2023年7月13日の刑法改正により、従来の強制性交等罪・準強制性交等罪が統合され、新たに不同意性交等罪が新設されました。
不同意性交等罪とは、相手が同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態に乗じて性交等を行った場合に成立する犯罪です(刑法177条)。
不同意性交等罪の法定刑は、5年以上20年以下の有期拘禁刑です。罰金刑が設けられていないため、示談などが成立しなければ、初犯であっても公判請求(正式裁判)され、拘禁刑を求刑される可能性が高い犯罪です。
この記事では、不同意性交等罪の構成要件や刑罰、旧強制性交等罪の違い、容疑をかけられたときの対処法まで刑事事件を数多く解決してきたアトム法律事務所の弁護士がわかりやすく解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
不同意性交等罪とは?

不同意性交等罪とは、相手が同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態に乗じて性交等を行った場合に成立する犯罪です(刑法177条)。
わかりやすく言えば、相手が同意していない、または自分の同意をはっきり示せない状態の相手に対して性交等を行う犯罪です。
第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法177条
不同意性交等罪が成立するためには、相手の同意なしに「性交等」をすることが必要です。「性交等」とは、性交(女性器へ陰茎を挿入すること)、肛門性交、口腔性交、膣・肛門に陰茎以外の体の一部を挿入する行為です。
性交等の例
- 性交
- 肛門性交
- 口腔性交
- 膣・肛門に、陰茎以外の身体の一部や物を挿入する行為であってわいせつなもの
例)膣に指を入れる
不同意性交等罪の刑罰は?いつから施行された?
不同意性交等罪の刑罰|5年以上の有期拘禁刑
不同意性交等罪の刑罰は、5年以上の有期拘禁刑です。罰金刑が規定されておらず、実刑(刑務所行き)になる可能性が極めて高い犯罪です。
なぜ「執行猶予」がつきにくいのか?
日本の法律では、執行猶予をつけられるのは「言い渡される刑が3年以下」の場合に限られています。
つまり、裁判で減軽される特別な事情(自首などによる法律上の減軽や示談の成立などによる酌量減軽)が認められない限り、有罪=刑務所行きとなる構造になっているのです。
不同意性交等罪は未遂も処罰対象
不同意性交等罪は未遂であっても処罰の対象となります(刑法180条)。
たとえば、相手の同意がないにもかかわらず、無理やり押さえつけるなどして性交等に及ぼうとしたが、結果として性交に至らなかった場合でも、「不同意性交等罪の未遂」として刑事責任を問われる可能性があります。
実際の処罰の有無や刑の重さは、行為の具体的内容や状況、被害者の供述などによって大きく左右されます。未遂とはいえ、重大な性犯罪の一つとして扱われる可能性が高いでしょう。
不同意性交等罪は2023年7月13日に施行
不同意性交等罪が施行されたのは、2023年7月13日です。刑法改正に伴い、以前の強制性交等罪・準強制性交等罪が統合される形で新設されました。
2023年7月12日以前に行われた行為については、現在の不同意性交等罪ではなく、改正前の強制性交等罪などが適用されます。
| 2023.7.12 以前 | 2023.7.13 以後 | |
|---|---|---|
| 性交・肛門性交・口腔性交 | 強制性交等罪 | 不同意性交等罪 |
| 膣・肛門への陰茎以外の挿入 | 強制わいせつ罪 | 不同意性交等罪 |
| 胸やお尻を触る・キス・自分の陰部を相手に触らせるなど | 強制わいせつ罪 | 不同意わいせつ罪 |
以下では、なぜこのような改正が行われたのかを解説します。
法改正の背景にある「暴行・脅迫」要件の壁
改正前の強制性交等罪においては、罪を立証するために加害者による「暴行または脅迫」があったことの証明が不可欠でした。
しかし、実際の性被害の現場では、暴行や脅迫がなくとも被害者が抵抗不能に陥るケースが多く存在します。
- フリーズ(恐怖による硬直)
突然の出来事に驚き、恐怖で身体が動かなくなる状態。 - 地位・関係性の悪用
上司や教師など、拒絶することで社会的不利益を被る関係性を利用されるケース。
これまでも、こうした状況下で「暴行・脅迫は認められない」として無罪となる判決があり、法改正を求める声がありました。
被害者の声と国際基準「同意」への転換
2019年のフラワーデモをはじめとする抗議活動や、被害者支援団体の訴えが後押しとなり、法制審議会での議論が進展しました。
国際的にも「No Means No(イヤと言ったらダメ)」や「Yes Means Yes(同意がなければダメ)」という、「同意の有無」を性犯罪の判断基準とする考え方がスタンダードになっています。
不同意性交等罪の構成要件
不同意性交等罪の構成要件は、以下の3パターンに分類することができます。

不同意性交等罪の3類型
- 同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態での性交等(刑法177条1項)
- わいせつな行為でないと誤信・人違いに乗じた性交等(刑法177条2項)
- 16歳未満との性交等(刑法177条3項)
相手が同意できない状況もしくは同意する能力がない状況において性交等をすると、不同意性交等罪が成立する可能性が高いです。上記の3類型をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態での性交等

被害者が「同意しない意思を形成、表明、全う」することが難しい状態で性交等を行うと不同意性交等罪が成立します。
「同意しない意思を形成、表明、全う」することが難しい状態の例として、刑法176条に8つの類型が示されています。
8つの類型
- 暴行・脅迫
- 心身の障害
- アルコール・薬物の摂取
- 睡眠・意識不明瞭
- 拒絶する隙を与えない
- 恐怖・驚愕
- 虐待
- 地位の利用
これらに共通するのは、被害者が「嫌だと言えない、あるいは抵抗できない状態」に置かれているという点です。
具体的にどのような行為が該当するのか、詳しく見ていきましょう。
(1)暴行・脅迫
暴行とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使のことです。具体的には殴る・蹴る・体を押さえつけるなどの行為が暴行にあたります。
脅迫とは、人を畏怖させるような害悪の告知のことです。具体的には「動いたら包丁で刺して殺すぞ」「抵抗すれば裸体の写真をばらまくぞ」などと脅す行為が脅迫にあたります。
旧法の強制性交等罪では「抵抗が著しく困難なほど」の強い暴行・脅迫が必要でしたが、不同意性交等罪では「同意しない意思を示すのが難しくなる程度」であれば認められるようになり、処罰の範囲が広がりました。
(2)心身の障害
心身の障害は、身体傷害、知的傷害、発達障害、精神障害があることに乗じる行為です。「嫌だ」という意思を持ったり、それを相手に伝えたりすることが難しい状態を指し、一時的なものも含まれます。
不同意性交等罪が成立する具体例としては、障害により性行為の意味を正しく理解できていない、または身体を自由に動かせないことに乗じて行為に及ぶ場合などが挙げられます。
被害者が拒絶の言葉を口にしていなくても、障害によって「適切な判断ができない状態」であれば罪が成立します。旧法では、準強制性交等罪になる犯罪類型です。
(3)アルコール・薬物の影響
アルコールや、薬物の投与・服用によって酩酊状態にある場合には、性交等に同意するかしないかの意思表示が困難です。被害者が寝ている間や気を失っている状態を利用して性交等を行うと、不同意性交等罪が成立します。
具体例として、相手が飲酒で泥酔して寝入っている隙に行為に及んだり、薬物を窃取させて性交等をした場合などが挙げられます。
なお、お酒を飲んでいても、お互いに意識がはっきりしており、「明確な同意」のもとで行われた性行為であれば、不同意性交等罪は成立しません。
もっとも、「アルコールが入ると同意の効力が怪しくなる」と考えておくのが安全です。
注意点
「会話ができる=同意能力がある」とは限りません。注意が必要なのは、「ブラックアウト(記憶の欠落)」の状態です。
お酒を飲み過ぎると「側から見れば普通に会話や歩行をしていても、本人の記憶も判断能力も飛んでいる」という状態になることがあります。
加害者が「普通に会話していたし、ホテルにも歩いてついてきた」と主張しても、被害者が後から「記憶がない」と訴え、防犯カメラの映像などで酩酊の様子(千鳥足など)が確認されれば、「判断能力がない状態に乗じた」として逮捕・起訴されるリスクがあります。
旧法では、準強制性交等罪になる犯罪類型です。
(4)睡眠・意識不明瞭
睡眠・意識不明瞭に乗じて性交等をしても、不同意性交等罪が成立します。具体的には、睡眠薬を飲ませて行為に及んだり、持病の発作や貧血などで意識がない状態を利用した場合などが挙げられます。
旧法では、準強制性交等罪になる犯罪類型です。
(5)拒絶する隙を与えない
断る隙(いとま)を与えずに、いきなり行為に及ぶことです。性的行為がされるまでの間に、その性的行為について自由な意思決定をするための時間のゆとりがないことをいいます。
具体的には、暗闇で待ち伏せして襲いかかる、室内で背後から突然抱きついてそのまま行為に及んだケースなどが挙げられます。暴行・脅迫とまでは言えなくても、「驚いてNOと言う暇もなかった」という状況がこれに該当します。
(6)恐怖・驚愕
あまりの恐怖や全く予想できない環境で、頭が真っ白になり体が動かなくなる状態です。突然のことで体が固まってしまい(いわゆるフリーズの状態)、明確に性行為を拒否できない場面などで問題になる類型です。
「拒否していなかった」と加害者が感じていたとしても、被害者が恐怖・驚愕のあまりフリーズしている状態であったと客観的に判断されれば、不同意性交等罪が成立します。
(7)虐待
身体的虐待や性的虐待、他者への暴行を見せるなどの心理的虐待を用いて、性交等を行う場合などです。
虐待を受ける状況が通常の出来事だとして受け入れていて、抵抗をしても無駄だと考える心理状態に付け込み、あるいは恐怖心を利用して性交等におよぶ場合が処罰対象となります。
典型例としては、日頃からDVがある夫婦間での性交等です。不同意性交等罪は、夫婦やパートナー間であっても成立します。
(8)地位の利用
経済的な地位や社会的地位に基づく影響力を悪用するケースです。
明確な脅し文句がなくても、「立場上の優位性を利用して断りにくい空気を作った」と判断されれば不同意性交等罪に問われる可能性があります。
立場による影響力(地位の利用)の例
- 上司と部下
- 教師と生徒
- 医師と患者
- コーチと教え子
- プロデューサーとタレント など
「断ったらクビにする」などの不利益を示唆するケースだけでなく、「単位をあげる」「スタメンにする」といった利益を約束するケースも、地位の影響力で同意を歪めるため不同意性交等罪に該当します。
誤信・人違いに乗じた性交等
「わいせつな行為ではないと誤信させたり、人違いをさせること又は相手方がそのような誤信をしていること」に乗じて性交等を行う場合も、不同意性交等罪が成立します(刑法177条2項)。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
刑法177条2項
誤信に乗じた性交等
被害者に対して「これは性的な行為ではない」と信じ込ませ、それを利用して性交等を行うケースです。
たとえば、医師や整体師が「治療や検査に必要だ」と嘘をつき、正当な理由なく性器を触ったり、指や器具を挿入したりする行為が挙げられます。
被害者は行為自体には同意していても、「それが性的な目的であること」を知らされていないため、同意は無効となります。
人違いをさせる・人違いに乗じる
相手が「自分の配偶者や恋人だ」と勘違いしている状況を、あえて正さずにそのまま行為に及ぶケースです。
たとえば、暗い寝室や目隠しをしている相手に対し、相手の配偶者になりすまして性交等をするケースなどが挙げられます。
16歳未満との性交等
被害者の年齢で、不同意性交等罪が成立するケースも存在します。具体的には、以下の2つのケースが該当します。
(1)相手が13歳未満の場合
相手が13歳未満である場合、いかなる理由があっても、性交等を行えば「不同意性交等罪」が成立します。「相手が明確に同意していた」「相手から誘ってきた」などの言い訳は通用しません。
この年齢の児童には、性行為が自分に与える影響を正しく判断する能力(性的同意能力)が法的に認められていないためです。
(2)相手が13歳以上16歳未満で、5歳以上の年齢差がある場合
相手が13歳〜15歳の場合、行為者(加害者)が相手よりも「5歳以上」年上であれば、同意の有無にかかわらず罪が成立します。
たとえば、20歳の大学生が15歳の中学生と合意の上で行為に及んだ場合、5歳の年齢差があるため、不同意性交等罪に問われます。
なお、同年代(例:15歳と17歳など)の性交等は、無理やりでない限り、この規定による処罰の対象からは外れるよう配慮されています。
十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
刑法177条3項
もっとも、年齢差が5歳未満の場合に処罰対象にならないのは不同意性交等罪のみという点に注意が必要です。
たとえば20歳と16歳の者同士が同意の上で性交等を行った場合、年齢差が4歳になるので不同意性交等罪には該当しません。しかし、18歳未満の者とのみだらな行為を取り締まる、各自治体の青少年育成保護条例(淫行条例)には該当する可能性があります。
未成年同士の性交等で不同意性交等罪に該当するケースについて詳しくは『未成年同士の性行為で不同意性交等罪になる?』の記事をご覧ください。
不同意性交等罪と強制性交等罪との違い
不同意性交等罪と強制性交等罪の違いは、構成要件や行為の内容、性交同意年齢、時効の期間などが挙げられます。
不同意性交等罪と強制性交等罪との違い
| 不同意性交等罪 | 強制性交等罪 | |
|---|---|---|
| 構成要件 | 同意しない意思の形成等が困難な状態 | 暴行・脅迫 |
| 判断基準 | 「同意があったか?」 | 「抵抗できたか?」 |
| 行為の内容 | 性交・肛門性交・口腔性交 膣・肛門に陰茎以外の体の一部を挿入する行為 | 性交・肛門性交・口腔性交 |
| 性交同意年齢 | *16歳未満 | 13歳未満 |
| 刑期 | 5年以上の有期拘禁刑 | 5年以上の有期懲役刑 |
| 時効 | 15年 | 10年 |
(1)構成要件の拡大
不同意性交等罪は、従来の強制性交等罪と比較して処罰の対象が拡大・明確化しました。
強制性交等罪は、「暴行または脅迫」によって相手の反抗を著しく困難にさせた場合に限り、犯罪が成立します。成立には、被害者が抵抗できないほどの強い力を伴う行為が必要とされていたのが特徴です。
一方、不同意性交等罪では、「相手が同意しない意思を形成・表明・維持することが困難な状態」で行われた性交等も処罰対象とされています。
(2)性行為の内容
強制性交等罪は、性器の挿入のみが処罰対象でしたが、不同意性交等罪では膣や肛門に指や道具を入れる行為も処罰対象となりました。
(3)性交同意年齢の引き上げ
今回の刑法改正で、これまで13歳と定められていた性交同意年齢が16歳に引き上げられました。
たとえ互いに同意していたとしても、中学生以下の子供との性交は原則処罰されることになります。
なお、13歳以上16歳未満の人との性交等は、5歳以上の年長者が処罰対象となります。
(4)時効の延長
不同意性交等罪の公訴時効は15年です(刑事訴訟法250条3項2号)。今回の刑法改正に併せて刑事訴訟法も改正され、性犯罪関連の時効が延長されました。
強制性交等罪と不同意性交等罪の時効
| 強制性交等罪 | 不同意性交等罪 | |
|---|---|---|
| 通常 | 10年 | 15年 |
| 致傷罪 | 15年 | 20年 |
| 致死罪 | 30年 | 30年 |
刑事訴訟法が改正される前の強制性交等罪の公訴時効は10年でしたので、改正法により5年延長されたことになります。
性交等の結果、被害者を負傷させた不同意性交等致傷罪の時効も、15年から20年に延長されています。
なお、犯罪行為終了時点で被害者が18歳未満の場合には、被害者が18歳になるまでの期間が時効期間に加算されます。
たとえば、16歳を被害者とする不同意性交事件をおこした場合、公訴時効期間15年のほかに、被害者が18歳になるまでの日数(2年)が公訴時効期間に加算されることになります。
そのため16歳を被害者とする不同意性交事件については、公訴時効が完成するまで17年(15年+2年)かかります。
【コラム】準不同意性交等罪は存在しない
不同意性交等罪は、改正前の強制性交等罪および準強制性交等罪の構成要件を統合したものです。そのため、準不同意性交等罪という罪名はありません。
準強制性交等罪とは、相手が心神喪失または抗拒不能の状態にあることに乗じて性交等を行う犯罪で、睡眠中や泥酔状態などで抵抗できない状況下の性行為が典型例とされてきました。
今回の改正により、強制性交等罪における「暴行または脅迫」という要件と、準強制性交等罪における「心神喪失・抗拒不能」という要件が整理・統合され、「同意のない性交等」という観点から、どのような手段であれば処罰の対象となるのかがより明確化されました。
強制性交等罪の内容について詳しく知りたい方は『強制性交・レイプ(強姦)の弁護士相談|逮捕・不起訴・示談でお悩みの方へ』をご覧ください。
不同意性交等罪のよくあるケースは?
同意があると思っていたら後になって不同意だと言われた
性交等の時点で明確に拒否されなかったため、互いに同意があると思ってしまうケースです。後日になって不同意だったと訴えられる、不同意性交等罪の典型例といえます。
不同意性交等罪で訴えられてしまう方は、「食事をして良い雰囲気になったうえで性交したので同意していたはず」「ホテルや自宅に誘ったら来てくれて性交したので同意していたはず」とお考えの方が多いです。
しかし、相手が同意していたのだから自分は悪くないと判断するのは危険です。どこまでが同意ありの性交で、どこからが不同意性交になるのかは専門家でなければ難しいでしょう。
性犯罪では被害者の主張が聞き入られやすい傾向があるため、警察対応や被害者対応を放置していると、刑事処分が重くなる可能性があります。
性交等に同意していた証拠があれば罪に問われない?
不同意性交の容疑をかけられている場合、相手が同意していたと示すためには証拠が必要になります。
性行為の前に同意書にサインしてもらったり、ボイスレコーダーで同意している音声を録音したりできれば、性交等に同意していた証拠にはなりますが、あまり現実的ではないでしょう。
同意があったと示す証拠には、以下のようなものがあります。
同意があったことを示す証拠となるもの
- 当日のLINEやDMなどのやりとり
- 行為後の前向きな感想メッセージ
- 防犯カメラ・アプリのGPS履歴
- 第三者の証言(第三者の存在があった場合)
被害者から訴えられた後、どのように行動すればいいのか不安な方はまず弁護士に相談してみてください。
18歳以上だと思っていたら相手が16歳未満だった
不同意性交等罪は、相手が16歳未満であれば同意の上の性交等であっても処罰対象となります。
性交等の前に年齢確認をしていたとしても、被害者が正直に答えなかったケースもありえます。しかし、このような場合でも、外見や口ぶりなどから被害者が16歳未満と認識できる可能性が高かったと判断されれば、不同意性交等罪に問われる可能性があります。
なお、相手が16歳~17歳であれば不同意性交等罪は成立しませんが、各自治体の条例違反に該当する可能性があるでしょう。
風俗店で本番行為をしてしまって不同意だと言われた
風俗トラブルの代表例である本番行為は、警察沙汰になると不同意性交等罪で立件される可能性があります。
多くのケースでは風俗店・風俗嬢と示談を成立させることでトラブル解決になりますが、被害者の処罰感情が強ければ被害届が出されてしまうかもしれません。
しかし、風俗業という業種の性質上、トラブルが起きたとしても、警察が本格的に捜査するケースは少ないです。警察を呼んでも、当事者同士で話し合うように言われるだけの場合もあります。
請求された慰謝料を払わないでいると、家族や職場に連絡してくる風俗店もあるので、穏便に解決したいのであれば示談を成立させるのが最適です。
アトム法律事務所では、風俗店での本番行為や盗撮などをしてしまったトラブルについても無料相談を実施しています。「違反金の金額が適切なのか」「風俗店と示談してほしい」どの希望があれば、まずはお気軽にご連絡ください。
不同意性交等罪の容疑をかけられた・逮捕された場合
もし、不同意性交等罪で容疑をかけられたり、逮捕された場合は被害者との示談を目指すことが重要です。
不同意性交等罪は逮捕されやすい?
不同意性交等罪は逮捕されやすい犯罪です。2023年の検察統計によると、不同意性交等罪で検挙された事件のうち約58%で被疑者が逮捕されています(検察統計「罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員」)。
2人に1人以上が逮捕されていることからも、逮捕されやすい犯罪といえます。
不同意性交等罪で逮捕された後の流れは?

不同意性交等罪が逮捕される場合、現行犯逮捕、後日逮捕の両方が考えられます。
現行犯逮捕、後日逮捕いずれにしても、警察に逮捕された後は、48時間以内に検察官に事件が引き継がれることになります(検察官送致)。
そして検察官によって留置の必要性があると判断された場合は、勾留が請求されます。
その後、裁判官によって勾留が決定された場合は、原則10日間身体拘束が続きます。勾留延長の場合は、さらに10日間以内の身体拘束手続きが実施され、逮捕から数えると最長で23日間留置場などで生活しなければなりません。
その後、検察官によって起訴/不起訴が決定され、起訴された場合は刑事裁判を受けることになり、有罪/無罪が確定します。
不同意性交等罪の逮捕・起訴を防ぐための方法
不同意性交でトラブルになった場合、逮捕・起訴を防ぐためには、被害者との示談が重要です。
不同意性交等罪について被害者と示談をするには、弁護士への依頼が事実上必須となります。性犯罪の被害者の場合、加害者本人と連絡をとってくれないことも多いため、第三者である弁護士の存在が必要になるためです。
また被害者の連絡先を知らない場合、捜査機関が被害者との仲介をしてくれるときもありますが、そのようなときでも「弁護士にのみ被害者の連絡先を教える」という条件がつくこともあります。

まずは不同意性交等罪の示談交渉について、安心して任せられる弁護士を見つけてください。
なお、警察が事件を認知する前であれば、自首することで、最終的な刑事処分を軽くすることができる場合もあります。
不同意性交等罪に関するよくある質問
Q.不同意性交等罪はなぜ新たに成立した?
不同意性交等罪は、改正前の強制性交等罪では処罰できないケースにも対応するために創設されました。
性交等の際に暴行・脅迫(により著しく抵抗が困難であることの立証)がないと、罪が成立しない点が、強制性交等罪の問題点でした。
被害者が自身の立場が危うくなることを恐れて性交等を断れなくても、暴行や脅迫がなければ強制性交等罪には該当しない事案が多かったのです。
しかし、現実には上司が権力を悪用して、暴力などを加えずとも部下を性的関係に追い込むようなケースが多数実在することが被害者団体などから指摘されていました。
そこで、このたび不同意性交等罪が新たに設けられることになったのです。
Q.不同意性交等罪の問題点は?
不同意性交等罪の問題点は、性交等をした時点で同意があったと思っていた場合でも、後から被害者が「本当は同意していなかった」と申告することで、加害者として罪に問われる可能性があることです。
密室での性交等に同意があったことを証明するのは困難です。
被害者が後になって虚偽申告をした場合でも、強制性交等罪であれば、暴行や脅迫があったかどうかが判断基準なので、冤罪のリスクは低いと考えられます。
しかし、不同意性交等罪では、被害者が抵抗できる状況だったかどうかが判断基準になるため、従前の規定よりも罪が成立する可能性が高くなるのです。
被害者の一方的な供述で罪に問われるのではないかという気持ちになるかもしれませんが、同意があったかどうかは被害者の供述のみで判断されるものではなく、供述を裏付ける客観的な証拠に基づいて判断されます。
詳しくは『不同意性交等罪の「言ったもん勝ち」は誤解?悪法だといわれる理由』の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
Q.故意がないと不同意性交等罪は成立しない?
客観的に同意がない性行為であったとしても、加害者が罪に問われるには「故意」が必要です。
ここでいう故意とは、「相手を無理やり襲ってやろう」という明確な意図だけではありません。
「相手が拒絶しているかもしれない」「お酒で判断能力が低下していて、同意と言えないかもしれない」と認識しながら(あるいは認識できたのに)、あえて性行為に及んだ場合も、故意(未必の故意)があるとみなされます。
Q.同意があると誤信してしまう典型例は?
加害者が「相手も同意している」と誤信していた場合、その誤信に正当な理由がなければ、故意が認められ罪になる可能性があります。
以下は加害者が同意があると誤信してしまうケースです。
同意があると誤信してしまうケース
- 「拒絶されなかったから」
相手が黙っていた、抵抗しなかったことは、同意の理由になりません(恐怖でフリーズしていた可能性があるため)。 - 「以前は同意してくれたから」
過去に性行為があったとしても、その日その時の同意があるとは限りません。 - 「ホテルや家についてきたから」
場所の移動への同意は、性行為への同意とイコールではありません。 - 「相手が笑顔だった/優しかったから」
気まずくならないように振る舞っていただけの可能性があります。 - 「キスに応じたから」
キスへの同意が、性交への同意とはみなされません。
改正法では、性的な同意について「相手の明確な言動」などから慎重に確認することが求められており、上記のような弁解は、以前よりも認められにくくなっています。
アルコールで酔った女性と性交したら「不同意」にあたりますか?
アルコールの影響で相手が正常な判断能力を失っていた場合、性的同意があったとは認められず、不同意性交等罪が成立する可能性が高くなります。
たとえば、酩酊状態で意思の形成や表明が困難な状況で性交等が行われた場合、同意に基づく性行為とは評価されません。
飲酒の程度や状況、当事者の関係性などによっても判断は分かれるため、捜査機関による慎重な検討が行われます。
アトムの不同意性交等罪の解決事例
マッチングアプリで出会った女性との性交(示談なし・不起訴)
マッチングアプリの女性と性行為
マッチングアプリで知り合った女性に対し、仕事のトレーニングとして自身の技術を教えた。依頼者は女性側から誘われる形で、同意の上で性行為に及んだ。その後、仕事関係を解消したが、約半年後の2024年4月、女性が警察に「同意のない性行為だった」と相談された事案。
弁護活動の成果
依頼者は一貫して行為への同意があったと主張しており、その主張を裏付けるLINEのやり取りも証拠も残っていたため、示談せずに否認を貫いた。
依頼者の主張と証拠に基づき、毅然とした対応で対応した結果、嫌疑不十分で不起訴処分となった。
風俗店利用での不同意性交(示談成立・事件化回避)
風俗店で本番行為をしたが、示談成立により事件化を回避した事例
マンション型のメンズエステを利用した際に、女性キャストに本番行為(女性器に男性器を挿入する行為)をした事案。本番行為自体は認めつつも、合意があったと主張していた。
弁護活動の成果
依頼者と店舗側の言い分は大きく食い違っていましたが、長期化を避けるため、弁護士は依頼者の意向を汲み、示談による解決を最優先に活動。
示談金50万円で宥恕文言つきの示談が成立。事件化を回避した。
国家資格保持者の不同意性交(示談成立・事件化回避)
自宅での不同意性交、示談成立で不起訴となった事例
医療従事者の男性が、パーティーで知り合った女性と後日2人で飲酒した後、自身の自宅で性行為に及んだ事案。依頼者は性行為について同意があったと認識しており、一部否認の状況だった。
弁護活動の成果
被害者へ謝罪と賠償を尽くし、示談が成立。依頼者は前科がつくことなく、事件終了となった。また、国家資格の剥奪という事態を回避し、社会生活への影響を最小限に抑えることができた。
不同意性交等罪の相談は刑事事件に強いアトム法律事務所へ
不同意性交等罪は、相手が同意していない、または自分の同意をはっきり示せない状態の相手に対して性交等を行う犯罪です。
暴力や脅迫だけでなく、恐怖や立場の弱さ、意識がない状態など、さまざまな「同意できない」状況が対象となります。罰則も非常に重く、社会的にも重大な犯罪と位置付けられています。
ご自身が不同意性交等罪の容疑を疑われている、不同意性交等罪の前科を防ぎたいなどのお悩みを抱えている方は、できる限り早く弁護士に相談してください。
否認事件では有利な証拠の確保、示談事件では早期解決への道が開かれます。不同意性交等罪でお困りの方は、まずは一人で悩まずに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
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刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
不安で精神的に追い詰められている中、いつも励まし、親身になっていただきました。

この度は出口先生に親身になっていただきおかげさまで不起訴となりまして感謝の言葉もございません。不安で不安で睡眠不足となり弱気になり精神的に追いつめられていた私にいつも励まし、親身になっていただいた出口先生の言葉は一生忘れません。出口先生、本当にありがとうございました。
逮捕というテレビの世界の事が起こってどうしたらいいか分からない中、迅速な対応で助けて頂きました。

この度は迅速な対応ありがとうございました。当日のショックはいまだに親として心に残っています。息子がこんなことをする事は絶対にないと自分自身に言いきかせつつ、だけど現実は逮捕というテレビの世界のことがおこりました。どうしたらいいのかわからなかったのですが、やはりプロに任せるべきと、すぐアトム法律事務所に連絡しました。あとは担当して頂いた山下弁護士にお任せしましたが、不起訴処分という結果がとても早く出て、親子共通常の生活に戻ることができました。本当にありがとうございました。
アトムの弁護士相談:24時間受付中
不同意性交等罪のトラブルを自分が起こしてしまったり、大切な家族が突然逮捕されたりしたとき、今後のどうなってしまうのか、今どう対応するべきか不安になるものです。
しかし、そうしている間にも刑事手続は進行し、時間が経てば示談の難易度もあがります。
そのため、事件後すぐに不同意性交等事件に強い弁護士に相談することが、刑事処分を軽減することにつながる可能性があります。
アトム法律事務所は刑事事件に注力する弁護士事務所として、性犯罪事件についても豊富な解決実績と経験があります。経験豊富な弁護士が迅速かつ丁寧に対応し、取り調べのアドバイスや被害者との示談交渉をおこない、最善の解決へと導きます。
24時間365日刑事事件加害者のための相談予約も受け付けています。警察の捜査を受けている事件では初回30分の無料で弁護士相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。

