2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の公訴時効は15年です。ただし、被害者がPTSDを発症していた場合などは致傷罪が適用され、公訴時効が20年に延長される可能性があります。
「15年経過すれば安心」とは言い切れません。
この記事では、不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効について詳しく解説します。また、時効を待ち続けるリスクや弁護士に早期相談すべき理由も解説しています。
「強姦・レイプの時効はいつ完成するのか」「過去の事件に遡及して罪に問われることはあるのか」といった疑問についても解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の公訴時効は15年
被害者の同意を得ることなく、無理やり性交等を行うと、不同意性交等罪に問われます。
不同意性交等罪の公訴時効は15年です。公訴時効とは、一定期間が経過すると検察官が起訴できなくなる制度のことです。時効が完成すると、たとえ犯人が判明していても、刑事裁判にかけることができなくなります。
公訴時効は犯罪行為の終了時点から起算されます。なお、被害者が18歳未満の場合は、18歳になるまでの期間が時効期間に加算されます。
不同意性交等に伴って相手が負傷した場合には不同意性交等致傷罪となり公訴時効は20年、相手を死亡させた場合は不同意性交等致死罪となり公訴時効は30年となります。
不同意性交等罪の公訴時効
- 不同意性交等罪:15年
- 不同意性交等致傷罪:20年
- 不同意性交等致死罪:30年
旧強制性交等罪の公訴時効と法改正による遡及
2023年の刑法改正前の強制性交等罪では、公訴時効はもともと10年でした。しかし、刑法改正と同じタイミングで改正された刑事訴訟法により、強制性交等罪の公訴時効は5年間延長されました。
刑法改正日である2023年7月13日以前に発生した性交事件については、不同意性交等罪が遡及することはなく、強制性交等罪(旧法)に問われます。ただし、公訴時効に関しては法改正後の規定が適用されます。
例えば、2015年7月1日に強制性交等罪を犯した場合、旧法では公訴時効は2025年7月1日に完成するはずでしたが、法改正により、2030年7月1日まで公訴時効は完成しません。
※上記の例では、強制性交等罪に問われることになります。
なお、法改正前の強制性交等致傷罪の公訴時効についても、15年から20年に延長されています。
旧強制性交等罪の公訴時効
| 法改正前 | 法改正後 | |
|---|---|---|
| 強制性交等罪 | 10年 | 15年 |
| 強制性交等致傷罪 | 15年 | 20年 |
| 強制性交等致死罪 | 30年 | 30年(変更なし) |
不同意性交事件における民事の時効
不同意性交は民法709条が定める不法行為にあたり、被害者は加害者に対して損害賠償請求をする権利があります。
この民事上の賠償請求権にも時効が存在します(民法724条)。①被害者が損害および加害者を知った時点から3年、②事件が発生した時点から20年というのが不法行為の時効の原則です。この期間を経過すると、加害者は賠償義務を免れることができます。
なお、2017年の民法改正により、生命・身体に対する不法行為の場合には①の「3年」が「5年」となる規定が新設されました(民法724条の2)。
不同意性交において暴行により身体を害した場合の損害賠償請求権の時効は、5年となる可能性があります。
不同意性交等罪の時効
| 刑事(公訴時効) | 民事 (損害賠償請求権の時効) | |
|---|---|---|
| 時効完成の効果 | 起訴されなくなる | 損害賠償請求されなくなる |
| 期間 | 15年(致死傷罪は20~30年) | 5年または20年 |
時効の停止とは
公訴時効は原則として犯罪行為が終了した時点から進行しますが、一定の事情がある場合には時効の進行が一時的に止まることがあります。これを時効の停止といいます。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)では、以下のケースで時効が停止します。
- 犯人が国外にいる期間
事件後に海外へ逃亡・移住している間は、その期間だけ時効の進行が停止します。時効完成まで残りわずかというタイミングで出国しても、帰国するまで時効は止まったままです。 - 共犯者が起訴されている期間
不同意性交等罪が複数人による犯行だった場合、共犯者の1人が起訴されると、他の共犯者についても時効の進行が停止します。
特に共犯がいるケースでは、自分が関与を否定していても共犯者の起訴によって時効が止まっている可能性があります。「あの共犯者はどうなったのか」が自分の時効にも直結するため、注意が必要です。

性犯罪の時効まとめ
性犯罪に関連する主な罪名の公訴時効をまとめています。
主な性犯罪の時効
| 罪名 | 公訴時効 |
|---|---|
| 不同意性交等罪 | 15年 |
| 不同意性交等致傷罪 | 20年 |
| 不同意性交等致死罪 | 30年 |
| 不同意わいせつ罪 | 12年 |
| 不同意わいせつ致傷罪 | 20年 |
※2023年7月13日以降に発生した事件に適用される罪名です。改正前の事件には旧法の罪名(強制性交等罪・強制わいせつ罪など)が適用されます。
不同意性交(強制性交)で時効を待つリスクと弁護士に相談すべき理由
不同意性交・強姦事件は時間が経ってから被害申告されることが多い
不同意性交・強姦(レイプ)事件では、ほとんどのケースで被害者からの被害申告によって捜査が始まります。犯人特定にかかる期間を考慮すると、事件直後から1~2年ほどは特に刑事事件化するリスクが高いといえます。
一方で、不同意性交・強姦(レイプ)事件はその性質上、しばらくの間は精神的なショックから被害申告が困難なケースも少なくありません。
年月が経ち、被害を訴えられるほどに落ち着いてから事件化するケースがあるのです。
そのため、不同意性交・強姦(レイプ)事件では、加害者が「もう大丈夫だろう」と思った頃に突然刑事事件となる可能性があります。仕事上の地位や築いてきた家庭など、突然すべてを失ってしまうことにもなりかねません。
医師、教員、公務員など職業の継続が危ぶまれるケースもあるでしょう。
事件を起こしてしまった心当たりがあるのであれば、今後の対応について弁護士に相談しておくべきでしょう。
アトム法律事務所では、性犯罪が刑事事件化した場合に備えて、弁護士と顧問契約を締結する方も多いです。顧問弁護士は、逮捕された際に接見に駆け付けたり、会社・家族に事件が発覚することを防ぐために捜査機関との調整を行ったりします。
関連記事
・医師・歯科医師が性犯罪・わいせつ行為をしたらどうなる?免許剥奪を避けるための対処法を解説
公訴時効15年が完成しても安心できるとは限らない
通常の不同意性交等罪の公訴時効は15年ですが、時効期間が経過したとしても油断はできません。
不同意性交により被害者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症していれば、公訴時効20年の不同意性交等致傷罪が適用される可能性があるからです。
実際にそのような裁判例が存在します。
裁判例(横浜地判令和3年7月16日)
2005年に当時10代の女性を廃屋に連れ込み性的暴行を加えた事案。
被害者はその日のうちに被害を届けたものの、犯人が特定できず10年後の2015年に強姦罪としては公訴時効が成立しました。
しかし、2018年に別件で採取された加害者のDNAが犯人のものと一致したため捜査が再開、2020年(時効成立の4日前)に強姦致傷罪および強制わいせつ致傷罪で事件が起訴されました。
裁判員裁判では、事件から10年以上経った2019年~2020年に診断されたPTSDが本件による傷害と認定され、強姦致傷罪として懲役8年の判決が言い渡されました。
※この事案は改正前の刑事訴訟法が適用となるため、強姦罪の公訴時効は10年、強姦致傷罪の公訴時効は15年です。
このように、「強姦罪・強制性交等罪の時効は過ぎた」と思っていても、致傷罪として起訴される可能性が残ります。時効の完成を安易に信じることは大きなリスクを伴います。
「いつ逮捕されるか分からない」という不安に、弁護士相談で備えられる
不同意性交等罪の時効が完成するまでの間は、常に「いつか警察から連絡がくるかもしれない」「いつ逮捕されるか分からない」などの不安を抱えながら生活しなければなりません。
しかし、弁護士に相談しておくことで、警察から連絡が入った場合の対応方法をあらかじめ把握することができます。
弁護士であれば、事件の状況や被害者との関係性などを整理したうえで、今すぐ自首する必要があるのか、このまま様子を見てもいいのかなど、事案に即したアドバイスが可能です。
弁護士は守秘義務を負っており、警察など外部機関に情報が漏れることはありません。不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効について不安があれば、まず一度相談することをおすすめします。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)で時効より示談・不起訴を目指すべき理由
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効は15年と長期にわたります。その間ずっと不安を抱え続けることになりますが、被害者との示談を成立させることで、刑事事件化そのものを防げる可能性があります。
示談とは、加害者が被害者に対して謝罪と賠償(示談金)を行い、被害者が告訴を取り消したり被害申告をしないことに合意する手続きです。

示談が成立すれば以下のようなメリットがあります。
示談を成立させるメリット
- 不起訴処分を得られる可能性が高まる
- 被害届・告訴が取り下げられ、捜査が進まなくなる
- 時効まで何年も不安を抱えずに済む
ただし、性犯罪の示談交渉は非常に難易度が高く、加害者本人が被害者に直接連絡を取ることはかえって逆効果にもなりかねません。
ストーカー規制法違反や証拠隠滅とみなされるリスクもあります。示談交渉は必ず弁護士を通じて行うことが重要です。
弁護士であれば、被害者の連絡先を捜査機関経由で取得し、中立的な立場で交渉を進めることができます。時効を漫然と待ち続けるよりも、早期に弁護士へ相談して解決の糸口を探ることをおすすめします。
示談の重要性や示談金相場については『不同意(強制)性交の示談方法とメリット|強姦事件の示談金相場と解決までの流れ』の記事をご覧ください。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効に関する質問
不同意性交等罪の時効完成前に捕まると刑罰はどうなる?
不同意性交等罪の刑罰は「5年以上の有期拘禁刑」です。
16歳以上の者に対して、相手が同意することが困難な状態で、性交・肛門性交・口腔性交等をした場合に不同意性交等罪が成立します。
相手が16歳未満であれば、同意があっても不同意性交等罪になります。
相手が同意することが困難な状態とは、暴行・脅迫、アルコールや薬物の影響などで同意が不可能・抵抗が困難な状態のことです。
不同意性交等罪の刑罰や改正の詳細については『不同意性交等罪とは?構成要件・刑罰・容疑をかけられた時の対処法まで解説』で説明していますので、あわせてご確認ください。
なお、2023年の刑法改正前の事件であれば強制性交等罪・準強制性交等罪、2017年の刑法改正前の事件であれば強姦罪・準強姦罪に問われます。
- 2023年7月13日以降に起こした事件:不同意性交等罪
- 2017年7月13日~2023年7月12日までに起こした事件:強制性交等罪・準強制性交等罪
- 2017年7月12日までに起こした事件:強姦罪・準強姦罪
なお、未遂であっても基本的には、既遂と同様の刑罰が科されます。
『不同意わいせつ(旧強制わいせつ)未遂とは?性交等未遂との違い』の記事では、性犯罪の未遂事件を網羅的に解説していますので、気になる方はあわせてご覧ください。
不同意性交等罪の時効は遡及(改正前の事件)して適用される?
2023年の刑法改正により不同意性交等罪が新設されましたが、改正前に発生した事件に不同意性交等罪は遡及されません。
改正前の事件は旧法(強制性交等罪・強姦罪)で処罰されます。
ただし、公訴時効の延長については遡及適用されます。改正前に発生した事件であっても、時効期間は改正後の長い期間(10年→15年)が適用されます。
過去の事件について「もう時効が完成している」と思っていても、延長後の時効が適用されている可能性があります。不安がある場合は弁護士に確認することをおすすめします。
時効を待たずに自首や任意出頭した方がいい場合は?
犯人が発覚する前であれば、自ら警察に罪を申告すれば自首が成立し、刑罰が減軽される可能性があります(刑法42条)。
ただし、自首については判断が難しい部分もあるため、一度弁護士に相談をしてから決めることをおすすめします。
弁護士に相談することで自首のメリット・デメリットを教えてもらえるので、本当に自首すべきかを正しく判断できます。
自首する際にも弁護士に同行してもらえます。弁護士が同行することで「確実に自首した」という証拠を残しやすくなり、刑の減軽を受けやすくする効果も期待できるでしょう。
不同意性交・強姦事件の加害者になってしまったら何をすべき?
不同意性交・強姦(レイプ)は、事件化すれば逮捕され、実刑判決を受ける可能性も十分に考えられる重大な犯罪です。
漫然と時効を待っていた場合、「反省の態度が見られない」として刑事処分が厳しくなることが予想されます。
そのため、不安がある場合は早急に弁護士へ相談すべきです。
刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、個別の事案を聞いたうえで、適切なリスク評価・事件化の見込み・最善の対応方法を助言することができます。
必要に応じて弁護士に依頼し、被害者と示談を締結し不起訴処分を得ること、もしくは事件化を防ぐことも重要な選択肢です。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効についての不安はアトム法律事務所へ
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効に関するまとめ
この記事では、不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効について以下のポイントを解説しました。
- 不同意性交等罪の公訴時効は15年(致傷罪は20年・致死罪は30年)
- 被害者がPTSDを発症していた場合など、15年経過後も安心できないケースがある
- 法改正前の事件にも公訴時効の延長が遡及適用される
- 時効を待ち続けるより、示談による早期解決を目指すことが重要
アトム法律事務所では、刑事事件の弁護活動に熱心に取り組んでいます。ご相談内容が外部に漏れる心配はありません。
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)で被害届を出され、取り調べや任意出頭の呼び出しを受けた方はもちろん、刑事事件化する不安があるという方からのご相談も受け付けています。
時効を待ち続ける不安から解放されるためにも、まずは一度弁護士までご相談ください。
ご依頼者様からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
一人では解決できない事件を助けて頂き感謝しております。

今回は本当にありがとうございました。自分一人では解決できないのを助けて頂き本当に感謝しております。今後は同じ事を繰り返さない様真面目に努めてまいります。本当にありがとうございました。
3~4日で示談まで対応して頂き、迅速で感謝しております。

初めての御依頼と今回の案件だけに、生活していく上で不安があり、ネットから全国的に展開、事業所があるという事で、こちらに御依頼をさせて頂きました。初日の御相談から、相手様の対応にしっかりしている事など、3~4日で示談まで迅速に対応して頂きました。相手様に対応して頂きました先生に感謝しております。この度はありがとうございました。
アトムの解決事例(不同意性交等罪・強制性交等罪)
ここでは、過去アトム法律事務所が実際に取り扱った不同意性交等罪・強制性交等罪の解決事例をご紹介します。
不同意性交等罪(不起訴処分)
会社経営者の男性。デリヘル利用時に不同意性交等罪で被害届を提出され、取り調べを受けました。刑事事件化の影響を憂慮し、示談交渉・不起訴処分の獲得を希望してご依頼いただきました。
弁護活動の成果
受任後、速やかに被害者の連絡先を確認し示談交渉を開始。受任から1か月足らずで示談が成立。示談書を検察官に提出し不起訴処分を主張した結果、不起訴処分となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴処分
強制性交等罪(事件化せず)
マッチングアプリで知り合った女性と車内で会った際、同意なく体を触る・口淫をさせるなどの行為をしました。後日、警察から連絡があったため当事務所にご相談いただきました。
弁護活動の成果
依頼から約2週間で示談が成立。示談書を警察に提出した結果、検察庁に送致されず、刑事事件化されることなく終了となった。
示談の有無
あり
最終処分
事件化せず
準強制性交等罪(不起訴処分)
職場の同僚女性と飲酒後に性行為に及んだところ、約4か月後に被害申告され、警察から任意出頭の要請を受けました。今後の取調べ対応や刑事処分への不安からご相談いただきました。
弁護活動の成果
否認事件のため示談交渉は行わず、取り調べ対応に注力しました。取り調べ・実況見分にも弁護士が立ち会った結果、嫌疑不十分で不起訴処分となった。
示談の有無
なし
最終処分
不起訴処分
24時間365日相談ご予約受付中
不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の時効や今後の対応について不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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