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公務執行妨害の刑事事件を弁護士が解説|家族が逮捕された方へ

公務執行妨害の刑事事件を弁護士が解説|家族が逮捕された方へ

この記事では、大切な家族が公務執行妨害罪の容疑で逮捕されたという方に向けて、ポイントを整理しています。公務執行妨害は、懲役刑、禁錮刑、罰金刑が用意されている犯罪です。どのような行為が公務執行妨害になるのか、具体例を交えながら解説しています。

すぐに弁護士に相談する理由についても説明していますので、是非参考にしてみてください。家族の突然の逮捕で、どうすればよいかお困りの方は、この記事を開いたままアトム法律事務所の法律相談窓口にお問い合わせください

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弁護士解説①公務執行妨害での逮捕は罰金で済まない?

刑罰は「懲役刑」「禁錮刑」「罰金刑」

公務執行妨害で逮捕された場合、その刑罰としては「懲役刑」「禁錮刑」「罰金刑」が用意されています。刑法95条1項には「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」と規定されています。また、2項の法定刑も「前項と同様とする」とされており、懲役刑・禁錮刑・罰金刑が用意されていますね。

「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」ということは、最も重い刑罰としては「懲役3年」が想定されていることになります。罰金の最高額は50万円です。また、懲役刑と禁錮刑の両方がありえることになりますが、両者の違いは、「刑務作業が課せられるかどうか」にあります。刑務作業を課せられる服役が懲役刑となり、刑務作業のない服役が禁錮刑です。

公務執行妨害で警察に逮捕されると、勾留される?

公務執行妨害で警察に逮捕されると、48時間以内に警察から検察官に引継ぎが行われます。これが「送致」です。送致を受けた検察官は、24時間以内に被疑者を勾留すべきかどうかを検討し、勾留が必要だと考えれば裁判官に勾留請求をします。勾留請求が行われると、裁判官が被疑者本人と面談をして勾留するかどうかの判断を行うのです。

公務執行妨害で勾留されると、まず10日間は自宅に戻ることはできません。警察署の留置施設にて生活をしながら警察の取調べを受けなければならないのです。そして、10日間で捜査が終わらなかった場合には、「捜査未了」として勾留を延長されることがあります。延長されると、10日を限度として、その範囲内で勾留が継続されます

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公務執行妨害で前科がつくケースとは

公務執行妨害で逮捕され、その後、前科が付くケースには大きく2つのケースがあります。一つは、略式起訴による罰金処分となる場合です。検察官が、刑事処分として簡易な手続での罰金処分を求めることがあります。書類が検察庁と裁判所を行き来するだけで、書類審査によって罰金命令が出されます。

もう一つは、起訴され公開の法廷で刑事裁判を受け、判決で有罪が言い渡される場合です。判決は執行猶予付きであっても、有罪であり前科がつきます。前科は、厳密には刑が確定したときにつきますので、略式起訴による罰金ではその命令を受けた翌日から計算して14日が経過すれば前科がつきます。また、正式裁判での判決は、その判決言渡しのあった日の翌日から数えて14日が経過すれば前科がつくのです。

弁護士解説②公務執行妨害の典型例|暴行・傷害

典型例①警察官への暴行・傷害

どのようことをすれば公務執行妨害罪に問われるかを整理しておきましょう。公務執行妨害罪の成立は刑法95条に定められています。「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者」が処罰の対象です。例えば、警察官に対して暴行罪・傷害罪に当たる行為をした場合が典型例になります。

職務質問で警察官に呼び止められ、逃げようとして警察官を振り払う行為も公務執行妨害に該当する可能性があります。また、警察官にツバを吐きかける行為も「暴行」にあたり公務執行妨害で検挙される可能性が否定できません。警察官の「職務」に向けられた暴行であれば足りますので、パトロール中の警察官の車両に対して石を投げる行為もこれに含まれます。

典型例②警察官への脅迫

警察官への脅迫行為も、公務執行妨害罪を構成します。脅迫は、生命、身体、財産などに対して害を加える旨を告知して人を脅す行為です。職務質問で呼び止めた警察官に対して、「殺されたくなかったら、このまま行かせろ」という発言は脅迫行為になります。

「家族を危ない目に遭わせたくなかったら逮捕を見逃せ」なども公務執行妨害を構成する可能性があります。警察官ともみ合いになった際、頭に血が上って脅迫行為をしてしまうこともあるでしょう。公務執行妨害は、突発的に起こることが多い傾向にあるといえます。

典型例③警察署や市役所での公務執行妨害事件

他にも、警察署で騒いで迷惑行為を行ったり、市役所で騒音を出すなどの行為も公務員の職務を妨害する行為として公務執行妨害になる可能性があります。公務執行妨害で検挙されないにしても、建造物侵入罪など別の犯罪を構成することがあります。

その他、仕事中の警察官にレーザーを照射して前を見えなくする行為や巡回で使われる警察官の自転車のタイヤをパンクさせる行為も公務執行妨害になる可能性が高いです。実際に警察官が怪我をしていなくても、「暴行」と認定され公務執行妨害として逮捕されることがあります。

弁護士解説③公務執行妨害で逮捕後の弁護活動

公務執行妨害で早期釈放を目指すなら弁護士に相談を

公務執行妨害で家族が逮捕されてしまったとき、まず家族がするべきことは弁護士への相談です。逮捕され、勾留されると数日間は自宅に帰ることができません。仕事や学業への影響も大きく、早めに手をうつ必要があるからです。警察対応と並行して、勤務先への説明や学校への連絡なども家族が行わなければいけません。

突然の逮捕の知らせに、家族はどう動けばよいのかわからないものです。情報収集のために、まずは弁護士に相談し、警察署に面会へ行ってもらうことが先決です。そして、早期釈放に向けて、すぐに弁護活動に着手してもらいましょう。早く釈放されれば、失職や退学を回避できることもあります

公務執行妨害の不起訴処分獲得は弁護士選びが重要

公務執行妨害事件の保護法益が「公務の円滑な運営」であるため、暴行・脅迫を加えた公務員の許しを得れば処罰の必要性がなくなる、というわけにはいきません。つまり、一般的には、公務執行妨害罪は示談による不起訴を獲得することができない犯罪類型です。2019年の検察統計では、公務執行妨害事件の起訴率は53.5%(1,058人/1,977人)となっています。

ただし、示談ができなくても、被害者へ謝罪を尽くす活動や、再犯防止策の徹底によって不起訴を得られることは十分あります。数多くの刑事事件を扱った弁護士であれば、公務執行妨害事件の解決に必要なポイントを熟知しており、被疑者に有利な事情を検察官にアピールすることが可能です。

ご家族の方へ|弁護士からのメッセージ

「ご主人を公務執行妨害の容疑で逮捕しました」そう連絡がきたら、頭の中が真っ白になるのも無理はありません。この緊急事態に、助けになるのは家族だけです。冷静に、何をするべきかを整理してから行動することが大切です。この記事を呼んでいただいた方は、まずアトム法律事務所の法律相談の窓口へ、お問い合わせください

アトム法律事務所では、24時間365日刑事事件加害者の相談予約を受け付けています警察の捜査を受けている事件では無料相談も可能です。各支部には基本的に複数の弁護士が在籍しておりますので、当日の来所相談予約であっても対応できる場合が多いです。お気軽にご相談ください。

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岡野武志弁護士

監修者情報

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

第二東京弁護士会所属。ご相談者のお悩みとお困りごとを解決するために、私たちは、全国体制の弁護士法人を構築し、年中無休24時間体制で活動を続けています。