者のもとにお金を回収しに行くため、いわゆる「だまされたふり作戦」で現行犯逮捕されやすいです。
受け子については『詐欺の受け子は懲役何年?逮捕後に不起訴や刑罰の軽減を目指すには』の記事で詳しく解説しています。
詐欺の出し子の逮捕
被害者のキャッシュカードを預り、口座からお金を引き出す出し子は、防犯カメラ・監視カメラ映像で足がつき、後日逮捕されやすいです。
出し子については『詐欺の出し子で逮捕された後の流れと対処法!窃盗罪で逮捕される?』の記事で詳しく解説しています。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺が逮捕される条件
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は、逮捕されやすい犯罪です。
逮捕の要件は(1)逮捕の理由と(2)逮捕の必要性です。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、この2つの要件を満たすケースが多いです。
(1)逮捕の理由
逮捕の理由とは、証拠上、オレオレ詐欺・振り込め詐欺をおこなったことが疑われることをいいます。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、防犯カメラの映像があるときなどに「逮捕の理由」が認められます。
オレオレ詐欺などの証拠の例
- 防犯カメラの映像
- 犯行現場を警察に見られた
- 被害者や目撃者の証言
- 通話履歴
- 共犯者の供述
(2)逮捕の必要性
逮捕の必要性は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることを指します。
共犯者がいる場合、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすいです。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は、組織的な犯罪であり、共犯者が逃亡や証拠隠滅に協力するおそれがあるため、「逮捕の必要性」が認められやすいです。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は未成年者も逮捕される?
最近では大学生などの未成年も、受け子や出し子で逮捕される事件がみられます。X(旧Twitter)などのSNSやインターネットの掲示板で「割のいいバイト」「高額報酬のお仕事」等の勧誘を行い、詐欺の片棒を担がせるのです。
未成年の場合は、成人とは異なる手続きが取られます。本記事では成人を想定して解説を進めていますので、未成年のお子さまが詐欺で逮捕されてしまった場合は『未成年が詐欺罪で逮捕された後の流れは?捜査や少年審判の対応方法』の記事をご確認ください。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕後の流れ
(1)逮捕・警察の取り調べ
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕後は、警察による取り調べが始まります。
警察署の留置場で寝泊まりしながら、1日8時間程度の取り調べに応じます。
逮捕後の取り調べでは、オレオレ詐欺・振り込め詐欺をした動機、きっかけ、犯行態様、共犯者との連絡手段・連絡内容などを詳しく聞かれます。
取り調べで話したことが起訴の決め手になったり、裁判で不利な証拠になったりする可能性があるので、留置場に弁護士を呼んでアドバイスをもらう必要があります。
ご家族が逮捕されてしまった場合は、できる限り早く、弁護士の面会(接見)の日程を調整してください。
弁護士の接見の重要性は『弁護士の接見とは│逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと』の記事で、詳しく解説しています。
(2)送致
逮捕から48時間以内に、警察は、検察官のもとへ、捜査資料と被疑者を送ります。
これを送致(そうち)といいます。
(3)勾留・勾留延長
被疑者を受け取った検察官は、24時間以内に、被疑者について勾留(こうりゅう)を請求するかどうか決めます。
勾留とは、逮捕後さらに被疑者の身体拘束を続ける手続きのことです。
検察官は、被疑者が住居不定の場合や、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合、裁判官に勾留を決定するよう、請求します。
裁判官が勾留を決定したら、被疑者は、原則10日間の勾留になります。
勾留延長になった場合、さらに10日間以内の範囲内で勾留が延長されます。
(4)起訴
検察官は、勾留満期までに、被疑者を起訴するかどうか決定します。
起訴とは、刑事裁判をおこすことです。
検察官は、勾留満期までに、警察に再捜査を依頼したり、検察官みずから捜査をして、オレオレ詐欺・振り込め詐欺を立証するための証拠収集を続けます。
証拠が集まったら、起訴状を裁判官に提出し、起訴をおこないます。
なお、勾留されている被疑者が起訴された場合、通常、起訴後も、勾留は続きます(被告人勾留)。
釈放を目指すなら、起訴後すぐに保釈の申請をする必要があるでしょう。
保釈とは?
保釈は、起訴後も勾留されている被告人が、釈放を求める手続きのこと。
裁判官が審査をして保釈が認められれば、保釈金の納付後、釈放される。
保釈は『保釈を弁護士に依頼する|刑事事件に強いアトム法律事務所』の記事で詳しく解説しています。
不起訴の場合
不起訴の場合、逮捕・勾留されていた被疑者は、釈放されます。その後、刑事裁判にかけられることはなくなります。
処分保留の場合
処分保留になった場合、釈放されますが、在宅事件として捜査が続きます。処分保留の場合、刑事裁判になる可能性が残ります。
(5)裁判
裁判では、無罪か有罪か、有罪の場合は刑罰をどうするかなどを、裁判官が決めます。
裁判官は、被害者や共犯者の供述、物的証拠などを調べ、判決をくだします。
単純な自白事件であれば、通常、起訴から約1か月後くらいに裁判が開かれ、審理も2回程度で終わります。
しかし、オレオレ詐欺・振り込め詐欺の裁判は、多数の関係者(例:共犯者、被害者)がおり、証拠調べに時間がかかるので、審理は長引く傾向にあります。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、初犯でも一発実刑になることもありますが、執行猶予が付くケースもあります。
執行猶予が付く条件については『執行猶予にしてほしい。懲役実刑との違いは?執行猶予中の逮捕で取消し?』の記事もご覧ください。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の刑罰
オレオレ詐欺の受け子の刑罰
オレオレ詐欺の受け子は、詐欺罪で逮捕される可能性があります(刑法246条1項)。
受け子は、被害者から直接、お金を受け取る役割の人です。
詐欺罪の法定刑は「1か月以上10年以下の懲役」です。
振り込め詐欺の出し子などの刑罰
振り込め詐欺等の出し子は、窃盗罪で逮捕される可能性があります(235条)。
出し子は、被害者が振り込んだお金を、ATMから引き出す役割の人です。
また、キャッシュカード詐欺盗の受け子も、窃盗罪に問われます。
窃盗罪の法定刑は「1か月以上10年以下の懲役」または「1万円以上50万円以下の罰金」です。
ただし、実際の裁判では、罰金刑になる可能性は非常に低く、懲役刑が科されるケースがほとんどです。
出し子も、巧妙な手口で計画的犯行をする匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の一員として、犯罪での利益をあげるために重要や役割をはたしています。
そのため、犯罪組織の末端である出し子でも、仮に初犯であっても、犯行態様が悪質だとして重い刑罰になります。
刑罰の軽減を目指す場合は、懲役刑に執行猶予を付けられるかどうかがメインになるでしょう。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺のかけ子・指示役
オレオレ詐欺・振り込め詐欺のかけ子、指示役も詐欺罪や窃盗罪の共犯として、逮捕、起訴される可能性があります。
詐欺罪 | 窃盗罪 | |
---|---|---|
刑罰 | 懲役1か月~10年 | 懲役1か月~10年 (又は罰金50万円以下) |
行為 | ・対面でお金をだましとる ・対面でカードをだましとる ・だまして送金させる | ・カードをすり替える ・振り込ませたお金を引き出す |
刑罰の相場(1)執行猶予になる割合は?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺など特殊詐欺は、反社会的勢力の資金源になっていることもあり厳罰化傾向にあります。
末端構成員である受け子や出し子であっても、振り込め詐欺に関与した場合、初犯で実刑になることも珍しくありません。
判決の種類
- 実刑(じっけい)
「すぐに刑務所に収容される刑罰」が言い渡される判決 - 執行猶予(しっこうゆうよ)
「刑罰の執行までに時間的猶予がある刑罰」が言い渡される判決
高収入のアルバイトといった誘惑に負け、軽い気持ちで犯罪に加担して取り返しがつかなくなる場合もあります。
執行猶予になる割合
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は「特殊詐欺」の類型に当たりますが、令和3年の犯罪白書によれば、全部執行猶予が付いたのは全体の約33.2%の事案でした。
執行猶予 | 実刑 | |
---|---|---|
割合 | 約33.2% | 約66.8% |
役割別に見てみると、主犯・指示役の執行猶予の割合は約15.8%でもっとも低く、受け子・出し子の執行猶予の割合は約45.1%ともっとも高い結果でした。
執行猶予 | 実刑 | |
---|---|---|
主犯・指示役 | 約15.8% | 約84.2% |
かけ子 | 約16.4% | 約83.6% |
犯行準備役 | 約35.5% | 約64.5% |
受け子・出し子 | 約45.1% | 約54.9% |
『令和3年版 犯罪白書』「第8編 詐欺事犯者の実態と処遇【PDF:4.9MB】」「8-5-3-16図」(P.422)より抜粋して編集。犯行の手口に特殊詐欺が含まれている者(特殊詐欺事犯者)のうち、東京地方裁判所、横浜地方裁判所、さいたま地方裁判所及び千葉地方裁判所で判決の言渡しを受けた者についての調査結果。
刑罰の相場(2)実刑なら2年~3年が相場?
振り込め詐欺で実刑判決になる場合、総合的にみると、2年以上3年以下が相場といえそうです。
刑期 | 割合 |
---|---|
1年以上2年未満 | 7.4% |
2年以上3年以下 | 27.2% |
3年を超え4年以下 | 17.3% |
4年を超え5年以下 | 5.0% |
5年を超え10年以下 | 9.9% |
『令和3年版 犯罪白書』「第8編 詐欺事犯者の実態と処遇【PDF:4.9MB】」「8-5-3-16図」(P.422)より抜粋して編集。犯行の手口に特殊詐欺が含まれている者(特殊詐欺事犯者)のうち、東京地方裁判所、横浜地方裁判所、さいたま地方裁判所及び千葉地方裁判所で判決の言渡しを受けた者についての調査結果。
これは全体の相場ですので、犯罪に加担した態様によって、刑期は変動します。
受け子・出し子よりも、主犯格のほうが刑期は長くなる傾向があります。
また、1件の詐欺で起訴されるよりも、複数の詐欺で起訴されるほうが刑期が長くなる傾向はあります。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺で逮捕された場合の不利益
詐欺で逮捕されたら実名報道?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺で逮捕された場合、地方紙でも全国紙でもネットニュースでも報道される可能性があります。
実名まで報道されるかどうかは、ケースバイケースです。少なくとも年齢や職業は公開されます。
実名報道の可能性については『刑事事件が報道される基準│実名報道を避けるには?』の記事もご覧ください。
詐欺で逮捕された子どもは退学?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺で子供が逮捕された場合、退学になるかどうかは、校則、学則によります。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺に関与したことが事実なら、退学になる可能性は高いでしょう。
子どもの逮捕と退学について詳しくは『高校生の前科│逮捕されたら退学になる?』、『大学生の前科│逮捕されたら退学になるのか』の記事をご覧ください。
詐欺の逮捕後は家族でも面会できない?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕後は、通常、家族でも面会できません。
逮捕後、勾留された場合、多くの事件では家族が面会できますが、オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、「接見禁止」が付くことがほとんどです。
接見禁止がつくと、被疑者・被告人が、家族と面会できない期間はさらに続きます。
接見禁止とは、弁護士以外のすべての人と接見(面会)を禁止する処分です
接見禁止は証拠隠滅のおそれ・逃亡のおそれが認められる場合に出されます(刑事訴訟法81条)。振り込め詐欺は組織的な犯罪のため、詐欺グループの人間との口裏合わせによる証拠隠滅のおそれがあると判断されることが多く、接見禁止が出されやすい犯罪といえるでしょう。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕を回避するには?
詐欺の前│警察に相談(#9110)
オレオレ詐欺・振り込め詐欺と知らずに闇バイトに応募してしまった場合、詐欺の実行に関与する前であれば、警察に相談することで解決できる可能性があります。
現在、警察の電話相談窓口としては「#9110」があります。
詐欺の後│逮捕前に自首(弁護士が同行)
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕を回避するには、自首も重要です。
自首とは、事件の被疑者として特定される前に、警察等に出頭して、自分が犯人であることを名乗り出ることです。
自首をした後は、すぐに取り調べが始まるので、あらかじめ弁護士に相談して、可能であれば、弁護士に自首に同行してもらうとよいでしょう。
ただし、組織的な詐欺事件に関与されている場合、自首をしても逮捕を免れないこともあります。この場合でも、自首により、刑罰の軽減を目指せる可能性はあります。
関連記事
・自首すると減刑や逮捕にどれくらい影響がある?自首の要件や方法を解説
詐欺の後│被害者と示談(弁護士が交渉)
示談とは、加害者が被害者に謝罪し、被害者の許しを得て、当事者で事件を解決する合意をすることです。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕後に、不起訴や執行猶予を目指すなら、なにより示談が重要です。
被害者の多数と示談をし、宥恕(ゆうじょ)を得ていれば、量刑判断の際に考慮され、執行猶予付き判決が出ることも少なくありません。
もっとも、多数の被害者と示談をすることは困難であるのが現実です。
より多くの被害者の方に謝罪を伝え、示談を目指すには、早期に弁護士に相談し、示談交渉にとりかかってもらう必要性が高いです。
なお、オレオレ詐欺・振り込め詐欺で逮捕された場合でも、受け子や出し子が振り込め詐欺と知らずに加担してしまった場合や、指示役が怖くて逆らえなかった場合などは、不起訴や執行猶予となる可能性もあります。
このような場合でも、被害者の多数との間で示談を成立させておくべきケースもあるので、まずは、詐欺事件に強い弁護士に相談してみてください。
関連記事
・詐欺事件で示談できると刑事罰が軽くなる?示談成功のポイントがわかる
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕でよくある質問
Q.オレオレ詐欺の逮捕後は、長く拘束される?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、逮捕後は長く拘束されるといえます。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺は、詐欺グループの人間との口裏合わせの可能性もありますので、逮捕後はまずもって勾留されます。
また、オレオレ詐欺・振り込め詐欺は余罪があることが多いです。余罪がある場合、その数だけ逮捕・勾留が繰り返されることもあります。
そのため逮捕後、家に帰れるタイミングは、現実的に考えると起訴後に保釈が認められた場合といえそうです。もっとも運良く勾留請求されなかったり、不起訴処分が出た場合は、その時点で家に帰ることができます。受け子や出し子の末端構成員で、組織的な詐欺への関与が薄い場合、早く解放されることもあるでしょう。
関連記事
・逮捕されたら|逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説
Q.接見禁止の時に弁護士相談するメリットは?
弁護士相談のメリット
- (1)弁護士はいつでも面会(接見)できる
- (2)接見禁止を解くための弁護活動ができる
(1)弁護士はいつでも面会(接見)できる
接見禁止がついていても弁護士なら被疑者・被告人と自由に接見することができます。弁護士は時間制限や、立会人の制限なしで接見することができるため、被疑者・被告人にとって心強い存在です。
弁護士に相談すれば、逮捕されたご家族へ伝言をあずけたり、ご本人の様子を見てきてもらったりできるメリットがあります。
ご家族が逮捕・勾留されている場合、弁護士に依頼して接見してもらうことをオススメします。
弁護士の面会の重要性については『弁護士の接見とは|逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと』の記事も参考にしてみてください。
(2)接見禁止を解くための弁護活動ができる
また、弁護士は、ご家族との面会を実現させるために、接見禁止を解くための弁護活動もできます。
接見禁止の解除の例
- 準抗告
- 接見禁止の解除
- 勾留理由開示
準抗告
まず、準抗告(第一回公判期日後は抗告)という手段を使って裁判所の接見禁止の取消を求めていきます。接見禁止が全面的に取り消されなくても、一部取消により、ご家族が面会できるようになることもあるのです。
接見禁止の解除の申立て
また、準抗告や抗告が認められない場合でも、接見禁止の解除を申し立てます。接見禁止解除の申立は、裁判所に対する「お願い」に過ぎません。しかし、家族に限って接見禁止を解除する「接見禁止の一部解除」が認められる場合もあります。弁護士が検察官と協議し信頼関係を築くことで、接見禁止の一部解除が認められやすくなるでしょう。
勾留理由開示
これらの手段が功を奏さない場合、勾留理由開示請求を行います。勾留理由開示請求をすれば、裁判所で裁判官から勾留の理由について説明を受けられるのです。この手続は公開の法廷で行われるため、被疑者・被告人の家族も傍聴人として参加することで、顔を合わせることが可能です。
弁護士 | 家族 | |
---|---|---|
面会 | できる | できない |
準抗告の手続 接見禁止の解除 勾留理由開示 | スムーズ | 難しい |
接見禁止の解除方法については『逮捕後の接見禁止は解除できる?接見禁止の解除方法を弁護士が解説』の記事も参考にしてみてください。
Q.オレオレ詐欺・振り込め詐欺の保釈金はいくら?
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の保釈金は、通常200万円~300万円を見込んでおく必要があります。
保釈金とは、起訴された後に、保釈(ほしゃく)されるために、裁判所に納めるお金のことです。
勾留されたまま、起訴された被告人は、起訴後、保釈を申請することができます。
保釈とは、起訴後に釈放される手続きのことです。
裁判官が保釈を許可しても、保釈金が納付できなければ、家に帰ることができません。
保釈申請の流れについて詳しくは『保釈申請の流れ。保釈条件と必要な保釈金は?起訴後の勾留から解放』の記事をご覧ください。
Q.オレオレ詐欺・振り込め詐欺の示談金とは?
示談金とは、示談の際に、被害者の方へお渡しするお金のことです。
通常、刑事事件の示談をする際は、示談金を準備することが多いでしょう。示談金の金額の目安は、被害金額(だまし取った金額)になります。
ただし、受け子や出し子として逮捕された人が、被害金額の全額を準備するのが難しい場合もあります。
というのも、オレオレ詐欺・振り込め詐欺の場合、受け子や出し子が受け取る報酬は犯罪利益の数%にとどまり、全額を賠償できるお金が手元にないうえ、被害者多数のケースも多いからです。
この場合、可能な限りお金を準備し、被害者の方の理解を得て、分配していくという方法をとることも多いでしょう。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺の逮捕のお悩みは弁護士相談
さいごに一言
受け子や出し子は、オレオレ詐欺・振り込め詐欺において末端構成員です。しかし、被害者と直接接点を持ったり、監視カメラが設置されたATMからお金を引き出すことになるため、逮捕されやすいといえます。
受け子は詐欺罪、出し子は窃盗罪が問題になりますが、どちらも懲役の実刑になる可能性があります。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺で逮捕されたとき、不起訴処分や執行猶予付き判決を得るためには、弁護士が不可欠といえます。
たとえば、被害者と示談をするにしても、逮捕されていては、示談交渉を進めることは難しいです。
詐欺にあった被害者は、加害者側と会いたくないのが通常です。そのため、逮捕された方のご家族が、代わりに示談交渉をするのも、現実的にみて厳しい面があるでしょう。
このような場合は弁護士が、あなたの力になってくれます。
刑事弁護の経験が豊かな弁護士なら、被害者の心情を理解しているので、円滑に示談交渉をすすめられる可能性が高いです。
弁護士選びに悩んだら『詐欺加害者の弁護士|詐欺に強い弁護士とは?弁護士費用や選び方がわかる』の記事を参考にしてみてください。
アトムは24時間相談ご予約受付中
アトム法律事務所では、24時間365日刑事事件加害者の相談予約を受け付けています。
警察の捜査を受けている事件では無料相談も可能です。
各支部には基本的に複数の弁護士が在籍しておりますので、当日の来所相談予約であっても対応できる場合が多いです。
また、ご家族がすでにオレオレ詐欺・振り込め詐欺で逮捕されてしまっている場合、早期に、留置場まで弁護士を派遣してあげてください。
アトムは初回接見出張サービス(初回1回限り・有料)も実施中です。ご家族の緊急事態に是非お役立てください。
アトムは仙台、さいたま、東京、千葉、大阪、名古屋、神戸、福岡など全国対応。お気軽にご相談ください。