未成年でも逮捕される可能性はありますが、逮捕されるかどうかは未成年者の年齢によります。具体的には14歳以上であれば逮捕される可能性があります。
逮捕後は少年法にもとづいた手続きが進められますが、18歳・19歳の「特定少年」については、一般の未成年とは異なる厳しい扱いを受ける場合があります。
この記事では、未成年の逮捕事件(少年事件)を扱う弁護士が、逮捕される年齢の基準や逮捕後の手続きの流れ、学校への発覚リスクや逮捕後に家族がすべきことを解説します。
なお、当記事で記載の未成年(少年)とは20歳未満の少年のことであり、成人とは20歳以上の者を指しています。民法上の成人(民法4条)とは異なるものです。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
未成年は逮捕される?
未成年者の刑事事件は「少年事件」と呼ばれ、少年法の適用を受けて手続きが進められます。逮捕されるかどうかは、未成年者の年齢によって異なります。
なお、少年法上は性別にかかわらず「少年」と呼ばれます。
14歳以上の未成年なら逮捕される
14歳以上の未成年者が犯罪を犯した場合、「犯罪少年」と呼ばれ、逮捕される可能性があります。
逮捕後は、成人の事件とおおむね同じ手続きを経て、家庭裁判所に送致されたあと、適切な処分が決定されます。
14歳未満の未成年は逮捕されない
14歳未満の未成年者が刑罰法令に触れる行為をした場合は「触法少年」と呼ばれます。
触法少年は、刑事責任を問われませんし、逮捕も勾留もされません。
ただし、14歳未満の未成年者であっても、児童相談所に一時保護される形で身体拘束を受けることはあります。
未成年が逮捕された後はどうなる?
逮捕から家庭裁判所送致までの流れ

未成年が逮捕された直後の流れは、成人の事件とおおむね同じです。警察は、留置する必要があるとき、逮捕から48時間以内に事件を検察官に送致します。
送致を受けた検察官は、留置の必要があるとき、送致から24時間以内に裁判官に勾留の請求をします。
もっとも、未成年の場合、逮捕後に続く身体拘束については、「成人と同じように勾留される」こともあれば、「勾留に代わる観護措置が取られる」こともあります。
観護措置とは、少年を少年鑑別所に収容して生活環境や性格などを調べる手続きです。
勾留または観護措置の期間が終われば、一定の嫌疑があると判断された少年事件は、すべて家庭裁判所に送致されます。これを全件送致主義といいます(少年法41・42条)。
少年事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所調査官によって、少年の生活環境や事件を起こした背景などが調査されます。
調査官は調査した結果を「社会記録」としてまとめ、家庭裁判所の裁判官に提出します。
裁判官は、社会記録をもとに少年審判を行うべきか検討します。審判不開始という判断がされれば、少年事件はそこで終了です。審判が行われれば、以下のいずれかの処分が下ります。
少年審判の終局処分
- 不処分
- 保護処分
- 知事または児童自立支援施設等送致
- 検察官送致(逆送)
未成年が逮捕された後の少年事件の流れや処分の内容をさらに詳しく知りたい方は『少年事件の流れは?逮捕から家庭裁判所・審判・処分まで弁護士がわかりやすく解説』の記事をご覧ください。
審判不開始を目指すには「環境調整」が鍵になる
審判を行わずに事件を終了するかどうかは、家庭裁判所の裁判官の判断によります。調査官の報告にもとづき審判不開始となれば少年は元の生活に戻ることができます。
ここで重要なのは、少年が少年院に行く必要がないということを、いかに説得的に示せるかという点です。
何もしないまま少年が元の生活に戻れば、同じことを繰り返したり、精神状態が悪化する危険も否定できません。
それを防ぐために、監督者や協力者を用意し、少年が更生できる環境を整えることが大切です。
未成年の逮捕は前科・前歴になる?
未成年が逮捕された場合、「前科がついてしまうのか」と心配される保護者の方は多いです。少年事件では原則として前科はつきません。
少年審判は刑事裁判ではないため、保護処分(保護観察・少年院送致など)を受けても、それは「前科」にはなりません。
ただし、後述する逆送(検察官送致)により刑事裁判を受けて有罪判決が確定した場合は、前科がつくことになります。
一方で、前歴(警察・検察に事件として取り扱われた記録)は残ります。前歴は前科とは異なり、一般に公開されるものではありませんが、捜査機関の内部記録として保存されます。
前科・前歴どちらを避けるためにも、早期に弁護士に相談し、適切な対応を取ることが重要です。
関連記事
・前科がつくとどうなる?仕事や生活への影響・デメリットを弁護士が解説
18歳が逮捕されたらどうなる?
2022年の少年法改正により、18歳・19歳は「特定少年」と位置づけられ、17歳以下の未成年とは異なる扱いを受けるようになりました。
特定少年とは
特定少年とは、18歳以上20歳未満の少年のことです。少年法の適用は受けるものの、成人に近い扱いがされる場面が増えており、17歳以下と比べて厳しい対応となる可能性があります。
逮捕後の手続きの流れ
特定少年が逮捕された場合の基本的な流れは以下のとおりです。
- 警察による取り調べ・捜査
- 検察官への送致
- 家庭裁判所への送致(少年事件として審判)
- 犯罪の内容が重大な場合は検察官送致(逆送)
- 刑事裁判
重大な犯罪でなければ、17歳以下と同様に少年審判を経て保護処分等が決定されます。一方、重大な犯罪では成人とほぼ同じ手続きで刑事裁判を受けることになります。
逆送とは
逆送とは、家庭裁判所が「保護処分ではなく刑罰を科すべき」と判断した場合に、事件を検察官に送る手続きです。逆送された事件は、必ず刑事裁判にかけられます。
特定少年については、原則逆送となる対象事件の範囲が広く設定されています。
少年法上、16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪については、特定少年かどうかにかかわらず原則逆送となります。
さらに特定少年については、これに加えて「死刑、無期または短期1年以上の拘禁刑」にあたる罪の事件についても原則逆送の対象となります。
原則逆送となる罪の例
- 現住建造物等放火罪
- 強盗罪
- 不同意性交等罪
- 組織的詐欺罪
特定少年は刑事罰が重くなる可能性がある
特定少年については、逆送決定後は20歳以上の者と原則同様に取り扱われます。
たとえば、有期拘禁刑の上限について、17歳以下の未成年の場合は15年ですが、特定少年の場合は成人と同様に30年となります。
また、特定少年が逆送されて起訴された場合は、実名や顔写真の報道が可能となります。
18歳・19歳の事件は逆送リスクがあるため、逮捕直後から弁護士に相談し、早期に対応することが特に重要です。
未成年が逮捕されたらどうする?
未成年が逮捕されたらまず弁護士に相談する
未成年(少年)が逮捕された場合、家族がまずすべきことは、弁護士への相談です。
逮捕されてしまうと、長期間の身体拘束を余儀なくされるおそれもあるため、すぐに動き始めることが必要です。
事件の背景や少年本人の言い分を聞き、釈放のために何を主張すべきかを検討する必要があります。
逮捕されてしまうと、少年の精神状態が不安定になることも十分に予想されます。逮捕から3日間程度は、弁護士以外の面会ができません。
まずは、状況を把握し少年事件への対応に備えるため、弁護士に相談することをおすすめします。
関連記事
・少年事件に強い弁護士に相談するメリット8選|事件の流れ・費用・選び方を徹底解説
少年事件で弁護士に付添人になってもらう
未成年者はまだ心身が未成熟であり、事件の根本解決に向けては専門家の手助けが必要です。家庭裁判所に送致された後、弁護士は「付添人」となって少年の更生に助力します。
成人の事件における「弁護人」にあたる役割が、少年事件では「付添人」と呼ばれます。
事件の根本に家族関係や生活環境の問題があると認められれば、その改善に向けて環境を整えることが必要です。
少年の健全な心身の成長が期待できる環境を作ることが、事件の解決につながるのであり、再犯防止策にもなります。
弁護士は付添人として調査官と連絡を取り合いながら、少年に何が必要かを見極め、環境改善に努めます。
付添人弁護士は、少年の親も選任することができますので、未成年の子どもが逮捕された場合には、すぐに弁護士の選任を進めてください。
少年本人との相性も重要ですので、一度本人との弁護士面会を設定し、本人の意向を確認することも大切です。
逮捕後の弁護士面会は接見と呼ばれます。接見について詳しく知りたい方は『弁護士の接見とは|逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと』の記事をご覧ください。
学校に知られる可能性は?日常生活への影響を最小限にする
逮捕されてしまった場合、「学校に知られてしまうのではないか」と心配される方は多いです。
未成年が逮捕された場合、学校に知られる可能性は非常に高いです。主な発覚ルートは次の3つです。
(1)警察からの連絡(学校・警察連絡制度)
多くの地域では、警察と教育委員会の間で非行防止・情報共有を目的とした協定が結ばれています。
生徒が逮捕された場合、この制度にもとづいて警察から学校へ直接情報提供が行われる運用になっています。
(2)家庭裁判所による調査
少年法第16条2項では、家庭裁判所は職務上必要な場合に学校へ協力を求めることができると定められています。
少年の普段の生活態度や学習状況などを確認するために、家庭裁判所調査官から学校への照会が行われ、事件が発覚するケースがあります。
(3)長期欠席による発覚
逮捕後に勾留や観護措置(少年鑑別所への収容)が続くと、長期間登校できなくなります。
その間、保護者が学校へ欠席理由を説明しなければならず、結果的に事実を伝えざるを得なくなるケースがほとんどです。
「学校に内緒にしたまま手続きを終わらせたい」というご希望は、身柄が拘束された場合には特に難しいのが実情です。
だからこそ、観護措置を防ぐための早期の弁護活動が非常に重要です。
観護措置がなされなければ、少年鑑別所に収容されずにそのまま学校に通うことができるため、日常生活への影響を大きく抑えることができます。
また、年齢が処分確定時に20歳を超えていると、刑事裁判を受けることになる可能性もあります。
弁護士に依頼することで、速やかな事件処理により刑事手続への移行を防ぐことができる可能性が高まります。
未成年の逮捕に関するよくある質問
Q.未成年が逮捕されるのは何歳からですか?
未成年が逮捕される年齢は14歳からです。
14歳以上であれば、未成年であっても、刑法で定められた犯罪を犯した場合には逮捕される可能性があります。
Q.未成年が逮捕された場合、何日間くらい留置されますか?
逮捕された場合は、未成年者であっても成人であっても、手続きの流れは基本的には同じです。
成人の場合と同様、最大72時間、警察の留置場で生活することになります。
その後、検察官のもとで勾留される可能性もあります。その場合は、逮捕から最大23日間拘束されることになります。
Q.未成年が万引きをしたら逮捕されますか?
未成年者であっても、万引きをすれば逮捕される可能性はあります。
ただし、未成年者が逮捕される場合があるとしても、それは14歳以上の未成年に限られます。
関連記事
・未成年が窃盗罪で逮捕される場合とは|少年事件に詳しい弁護士の解説
Q.少年院に入る確率は?
令和6年度の少年保護事件のうち、一般保護事件(過失運転致死傷等保護事件及びぐ犯を除く)については、全体の約6.5%が少年院送致となっています(令和7年版 犯罪白書 第3編/第2章/第2節/2より)。
ただし、一般的な確率を確認することに重要な意味はないでしょう。
少年院送致になるのか、それとも保護観察か、あるいは審判不開始になるのかは、個別の事情に左右されるからです。
弁護士に相談して、少年事件の今後の見通しについて確認するのがよいでしょう。
未成年(少年)が逮捕されたら弁護士にご連絡ください
アトムを選んだお客様の声
刑事事件・少年事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。
アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のお客様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
迅速丁寧な説明・対応で、安心してお任せすることができ、結果も望んだものになりました。

(抜粋)相談時から、丁寧なご説明をいただき安心しておまかせする事ができました。ご対応も迅速で最も望む結果につながったのも先生のお力添あってのことと思います。
迅速な対応のおかげで早期解決が実現しました。

(抜粋)迅速に対処していただいたおかげで、早く解決する事が出来ました。今後は、息子も、心底、反省し、同じ過ちを、繰り返さないことを願っております。
刑事事件はスピード重視です。早期の段階でご相談いただければ、あらゆる対策に時間を費やすことができます。
少年事件でお悩みの方は、アトム法律事務所に相談してください。
アトム法律事務所の相談予約はこちらから
未成年の我が子が逮捕された場合は、すぐに弁護士までご連絡ください。
一番不安を感じているのは逮捕されたご本人ではないでしょうか。逮捕され、この後どうなってしまうのか、まったく先のわからない状況で助けを求めているはずです。
逮捕直後は家族であっても面会が許されません。そのため、弁護士が代わりに面会をして、必要なアドバイスを差し上げることが何より重要です。
弁護士は、土日祝日・深夜早朝であっても面会をすることが許されています。また、警察官の立会人をつけず、完全に一対一の状況で面会が可能です。
何があったのか、まずは少年の声に耳を傾け、一日も早く解決するよう弁護士は少年の味方として活動します。
また、「まだ逮捕はされていないけれど、警察から連絡が来ており、今後逮捕されるのではないか」とのご不安をお持ちのご本人の方からのご相談も可能です。
早期の弁護士相談が、早期解決の鍵です。アトム法律事務所では、24時間365日電話窓口でご予約を受け付けております。緊急事態には、是非この便利な窓口をご活用ください。
未成年者の逮捕事件について弁護士相談をご希望の方は、まずは下記電話番号にご連絡ください。その後、専属スタッフがヒアリングのうえ、弁護士相談のご予約枠を押さえます。
お気軽にご相談ください。お電話お待ちしております。


