警察から電話が突然きた場合、不安を感じるのは当然です。
警察からの電話に心あたりがない場合でも、折り返し、用件を確認するべきでしょう。
警察の電話の用件は、間違い電話のほか、落とし物が見つかったという連絡の可能性があります。
ただし、電話が一回だけの場合、警察を騙った詐欺電話の可能性もあるので注意が必要です。
一方、何らかの事件の犯人として疑われる心当たりがある場合、その後、被疑者や参考人として呼び出される可能性があります。逮捕のリスクもあるので、無視せず、早期に弁護士に相談すべきです。
この記事では、警察からの電話連絡の理由、警察からの不在着信への対応などを解説します。
警察署から電話が来た方には、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
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警察からの電話|用件は何?
警察からの電話には様々な理由があります。あなたが何か悪いことをしたから電話してきたとは限りません。
警察から電話がくる理由
- 被疑者取調べをするための呼び出し
- 事件の関係者(被害者、参考人等)として呼び出しをする電話
- 身内が事件・事故に巻き込まれた
- 落とし物の電話
- 単なる間違い電話
- 警察を名乗る詐欺 など
まずはどんな用件で、警察から電話がかかってくる可能性があるのか、ひとつずつ確認していきましょう。
理由①被疑者取調べのための呼び出し
警察から電話がかかってくる場合、被疑者として取調べをするための呼び出しということがあります。
「ちょっと話を聞きたいので、〇月〇日、〇時〇分に、〇〇警察署に来てください」などと告げられます。
犯罪を疑われている場合、詳しい事情は電話口では伝えてもらえないことが多いです。身に覚えがある場合には、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
一方、「全く心当たりがない」「何もしていない」のに警察から電話がきたという場合には、弁護士に相談したとしても具体的な助言や相談に至らないこともあります。そのような場合には、一度警察呼び出しに応じた後で弁護士に相談するのも良いでしょう。
警察の事情聴取は適切に対応しないと、今後なんらかの不利益を被る恐れがあります。事情聴取前には事情聴取でどんなことを聞かれるのかなどを整理しておきましょう。どう答えるのか迷いがある方は、弁護士への相談をおすすめします。
なお、警察からの電話呼び出し後、被疑者取り調べでは、犯行の状況や目的などを聴取されます。必要があれば、現場での実況見分において、供述することもあります。
そして、供述した内容は、供述調書にまとめられます。署名押印をすれば、供述調書は、刑事処分が判断される際の証拠になります。
そのため、不本意な供述内容になっていないか、よく確認し、供述調書の内容に誤りがある場合は、署名押印をしない、修正を申し立てるなどの対応を採る必要があります。
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・警察の事情聴取(取調べ)をどう乗り切る?不利にならない対応と今後の流れ
電話の呼び出しに応じて逮捕されたりしない?
警察からの電話呼び出しに素直に応じた場合、そのまま逮捕されるのは珍しいケースです。
普通は、電話で呼び出しを受けた場合、警察は逮捕まで考えていないことが多いです。
なぜなら、警察が現行犯以外で犯人を逮捕するのは、罪証隠滅か逃亡を疑っているときだからです。このような疑いがあるとき、警察はわざわざ電話で呼び出しなどせずに突然逮捕にやってくることが普通です。
ただし、なかには例外もあります。
以下のようなケースでは、警察からの呼び出しに応じて出頭した際、そのまま逮捕される可能性があります。
そのまま逮捕されるケース
- 取調べの過程で重大な犯罪事実等が発覚した
- 取調べによって逮捕できるだけの証拠が固まった など
なお、警察があなたのことを被疑者に匹敵する人物(重要参考人)と考えていたとしてます。この場合でも、あくまで「参考人」であるため、電話呼び出し後の取り調べでは、被疑者とは異なり、黙秘権は告知されません。
そのため、ご自身の記憶があいまいな部分について、消極的な供述をしてしまったために、あたかも犯罪行為をしたような不利な調書が作成されてしまうおそれがあります。
参考人の場合も、供述調書に署名押印をする前に、内容をよく確認し、修正申立てや署名押印拒否等の権利を行使する必要があります。
逮捕されない「在宅事件」とは
多くの場合は、呼び出しに応じて取調べを受けた後は家に帰されて、逮捕されずに捜査が進められる「在宅事件」という扱いになります。
在宅事件と逮捕事件は、身柄拘束されているかどうかが大きな違いです。ただ逮捕されているから起訴されやすいとか、在宅事件だから絶対に不起訴になるという関係性はありません。
逮捕事件であっても、在宅事件であっても早期から弁護士のサポートを受けることが大切です。刑事処分の結論が出されてしまう前に、できる限りの対策を実行していきましょう。
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・警察からの呼び出し!取り調べの流れや逮捕の可能性、対応方法を解説
・在宅事件の流れを解説|起訴率は低い?逮捕される刑事事件との違い
理由②事件の関係者(被害者、参考人等)として呼び出しをする電話
次に、犯罪の関係者として話を聞くために警察署から電話連絡を受ける場合があります。
たとえば、犯罪の目撃者や、警察に通報した人、被害者などの立場で話を聞かれることがあるでしょう
ご自身でも知らない間に事件の関係者や犯罪の被害者になっていたということもあり得ます。警察が捜査を進める中で、事件の関係者や被害者が判明したといったような状況です。
被疑者以外の事件の関係者として取り調べられる者を参考人といいます。
参考人という立場では逮捕されることはありませんが、捜査の展開によっては、参考人が途中から被疑者に変わるということもあります。
理由③身内が事件・事故に巻き込まれた
身内が事件・事故に巻き込まれた場合も警察から電話がかかってくることがあります。
「息子さんを逮捕しました」
「身元引受人として署まで迎えに来てください」
「ご主人が交通事故にあって・・・」
このような連絡が急に来た場合、パニックになってしまうかもしれません。
家族が逮捕されたという知らせの場合、警察は被疑者に対し、逮捕事実を誰か知らせたい人はいるかと尋ねます。そのとき、家族を指定して番号を伝えることで、その家族に警察から電話連絡が入ります。
一方、このとき本人が家族への連絡を希望しない場合には、家族に電話が入ることはありません。
もし、ご家族が逮捕されてどうすれば良いかわからない、という方はすぐに弁護士までご相談ください。
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理由④落とし物の電話
さらに、警察からの電話でよくあるものとしては、落とし物が見つかったというケースです。
落とした財布に自分の電話番号が記載された名刺やメモが入っていたことで、警察が知らせてくれるため電話をかけてくれます。
電話に出てすぐ「〇〇警察署です」と言われると、あまり良い知らせのようには感じられませんが、落とし物が警察署に届けられたという朗報であることも考えられます。
理由⑤単なる間違い電話
警察から間違い電話がかかってくるということもあります。
警察からの不在着信が一回だけあり、その後、再度電話がくることはなかったという場合、間違い電話の可能性は高いでしょう。
「警察から間違い電話なんてあるの?」「間違いのふりして何か聞き出そうとしてるのでは?」と思うかもしれませんが、結構あるようです。
電話をかける際の単なる番号の見間違いや押し間違いは誰にでもあるものです。それは警察であっても変わりません。
また、警察が間違い電話をする理由としては、警察が捜査の過程で入手・作成した資料に記載されている電話番号が間違っていた、参考人等から聞き取りをした番号が間違っていた等の原因も考えられます。
理由⑥警察を騙った詐欺の電話
そして、もう一つ、頭に入れておきたいことがあります。それは、警察官を名乗った詐欺の電話という可能性です。
警察や裁判所など、公的な機関を言葉に出すことで、被害者を指示に従わせやすくするという詐欺手口です。
多くの警察署が使用する末尾「0110」の電話番号から連絡する、SNSのアカウント名を「捜査本部」とする等の態様で、警察であることを装います。
警察を騙る詐欺は振り込め詐欺の一類型で、警察官を名乗り電話にでた被害者に送金させる等の事例があります。
警察を名乗る詐欺電話の例
- あなたのマネーロンダリングの容疑を捜査するため、預金をすべて、警察に振り込んで下さい。
- 逮捕されないためには、警察にお金を振り込む必要があります。
- 犯人の所持する名簿にあなたの名前があり、被害状況の確認のため、暗証番号を教えて下さい。カードもご提出下さい。
電話で「お金」「銀行口座」「キャッシュカード」の話が出たら要注意!詐欺の可能性が高いです。
相談できる人がいる場合には、一人で判断せずにすぐに相談することが重要です。
また、電話を切った後で、自分から警察署に電話をかけて確認をするのも有効です。
警察署の電話番号は、インターネットで調べればすぐに出てきます。相手から教えられた番号は偽の番号の可能性がありますので注意してください。
詐欺の電話については警察署ホームページや市役所ホームページなどでも注意喚起がされています。
参考として以下に、警察官を名乗る詐欺電話の音声が公開されている千葉県警察のWebページをご紹介します。気になった方は確認してみてください。
参考(外部サイト)
警察からの電話、正しい対応方法は?
警察からの電話・着信で確認すべきこと
警察から着信があった際、その理由が何であれ注意すべきことがあります。それは、電話をかけてきた架電者の情報について、次の4点を確認することです。
確認しよう
- 名前
- 所属(警察署名と部署名)
- 相手の電話番号
- 用件
もし、用件に心当たりがなかったり、少しでも不審な電話だと感じたら、電話を切ったあと、その警察署の正式な電話番号を調べ電話で確認してみましょう。
こちらから警察署に電話した時は、担当者が出てくれるわけではありません。そのため、「生活安全課の鈴木太郎さん」「知能犯係の山田花子さん」というように、部署を特定できるようメモしておくことが大切です。
本当に警察からの電話か見分ける方法|かかってくる番号は?
警察署の電話番号はほとんどの場合、下4桁が0110になっており一応の目安にはなるでしょう。
ただし、これには例外もあり、大阪の末尾1234、大分の末尾2131などもあります。また、同一の都道府県内であっても、一部の署では末尾が異なる場合もあります。
特に宮城県は泉警察署以外の仙台市内の警察署は末尾7171で統一されていますが、それ以外はバラバラとなっています。
都道府県 | 電話番号下4桁(例外あり) |
---|---|
多くの都道府県 | 0110 |
大阪 | 1234 |
大分 | 2131 |
宮城 | バラバラ(仙台市内は泉署以外7171) |
なお、昨今では、国際電話で下4桁が0110の番号から、警察署を装い詐欺電話がかかってくるケースも多いので、下4桁以外も確認してください。
また、まれにですが携帯電話から電話をかけてくることもあるようです。
警察からの電話は、家の電話にかかってくることもあれば個人の携帯電話にかかってくることもあります。不在着信の場合、留守電が入っている場合もない場合もあります。
いずれにせよ、こちらから正しい警察署の番号に電話して確認することが、本当に警察からの電話なのか見分ける確実な方法です。
心当たりのない場合は、警察の着信にでなくてOK?
「不在着信の番号を調べたら警察署みたいだけど、怪しいから電話したくない」
「心当たりがない。もし必要があればまた向こうから連絡してくるだろう」
このように考えて、電話を放置することはあまりおすすめできません。
緊急の連絡であったり、あなたに犯罪の容疑がかかられている場合、電話を無視してしまうと、職場や家族に連絡が行ってしまうリスクもあります。
また、警察からの電話にまったく心当たりがない場合、それは自分に関することでない場合もあります。
家族が犯罪や事故に巻き込まれたり、逮捕されたというような重大な連絡かもしれません。
以上のことを考えると、警察からの着信に心当たりがなくても、用件を聞くことはしたほうがよいと思われます。
内容がよく呑み込めない場合には、一呼吸おいてから警察署に確認の電話を入れることもできます。落ち着いて用件を理解することから始めましょう。
警察からの電話、録音しても問題ない?
警察からの電話を録音しても問題はありません。相手に無断で会話を録音すること自体に違法性はありません。
後々、言った言わないの問題が生じたときに、録音データがあると事実を確認することができます。
被疑者の扱いを受けている場合、録音データが違法捜査の証拠になることもあります。担当の警察官が異常に高圧的な態度であったり、脅迫めいた話し方である場合、弁護人から抗議をする必要があります。その際、物理的な証拠は主張の根拠となりますので、自分の人権を守るために録音データは保存しておきましょう。
また、警察を名乗る不審な電話であった場合、録音データを証拠として警察に相談に行くこともできます。
警察からの電話後、取り調べでは供述調書が取られる?
警察から電話があり、その要件が取り調べを目的とした呼び出しだった場合、出頭後は、事件の取り調べを受けることになります。
犯罪を疑われている場合、警察の電話を無視すると逮捕される?
警察からの着信を無視し続けると逮捕のリスク!
警察からの電話の理由が「被疑者の呼び出し」であった場合、着信を無視するとどうなるのでしょうか。
例えば、何度も警察から着信があるのに無視し続けると、被疑者は逃亡するのではないか、と思われて逮捕令状を用意されることが考えられます。
警察からの電話を無視した場合、必ずそのような展開になるというわけではありませんが、警察が逮捕に踏み切るきっかけになることは十分考えられます。
警察から電話があることが予想される状況であるなら、着信に応じたほうがよいでしょう。留守電に入った電話を確認したら、警察の担当者まで折り返し電話し、用件を確認してください。仮に、事情があって電話に出られない状況が続く場合には、事前にそのことを警察に説明しておくと、逃亡と疑われることを回避できるかもしれません。
逮捕リスク低 | 逮捕リスク高 | |
---|---|---|
警察からの電話 | 電話に出る | 電話を無視 |
警察への呼出し | 素直に応じる | 呼出しを無視 |
逮捕されてしまった後の流れについては、関連記事にてくわしく解説しています。
関連記事
・逮捕されたら|逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説
警察の「捜査に協力してほしい」という電話の意味は?
警察の「捜査に協力してほしい」という言葉は、よく事件の目撃者や事件現場の周辺にいた人にかけられることが多いです。中でも、通報者は少なくとも事件の発生を認識していると考えられるため、できる限り体験したことを教えてほしいと警察は考えます。交通事故で被害者も加害者も病院に運ばれてしまっている場合、当事者らから話が聴けるようになるまで、先に目撃者証言を整理しておくことが多いです。
つまり、警察から捜査に協力してほしいという電話がきたら、ご自身の記憶にもとづき事実関係を整理した上で、事情聴取を受けることが期待されます。
なお、「捜査に協力してほしい」といって、現金の振込みを誘導してきたり、警察署以外の場所に呼び出すなどの内容は、警察を騙った詐欺電話の疑いがあります。その場ですぐ怪しいと判断できなくても、上で紹介した架電者情報4点を聞いておくことで、あとで事実確認をすることが容易になりますのでお勧めです。
自分が刑事事件の加害者に?警察からの電話が不安な方へ
弁護士に相談するメリット
警察から不在着信が入っていて、今後、刑事事件の捜査を受ける可能性のある方、不安を感じた場合には、弁護士に相談するという方法がお勧めです。
警察から着信があり、留守電にメッセージが入っている場合、保存しておきましょう。先に述べたように、警察からの電話にはいくつかの理由が考えられます。
ご自身が刑事事件をおこしてしまい、警察からの電話に心あたりがある場合、早期に刑事事件の弁護士に相談をすべきです。
相談の際には、ご自身が関与した事件の概要のほか、警察からの電話内容も共有し、今後の見通しを踏まえた対応を、弁護士に聞いてみましょう。
警察からの連絡があり、すでに在宅捜査中の場合には、弁護士を弁護人としてつけることで、連絡の窓口を弁護人にすることも可能です。
警察と直接連絡をとらなければならない場合を除き、取り調べの日程調整などは弁護人が間にはいって行うことも可能です。
アトムの相談例
警察の電話を無視した事例
女風呂の盗撮を行ったとされるケース。約1か月後、警察署から複数回不在着信があり、その後も着信が続くが、警察が怖く電話に出られないまま時間が経過した。
逮捕されることをおそれてアトムに相談。
事案のポイント
警察から複数回電話があるのに出ておらず、時間が経過していたことなどから、最悪の場合逮捕される懸念があった。
他方、直ちに警察に連絡をすれば、在宅で進めてもらえる可能性が十分あると考えられた。
弁護活動の成果
受任後ただちに警察に連絡を入れるとともに、意見書を提出し逮捕や報道の回避に努めた。その後被害届が出されず、送致されることなく事件終了となった。
警察から電話があったとき、その理由はいくつか考えられます。自分が被疑者の立場にある場合には、逮捕の可能性をなくすためにも警察の電話に応じることが望ましいでしょう。
一方、最近では警察を名乗る詐欺の電話もあり、不審な電話には要注意です。
ご自身が刑事事件の加害者であり、警察からの電話に心当たりがある場合で不安を感じる際には、一度弁護士に相談されることもご検討ください。
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