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少年事件の流れは?逮捕から家庭裁判所・審判・処分まで弁護士がわかりやすく解説

少年事件の流れ

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

大切なお子様が刑事事件を起こしてしまい、これから少年事件の手続きがどのように進むのか不安という方も多いのではないでしょうか。

少年事件の流れは、大きく「捜査→家庭裁判所送致→少年審判→処分」という順に進みます。成人の刑事事件とは異なり、罰することより更生に重きを置かれているのが最大の特徴です

この記事では、少年事件に詳しいアトム法律事務所の弁護士が、少年事件の流れをわかりやすく解説しています。

家庭裁判所送致後の手続き、少年審判の処分の種類、弁護士に依頼するメリットまで解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、当記事で記載の未成年(少年)とは20歳未満の少年のことであり、成人とは20歳以上の者を指しています。民法上の成人(民法4条)とは異なるものです。

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目次

少年事件の流れ|全体像と期間の目安

まずは、少年事件の流れを大きく把握しておきましょう。手続きとしては以下のような流れで進みます。

少年事件の流れ

14歳以上の少年が事件を起こした場合を例にとってみると、以下のようになります。

少年事件の流れ

ステップ内容期間の目安
①逮捕・捜査警察による捜査・取り調べ逮捕後48時間以内に検察送致
②勾留/観護措置身柄拘束の継続最大20日間(勾留)/10日間(観護措置)
③家庭裁判所送致原則すべての事件が家裁へ勾留・観護措置終了後
④観護措置少年鑑別所への収容原則2週間(実務上4週間以内)
⑤調査裁判官・調査官による調査観護措置期間中に並行して実施
⑥少年審判裁判官による審判家裁送致から原則4週間以内
⑦終局処分不処分・保護観察・少年院送致など審判当日または数日以内

逮捕から少年審判まで、身柄を拘束されている場合は、おおむね1~2か月程度の時間がかかるのが一般的です。在宅事件(逮捕なし)の場合は、これより長くなることもあります。

少年事件の流れ【14歳以上の場合】

まずは、14歳以上20歳未満のお子様が事件を起こした場合の少年事件の流れを見ていきましょう。

(1)逮捕・捜査

14歳以上の少年は逮捕されることがあります。刑事事件を起こすと、逮捕状なく現行犯逮捕されることもありますし、逮捕状に基づき通常逮捕されることもあります。

どちらの場合も、逮捕後は警察署に連行され取り調べを受けます。その後、警察署内の留置場に収容されます。

警察は、留置する必要があるとき、逮捕から48時間以内に事件を検察官に送致します。送致を受けた検察官は、留置の必要があるとき、送致から24時間以内に裁判官に勾留の請求をします。

また、逮捕されずに在宅捜査によって取り調べが行われることもあります。在宅捜査であれば身柄を拘束されずに日常生活を送ることができます。

在宅捜査の場合、加害者の少年は取り調べのために捜査機関から呼び出されることになります。呼び出しの度に警察署や検察庁へ行って取り調べを受けることになります。

未成年が逮捕される可能性や、未成年が逮捕されたらどうすればいいか知りたい方は『未成年は逮捕される?未成年の逮捕後の流れは?弁護士解説』の記事をご覧ください。

(2)勾留か勾留に代わる観護措置

勾留期間は原則10日間(延長されると最大20日間)です

少年を勾留する場合、成人と同様の勾留の要件に加え、「やむを得ない場合」であることが必要です(少年法48条1項、43条3項)。

もっとも、実務上「やむを得ない場合」という要件はかなり緩やかに判断されているため、少年の場合も成人とほぼ同じ基準で勾留が認められています。

なお、少年事件の場合、勾留に代わる観護措置がとられることもあります。この場合、少年鑑別所に収容されます。勾留に代わる観護措置の期間は10日間に限られ延長はありません。

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(3)家庭裁判所へ送致

勾留または勾留に代わる観護措置の期間が終了すると、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます

家庭裁判所送致後は、「観護措置→調査→少年審判→終局処分」という流れで手続きが進みます。家庭裁判所送致後の詳しい流れについては、後述いたします。

身柄事件と在宅事件|捜査の2つの流れ

少年事件の捜査には、少年の身柄を拘束する「身柄事件」と、身柄を拘束せずに行う「在宅事件」の2種類があります。

この区別は14歳以上・14歳未満にかかわらず共通する概念で、どちらの流れになるかによって、その後の手続きや生活への影響が大きく異なります

身柄事件と在宅事件の違い

身柄事件在宅事件
身柄拘束あり(逮捕・勾留)なし
学校・仕事継続困難継続可能
家裁送致のタイミング勾留・観護措置終了後捜査終了後(数週間~数か月)
審判までの期間比較的短い(1~2か月)長くなりやすい(数か月)
観護措置とられる可能性が高いとられる可能性は低い

身柄事件は、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合などに逮捕・勾留が行われます。身柄を拘束された状態で手続きが進むため、学校や仕事への影響が大きく、少年への精神的な負担も相当なものになるでしょう。

在宅事件は、逮捕されずに捜査が進む場合です。少年は日常生活を送りながら、呼び出しのたびに警察署や検察庁に出向いて取り調べを受けることになります。

在宅事件であっても、最終的には家庭裁判所に送致され、少年審判を受けることになる点は身柄事件と変わりません。

なお、在宅事件として捜査が始まった場合でも、少年が呼び出しに応じなかったり、再び非行に及んだりした場合は、途中から身柄事件に切り替わることもあるため注意が必要です

少年事件の流れ【14歳未満の場合】

14歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為(犯罪にあたる行為)をした場合、法律上は「触法少年」と呼ばれます。 14歳以上の少年とは異なり、まずは「児童福祉」の観点から手続きが進むのが最大の特徴です。

(1)補導・聴取

事件が発覚すると、最初に警察が対応にあたります。14歳未満の少年は刑事手続として逮捕されることはありませんが、警察には必要な調査を行う権限があり、事案の確認や事情聴取が実施されます。

警察署へ呼び出された場合、少年本人から事情を聴くための面談が行われます。多くのケースでは、保護者の立ち会いが認められますが、事件の内容や必要性によっては、少年が一人で聴取を受ける場合もあります。

(2)児童相談所への通告

警察が少年の非行事実を確認すると、14歳未満の場合は原則として児童相談所に通告されます。児童相談所は、少年の生活状況や家庭環境を踏まえて、保護が必要かどうかを判断する役割を担っています。

児童相談所では、担当職員が少年本人や保護者から事情を聞き取り、必要に応じて専門家による心理検査・環境調査が行われます。その結果に基づき、不処分、在宅指導、児童自立支援施設への入所、または家庭裁判所への送致など、適切な対応が検討されます。

(3)家庭裁判所へ送致

児童相談所での調査の結果、重大な非行が疑われるときには、児童相談所から家庭裁判所へ送致されることがあります

家庭裁判所に送致されると、裁判官や調査官が少年の性格、家庭環境、学校での様子などを調査し、適切な保護処分を検討します。

この調査は、少年本人への面談だけでなく、保護者や学校関係者への聞き取り、必要に応じた心理検査など、多角的な方法で行われます。

家庭裁判所送致後の流れは、原則として14歳以上の少年と同様で、「観護措置→調査→少年審判→終局処分」という流れになります。なお、14歳未満の少年は逆送の手続きは取られないため、刑事処分が科されることはありません。

家庭裁判所送致後の流れ

家庭裁判所に送致された後は、「観護措置→調査→少年審判→終局処分」という流れで手続きが進みます。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

(1)観護措置

家庭裁判所は、審判を行う必要があるとき、観護措置をとることができます(少年法17条1項2号)。観護措置がとられると少年鑑別所に収容されます。

観護措置の期間は、原則2週間ですが、実務上1回更新されて4週間以内とされることが多いです(少年法17条3項)。

観護措置がとられるのは、鑑別の必要性が高いケースが多いです。鑑別とは、医学や心理学などの専門知識に基づき、少年が非行に至った事情を明らかにした上で、その事情を改善するための適切な指針を示すものです。

具体的には、少年や保護者との面接、心理検査、行動観察等を通じ、少年の性格や発達の程度、家庭環境や交友関係等を調査します。

鑑別の必要性が高いとされるケースとしては、保護処分歴が多く少年院送致の可能性がある事案が考えられます。また、性非行の場合も、性的嗜好や発達上の問題を調べるため観護措置がとられる可能性があります。

なお、観護措置がとられない場合は釈放されます。この場合、在宅事件となるので日常生活を送ることが可能になります。

もっとも、再び非行に及んだり、出頭に応じない等の事情があると観護措置がとられることがあるので注意が必要です。

(2)事件の調査

家庭裁判所では、事件の調査として、法的調査と社会調査が実施されます。

法的調査は、裁判官が行う非行事実の有無等に関する調査です。裁判官は、記録を精査し非行事実があると判断すると、原則として家庭裁判所調査官に社会調査を命じます。

社会調査とは、家庭裁判所調査官が行う要保護性に関する調査のことです。要保護性とは、一般的に少年が再非行に至る可能性を意味します。

社会調査では、家庭裁判所調査官が主に少年や保護者と面接をして非行原因、交友関係、家庭環境等を調べ、再非行を防止するための方法を検討します。

調査が終了すると、家庭裁判所調査官は、調査結果と処遇意見を裁判官に報告します。裁判官は、家庭裁判所調査官の意見や鑑別の結果等を総合的に考慮して処分を決定します

(3)少年審判

審判開始が決定した場合、通常は家庭裁判所に送致されてから4週間以内に審判が開かれます。少年審判は非公開の手続きなので、成人の刑事事件のように一般人が傍聴することはありません。

少年審判は基本的に1人の裁判官が担当します。裁判官は、少年に対し、非行に至った原因や再非行防止策を質問します。また、審判には保護者も必ず呼び出され、再非行防止のために具体的にどのように行動するか質問されます。

審判には付添人も出席することができます。付添人には弁護士が就任することが多いです。付添人も少年や保護者に質問し、少年の更生にとって最善の処分が決定されるよう活動します。

少年審判当日の流れについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

(4)終局処分

審理が終了すると、裁判官は次のうちいずれかの処分・決定を言い渡します。検察官送致後に刑事裁判で有罪が確定した場合を除き、少年審判の場合はいずれの処分も前科になりません

少年審判の処分・決定の種類

  • 不処分決定
  • 保護処分
    (保護観察決定、少年院送致決定、児童自立支援施設等送致決定)
  • 検察官送致決定(逆送)
  • 知事又は児童相談所長送致決定
  • 試験観察(中間処分)

不処分

不処分決定とは、保護処分に付さない旨の決定のことです(少年法23条2項)。

家庭裁判所における調査の結果、保護処分に付することができない場合や、保護処分に付する必要が無い場合に不処分決定が出されます。

不処分決定になる場合の例

  • 非行事実が認められない場合
  • 少年が更生し、要保護性がなくなった場合
  • 試験観察中の少年の態度から、保護処分を行う必要がなくなった場合 など

不処分決定が出された場合、少年審判の決定が告知された日に、そのまま家に帰ることができます。

保護観察

保護観察とは、社会の中で生活しながら、保護観察官や保護司が定期的な面接指導等を行う処分です(少年法24条1項1号)。保護観察処分決定が出された場合も、少年審判の決定の告知があった日に家に帰れます

保護観察になると、審判後に保護観察官と面接して保護観察中に守るべき遵守事項等の説明を受けます。その後、少年は社会生活を送りながら保護司のもとに定期的に面談に行きます。

もし保護観察中に遵守事項を守らず、保護観察所長の警告を受けたにもかかわらず、なお遵守事項を守らなかった場合、その程度が重く、その保護処分によっては本人の改善更生を図ることができないときは、児童自立支援施設等送致または少年院送致となる可能性があります(少年法26条の4第1項)。

少年院送致

少年院送致とは、少年を少年院に収容し、矯正教育や必要な措置を受けさせる処分のことです(少年法24条1項3号)。

社会の中では更生が難しいと判断された場合、少年院送致決定が下されます。

少年院送致決定が出された場合は、審判から数日以内に少年院に収容されることになります

少年院に送致される基準や少年院に収容された後の生活についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

児童自立支援施設等送致

少年が幼い場合、児童自立支援施設等に送致するという決定がされることがあります。

児童自立支援施設等送致とは、児童福祉法に基づいて、比較的開放的な施設に入所させ、生活指導を受けさせる処分のことです。

知事又は児童相談所長送致

知事又は児童相談所長送致決定とは、家庭裁判所が、少年事件を都道府県知事または児童相談所長に送致する決定のことです(少年法18条)。

18歳未満の少年について児童福祉法上の措置が相当と判断された場合に決定が出されます。

検察官送致(逆送)

検察官送致とは、家庭裁判所から検察官に事件を送致する決定のことです(少年法20条)。逆送(ぎゃくそう)」と呼ばれることもあります。

逆送になる少年事件の例

  • 少年が「死刑、拘禁刑」に当たる罪を犯した場合
  • 16歳以上20歳未満の少年が「故意の犯罪行為」により人を「死亡」させた場合
    例)殺人罪、傷害致死罪
  • 18歳以上20歳未満の者(特定少年)が「死刑、無期、短期1年以上の拘禁刑」に当たる罪を犯した場合
    例)現住建造物放火罪、不同意性交等罪、強盗罪
  • 審判結果が出る前に、少年が20歳になった場合

*¹ 調査の結果、罪質・情状に照らし刑事処分が相当と認められるときに逆送になる。
*² 調査の結果、犯行の動機・態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状、環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、逆送されないこともある。

家庭裁判所が保護処分ではなく「刑事処分が相当である」と判断したときに検察官送致決定が出されます。

刑事処分相当を理由とする逆送の場合、原則として起訴され、裁判で有罪判決が確定すると刑罰を受けたり前科がついたりします。

試験観察

試験観察とは、最終的な処分を決定するために、一定期間、少年の生活や行動を観察するものです。

保護観察か少年院送致か決めかねる場合などに付されることがあります。

試験観察には、在宅試験観察と身柄付き補導委託があります。試験観察中は、少年は家庭裁判所調査官と面接をしたり、社会活動に参加したりします。

逆送後の刑事裁判の流れ

検察官送致(逆送)が決定した後は、成人の刑事事件とほぼ同様の流れで手続きが進みます。

逆送後の流れ

内容期間の目安
①検察官による捜査・起訴判断逆送を受けた検察官が改めて捜査、起訴するかどうかを判断逆送後おおむね1か月以内
②起訴・公判起訴されると刑事裁判が開かれる起訴後1~3か月程度
③判決裁判官が有罪・無罪および量刑を言い渡す公判終了後
④刑の執行有罪が確定した場合、拘禁刑などの刑罰が執行される判決確定後

逆送後に起訴された少年には、原則として不定期刑が言い渡されます。不定期刑とは、刑期の上限と下限を決めて言い渡す刑のことで、少年の改善更生の状況に応じて釈放のタイミングが決まります(少年法52条)。

ただし、犯行時に18歳以上だった特定少年が逆送された場合は、不定期刑ではなく成人と同様の定期刑が言い渡されます(少年法67条)。

逆送後に有罪判決が確定した場合は前科がつきます。少年審判の保護処分とは異なり、前科は将来的に様々な不利益をもたらす可能性があります

そのため、逆送が見込まれる事案では早期に弁護士へ相談することが特に重要です。

少年事件とは?

少年事件とは20歳未満の者が起こした刑事事件のこと

少年事件とは、20歳に満たない少年が加害者となって起こした刑事事件のことを指します。

少年が事件の加害者となった場合、基本的には家庭裁判所へ送致されて少年審判を受けることになります。

ただし、重大事件を起こした場合には、検察官送致(逆送)されて通常の刑事裁判を受けることがあります。

なお、14歳に満たない者の行為は刑事罰に処されることはないため(刑法41条)、加害者が14歳未満の少年事件の場合は刑事裁判が行われることはありません。

少年の種類(犯罪少年・触法少年・ぐ犯少年)

「少年」は年齢や状況により次の3種類に分けられます(少年法3条1項)。

(1)犯罪少年

犯罪少年とは、14歳以上20歳未満の者で、罪を犯した者のことをいいます。犯罪少年は逮捕される可能性があります。

逮捕の要件では、主に逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかどうかが問題になります。

悪質な犯行、組織的な犯罪などは逮捕されやすい傾向があります。

逮捕されやすい少年事件の例

なお、犯罪少年のうち、18歳・19歳の者は「特定少年」と呼ばれ、17歳以下の少年とは異なる特例の適用があります。

(2)触法少年

触法少年とは、14歳未満の者で、刑罰法令に触れる行為をした未成年者のことをいいます。

触法少年は、逮捕されませんが、家庭裁判所の審判を受ける可能性はあります。

(3)ぐ犯少年

ぐ犯少年とは、18歳未満の者で、以下に掲げる事由に該当し、性格または環境に照らして、将来的に罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある未成年者のことをいいます。

ぐ犯事由(少年法3条1項3号)

  • 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
  • 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと
  • 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること
  • 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

特定少年(18歳・19歳)とは

特定少年とは、18歳・19歳の少年のことを指します(少年法62条)。2022年4月の少年法改正により新たに設けられた区分です。

民法上は成人として扱われる一方、少年法上は引き続き「少年」として保護の対象となりますが、17歳以下の少年と比べると、いくつかの特例が適用されます。

特定少年に適用される主な特例

項目17歳以下の少年特定少年(18歳・19歳)
ぐ犯規定適用あり適用なし
逆送の範囲限定的拡大(短期1年以上の罪も原則逆送)
実名報道禁止起訴後は一部解除の可能性あり
保護処分の種類3種類3種類(内容が異なる

ぐ犯規定の適用除外

17歳以下の少年には適用されるぐ犯(将来罪を犯すおそれ)による審判手続きが、特定少年には適用されません

逆送(検察官送致)の範囲が拡大

17歳以下の少年と比べ、逆送される可能性がある事件の範囲が広くなっています。

死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑にあたる罪を犯した場合は、原則として逆送されます。

起訴後は実名報道される可能性がある

17歳以下の少年は起訴後も氏名・顔写真などの報道については禁止されていますが、特定少年が逆送されて起訴された場合は、推知報道禁止の特例が一部解除され、実名・顔写真などが報道される可能性があります(少年法68条)。

保護処分の内容が異なる

特定少年に対する保護処分は、6か月の保護観察、2年の保護観察、少年院送致の3種類に限定されています(少年法64条)。

少年事件と成人の刑事事件の違い

少年事件の最も大きな特徴は、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送られる点です。これを「全件送致主義」といいます(少年法41、42条)。

これに対し、成人の刑事事件では、裁判所が関与せず事件が終わることも珍しくありません。事件が捜査されても、微罪処分や不起訴となれば刑事裁判にならず検察段階で事件が終了します。

一方、少年事件では、微罪処分も不起訴もありません。少年の再非行を防止するためには、専門的調査が可能な家庭裁判所にすべて送致させ、その調査と処遇に委ねるのが適当とされるためです。

少年事件と成人の事件の違い

少年事件成人の事件
裁判所原則全ての事件が家裁に送致される関与のない場合もある
微罪処分なしあり
不起訴なしあり

少年事件を弁護士に依頼するメリット

少年事件で弁護士に依頼する主なメリット

弁護士は少年事件において、弁護人ではなく「付添人」と呼ばれます。弁護士は付添人として法的な側面だけでなく、精神的にも少年をしっかりサポートします。

ここでは、弁護士に少年事件の弁護を依頼するメリットを解説します。

非行を繰り返さないための環境調整を行う

少年事件における弁護士の重要な役割の1つが、少年の「環境調整」です。

環境調整とは、少年が非行を繰り返さないよう少年自身と周囲の環境を改善することをいいます。環境調整がうまく進めば、審判不開始や不処分につながります。

最も大切なのは、少年が非行に至った真の原因に向き合うことです

弁護士は家裁送致後、できるだけ早期に家庭裁判所調査官と面談し、少年の成育歴等の情報を集め、問題点を把握します。そのうえで、少年が非行の真の原因に気付けるよう、見守り、共に考えながらサポートします。

また弁護士は、保護者とも面会を重ねます。少年を今後どのように監督していけばよいかわからないという保護者の方も、弁護士と一緒に具体的な監督の方法を考えましょう。

これらの活動を通じ再非行の見込みがなくなれば、弁護士が意見書にまとめ裁判所に提出します。そのうえで、裁判官や家庭裁判所調査官と面談し、少年の更生の意欲が伝わるよう直接説明します。

逮捕・勾留・観護措置の回避が期待できる

逮捕・勾留や観護措置によって身体拘束された少年はとても動揺します。弁護士は少年の負担を少しでも軽くするため、身体拘束の回避に向けて活動します

まず、逮捕を避けるために早期の示談成立を目指します。被害者が加害者を許すという宥恕文言付きの示談が成立すれば、逮捕を回避できる可能性が高くなります。

逮捕されてしまった場合は、勾留の回避に向けて全力を尽くします。示談書に加え、保護者の身元引受書や雇用主の陳述書なども添付して、勾留しないよう求める意見書を検察官や裁判官に提出します。

また、観護措置を防ぐために、意見書や身元引受書等を提出します。事案によっては、専門治療機関での治療計画を提出し社会内で更生する環境が整っていることを主張します。

観護措置をとられると学校生活や仕事上で少年が大きな不利益を被ることも具体的に説明します。

退学や解雇を阻止して少年の居場所を守る

学校や職場は少年にとって大切な居場所です。弁護士は、少年の居場所を守るため、退学や解雇を阻止する活動を行います。具体的には、捜査機関や裁判所から事件のことを学校や職場に伝えないよう要請します。

また、退学や解雇が見込まれる場合、少年が更生に向けて努力していることを説明します。そして、少年の更生のためには学校や職場等の居場所がいかに重要か説明し、退学や解雇をされないよう説得します。

被害者のいる事件で示談交渉を行う

盗撮痴漢詐欺など、未成年が被害者のいる犯罪を起こしてしまうことは珍しくありません。こうした場合、被害者との間で示談交渉を行うことが重要となります。

少年事件の場合、示談が成立したからといって再非行のおそれがなくなったと直ちに評価されるわけではありません。

しかし、示談に向けた謝罪文の作成等を通じ、少年が事件に向き合うことは大きな意味を持ちます。

弁護士は、示談が成立した場合、その結果だけを報告するのではなく、示談を通じ少年がどのように反省を深めたか検察官や裁判官に伝わるよう工夫します。

その結果として、処分の軽減につながることは十分に期待できます。

少年審判で少年や保護者をサポート

弁護士は少年審判で付添人として活動します。審判当日は、緊張している少年に寄り添い、更生に向けた努力が裁判官に伝わるよう、付添人独自の視点で質問していきます。

また、少年事件では保護者の役割も非常に重要です。保護者が少年の更生を本気で支える覚悟があるかどうか、裁判官は注目しています。

付添人は審判前から保護者と面談を重ね、少年が非行に至った背景を共有しながら、今後の具体的な監督方針を一緒に整理します。

審判当日は、保護者がこうした具体的な監督計画を裁判官に伝えられるよう、事前に発言内容を準備するサポートも行います

少年事件の流れに関するよくある質問

Q.中学生が被害届出されたらどうなる?

中学生が加害者とされる場合、その対応は一般の刑事事件とは異なり、「少年事件」として特別の手続きで扱われます。

基本的には警察が事実関係を確認し、必要に応じて事情聴取を行います。

中学生でも、14歳以上であれば逮捕される可能性があります。一方、14歳未満の少年は逮捕されませんが、警察による調査や児童相談所への通告など、福祉的な視点からの対応が取られます。

中学生・高校生が被害届を出された場合の影響に関して詳しく知りたい方は『中学生・高校生の子どもが被害届を出されたら?親が知っておくべき対応と注意点』をご覧ください。

Q.警察の少年課から呼び出しをされたら?

警察の少年課から呼び出しを受けた場合、まずは指定された日時に警察署へ出向く必要があります。

少年課では、事件やトラブルの内容について確認するため、少年本人への事情聴取が行われます。

多くの場合、保護者の同行が求められます。ただし、事案の性質によっては、少年が一人で話を聞かれることもあります。

呼び出しを受けたからといって、直ちに逮捕されるわけではありません

あくまで事実を確かめるための手続きであり、少年本人の状況や反省の程度、家庭環境などを踏まえて今後の対応が検討されます。

警察の少年課から呼び出しを受けたときに知っておきたい情報については『警察の少年課から呼び出し?保護者が知っておきたい対応と子どもの権利』をご覧ください。

Q.少年事件を起こしたら家庭裁判所から学校に連絡される?

基本的には、警察から学校に連絡が入ると考えておきましょう。

「児童生徒の健全育成に関する学校と警察との相互連絡制度」があり、ほとんどの学校がこれを活用しているからです。

家庭裁判所の対応や学校に知られて退学を防ぐためにするべきことについて詳しく知りたい方は『家庭裁判所から学校に連絡は入る?少年事件の逮捕後の流れを解説』の記事をご覧ください。

少年事件の今後の流れが心配な保護者の方へ

少年事件でお困りの方は早期に弁護士へ相談を

この記事を読んでくださっている方の中には、大切なお子様が逮捕されてしまい不安でたまらないという方もいらっしゃると思います。手続きが進む中で、保護者の方ができることはたくさんあります。

まず、逮捕直後であれば、弁護士(付添人)に接見を依頼しましょう。逮捕直後の面会が禁止されている期間でも、弁護士なら本人と会い、弁護士を通じて保護者からのアドバイスや励ましを伝えられます。

逮捕されなかった場合でも、少年の更生に向けて、「親として今後どう監督していくか」「家庭環境をどう改善するか」を具体的に伝える準備を考えていきましょう。

少年事件では、保護者の方もお子様と共に事件に向き合うことが更生にとって不可欠です。決して容易ではありませんが、弁護士がしっかりとサポートいたします。一人で悩まず、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士の口コミ・アトムを選んだお客様の声

刑事事件・少年事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。

アトム法律事務所が過去に解決した、お客様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。

先生に相談したおかげで日々の不安もなくなりました。

ご依頼者からのお手紙(先生に相談したおかげで日々の不安もなくなりました。)

(抜粋)先生この度はありがとうございました。分からないことだらけで、不安だけがつのる毎日だったのでお会いして今後のことをご相談させていただいたことで不安がなくなりました。もっと早く相談しておけばよかったと思うこともありますが、今回のことを教訓として、今後の生活を送っていこうと思います。

とても親切な対応で、気持ちが助かりました。

ご依頼者からのお手紙(とても親切な対応で、気持ちが助かりました。)

(抜粋)本当に今回の事を最後にし、ちゃんとした立派な大人になりたいと思います。はまて先生には本当にお世話になりました。ありがとうございました。これからは親にめいわくをかけず先生にも、もうお願いしなくて良いような人間になります。いつお電話してもすごく親切な対応をしてもらい本当に気持ち的にも助かりました

刑事事件はスピーディーな対応が非常に重要です。早期の段階でご相談いただければ、あらゆる対策に時間を費やすことができます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了